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  • 発売日:2026/10/29
  • 価格:8580円(税込)
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66日の余命が尽きる前に宿敵を倒せ! 武侠ファンタジー×スチームパンク=“カンフーパンク”な高難度アクション「Phantom Blade Zero」[プレイレポ]
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印刷2026/10/31 11:00

プレイレポート

66日の余命が尽きる前に宿敵を倒せ! 武侠ファンタジー×スチームパンク=“カンフーパンク”な高難度アクション「Phantom Blade Zero」[プレイレポ]

 S-GAMEが2026年10月29日にリリースした「Phantom Blade Zero」(PC / PS5)は,武侠ファンタジーとスチームパンクを掛け合わせた“カンフーパンク”をテーマにした3Dアクションゲームだ。
 ソウルライクの作りを踏襲しながらも,重厚なストーリー表現と難度選択などのシステムを導入したことで,ジャンルの間口を広げることに挑戦している。

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 本作の主人公は,主君殺しの汚名を着せられ,余命66日の呪いを背負った男「魂」。奇怪な者どもがはびこる「影境」を舞台に,自らを貶めた陰謀に立ち向かうことになる。
 魂は,かつての親友でありながら不倶戴天の敵でもある左殤を探すなかで,自らが属していた組織の追手と戦う。それだけでなく,影境の各地で暮らす人々と知り合い,彼らの痛みを分かち合い,おぞましき実験や冤罪として葬られた事件,村を滅ぼした信仰などを暴いていく。

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 本作はソウルライクの流れを汲むが,すべてのストーリーに明確な筋があり,カットシーンやテキストもリッチだ。
 ほとんどの謎は終盤になるまで明かされず,しかも複数の筋が同時進行で描かれるため,細かい筋を忘れてしまうこともあったが,道中に登場したテキストはいつでも読み返せる。「何一つ分からない」という体験にはならないだろう。

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 テキストでは登場人物から通常の敵に至るまで,こと細かに語られている。これらがすべてしっかりと日本語に翻訳されている点は評価できるだろう。
 本作の物語はどれも悲痛な展開を辿るが,西洋ファンタジーや和風の世界観とは一線を画す“ダーク武侠”の空気感は唯一無二だ。

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 マップも多彩で,探索しがいがある。捨てられた村や地下室,深い森,険しい高山など,オーソドックスだがワクワクするロケーションばかりだ。
 そこで遭遇する敵もユニークな顔ぶれで,使い回しを感じる瞬間はほとんどない。背景の崖や岩などに漢詩が彫られていることがあり,それを読めるのもセンスがいい。

 また,サブウェポンである「影の武装」を手に入れると,以前のマップで封鎖されていた地点が開通し,寄り道が可能になる。いわゆるメトロイドヴァニア的な要素だ。
 寄り道の先で書物を拾ったり,NPCと会話をしたり,アニメーションムービーを観たりすることで,さまざまな事件の全貌が徐々に明らかになっていく。

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 バトルデザインはジャストガードや回避で敵の攻撃を捌き,好機を見つけてダメージを与えていく,ソウルライクの影響下にあるものだ。
 そこに武侠作品らしい縦横無尽に跳ね回るチャンバラアクションが追加され,独特な戦闘のリズムを生んでいる。

 大まかに戦闘の流れを紹介すると,敵の攻撃には通常攻撃のほか,青い光を放つ攻撃,赤い光を放つ攻撃がある。青攻撃はジャストガードを,赤攻撃は回避をすることで,それぞれ敵の背後に回り込んで“俺のターン”に持ち込める。
 また,敵に攻撃を加えたり,敵の攻撃をジャストガードしたりすると,「体勢」ゲージを削ることができ,ゼロにするとしばらく攻撃し放題になる。
 ちなみに,主人公の魂にも体勢に相当する「殺気」が存在する。こちらはスキルの使用などに必要なため,常に残量を意識して立ち回りたい。

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 本作は武侠映画らしいアクションをそっくり再現しているためか,自身も敵も流れるように連撃を繰り出せる。そして,敵の攻撃にはほとんど隙がない。
 連撃をすべて愚直にガードしていると敵のターンがずっと続いてしまうが,ヘタに反撃に転じるとモロにダメージを受けてしまう。青攻撃と赤攻撃に対して正確にジャストガードまたは回避をすること,「絶技」と呼ばれる割り込み技を使用すること,武器や影の武装の能力を駆使することなどで,まずは敵の体勢をゼロにするのがセオリーだ。

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 このように紹介すると従来のアクションゲームとあまり変わらないが,本作のボス戦はセオリーどおりのようで,随所で逸脱しているともいえる。
 ボスの攻撃には主人公の絶技をキャンセルするものがあり,特定の攻撃がほとんど効かない敵も存在する。それぞれのボスには明らかな弱点が設定されており,何度も挑戦して有効な手段を探すことが重要だ。
 その意味では,ソウルライクの見た目をしているものの,属性の相性を突くRPGの趣も備えている。

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 こうしたバトルデザインに対して,ゲームシステムが噛み合っている点とそうでない点がある。
 噛み合っている点としては,デスペナルティがない,形態変化のあるボス戦は負けたところから再開する,などが挙げられる。
 デスペナルティがないため,気軽にさまざまな戦法を試せるうえ,心理的な負荷も少ない。一度倒した第一形態と何度も戦うストレスもなく,毎回フルリソースで死闘が楽しめる。

