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スマートフォンと三国志と大規模SLGは,とても相性がいい。結果,天下を取るという目的のもと,大人数で広大なマップの領地を争う様式のモバイルゲームは,すっかりなじみのジャンルとなった。
こうした三国志ゲームには独自の面白さがあるが,そのうえで私は「戦闘そのものを自分で指揮する実感を味わいたい」とも感じていた。オートで戦う武将たちを眺め,果報を寝て待つ……それだけじゃなくて。
一般的なSLGバトルのように,部隊を細かく操作し,戦術的な指揮で勝利も敗北も濃厚に味わえるなら,どんなに楽しいだろうかと。
そんな“実際に指揮して戦いたい”という思いを実現してくれたのが,Qookka Gamesの新作「三國志 戦棋版」(iOS / Android)だった。
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SRPGに“SLGを融合した”。「三國志 戦棋版」が斬新なのは,なじみ深いのに無視されてきた“戦略シムの当然”を拾ったから【PR】
Qookka Gamesの新作スマホゲーム「三國志 戦棋版」は,大人数で大陸の覇権を争う,定番の戦略ゲームの様相だが,ジャンルは“SRPG×SLG”を標榜している。その理由は,当たり前だったはずのシステムに着目したことにある。
本作は,コーエーテクモゲームスの「三國志14」公式ライセンスを受けて制作されている,SRPGとSLGを融合した作品だ。
5人の武将を操って戦う戦術バトルと,同盟を組んで領土を広げる大規模な戦略バトルのいいとこ取りに,真っ向から挑んでいる。
あらかじめ,本作における用語の定義を補足しておこう。
■SRPG:マス目状の盤面で,キャラクターを操作し,敵味方のターン制で勝敗を決するシミュレーションバトル(小さな戦術の戦闘)
■SLG:大きな地図上で,勢力や拠点の攻防を鳥瞰的に繰り広げるシミュレーションパート。ストラテジーも含む(大きな戦略の戦争)
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そして先日,ゲームのリリースに先駆けて「オフライン先行試遊会」が開催された。会場には歴史SLGやSRPGに関心のあるユーザーが多数招かれ,未公開の最新バージョンを体験していた。
本稿では,開発陣によるゲーム紹介をはじめ,試遊の感想,「三国志大戦」を生んだ西山泰弘氏のゲストトークなどをレポートしていく。
そのなかで見えてきたのは,プレイヤー自身に重要な判断を託したいという本作の姿勢と,開発陣の止まらない「SRPG愛」だった。
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「正解はない」。2つの戦場をつなぐゲーム作り
試遊会でMCを務めたのは,ゲーム系YouTubeチャンネル「みそしる Misoshiru Ch.」を運営する,配信者の石川利恵さんだ。
石川さんはクローズドβテスト(CBT)をしっかりとプレイしたとのことで,会場では終始,ゲーム理解度の高さを見せ,プレイヤー目線に立った補足と明るい司会で場を盛り上げてくれた。
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ゲームを紹介したのは,開発プロデューサーの桐(トウ)氏だ。
本作はSRPGのミクロな戦術と,SLGのマクロな戦略を融合したゲームだという。マス目で区切られた盤面で,どの武将を動かし,どう攻めるか。その小さな一戦を積み重ねた先で,仲間たちと天下を目指す。
既存の類型ゲームのように,どちらか片方に比重を寄せたままでは,戦闘を指揮する楽しみと,広大な地図上での天下取りの両立は難しい。そういう簡単な問題に,正面突破の発想と現代の最適化技術で挑んだのだ。
桐氏によると,開発チームも「SRPGとSLGを組み合わせることに最も力を入れた」という。その設計思想を表すのが“盤上戦”だ。
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ゲーム紹介でとりわけ印象に残ったのは「このゲームに正解はない」という考え方だ。天下を目指す道筋にも,戦闘中の指揮にも,プレイ中は多くの選択肢がある。
