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昨年(2017年)の同社イベントの取材の際にも紹介したとおり,「A Plague Tale: Innocence」の舞台となるのは1349年のフランスだ。アジアからもたらされた黒死病(ペスト)が蔓延し,ヨーロッパでは人口の3割もの死者が出るという歴史的なパンデミックが猛威をふるっていた。1337年にはフランスの王位継承問題からイギリスの介入を招き,百年戦争が勃発。焦土作戦によって農地が荒らされたフランスは,国の存在そのものが危機にさらされていた。
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主人公のアミシアとヒューゴは,黒死病と戦禍によって両親を失った孤児の兄弟で,具体的には明らかにされていないものの,何らかの理由で異端審問官に追われている。
基本的にはプレイヤーはアミシアとしてゲームを進めていくが,ときにはヒューゴを操作することもあり,システムとしては「Brothers: A Tale of Two Sons」や「The Last of Us」のように,お互いが協力して問題を解決していくものであると考えれば分かりやすい。
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今回のイベントで新たに見られたデモは,昨年初公開されたときのような街中をではなく,背景はいかにも平和そうな田舎で,アミシアとヒューゴのほか,新たにルカスという少年が加わっていた。アミシア達と同じく孤児のようだが,ヒューゴが“エマキュラー”と呼ぶ錬金術師かドルイドのような人物に弟子入りしており,アミシア達をエマキュラーのもとに誘っている状況であるようだ。
ルカスは「ヒューゴの邪悪な血」について話しており,それが物語の重要な要素になっていると思われる。
ヒューゴは幼いため,そんな話はお構いなしに,いつものように自己中に動き,ローマ水道の遺跡に続く川沿いの野道を,カエルがどうしたこうしたのと笑いながら駆けていく。そして,「ボクは兵士でござーる」と言いながら拾い上げた盾には,なぜかイギリス王朝の紋章が描かれており,それなりに世情を知るアミシアは「そんなものは捨てなさい」と諭す。やがて,ローマ水道を超えて川を渡ると,目の前には無数のイギリス兵の死体が横たわっている。
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一画面に3000匹ものネズミが描かれることで知られる本作のグラフィックスだが,画面を覆い尽くす死体の数もかなりのもので,それらを肉をついばむカラスの数も1匹や2匹ではない。なぜ,ここで無数のイギリス人兵士が命を落としているのかは不明だが,最近,何かが起こったのは間違いない。
進んでいくには,この死体の山を越えなければならないのだが,アミシアに手を引かれたヒューゴは,「この人達,痛がっているのかなあ」と怖がる。そうこうするうちにあたりは暗くなり,馬の死骸が爆発するよう裂け,中に潜んでいたネズミがワラワラと飛び出してきたと思ったら,あっという間にネズミだらけの世界に戻ってしまった。
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本作の基本的なプレイは,キャラクターの周囲に群がって来るネズミを,松明やランタンなどの火で退け,歩けるだけのスペースを作りながら移動するというもので,敵に対しては,スリングショットで小石を頭にぶつけてノックアウトし,敵がヘルメットを装着している場合には,相手の松明やランタンに向けてショットを繰り出して火を消し,ネズミに襲わせる。
今回は,“Ignifer”という特殊アイテムを使用して松明に簡単に火をつけ,通路を確保するといったアクションも確認できた。また,木の枝にも火をつけられるが,こちらはすぐに消えてしまうため,使い方はあくまで緊急用といったところだ。
死体の山を越えた場所には,打ち捨てられた攻城兵器があり,ここでネズミを使って敵と戦いつつ,民家のある場所にやってきた。アミシアは敵とはいえ兵士の命を使ってネズミに対処することには躊躇があるようで,ヒューゴとルカスが隠れている間に,ステルスを活用して敵を迂回するといった要素も用意されている。ただ,姉と弟があまりも離れるとヒューゴが心配して騒ぎ出すため,相手に見つかる前に目的を達成しなければならないというタイムトライアル的なシステムも見られた。幼い弟の感情をどのようにコントロールしていくかも,本作を攻略するうえでの1つのカギになるようだ。
「A Plague Tale: Innocence」開発者インタビュー
〜過酷な時代に生きる純粋な子供達の物語
「Le What’s Next du Focus? 2018」では,Asobo Studioの設立メンバーの1人であり,チーフオペレーティングオフィサーを務めるダビッド・デデイン(David Dedeine)氏に話を聞く機会を得たので,その内容をお伝えしたい。まだ分からないことの多い「A Plague Tale: Innocence」だが,なんとなくその輪郭が掴めるだろう。
4Gamer:
昨年のデモは,ゲームの雰囲気を伝えるために作成したもので,製品版とは異なるということでしたが,今回のデモもそうですか。
