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年度決算から見る2023年の韓国大手ゲームメーカーと,2024年の展望
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印刷2024/03/12 09:00

業界動向

年度決算から見る2023年の韓国大手ゲームメーカーと,2024年の展望

下記の記事は,GAMEVU(→リンク)に掲載された記事を,許可を得て翻訳したものです。可能な限りオリジナルのまま翻訳することに注力していますが,一部,画面写真などを変更したり,文化的な背景などで理解されづらいものについては日本向けに表現を変えたりしている箇所があります。(→元記事

 上場している韓国大手ゲーム企業の,2023年度(2023年1月〜12月)決算が一通り発表された。COVID-19から数年,パンデミックの余波が収まるにつれて,ゲーム業界の売上は全体的に減少している雰囲気が感じ取れるが,実績数字を見ても明暗が分かれている。

※編注:NewZooの「2023 Global Games Market Report」市場によると,グローバルゲーム規模は2019〜2021年の成長に,2022は下がり,2023年はYoY+0.6%と横ばいとなっている。
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「2023 Global Games Market Report ―Free Version―」(Newzoo)


 新作とライブサービスで成果を見せたNexonやKRAFTON,Gravity,NEOWIZなどの企業実績が大幅に増加し,過去最高の年間売り上げを記録した一方,ヒット作を出せず苦戦が続いている企業もいた。

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※記事内の表記は2024年3月8日時点のレート,1円=8.96ウォンで計算している


Nexon(ネクソン)


 2023年に,もっともいい業績でゲーム会社の頂点に立ったのはNexonだ。売上高が3兆9329億ウォン(約4389億円)で前年比+20%となり,歴代最高の売り上げを記録した。年間売り上げが4兆ウォンを突破する最初の韓国ゲーム会社になるのではと期待を集めたが,残念ながら今年はわずかに届かず,その席はまだ空白のままだ。営業利益は1兆2516億ウォン(約1397億円)で前年より30%増加したが,当期純利益は前年比30%減の6558億ウォン(約732億円)となった。

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 ネクソンは本日,2023年12月期第4四半期および通期の連結業績を発表した。2023年12月期累計期間の売上収益は4233億5600万円(前年同期比19.7%増)で,過去最高を達成した。なお第4四半期の日本での業績は予想レンジ内で着地したとのことだが,売上収益は前年同期比で3%増加となっている。

[2024/02/08 20:37]

2024年1月に,世界販売本数は300万本突破と発表した「デイヴ・ザ・ダイバー」
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 2023年のNexonの好調は,主にPCゲームによるものだ。プラットフォーム別の売り上げで見ると,PCオンラインゲームが72%,モバイルゲームは28%だった。
 PCオンラインゲームのうち,Nexonが韓国でサービスしている「EA SPORTS™ FC ONLINE」と,衰えない人気を誇る「アラド戦記」(Dungeon&Fighter)「メイプルストーリー」などの既存ゲームが安定的な数字を確保しつつ,「プラシア戦記」(WARS OF PRASIA)「デイヴ・ザ・ダイバー」「THE FINALS」などの新作ゲームが良い成績を見せた。
 モバイルゲームでは,「ブルーアーカイブ」や「EA SPORTS FC MOBILE」,「メイプルストーリーM」などのゲームが売り上げを支えた。

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 2024年も様々な新作をローンチして,初の4兆ウォン突破に改めて挑戦するのだろう。新作ルートシューター「The First Descendant」がこの夏に発売されるほか,マビノギをスマートフォン用に再解釈したMMORPG「マビノギモバイル」,「アラド戦記」の世界観をベースとしたハードコアなアクションRPG「The First Berserker:Khazan」,「デイヴ・ザ・ダイバー」で知られるMINTROCKETのステルスサバイバル「NAKWON:LAST PARADISE」,同じくMINTROCKETが手がけるチーム対戦アクション「ウェイクランナー」などの新作も,今年中に発売される予定だ。さらに,2月にようやく中国の版号を取得した「アラド戦記モバイル」がリリースされれば,実績はさらに上昇する見通しだ。

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※中国では一度2022年8月に「アラド戦記モバイル」をリリース発表されたが,未成年者のゲーム依存防止への対応で延期を余儀なくされた
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 NEXON Gamesが開発中のオンラインTPSアクションRPG「The First Descendant」のクロスプレイ・オープンβテストが2023年9月19日から開催される。今回,そのクロスプレイ・オープンβテストに先駆けて,メディア・クリエイター向けの先行プレイを行うことができたのでその内容を紹介したい。