武将や戦法(スキル相当)の組み合わせを考え,実際にかち合った相手の編制や戦場に合わせて戦い方を変える。君主たちはそうやって,与えられた条件から自分なりの答えを組み立てる必要があるのだ。
この「思考を伴う選択の面白さ」は,ゲームの本質につながっている。武力の高い武将を前に出せば活躍させやすいが,敵から狙われて落とされるリスクも高まる。
味方の支援を届かせるために,いかに陣形を崩さず前進するか,どういう形で敵の行軍を受け止めるべきか。編制や作戦を十分に練ったところで,実際の指揮で失敗すれば容易に敗北する。
部隊の強みを引き出せるかどうかは,プレイヤーの手腕次第。戦術にも戦略にも工夫の余地が多いことが十分にうかがえた。
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桐氏がもう一つ重視したのは,「プレイヤーの負担を減らすこと」だ。本作には,序盤から自分のペースで成長するための専用鉱山(=内政リソースの奪い合いに気をもまないでいい)や,攻城戦の予約参加機能,消費しきれずにあふれた体力の経験値変換機能,さらに日々の資源収集や賊狩りを一括で実行できる仕組みが備わっている。
本作において,ミクロ的なSRPGもマクロ的なSLGも,ゲーム体験として損なってはいけない。しかし,プレイヤーがSRPGを手動で楽しもうと思うと,どうしても操作的な負担は増える。
だからこそ,SLG部分の繰り返し作業やストレスの要因はなるべくトリミングし,楽しい部分だけを味わえるよう最適化した。
盤上戦×低負担の両軸が,“作業は省力で,自分で考えて遊ぶ楽しさを中心に味わえる体験”を形作ったようである。
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「棋道会」で頂点を決める戦いへ
続いて,パブリッシングプロデューサーの卓(タク)氏から,今後の展開が紹介された。それにしても,桐氏と卓氏。2人で並ぶと「トウタク(董卓)」になるのは,三国志チームらしい巡り合わせか。
ちなみに両者ともニックネームなどではなく,それぞれ実名の下の文字を取ったら,たまたま合致したそうである。
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余談はさておき,正式リリース後は,個人戦と団体戦が用意される大会イベント「天下一棋道会」が開催されるとのこと。
個人戦は,ゲーム内のPvPコンテンツ「武闘対決」のルールに基づき,武将のレベルや戦法など,すべての参加者が同じ条件で競うものとなる。個人戦では成績上位者に加え,奇策やユニークな編制を用いて活躍したプレイヤーも表彰するそうだ。
勝ち方や戦い方そのものにも注目するのは,桐氏が語っていた「正解はない」の考え方に通ずるものがある。それを体現したプレイヤーが称賛される機会まで用意しているのは,実に手抜かりがない。
団体戦には,「金銖(きんしゅ)獲得」と「玉璽(ぎょくじ)争奪戦」の2つがある。金銖獲得では,同盟内での勝利や実績に応じて,多額の金銖を獲得できる。そして,その先で玉璽争奪戦が勃発する。
玉璽争奪戦では,上位8チームに豪華賞品が用意される。なかでも優勝チームには“実物の玉璽”と“300万円相当の賞品”が授与され,さらにオフライン祝賀宴会も催されるという。玉璽には優勝チームの関連情報も載せるとのことで,趣向としても実に粋である。
※玉璽は現状,初回開催のみの特別賞品として予定されている
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サービス開始後の運営については,約2か月で切り替わるシーズンごとに大きなアップデートを行うとし,イベントやコラボ施策も随時展開していくとした。アップデートに関しては,武将や部隊陣形の追加のほか,マップに変化を与え,水上戦なども展開していくという。
そしてPCゲーマーにはうれしいことに,正式サービス時には「PC向け(エミュレーター)にも同時提供」されることが明かされた。
なお,会場の参加者からは「朝の活動に応じて,夜間モードの終了を早めてほしい」といった声も寄せられ,運営側は改善を検討すると答えた。プレイヤーの意見に対する姿勢も,これから試されそうだ。
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「FFT」大型コラボが開催決定!