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 一方,そうでない点は武器強化の仕組みだ。
 本作の武器,影の武装は何十種類も用意されており,強化段階はそれぞれ独立している。いずれもユニークであり,モーションも凝っていて,攻撃を繰り出すだけでも楽しい。それぞれに異なるフィニッシャーにも,開発チームの並々ならぬこだわりを感じる。

 武器や影の武装は,どのボスに対して「効く」「効かない」がはっきり分かれているため,的確に使い分けることが推奨されている。
 これを支えるシステムとして,マップの至るところに「鈴」と呼ばれる中継ポイントが配置されており,ここで強化状態を振り直せる。ただし,そもそも操作自体が少々面倒だ。
 しかも,レベル10までは手間がかかるだけなのに対して,レベル11以降は振り直しに特定のアイテムが必要であり,気軽に何度も試せない。

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 加えて,本作はマップに登場する敵が復活せず,拾えるアイテムも有限だ。アイテムや経験値(魂塵)を稼ぎ続けることはできない。
 常にジリ貧になるほどリソースがカツカツなわけではないが,どの武器や影の武装も均等に強化して,その都度切り替えるという戦い方では,リソース不足で最高火力に届かない状況が生まれる。
 ボス戦では,その時点で最大まで強化した武器を試してみたかったのが本音だ。

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 それでも1対1のボス戦であれば,操作技術の向上によって挽回する余地はある。だが,同時に複数のボスと戦う状況はいただけない。
 ボスはそれぞれのタイミングで連撃を放ってくるため,ジャストガードや回避で対抗するにも限界があり,そもそもジャストガードを狙う立ち位置が良くないと,正確にボタンを押しているのにダメージを受ける場面があった。

 それだけならまだしも,なんとかボスの体勢を崩し,いよいよ攻撃を叩き込もうとしたら,ピンピンしているもう1体のボスが横から攻撃してくるなど,敵が自由に動きすぎる。
 本作のバトルデザインは,相手の攻撃にしっかり対処して初めて“ご褒美”がもらえる設計であり,その意味では「うまく機能しているボス戦」とはいえないだろう。せめて2体同時のボス戦くらいは,体勢を崩せたら“無敵演出”になる形でも良かったのでは……。

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 いくつか気になる点を挙げたものの,1対1の戦闘はデザインの意図が分かりやすく,弱点やパターンを把握できれば,気持ちよく倒せるボスが多かったのは事実だ。
 そもそも本作は複数の難度が用意されているうえ,それぞれ敵のAIは細かく変化する。どうしても進めない難関では,一時的に難度を下げるといいだろう。
 また,気まぐれに集めたテキストを読んでみると,ストーリーの掘り下げだけでなく,ボスの弱点が書いてあったりして,面白い気づきが隠されている。

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 さて,ここからは初心者がつまずきやすいポイントを紹介して,筆者なりに解決した方法をお伝えしたい。

 前述のとおり,本作の武器や影の武装をはじめ,すべての強化要素は振り直しが可能だ。レベル11以降は有限のアイテムが必要になるため,慎重に強化することになるが,裏を返せばレベル10までは実質的にタダで強化できる。

 たとえば,中盤に訪れるステージ「龐鎮」には,物理攻撃が効かず,ジャストガードと回避からの追撃でしか体勢を崩せないボスが登場する。ほとんどの攻撃手段は通用せず,ひたすら待ちの戦法を強いられるが,影の武装「催心の琵琶」による遠距離攻撃は物理判定ではないため,相手の体力と体勢にダメージを与えられる。
 催心の琵琶をレベル10まで上げて,ボス戦の勝利後に振り直しをすれば,ムダなくリソースを回収できる。入手可能な資源が限られている本作では,こうしたやりくりが大事だ。

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 また,本作は自分も敵も流れるような連撃を見舞うため,いつ反撃したらいいのかが分からない瞬間が多い。その代わり,ガードの性能が高く,1対1の戦闘ではとりあえず耐えておけばダメージを受けにくい。
 ガードは何度押し直してもジャストガードの判定が出るため,まずは敵の連撃をあえて受けてみて,リズムをつかもう。ヘタに反撃を考えるより,ジャストガードで敵の体勢を着実に削るほうが勝利に近づける。

 ジャストガードがうまくいかず,通常のガードになると殺気のゲージを削られるが,武器を切り替えることで即座に回復する。
 そのため,敵の連撃をガードしてジャストガードや回避のタイミングを覚える,敵の体勢が崩れたら武器を切り替えて畳みかける,敵の体勢が回復する前に攻撃を止めて準備を整える……といった流れを頭に入れておきたい。
 もちろん,この限りではない戦闘もあるだろうが,序盤から中盤にかけては役立つはずだ。

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 影境は広く,敵は手強く,悲劇の連続に胸が締めつけられる。それでも,がっちり手応えのある戦闘と唯一無二の世界観に惹きつけられ,やめ時を見失うほどハマってしまうのも間違いない。
 高難度のボス戦に限らず,本作は探索やドラマにも魅力がある。幾重にも仕掛けられた策略,謎が謎を呼ぶ怪事件の数々,カンフーパンクな世界観。もし心を惹かれたのであれば,あまり尻込みせずに,己の知恵と勇気,そして自分らしい難度で楽しんでほしい。

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