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ミレニアム前夜,終焉を迎えた町ではいったいなにがあったのか。シネマチックホラーADV「叫魂」は,狙いすましたタイミングでビビらせてくる作品だった[プレイレポ]
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印刷2026/10/26 22:04

プレイレポート

ミレニアム前夜,終焉を迎えた町ではいったいなにがあったのか。シネマチックホラーADV「叫魂」は,狙いすましたタイミングでビビらせてくる作品だった[プレイレポ]

 インディー開発スタジオ12AM BLACKOUTは,2026年10月24日から25日まで開催されたゲームイベント「G-Fusion Game Fest 2026」に,現在開発中の新作「叫魂」(PC / PS5)を出展した。


 本作は,先日開催されたインディーショーケース「The Triple-i Initiative」で正式に発表されたタイトルで,PC / PS5向けに2027年内の発売を予定している。Unreal Engine 5で開発されており,シネマチックな物語体験を特徴としている。

 また,本作は画面演出にも趣向を凝らしており,4:3の古いテレビ風の画面と,2.39:1という映画のような横長の画面が場面に応じて切り替わる。

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 物語の舞台は,中国の架空の町「白水県仙女鎮」。どこにでもありそうなこの小さな町は,新たな時代を迎える直前のミレニアム前夜で時が止まっている。主人公は,見覚えがあるようで,どこか見知らぬ場所で目を覚ます。扉を開けると,かつて暮らしていた町は廃墟と化していた。

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 廃墟と化した町をたどった先には奇妙な庭があり,不気味な彫像と巨大な枯れ木が立っている。主人公の目的は,さまざまな人の魂を集め,枯れ木の空洞に詰めていくことだ。その過程で,魂の持ち主それぞれの物語と最期を追体験し,町とそこにあったすべてが滅びに至った真相を知ることになる。

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 今回の試遊では,仙女鎮の集合住宅の1階にある「朝日照相館」の店主「陳朝露」の物語を体験できた。本稿では,彼女の物語とそのプレイフィールを紹介していこう。

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 ゲームは一人称視点で進行する。長い通路を抜けて扉を開けると,そこは写真の現像に使う暗室と思われる部屋であり,さまざまな器材や薬剤が並んでいる。写真館の暗室とはこういうものだと頭では分かっていても,薄暗い部屋を赤い光が照らす光景には,どこか不穏なものを感じてしまう。

 今回は,主人公が彼女の視点で物語を追体験する。陳朝露は,過去のある出来事によって心に傷を負い,たびたび夢遊や幻覚の症状に悩まされているという。さらに,彼女の手にはやけどと思しき痕も広範囲に残っている。

アイテムの詳細画面。説明文には,夫を深く愛していた女性が,その死を悲しむあまり,次第に正気を失い,墓を掘り返して棺を開け,遺体と寝床をともにした末に,炎の中へ消えていったという話が記されている
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 基本的な流れは一般的なホラーゲームと同様で,作り込まれた空間を探索し,そこにちりばめられた描写から物語を読み解いていく。本作に好感を持ったのは,物語の筋道が明確なことだ。すべてを直接説明するわけではないが,示された情報をつなぎ合わせることで,何が起き,なぜそうなったのかを自然に理解できる。

「朝日照相館」は写真と動画の撮影を手掛け,とくに婚礼をテーマとした作品を強みとしている。店内にはさまざまな写真が飾られているほか,撮影用の小道具や背景セットも置かれている
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 また,探索を進めるにつれて,周囲の様子も変化していく。陳朝露という女性に何が起きたのか。なぜ電話の呼び出し音を恐れ,短い廊下を何度も行き来しているのか。セリフや文章だけでなく,空間の変化そのものが,彼女の身に起きた出来事を語ってくれる。

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 写真館というモチーフも,今回の試遊では繰り返し活用されていた。喪失の痛みから抜け出せずにいる陳朝露は,夫の「章日生」がまだそばにいた頃の暮らしを,折に触れて思い返す。カメラのレンズを通せば,陰鬱で苦痛に満ちた「今」を離れ,過去の時間にいつまでもとどまっていられるかのようだ。

「G-Fusion Game Fest 2026」の「叫魂」ブース。今回の試遊の舞台となる「朝日照相館」を再現しており,内装や調度品にも1990年代の中国の雰囲気を取り入れている
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 試遊の後半では,カメラのパーツを集めて組み立てることになる。完成したカメラのファインダーをのぞくと,その場所でかつて起きた出来事が見える。一方,カメラを下ろせば,そこは廃墟同然となった現在の写真館だ。

 通路が塞がれている場所も,カメラを構えたり下ろしたりして,過去と現在を切り替えることで通り抜けられる。そのなかでは,陳朝露と夫が過ごした温かな日々だけでなく,すべての悲劇の始まりも知ることになる。

 本作には,突然の演出でプレイヤーを驚かせる,いわゆるジャンプスケアもある。印象に残ったのは,プレイヤーの反応を見越して驚かせ方に細かな調整を加えている点だ。ある場面では,遠くに怪異が立ってこちらを待ち構えていた。どう動こうかと考えるうちに,筆者は無意識にカメラを構えていた。

 それまでは,カメラをのぞけば暖かな色調の思い出のなかに戻れたので,同じように安心感を得ようとしたのだ。ところが開発チームによると,ここでカメラを構えることも,ジャンプスケアを引き起こす条件の1つになっているという。このほかにも,さまざまな状況を想定して調整を施し,恐怖感を高めているそうだ。

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 タイトルにある「叫魂」とは,かつて中国各地で行われていた民間信仰上の習俗を指す。病気になったり瀕死の状態に陥ったりするのは魂が体から離れるためだと考え,その魂を呼び戻すことで回復を願うものだ。

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 陳朝露は夫を失った悲しみから抜け出せず,ついには墓を掘り返し,棺を開けてしまう。亡くなった人を自分のもとへ取り戻したいという願いが,常軌を逸した行動へとつながる。その姿には,民俗として伝わる「叫魂」に通じるものがあるように思えた。彼女以外の人々にどのような物語が用意され,それが仙女鎮の滅びとどう結びつくのかも,本作の見どころになりそうだ。

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 「叫魂」(PC / PS5)は2027年内に発売予定で,日本語に対応する。開発チームによれば,今後は日本国内でもイベントに出展し,試遊の機会を設ける予定とのこと。気になる人は,続報をチェックしておこう。

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