一通りの説明のあと,卓氏よりリリース時の大型企画となる,スクウェア・エニックスの名作SRPG「ファイナルファンタジータクティクス - イヴァリースクロニクルズ」(以下,FFT)とのコラボが発表された。
本コラボでは,同作の「ラムザ・ベオルブ」「ディリータ・ハイラル」「アグリアス・オークス」「シドルファス・オルランドゥ」「ムスタディオ・ブナンザ」「オーラン・デュライ」の6人が登場する。
イラストはそれぞれコラボ専用に描き下ろされており,原作での特徴も戦法として落とし込まれている。たとえば,ラムザならアルテマ,アグリアスなら聖光爆裂破と不動無明剣などだ。無双稲妻突きについてはディリータが備えている。どうやらホーリーナイト時代のようである。
これらはダメージや追加効果はもちろんだが,おそらく“原作での使用時の効果範囲”も再現されているに違いない。
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FFTは言わずと知れた名作SRPGである。とはいえ,三国志と中世ファンタジー(正確にはイヴァリースアライアンス。FFシリーズ内でも独自の世界観カテゴリ)となると,世界観の隔たりが大きい気もする。
その点,コラボに至った理由は「開発陣がFFTを大好きだから」だったという。直球のSRPG愛が垣間見えた瞬間だ。
本コラボではキャラクター以外にも,専用ステージのほか,地図探索時のコラボ君主(プレイヤーアバター),その乗騎となる2種類の「チョコボ」が登場する。大陸を駆ける足が,馬からチョコボになるだけでも画面の印象が変わり,探索時の気分もアガりそうである。
そして,続く試遊時間で感じたことだが。本作はSRPG部分が本当に誠実に作られているため,FFTファンにも刺さると思えた。
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高順が倒せない。彼を知らず己を知らず,大敗を喫する戦体験へ
試遊では,5人の武将で戦うSRPG部分を重点的に体験した。本作はSRPG部分もオートやスキップで快適に遊べるよう作られているが,そのうえで「手動操作の対人戦」(※)に着目していった。
※試遊会ではPvPはできず,PvEのみの仕様でだった
まず触れてみて感じたのは,SRPGとしての完成度の高さだ。ひと目で分かるマス目の盤面に,環境利用も加味できる地形とマップ効果。基本の移動や攻撃,戦法の仕様など,これまでSRPGジャンルで磨き上げられてきた定番の基礎設計が,奇をてらわず採用されている。
どの味方をどれだけ動かすか。あえて動かずに待機させるか。今どの戦法を切るか,はたまた温存するか。こうした判断と操作の結果が勝敗を大きく分けるので,指揮中は適度に心地よい緊張感を味わえる。
往年のスマホゲームによくあった,小技を利かせた亜種設計ではない。完全に真っ向勝負でSRPGに挑んでいるのがよく分かる。
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戦闘における深みについても紹介しておこう。
各武将は固有戦法を1つ持ち,さらに“自由に装着できる2つの戦法枠”を備える。戦法には,手動で発動させる能動戦法や,条件に応じて自動発動する受動戦法などがあり,それらの効果も攻撃・防御・補助などさまざまだ。この組み合わせが,5人武将部隊のシナジーを生み出す。
戦術としては,固有戦法の長所を伸ばすのみならず,追加の戦法で別の役目を与えたり,弱点を補ったりすることも考えられる。
たとえば,攻撃系の固有戦法を持つ周瑜に,回復系の戦法を持たせれば,前者のクールタイム中は支援役として働ける。こうした発想は無限大だ。部隊構築だけでもあらゆる可能性に悩まされる。
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武将たちの能力を見ることの重要性。それを身をもって教えてくれたのが初戦の相手,呂布軍団の一角にいた「高順(コウジュン)」だった。
