「Pixel Art Park」は2015年から続くドット絵をフィーチャーしたイベントで,今年は会場をパシフィコ横浜へと移し,135組ものクリエイターや企業が集結。ドット絵アーティストによるグッズやゲームの展示,さらにはチップチューンのライブまで,幅広い年齢層の人々が楽しめるイベントとなっていた。
「ドット絵は懐かしいものではなく,いま現在も盛り上がっているカルチャーだ」ということを再確認できた会場で,気になったブースを紹介しよう。
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●カイロソフト(公式サイト)
可愛らしいドット絵のシミュレーションゲームを作り続け,近年は「ドラえもんのどら焼き屋さん物語」「ONE PIECE 海のごちそうレストラン」などのIPものを手掛け,「東映ゲームズ」の事業ロゴを制作するなど引っ張りだこのカイロソフトは,この日「ぬいぐるみポーチ」などの新作グッズを出展していた。
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●Odencat(公式サイト)
「メグとばけもの」「ねずみバスターズ!」などで知られるOdencatは,仲良しのカイロソフトとの「コラボアクキー」などを出展。「マブダチコラボスタンプ」を押すこともできた。
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●墓場文庫/集英社ゲームズ(公式サイト)
「都市伝説解体センター」をマルチメディア展開するなど,大ブレイク中の墓場文庫と集英社ゲームズだけに,開場直後から長い列ができていた。なかには「都市伝説解体センター」のTシャツを着た来場者もいて,人気の高さを再確認できる。
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●ところにょり(公式サイト)
「違う冬のぼくら」「違う星のぼくら」といったユニークな2人プレイゲームで知られる「ところにょり」氏のブースでは,新作「Twospeak(仮)」の試遊台が出展されていた。
すでに4Gamerでもお伝えしたように,言葉が通じない2人の宇宙人が,互いに相手の言語を解読しつつ,協力してパズルを解いていくという作品である。相手の宇宙人が喋ると謎の記号が表示されるので,前後の行動から何を指しているのかを推察していかなければならない。
それでいて操作やシステムはシンプルであり,コミュニケーションの根源的な喜びを味わえるという,独創性の高い内容と感じられた。
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ブースではさらなる新作も展示されていた。デスクトップ常駐型の本作は,犬と老人の物語である。起動させておくと犬の腎臓が毒素を浄化していき,次第に元気になっていくのだ。
画面には犬と老人の様子が表示され,こちらはリアルの時間と連動している。あるときは老人がお弁当を食べ,またあるときは仕事をするうしろに犬がくっついていく……という感じで,見ているだけでも微笑ましい。
ポモドーロタイマーやToDoリストなどの機能もあり,利用するとレベルが上がって,老人が過去に撮影した写真を見られるようになるという。
ファンであれば,犬,老人,腎臓といったキーワードから2020年に発表された「renal summer」を連想すると思う。
「ところにょり」氏によれば,この新作は「renal summer」のリミックス的なものであるという。「renal summer」は氏の個人的な体験をもとに作られた「終わりに向かっていく」作品であるが,本作は犬を飼うことの別の側面にフォーカスした「ずっと続く」ゲームだそうだ。
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●hako 生活(公式サイト)
hako 生活は,インディーゲームレーベル「ヨカゼ」を立ち上げ,「アンリアルライフ」「ピギーワン SUPER SPARK」「:(BLUES CLEAN」といった作品に携わるhako 生活氏のブース。金網にドット絵グッズが並ぶディスプレイがオシャレだった。
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●m7kenji(公式サイト)
「先生」「Ringo」「BUGTORNICA」といったアプリを制作,「MotionRec」のグラフィックスを手掛けたm7kenji氏のブースでは,新作であるPC版「ロクジョーヒトマ」がプレイアブル出展されていた。
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アプリ版「ロクジョーヒトマ」はヒキコモリの主人公ロクジョーヒトマを操作し,自室で壁を蹴ったり,ため息をついたりして“退屈を味わう”という内容だったが,PC版は「1bitアクションアドベンチャー」を謳うアクションゲームになる。
ロクジョーヒトマは夢を抱いて「ネオトーキョー(NEO TOKYO)」に上京したものの,今やヒキコモリとなってしまった。そんな彼は突如幽霊に襲われ,地下へ地下へと旅をしていくことになる。
見下ろし型のダンジョンはキャッチフレーズどおりの1bitグラフィックスで表現されており,オレンジに輝くさまが昔のパソコンを思わせる。現れる敵をショットで倒し,鍵を集めて先へ進むと,なぜか屋外のような風景が広がり,老人(?)がネオトーキョーの夜景を眺めていた。
老人はロクジョーヒトマやほかの若者と同様,夢を叶えるためにネオトーキョーへやってきたが挫折してしまった。それでもなお街を眺め続けているのだという。
ドット絵のグラフィックスが想像力を刺激し,そこに人生の哀愁が漂っているという組み合わせはユニークなもので,実に印象深い。2027年の発売が楽しみだ。
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●merrigo
「UNDERTALE」をはじめとしたさまざまな作品に携わるAmanda氏のサークルで,美しい光と風景が調和したピクセルアートのグッズ類が置かれていた。
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●Midnight Peppermint(公式サイト)
