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「エステラ - 時ノ罪 -」は,少女たちの運命をイベントスチルを用いた演出で魅力的に描く。タイムラインと手厚いTipsで,複雑な群像劇も分かりやすく楽しめる[プレイレポ]【PR】
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印刷2026/10/29 12:00

プレイレポート

「エステラ - 時ノ罪 -」は,少女たちの運命をイベントスチルを用いた演出で魅力的に描く。タイムラインと手厚いTipsで,複雑な群像劇も分かりやすく楽しめる[プレイレポ]【PR】

 ESTELLA Productionsが2027年春の発売を予定している「エステラ - 時ノ罪 -」の体験版が10月29日にSteamにて配信された。
 本作は,複数の主人公の視点から“ハロウィンまでの3日間”を描くサスペンスアドベンチャーゲームだ。

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 企画&シナリオはADVシリーズ「STEINS;GATE」「CHAOS;CHILD」にシナリオライターとして参加した谷崎央佳氏,メインキャラクターデザイン&原画はスコッティ氏が担当。名家の令嬢や高校生アイドルなど,立場の異なる少女たちの物語が同じ街で交錯していく。

 プレイヤーは少女たちの視点を切り替え,それぞれが知る情報をつなぎ合わせて真相を追う。ある人物の選択が,別の人物を救うこともあれば,思わぬ悲劇を招くこともある――。そんな少女たちの運命が交錯する本作は,どのような作品なのか。本稿では,体験版をプレイして感じた魅力をお届けしよう。




その選択が,運命を動かす
個の物語を丁寧に描く群像サスペンス


 序章の舞台は10月末のシヴヤ。ハロウィンイベントで(良くも悪くも)賑わう時期だが,そこで起きたのは明るいパーティーではなく,凄惨な銃乱射事件だった。ビルからは火の手が上がり,アスファルトには遺体が転がっている。

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 そこに現れたのは,フードを被った1人の少女だ。彼女はナイフを巧みに操り,乱射魔たちを斬り捨てていく。そして,すでに起きてしまった惨劇に目をやり,こう語る――「何度しくじろうが諦めるものか」と。

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ヴェロニカ・ストヤノフ
(CV:鬼頭明里)
銃器やナイフの扱いに長けた,正体不明の少女。シヴヤの惨劇の現場に現れ,乱射魔たちを次々と斬り捨てていった。キャラクターたちの前に現れては,助力や助言を与えて去っていくという。その行動の意図も含め,謎の多い人物だ。

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 果たして,彼女はなにを言っているのか……と,疑問を覚えるところで「タイムライン」が提示される。これは物語全体の時系列を管理する要素で,アンロックされている人物の物語を古いものから順に読み進められる。これを追っていけば,最終的にシヴヤの事件に追いつくというわけだ。

 今回の体験版では,名家の令嬢「桔梗カンナ」と,アイドルグループのセンター「柊木ナデシコ」の物語を読むことができた。いずれもシヴヤのハロウィンイベントとはそこまで関係がなさそうな雰囲気だが,どのように収束していくのだろうか。

最初はカンナ(10月29日14:00)のみが選択できる。ある程度進行したところでナデシコ(10月29日15:00)がアンロックされた
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 それぞれの物語は当初,完全に独立していて,個別のストーリーラインがある。カンナの目的は「失踪した兄の捜索」,ナデシコの目的は「自身を取り巻く事件の真相究明」といった具合で,パッと見ではほとんど関わりがない。

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桔梗カンナ
(CV:安済知佳)
旧華族の流れをくむ桔梗家の長女。合理主義を自認するが,情に流される一面もある。兄のコウイチは副首相の警護を担う警察官だったが,自爆テロで副首相が死亡したのち,失踪。カンナは兄の行方を知る情報に10億円の懸賞金をかけた。

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柊木ナデシコ
(CV:徳井青空)
3人組アイドルグループ「ヒナメル」のセンターを務める女子高生。温厚で親しみやすく,ファンとの交流にも一生懸命に取り組む。一方,昔から同性に距離を置かれたり,敵意を向けられたりすることに悩んでいる。

 しかし,各キャラクターはかなり(物理的に)近い距離で活動しており,ちょっとした選択肢がほかのキャラクターの物語に影響を与えることがある。群像劇的に進む“個別の物語”が,相互に交錯しながら“全体の物語”を形作っていくわけだ。

 しかも,全体のために個がある印象ではなく,個別の物語もしっかりと作り込まれている。それによって,相互に意識し合わない個が集まって全体を形成していく,群像劇の醍醐味を味わえる仕組みになっている。

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 驚かされたのは,そのうえで,キャラクター描写の掘り下げと物語の進行がうまく調和していることだ。
 たとえば,最初の主人公であるカンナは「名家のお嬢様」というポジションで,実の兄すら切り捨てる合理主義者として振る舞っている。プライベートでは,少し辛辣な一面が覗くこともあり,一見すると,やや近寄りがたい印象を受けるかもしれない。