[2023/09/14 22:00]


Netmarble(ネットマーブル)


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 Netmarbleは売上高2兆5014億ウォン(約2792億円)を記録し,前年に引き続いて売上高2位の座を守った。「MARVEL CONTEST OF CHAMPIONS(MARVEL オールスターバトル)」などの既存ゲームに加え,9月に発売した新作「セブンナイツ ポケット」による貢献が大きい。注目すべきなのは海外売上高が2兆780億ウォン(約2319億円)あることで,全体売り上げの83%は海外から叩き出している。

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 しかし,会社全体の売り上げは前年比でー6.4%となっている。営業損失696億ウォン(約77億円)と当期純損失3113億ウォン(約347億円)で赤字規模を縮小しているものの,黒字転換はできなかった。

 4月に,韓国および台湾,香港,マカオで配信予定のMMORPG「Arthdal Chronicles:Three Factions」を皮切りに,アクションRPG「俺だけレベルアップな件:ARISE」,MMORPG「レイヴン2(RAVEN2)」,戦略RPG「King Arthur:Legends Rise」などの新作発売を控え,「二ノ国:Cross Worlds」も中国リリースされたばかりだ。2024年上半期には計5タイトルのローンチが確実なほか,「七つの大罪 Origin」をはじめとする新作も,今期の実績改善の一環となるのだろう。

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KRAFTON


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 KRAFTONの売上高は1兆9106億ウォン(約2132億円)で,YoY+3.1%。創業以来最大の年間売り上げで,上場企業の3位となった。営業利益は前年比2.2%増の7680億ウォン(約857億円),当期純利益は前年比18.8%増の5941億ウォン(約663億円)を記録した。営業利益と当期純利益は,Nexonに次いで2位の規模だ。

 そしてこの数字は,新作によるものではなくて「PUBG:BATTLEGROUNDS」のIPで達成したものであることもまた注目だ。特にモバイル版は,1兆2448億ウォン(約1389億円)の売り上げを記録した。また,2023年5月からサービスを再開した「BATTLEGROUNDS MOBILE INDIA」も,さらに売り上げを後押しした。PCプラットフォームの売上も前年比で25.6%増加し,実績を伸ばしている。

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India lifts ban on Krafton's mobile game BGMI(Reuters)


 今期は新作5タイトルをローンチして,2兆ウォン(約2232億円)の売上を突破する見通しだ。ダンジョンサバイバル脱出ゲーム「Dark and Darker Mobile」とライフシミュレーション「inZOI」,オーストラリア産のインディーゲームをモバイル化した「Dinkum Mobile」,シューティングゲーム「Project Black Budget」,海洋アドベンチャーゲーム「Subnautica2」などが予定されている。さらに,2nd Party Publishingを通じて様々なゲームを公開し,「PUBG:BATTLEGROUNDS」のIPをさらに充実させていく計画だ。

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KRAFTON、2024年に『Dark and Darker Mobile』と『inZOI』を発売し事業のスケールアップを開始(PRTIMES)


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KRAFTON,「PUBG」の人気によって2023年の売上高が過去最高となる1兆9106億ウォンを達成。2024年から毎年新作をリリースする方針も発表

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 KRAFTONは本日,2023年の年間および第4四半期実績に関する決算説明会を実施した。2023年の売上高は過去最高となる1兆9106億ウォンを記録。「PUBG」の売上が前年比37%増を達成したことや,インドでサービスを再開した「BATTLEGROUNDS MOBILE INDIA」の急回復が好決算につながった。

[2024/02/08 18:26]


NCSOFT


 NCSOFTの2023年の売上高は,1兆7798億ウォン(約1986億円)で,YoY‐31%。ついにKRAFTONに追い越され,昨年の3位から一つ順位を下げた。営業利益は,前年比75%減の1373億ウォン(約153億円),当期純利益が前年比51%減の2139億ウォン(約239億円)で,実績が大きく縮小した。
 サービス中の「リネージュ」シリーズ,特にモバイルでの売り上げ減少が今回のマイナスに繋がった。さらに,韓国でサービスインした新作「THRONE AND LIBERTY」の売り上げが期待に届かず,縮小要因の一つとなった。