高順といえば,ほかの三国志ゲームでもよく優秀な働きや悪さをしていることがあったが,その牙が私に襲いかかった。
試遊中,私は戦場の武将たちを調べぬまま,目の前に飛び出してきた高順部隊を攻撃した。すると,高順はダメージを受けるたびに兵力を回復し,勢いそのままに仕返しの大打撃を与えてきた。何度攻撃しても高順はモリモリ回復し,元気いっぱいに消耗戦を強いてきた。もはや「なんで呂布じゃなくて高順が一騎当千してんだ……!」と言いたくなった。
だが,これにも当然のカラクリがあった。
高順は,ダメージを受けると固有の受動戦法「整装待陣」を発動させて回復する。ゆえに,軽い安打では鉄壁と化してしまう。
という基本情報を理解しておらず,私は高順に理想的な働きをさせてしまい,無様に大敗してしまったというわけだ。
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高順が突っ込んできたときは,ただ単に集中砲火するべきではない。味方の支援や弱体効果を合わせて,一撃の重さを高めるのが大切だ。あるいは,本作もSRPGらしく1ユニットの行動回数は限られているから,高順を無視して敵後衛に圧力をかけるのも手である。
実際に通用するかは,盤面の状況や相手の返し次第ではあるが,少なくとも「高順はただ正面からたたくべきではない」という知識を得た。武将ごとに個性が際立っていることで,対策が武将の数だけあり,それらの経験の積み重ねがプレイヤーの武器になっていく。
こうした痛みと改善の流れは,SRPGの本質的な楽しみ方だろう。敵の移動力や戦い方,部隊編制の狙いをいかにして打ち破るか。本作にもその醍醐味が間違いなく存在することを,ものの一戦で感じ取れた。
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私が次に試したのは,劉備率いる蜀軍の編制だった。なかでも中心となったのは「趙雲」だ。趙雲は味方の攻撃に反応し,敵武将のそばに移動して追撃をかける固有の受動戦法「七進七出」を所持している。
味方の一手に合わせて,単純かつ強力な追加攻撃を加えられるので,兵力回復を追いつかせないほどの猛攻を実現できる。
もちろん,敵地に飛び込みやすいぶん,孤立するリスクもある。敵を落としきれなければ,集中砲火を浴びて趙雲が倒れてしまう。実際,劉備の回復戦法の範囲外までいってしまうことも多々あった。それもご愛嬌だ。蜀軍はとにかく,劉備が自軍の兵力を回復し,関羽と張飛が範囲攻撃で攻め立て,諸葛亮が知略を仕掛けて,そこに趙雲が合わせる。
なんとも見事な連携がデザインされていて,武将を動かすのが非常に楽しかった。ちなみに,蜀編制はCBTでもとくに強力だったそうだ。
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先ほどは触れなかったが,私が面白いと感じたのは「相手武将の固有以外の戦法は,実際に使用されるまで確認できない」という点だ。
敵陣に高順や趙雲を発見したとき,大まかな特徴は分かる。しかし,追加戦法によっては思いがけない仕掛けが飛び出してくる。高順がひたすら耐久戦法ばかり積んでいたり,趙雲が単独先行させてこそ光る構成だったりと,人それぞれの戦術を肌身で受けてから,上回らねばならない。
実際にそんな運用が強いのか,刺さるのかは分からないが,少なくともサービス後は奇策が飛び交いそうに思えてワクワクする。
この駆け引きと読み合いは,カスタマイズ性を取り入れた戦法システムのおかげだ。類似したシステムを取り入れているゲームも思い浮かぶが,本作では“一手が重いSRPGで対峙する”から面白い。
それに,戦闘時に操作負担の少ないストラテジー系では,スキル類も攻略で最適化された鉄板構成で固められがちである。
しかし,本作では各々の思惑で,一手の効果が2倍にも3倍にもなる戦法の打ち方ができる。一戦ごとに予想を裏切られそうなのが愉快だ。
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なお,対人戦のときは思考時間に限りがある。