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 彼女はさまざまな手段を用いて捜査を行い,兄の行方を探ろうとする。そうした“物語を進める動き”に,家督を継ぐ者としての責任感の強さ,彼女が抱く兄への憧憬から来るコンプレックスなどが自然な形で織り込まれ,進行に応じてキャラクターの印象が少しずつ変わっていく。
 物語はどんどんと先に進んでいくので,キャラクターの魅力を知ると同時に“その先”が気になってくる。別のタイムラインで特定の選択をしなければ先に進めない場面があっても,そうして醸成された興味が物語を読み進めるモチベーションになるのだ。

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 そのぶん,情報量は普通のアドベンチャーゲームに比べてかなり多い。物語ごとの主要人物は4人ほどだが,それぞれの内容が独立していることもあり,最初は圧倒されてしまうかもしれない。
 それをサポートしてくれるのが,非常に手厚いTips要素だ。キャラクターごとにまとめられており,いつでも参照できるので,ちょっと忘れてしまってもすぐ確認できる。各項目の分量もいい具合に調整されているので,その点で負担を感じることもない。

Tipsが解禁されると,画面にその旨が表示される。ワンクリックで内容を確認できるので,いちいちメニューを開く必要もない
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 Tipsは本筋の情報をまとめるだけでなく,選択に迷う場面の助けにもなってくれる。提示された選択肢の情報を要約し,判断に必要な内容を最後に記載するなど,細かな配慮が行き届いている印象だ。これなら,群像劇的な作品を読み慣れていない人であっても,楽しみながら全体像を把握できるだろう。

「白鯨」「高慢と偏見」「変身」といった文学作品から,現状に当てはまるものを言い当てる場面では,各作品の要約が表示される。内容を知らずとも問題なく推理できる情報量だ
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カンナの専属メイド「相澤ミオ」が紅茶を淹れる場面では,ミオによる「美味しい紅茶の淹れ方」のメモがTipsとして閲覧可能になる。本筋とは関わりがない背景情報の掘り下げも担っているわけだ
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豪華なビジュアルが理解を助ける
芝居からも伝わる少女たちの個性


 ゲームプレイのモチベーションを支えているのは,テキストやシステムだけではない。各種イラストを用いたビジュアル表現と音響演出の組み合わせによって,作品全体のクオリティが大きく押し上げられている。
 とくに分かりやすいのは,立ち絵のアニメーションだ。主要キャラクターの立ち絵は止め絵ではなく,Live2D系のモーションが用意され,場面に応じてしっかりと動いてくれる。単に手足が動くだけでなく,キャラクター固有の手の込んだモーションもあり,全体的に非常に豪華な印象だ。

立ち絵のアニメーションは「勝利の女神:NIKKE」のキャラクターアニメーションを担当していた韓国のクリエイターが手がけているという
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「ナイフを操って敵を倒す」というシーンを強調するために,ナイフをクルクルと回して構える仕草が用意されている。こうした細かな仕草からもキャラクター性を読み取れるだろう(タップまたはクリックするとGifアニメが再生されます)
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 イベントスチルを用いた演出もよく,作品を豪華にすると同時に物語の理解の助けになっている。たとえば,柊木ナデシコの物語は,彼女が所属するアイドルグループのメンバーを暴漢が拘束するシーンからスタートする。
 新たなタイムラインを選んだ直後から緊迫した展開に驚かされるが,本作では状況を地の文で長々と説明したりはしない。それでも,イベントスチルから状況を“想像”できるので,混乱することなく話を読み進められる。豪華なアートそれ自体が,複雑な状況をスムーズに把握するための補助装置にもなっているわけだ。

各種イベントスチルはすべてスコッティ氏が担当。大きな絵をドンと出すだけでなく,状況に応じてカメラを動かして注視する場所を変えたり,場面に合わせてタッチを変えたりといった工夫もある
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アクションシーンではエフェクトを載せてスピード感を出すなど,動的な演出が用いられている場面も多い
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 もちろん,物語を彩るボイスや音楽も注目ポイントだ。カンナが相手に応じて話し方を変える様子や,ナデシコが恐怖に怯えながらも意志を貫き通す姿は,しっかりと声優陣の芝居からも伝わってくる。BGMや効果音まわりのクオリティも高く,物語への没入感を深めてくれている。

ボイスはログからいつでも聴き直せる。ログはマウスホイールで即出せるなど,そのあたりの挙動も親切だ
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 総じて,体験版の範囲内だけでもその出来栄えは十二分に感じ取れた。複雑になりがちな群像劇をシステム・演出の両面で支えつつ,個々のキャラクターもしっかりと魅力的に描かれた本作は,見た目以上にADVというジャンルの王道的な面白さを備えた作品だった。
 タイムライン同士が複雑に入り組む“本格的な運命交錯”に至る前からこの面白さなのだから,物語の中核がどうなるのかは楽しみでならない。体験版は現在Steamにて配信されているので,ぜひ遊んでみてほしい。


  • 関連タイトル:

    エステラ - 時ノ罪 -

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