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 2024年のNCSOFTは,上半期に「ブレイドアンドソウル」の世界観をベースにしたRPG「Project BSS」,対戦型アクションゲーム「バトルクラッシュ」の2タイトルに加え,コンテンツ改善と最適化作業を経た「THRONE AND LIBERTY」をグローバル市場へと投入する予定だ。

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Kakao Games


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 Kakao Gamesの売上高は1兆241億ウォン(約1143億円)で,3年連続1兆ウォン台をキープしている。2023年は,「ARES:RISE OF GUARDIANS」をはじめとする3タイトルをローンチしたが,売り上げは前年比10.8%減,営業利益も前年比57.7%減の745億ウォン(約83億円)という結果となった。当期純損失は3295億ウォン(約368億円)で,赤字が続いている。

 2024年のKakao Gamesは,韓国国内およびグローバル市場で10作品をサービスする予定だ。すでに韓国にリリース済の作品のうち,「エバーソウル」は日本に,「ArcheAge WAR」は日本,中国語圏,東南アジアなどを含む9地域に,「オーディン:ヴァルハラ・ライジング」は北米・欧州地域などに広げる。

※「オーディン:ヴァルハラ・ライジング」は2023年6月15日に日本でサービス開始されている
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リネージュの父Jake Song氏が手がけるMMORPG「ArcheAge WAR」,2024年第2四半期に日本,台湾など9地域で同時サービス開始予定

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 Kakao Gamesは2024年1月19日,リネージュの父Jake Song氏が率いるXLGAMESが開発中のPC/スマホ向けMMORPG「ArcheAge WAR」について,今年の第2四半期中に,日本,中国語圏,東南アジアなどを含む9地域で,同時にサービスを開始する予定であることを明らかにした。

[2024/01/22 11:01]

 そして新作として,ローグライクカジュアル「Project V(仮題)」,マルチプラットフォームのMMORPG「ROM:Remember Of Majesty」,アクションRPG「Goddess Order」,サブカルチャー育成シミュレーション「Project C(仮題)」,SRPG「ロスト アイドロン」,ハックアンドスラッシュ「Path of Exile 2」,ツインスティックシューティングゲーム「Blackout Protocol」などをローンチ予定だ。それ以外も順次,ブロックチェーンゲームをグローバルリリースしていくようだ。

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グラビティ


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 グラビティの売り上げは,YoY+56.6%の7260億ウォン(約810億円)。営業利益は前年比52.8%増の1600億ウォン(約179億円)を達成し,8年連続で年間売り上げ刷新するという成長を見せている。営業利益では,韓国上場ゲーム企業の中で3番目の規模だ。「ラグナロクオリジン」による東南アジアの成功をはじめ,「ラグナロク オンライン」のIPパワーを前面に押し出した成果として,第3四半期だけで,2022年一年間の売り上げ実績を超えた。

 2024年のグラビティは「ラグナロク」だけではなく,様々なIPとプラットフォームを前面に打ち出すことになるだろう。2D×シネマティックリアル科学捜査シミュレーションゲーム「東京サイコデミック〜公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿〜」と「神箱 KAMiBAKO - Mythology of Cube -」をはじめ,様々なジャンルのインディタイトルをグローバル市場向けにローンチする予定だ。さらに,「ラグナロクオリジン」と「Ragnarok X:Next Generation」の中国リリースも控え,それによってさらに実績が積まれる可能性もある。

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Wemade


 Wemadeも,最高年間売り上げを叩き出した。前年比31%増の6071億ウォン(約678億円)で着地した売り上げは,MMORPG「NIGHT CROWS」の興行に加え,「ミルの伝説2」のIPライセンス契約による収入が加わったのが大きい。しかし,営業損失は1125億ウォン(約126億円),当期純損失は2096億ウォン(約234億円)で,依然赤字は続いた。

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 しかし,来たる3月12日には「NIGHT CROWS」にブロックチェーンエコノミーを加えたグローバル版を発売し,新作野球ゲーム「Fantastic Baseball:Ultimate Showdown」もグローバル市場で発売される。ほかにも,MMORPG「Legend of YMIR」は第3四半期に,「MIR4」と「MIR M:Vanguard&Vagabond」も中国で発売予定だ。仮想通貨「WEMIX」とブロックチェーンゲームプラットフォーム「WEMIX PLAY」の事業拡大も順調に進んでいる。