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そうです。マップは存在していますが,デモの通りのミッションではありません。お見せしたのは,だいたいゲームを3分の1くらい進んだところで,この時点でアミシアとヒューゴは自分達が孤独であることを悟っており,大人を信じられなくなっています。また,それぞれのミッションには,今回登場したルカスのような孤児仲間がおり,アミシアとヒューゴの逃避行を手助けしてくれることになります。
4Gamer:
前回のデモでは母親の声が聞こえて,その声の元をヒューゴが探し回ったりしていましたが,そのこととはどういう関連があるのですか。
Dedeine氏:
アミシアとヒューゴにとって母親の存在は大きなものであるのは間違いないのですが,今回のデモに到達するまでにアミシアは,母親はすでにこの世にいないと信じています。まだ詳しくお話できませんが,もともとアミシアとヒューゴらは裕福な家に生まれたのですが,戦禍がひどくなるにつれ,住んでいたシャトー(城のような邸宅)から出ていかざるを得なくなる。そこからゲームが始まります。
4Gamer:
ルカスの会話に,「ヒューゴの中の邪悪な血」という言葉がありましたが,それは,両親から受け継がれたものなのですか。
Dedeine氏:
そここそがゲームストーリーの核心的な部分になってしまうので,遺伝的なものではなく,黒死病が蔓延し,戦争が始まってからヒューゴに何かが起きた,とだけお伝えしておきましょう。
4Gamer:
デモでは,敵キャラクターがイギリス兵だったようですが。
Dedeine氏:
ええ。デモの設定としては,イギリス軍が大敗して,武器など価値のあるものを置きざりにしている。そして,生き残った兵士達が,それらが盗まれないように警備しています。彼らにとってアミシアとヒューゴは特別な存在ではなく,盗賊ではないかと怪しんでいるだけなんです。
異端審問官の兵士が登場するのは,このあとのことです。異端審問官の勢力は,ネズミの大量発生の状況については良く理解していますから,アミシアが敵に対処する方法も,より複雑になっていくはずです。
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4Gamer:
地面の表現にしてもアミシアの衣装にしても,陰惨な世界でありながらも美しく感じました。独自開発のゲームエンジンが,独特の風合いを醸し出しているんですね。
Dedeine氏:
テクニカルアーティスト達がそれを聞くと喜ぶでしょう。リリースまでには時間的な余裕があるので,まだまだ改善できるとは思うのですが,今回のデモで言うと,カラスのアニメーションは未完成であるとはいえ,我々が企画段階で想定していたゲーム世界の雰囲気をしっかり表現できていると思います。
「A Plague Tale: Innocence」というタイトルからも分かると思いますが,我々は14世紀のフランスという過酷な時代と,子供の純粋さを対比させようとしています。ですから,「陰惨だけど美しい」というのは,まさに我々の求めるところなのです。
4Gamer:
デモの最後のカメラワークは,ドローンで撮影したような感じでしたが,それにしても,アミシア達を取り囲んでいたネズミの多いこと。
Dedeine氏:
あの場面はミッションの中ほどなのですが,閉塞感がうまく表現できているのではないかと思っています。ネズミの数を多く見せるためにさまざまなテクニックが活用されており,一部を目立つように動かしつつ,中には動いていないものとか途中で消えてしまうものとか2Dで表現されているものもあって,いろんな工夫をしているんですよ。
4Gamer:
陰惨な状況に置かれたヒューゴは,デモの中で大きな声を出していましたね。
Dedeine氏:
ええ。ヒューゴは,何かしらの条件でパニックを起こし,本来なら隠れていれば良いだけなのに,突然走り出したりしてしまうのです。そうなったら敵兵に捕まって,ゲームオーバーになる可能性が高いですね。ゲームデザインとしてヒューゴがパニックを起こす状況はいくつも作っていますが,どうすればヒューゴがパニックを起こさないか,走り出す前にうまく問題を解決できるのか,といったことも,ゲームを進めていくうえでプレイヤーが考えなけれなならないのです。
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4Gamer:
焚火が乗った荷車を押したり,ランタンを持った兵士の背後をこっそりとついていったりと,ネズミを回避する手段はいくつもあるようですね。
Dedeine氏:
ええ。基本的に本作は直線的に進んでいくゲームで,オープンワールドではないのですが,いかにプレイヤーに世界が広がっているように見せるかというのは,チャレンジし甲斐のあるところです。アミシアの武器はスリングショットくらいなので,ゲームを進めていくうえでプレイヤーが作業感を覚えないようにしなければなりませんし,まだ詳しくお話できませんが,アイテムの収集やクラフティング要素で,広がりのある世界を演出していきたいと思います。
4Gamer:
どうもありがとうございました。






