妻の死を受け入れることのできなかった男が,空飛ぶ円盤を探す旅に赴くインタラクティブ・フィクション「I Saw a Flying Saucer」が展示されていた。
機器不調とのことで残念ながら実際にプレイできなかったが,特徴的なアートワークは昔のパソコンであるApple IIにインスパイアされたものだそうで,独特の発色やにじみが見る者に強い印象を残す。
ご存じのとおりApple IIが発売されたのは1977年だが,このスタイルは古さどころか新しさすら感じさせるのだから,ドット絵の世界は奥深い。
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●Nephemee Studio(公式サイト)
新作のアドベンチャーゲーム「DEBUG NEPHEMEE」がプレイアブル出展されていた。不思議な生き物「ネフェミー」が住む世界は,今や「バグ」に侵されている。プレイヤーはネフェミーの「コファ」となり,ほかのネフェミーたちに潜むバグを退治していく。
バグ退治はミニゲームの集合体のようになっていて,かなり風変わりだ。画面の四隅に配されたウインドーは飾りではなく,それぞれが別のミニゲームになっている。
右下のウインドーで壊れたデータを直してエネルギーを溜め,左下のウインドーではコファを動かし,バグが嫌いなものを取ってダメージを与えていく。
もちろん相手も反撃してくる。右上のウインドーではラケットを[LT][RT]で動かして降り注ぐ物体を受け止め,左上のウインドーでは[L]スティックを使って攻撃を避けていく。
あちらで直し,こちらで避け……というわけで,マルチタスクで頭をフル回転させるのが忙しくて面白い。
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●イクシール(公式サイト)
グッズ販売に加え,ゲーム「マジカルスープ」「POI POI ドーナツ」をプレイできた。
「マジカルスープ」は,元気よく動く食材たちをカーソルでキャッチし,不思議なスープを作る。2つの食材の組み合わせにより,出来上がるスープの種類が変わっていく。
ポタージュやポトフといったリアル寄りのものがあれば,マンドラゴラが歌うスープや,回復アイテムのポーションを思わせる品,そしてスープカップの中でシーラカンスがDJする「マジカル☆クラブチャウダー」などのファンタジー料理までバリエーションも多彩だ。
ドット絵のサイズが小さいにもかかわらず,食材たちが可愛らしくて個性的なので,見ているだけでも楽しい。
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「POI POI ドーナツ」では,画面上部から歩いてくるドーナツたちを「チョコ」と「プレーン」に仕分けしていく。ドーナツたちを逃がしたり,間違った仕分けをしたりするとミスになってしまう。
「チョコドーナツとプレーンドーナツなら,色が違うので間違えないのでは?」などと思ったあなたは甘い。ドーナツたちのなかには紛らわしい色のオシャレをしているものもいて,一見するとチョコとプレーンのどちらか分からない。
“プレーンドーナツなのに,チョコドーナツのような色のセーターを着ている”くらいは当たり前なので,限られた時間内でしっかりと観察しなければならないのだ。
ドット絵のドーナツたちはとにかくキュートで,オシャレも蝶ネクタイやマフラー,セーターなどバリエーションがある。こちらも小さな面積に描き込まれており,まさにドット絵師の技だ。
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●MML Hack-a-thon(公式サイト)
チップチューンの音楽を手掛けるサークルで,オリジナル曲をファミコンのサウンドプログラムデータであるNSF(NES Sound Format)にして,ファミコン実機で演奏したものを収録したCDを販売していた。
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●奥田 栄希(公式サイト)
個性的なドット絵キャラクターたちをRPGのパーティのようにつなげる「PARTY SELECT」,カプセルトイの機械からランダムな親子のチャームが出てくる「親ガチャ」,ファミコン実機で動作する虫取りゲーム「BUG」などを出展していた。
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●ドット絵工作部
ドット絵グッズを手作業やレーザーカッターで制作するサークルで,作品が電源を使わずに動くのが面白い。たとえば,携帯ゲーム機風の玩具は,画面の部分がレンチキュラーになっており,専用カードをセットして角度を変えると絵が動いているように見える。
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●Pixelino(公式サイト)
「低解像度ドッターパーティー」を謳うアーティスト集団である。革を使ったグッズや缶バッジ,木材のドット絵彫刻など,アーティストによって作品の方向性が違い,とても賑やかなブースだった。
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ドット絵は,成立した時代が古いことから懐古的なものであると捉える人も多い。しかし今回の「Pixel Art Park 9」では,新しい手法や発想によるドット絵も当たり前となっていた。
一周まわって新しい,なんてものではない。近年は高解像度によるピクセルアートやデフォルメを進めたドット絵など表現も多様化しており,時代に合わせてリアルタイムに変化を続けていることが見て取れる。
つまり,ドット絵は懐かしいものではなく,いま現在も盛り上がっているカルチャーと言える。来場者の年齢層も幅広く,世代を超えてドット絵が親しまれていることが分かるだろう。
折に触れて「ドット絵は表現手法の1つであり,新しい/古いで分類されるものではない」と訴えてきた筆者としては,こうしたドット絵の盛り上がりは嬉しい限りだ。今後も,よりさまざまなスタイルのドット絵が出てきて,「Pixel Art Park」やドット絵界隈が盛り上がることを期待したい。

























































