プレイヤーには将棋のように持ち時間が与えられるが,それを使いきると秒読みタイムに突入。一手ごとに与えられる10秒で,選択と判断をしなければならなくなる。できなければCPUの強制操作となる。
じっくりと考えて最善手を導き出すためにも,序盤などの簡単な局面はササッと流し,難しい局面に時間を残すのが大切なわけだ。
この仕組みは,長考によって対戦時間が際限なく延びることを抑えてくれる。それでいて,時間切れでCPUの強制操作になってしまっても,次の手番のときにわずかな持ち時間が再付与されるため,延々と秒読みに追われることもない(試遊会での仕様)。
一度の時間切れですべてが瓦解し,あとはもう消化試合……なんて考えるよりも,一発逆転に目を向けやすいルールであろう。
対戦時間の長期化への配慮と,テンポを両立させた構造といえる。
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西山泰弘氏のゲストマッチで,さらなる奥深さを知る
試遊時間のあと,壇上にはスゴロックス 代表取締役の西山泰弘氏が姿を見せた。西山氏といえば,セガでアーケードゲーム「三国志大戦」をヒットさせたことで知られるゲームプロデューサーである。
西山氏は本作について,「これまで縦に積み上げてきた三国志ゲームの歴史を,横に広げてくれた(のが本作)」と評価した。
また,多人数が参加するゲームの難しさにも言及。シングルプレイとは違い,対人戦では相手側の体験も踏まえたバランス調整が重要になると説きつつ,Qookka Gamesの調整力の高さを称賛した。
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そして西山氏は,本作は知識量が重要になるゲームだと述べた。その意味を存分に分からせてくれたのが,西山氏と桐氏の特別マッチだ。
会場では,趙雲好きだという西山氏が蜀軍を,対する桐氏が魏軍を選択し,三国志ゲームのプロデューサー同士による対戦が行われた。
舞台は,中央にかかった橋が鍵を握る対戦マップであった。
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橋により進路が限られる戦場では,敵から手痛い迎撃を受けないよう,武将同士の位置関係が大切になる。先頭をいく武将に対して,後続の支援が届くかなど,歩を進めた先の盤面を考慮せねばならない。
そんな地形が,西山氏に手痛い思いをさせる。
西山氏は先手とばかりに蜀軍に橋を渡らせ,桐氏の魏軍に攻撃を仕掛けた。すると(味方の攻撃に呼応する追加攻撃持ちの)趙雲が,敵陣奥に単騎で突っ込んでいってしまい,集中攻撃を受ける展開に。
なんとか先陣を務めて粘る趙雲だが,劉備の兵力回復を受けられない位置にいたため,すぐに戦場から撤退。趙雲が火力の中心を担う蜀軍としては,出足から非常に厳しい状況になった。
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対する桐氏は,これはもう「ゲームをちゃんとやり込んでるプロデューサーだ」と思わせてくれる,万全のプレイングを見せた。
まずは自軍部隊の補助をうまく回し,バフを重ねてビルドアップ。関羽の水攻め,諸葛亮の知略などの範囲攻撃も,絶妙な位置関係を作って被害を最小限に抑える。
相手の得意に飲まれづらい配置で,自分の得意を存分に機能させる。まさに,知識と運用で戦場を支配するお手本のようなプレイだ。
結果として,特別マッチは桐氏が圧勝した。西山氏には恐縮だが,観戦する側としては,本作の駆け引きをこの上なく理解できる一幕だった。本作のSRPG部分は“見”(※)から入ることでも上達しそうである。
※他人のプレイ動画などを見て,まずは定石を知るなどの意
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自分の手で動かす楽しさ。一手の重みを感じる三国志!