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 Wemadeは本日,新作MMORPG「NIGHT CROWS」グローバル版を3月12日にリリースすると発表した。グローバル版は日本を含む170か国向けにサービスされ,3月11日に事前ダウンロードを開始する予定だ。本作は,2023年4月に韓国でサービスを開始したタイトルとなる。

[2024/02/15 13:10]


NHN


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 NHNをゲーム部門だけで見ると,運営中のウェブボードゲームと日本でサービス中の「#コンパス ライブアリーナ」,そして新作「ウパルオデッセイ」(Wooparoo Odyssey)と,新作こそ少なかったが,前年比1.9%増の4462億ウォン(約498億円)の売り上げを記録した。

 今年は「ウパルオデッセイ」のグローバル発売と,ゾンビアポカリプス「DARKEST DAYS」,サブカルチャー収集型RPG「ステラファンタジー」,ソーシャルカジノゲーム「Pebble City」,IPベースのRPG「Project G」,パズルゲーム「Hidden Witch(仮称)」などの新作ゲームをローンチし,ゲーム部門単体で5000億ウォン(約558億円)の売り上げに挑戦するようだ。

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 連載「NFTゲームの世界」第3回は,韓国のRing Gamesが2023年4月13日にリリースした「ステラファンタジー」を取り扱う。アニメ調の美麗なグラフィックスが特徴のPC向け3DアクションRPGとなっており,“ツンデレ魔法師”ことリネットなど3名の美少女とファンタジー世界を冒険できる。

[2023/04/22 11:00]

「DARKEST DAYS」公式サイト



NEOWIZ


 NEOWIZは,新作が功を奏して業績が大幅に増加した。売上高は前年比24.1%増の3656億ウォン(約408億円)で,営業利益は前年比62%増の317億ウォン(約35億円)。当期純利益は,前年比252%増の465億ウォン(約52億円)を記録した。

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 このうち,PC/コンソールゲームの売上高は1707億ウォン(約191億円)で,YoY+35.1%の大きな成長が見える。グローバル市場でヒットしたソウルライクゲーム「Lies of P」と,「SANABI」によるものだろう。また,モバイルゲームの売上高は,新作「ブラウンダスト2」のリリースにより,前年比21.9%増の1547億ウォン(約173億円)を記録した。

 2024年の新作は,1月に日本で発売した「金色のガッシュベル!! 永遠の絆の仲間たち」をはじめ,ヒーリング放置型ゲーム「猫とスープ」IPベースのゲームがある。また,収集型RPG「英雄伝説 ガガーブトリロジー」も,今年発売される予定だ。ほかにも「Lies of P」DLCの発売と「猫とスープ」の中国発売を控え,前年実績を上回る可能性は非常に高い。

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Webzen


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 Webzenは今年、新作サブカルチャーRPG「Terbis(テルビス)」を筆頭に、モバイル3D収集型RPG「Project N」、PC MMORPGG「Project G」、パズルベースのカジュアル分隊戦闘ゲーム「Project Propolis」などの自社開発作品を披露する。 また、HOUND13のアクションRPG「Project D」をはじめ、戦略RPG「REMORE: INFESTED KINGDOM」、童話風MMORPG「Project S」などのパブリッシング作品も披露する。このように「MU」以外の様々なジャンルのゲームを披露し、実績回復を目指す。

 Webzenの売上高は,YoY-18.9%の1962億ウォン(約219億円)で,営業利益は前年比39.8%減の499億ウォン(約56億円)。当期純利益は,20.5%減の575億ウォン(約64億円)という結果になった。2023年上半期に新作の発売がなく,下半期は日本の作品である「ラグナドール」と「陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン」,代表IPである「MU」ベースの新作「MU Monarch」をローンチしたことで,さらなる業績低下を防いだ。

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 2024年のWebzenは,新作サブカルチャーRPG「Terbis(テルビス)」を筆頭に,モバイル3D収集型RPG「Project N」,PC MMORPG「Project G」,パズルベースのカジュアル分隊バトルゲーム「Project Propolis」などの自社開発タイトルを披露する予定だ。また,HOUND13のアクションRPG「Project D」をはじめ,戦略RPG「REMORE:INFESTED KINGDOM」,童話風MMORPG「Project S」などのパブリッシング作品もローンチして,「MU」以外の様々なジャンルのゲームによって実績回復を目指すようだ。

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Devsisters


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 新作がなかったDevsistersは,売り上げ1611億ウォン(約180億円)でYoY-24.9%,営業損失は480億ウォン(約54億円),当期純損失は490億ウォン(約55億円)という結果となり,赤字が続いている。