試遊会で印象的だったのは,開発陣が伝えたいであろう「自分で動かす楽しさ」というゲームの本質部分だった。
SRPGは,知識と経験が生きるゲームジャンルである。武将や戦法を知るほどに,自分が選べる手が増えて,対応もうまくなる。相性の悪い相手でも,攻める方向や順番を変えるだけで勝率が変動する。
それに,対戦ゲームでよく見られる「この相手と当たったから勝ち目がない」で終わるのではなく,逆転の余地が十分にある。これも,手動操作で命運を決するSRPG構造ならではのポイントだろう。
本作のSRPG部分は,クオリティに申し分がなかったため,SRPG好きなゲーマーにはぜひ一度体験してもらいたいところである。
それに,今回は1対1の戦闘に終始したが,本作が目指すのは,これらの局地戦が天下取りにつながる戦略的な盤上戦だ。日々の負担を減らす仕組みは追求されているようだし,棋道会やコラボ施策,シーズンごとの変化など,正式リリース後の変化も大いに期待できる。
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さて,ここからは試遊や発表を通じて生まれた疑問を,開発陣に聞いていった「メディア合同インタビュー」の様子をお届けする。
本作の狙いや今後の運営について,もう一歩踏み込んでいこう。
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――本作はSRPGにSLGを組み合わせていますが,組み合わせの候補には,SRPG以外のジャンルはありましたか。
桐氏:
SRPGが大好きなので,最初からこの道だけを考えて作ってきました。SRPGは複雑な策略や,計画的な操作が求められるジャンルですが,我々のようにそれが大好きなプレイヤーがたくさんいると信じています。そういう人に,「三國志 戦棋版」が届けばいいなと思っています。
――SRPG部分のオート操作は,どのような仕組みですか。
桐氏:
PvEやオンライン対戦で,AIによるオート操作が可能です。社内ではAIのトレーニングを重ねていますが,すでに十分な実用レベルであると自負しています。SRPGの操作をAIに任せるかどうかは,状況に応じて,プレイヤーの皆さんに選択していただけるようになっています。
――SRPG部分において,特殊な遊びの要素などはありますか。
卓氏:
シーズン1のあいだは,まずゲームに慣れてもらいたいので,あまり特殊なルールは提供しません。そういうものはプレイヤーがルールを熟知したころに,さまざまな形式で届けていくつもりです。
――CBTではどのような意見を受けましたか。
桐氏:
9月のCBTでは,皆さまからたくさんのフィードバックをいただけました。その1つに「育成システムが複雑だ」というご意見があり,こちらに関しては大幅な簡略化を見込んでいます。
また,要素が多いことから「チュートリアルが長い」というご意見も受けていたので,そちらも大幅に短縮していくつもりです。
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――FFTとのコラボで苦労した点はありますか。
卓氏:
FFTはSRPGジャンルにおいてトップクラスの名作であり,我々にとっても最高級のIPです。しかし,見てのとおり三国志とはスタイルがまるで違うので,アート面の調整にはとくに苦労しました。そのぶん演出などにもこだわっているので,ぜひ注目してください。
――FFTと三国志だと,世界観に大きな隔たりがあります。先方に提案を持ちかけたとき,どのような反応だったのでしょう。
卓氏:
私たちがスクウェア・エニックスさんにコラボの話を持ちかけたとき,ありがたいことにとても肯定的な反応をいただけました。というのも,本作とFFTは世界観が違えど,遊び方やゲームデザインの考え方に共通する部分が多かったからだと考えています。
――FFT以降のコラボは,どういったものを予定していますか。
卓氏:
三国志やSLGジャンルのみで考えるのではなく,異なるタイプのゲームや作品が好きなユーザーさんにも魅力を感じてもらえるよう,さまざまな方向性の施策を検討していきます。
――「天下一棋道会」は定期開催されるイベントでしょうか。
卓氏:
現時点で,第2回までの開催を構想済みです。大会ごとにルールを変えていきますが,以降は反響に応じて考えていく予定です。
――シーズンが変わったとき,引き継がれるものはなんですか。
卓氏:
プレイヤー資産である,手持ちの武将や戦法,そのランクアップ(限界突破に相当)は引き継ぎますが,ゲームプレイで積み重ねていくレベルやリソースはすべてリセットされます。
毎シーズン,全プレイヤーの武将,戦法,建築や研究をすべてゼロから再スタートさせることで,公平に競ってもらうのが目的です。
なにより,シーズンリセットの最大の目的は,プレイヤーの皆さまに「異なる戦闘体験を味わってもらいたい」という点にあります。
――(ゲーム開始地点であり,所属勢力を決める)出生地の振り分けはどうなりますか。極端な戦力差が生まれたりしませんか。
卓氏:
ゲームの初期起動時はランダムとなりますが,シーズン切り替え時は一派(チームに相当)単位で移動できます。
最終的に,プレイヤーの強弱に基づくマッチングシステムも詰めていくので,極端な戦力差は抑える方向で運用していきます。
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