 しかし,2024年は順調なスタートを切ったようだ。2023年12月末に中国で発売した「クッキーラン: キングダム」の調子がよく,第1四半期の「Cookie Run:Witch's Castle」,第2四半期「Cookie Run:Tower of Adventures」,下半期「Cookie Run:OvenSmash」など「クッキーラン」をベースにしたシリーズ新作を立て続けに市場に出すことによって収益性を強化し,赤字を断ち切る方針だ。

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JOYCITY


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 JOYCITYの売上高は前年比8%減の1501億ウォン(約168億円)だが,営業利益は247%増の257億ウォン(約29億円),当期純利益は207%増の98億ウォン(約11億円)を記録した。モバイルゲーム「THE KING OF FIGHTERS:SURVIVAL CITY」の売り上げこそ予想に達しなかったが,より効率的な広告運用で,利益を増やしている。

 2024年は,より積極的に新作をローンチすることで成長を目指している。親会社であるNDREAMの戦略シミュレーションゲーム「Dragon Empire」を1月にグローバルリリースしたのを皮切りに,Disney&PixarのIPをベースにしたハイブリッド戦略ゲーム「Disney Realm Breakers」,ブロックチェーンゲーム「FreeStyle Football 2」を発表する予定だ。

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Com2uS Holdings


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 Com2uS Holdingsは,前年比22.5%増の1423億ウォン(約159億円)という売り上げを記録した。これは,2016年以降では最も高い数字だ。既存の野球ゲームと,「Zenonia」「光を継ぐ者:エクリプス」など,多くの新作ゲームの成果によるものだ。しかし,関係企業の投資利益が減少し,営業損失140億ウォン(約16億円),当期純損失165億ウォン(約18億円)となった。

※元GAMEVIL。2013年11月にモバイルゲーム会社「Com2uS」を合併買収し,2021年に「Com2uS Holdings」に社名変更をした。子会社のCom2uSともども上場している。

 今年1月に発売した新作放置型RPG「ソウルストライク」は良い成果を見せているので,2024年はいいスタートを切れたようだ。その後の予定として,グローバル向けに「ゼノニア(Zenonia)」を台湾と日本でサービス開始の予定。さらに,ブロックチェーンメインネットであるXPLAを中心としたゲームプラットフォーム事業も,継続的に推進する計画だ。

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Com2uS


「BTS Cooking On:TinyTAN Restaurant」(公式サイト
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 最後はCom2uS Holdings子会社のCom2uS,売上高は前年比7.7%増の7722億ウォン(約862億円)を記録し,年間売り上げ額の数字を更新した。主力のRPGジャンル「サマナーズウォー」を筆頭に,野球を始めとするスポーツジャンルを加えて売り上げ増に貢献した。営業損失は393億ウォン(約44億円)で赤字こそ続いたが,当期純利益は44億ウォン(約5億円)で黒字転換した。

 Com2uSは,今年上半期にサブカルチャーRPG「STARSEED:ASNIA TRIGGER」とクッキングシミュレーションゲーム「BTS Cooking On:TinyTAN Restaurant」を,下半期にはサバイバル建設経営シミュレーションゲーム「Frostpunk:Beyond the Ice」をローンチして,今年度の成長を目指すと思われる。


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 Com2uSは本日(2023年11月13日),スマホアプリ版「Frostpunk(フロストパンク)」グローバルサービス権を獲得したことを発表した。本作は,「This War of Mine」の開発元である11 Bit StudiosとNetEase Gamesが共同開発する“社会派サバイバルゲーム”。名称は「フロストパンク:Beyond the Ice」になる。

[2023/11/13 16:19]


まとめ


 ここまで見てきたように,韓国の主要なゲーム上場企業の2024年度は,前年よりも多くの新作発売する予定になっている。実績改善のためには新作の売り上げは何より重要で,そのためパブリッシング権やIP確保などの動きを一様に見せている。

 そして売り上げを確保する一方で,拡張しすぎた事業部門を縮小し,本来のメリットを最大化しようとする動きも見られる。さらに株主をなだめるため,損失を出してでも現金配当を推進している。これらによって実績不振という暗いトンネルを抜け出そうとしているわけで,それぞれが目標とする成果を達成できるのかどうかが注目される。 (著者:パク・サンボムザン・ヨングォン

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