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私が最初にこのゲームの戦闘画面を見せられたとき,どういうゲームなのか分からなかった。正確には,全体像を読み解けなかった。
タイトル名は「三國志 戦棋版」。
ジャンルは,スマホ向けSRPG×SLG。
SRPG自体がシミュレーション要素を内包する用語だが,重ねて“SLGを融合した”と標榜している。そこが本稿のキモでもある。
正直,世の中の新作ゲームの多くは,パッと見ればどんなジャンルで,どんなシステムなのかがだいたい読める。当然,雰囲気を伝えるためだけのシネマティックトレイラーなどは置いといての話だ。
こちとら自己アピールを控えたいほど,ゲームに人生を食い潰された重い過去を背負う詰み人である。埋め立て地のように重層化されたゲーム知識が無限の書庫と化し,自然と理解(わか)っちゃうのだ。
当然,ひと目でパッと理解できるゲームはそれ自体が優れている。むしろ分からないほうが問題だろう。だからあなたに問う。
「以下のスマホゲームが,どんなSRPG×SLGなのか」分かるだろうか。
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おそらく7割……いや,ここは読者を信頼して6割としよう。
6割の人は「いやいや,よくあるターン制のシミュレーションバトルでは?」と思ったはず。大丈夫。そのとおりだ。これは議論の余地もなく,昔からよくある三国志題材のSLGの戦闘画面そのものだ。
そして残り4割の悩んだ人は,私と同じだ。昨今のスマホゲームにおける“戦略シムの常識的な作り”に慣れきっている人たち。
この戦闘画面を備える歴史戦略SLGが,いったいどんな全体像なのか。スマホ市場の前例がチラついて読み解けなかった人たちだ。
考えたくない話としては,10割の読者が「いやいや,よくあるターン制のシミュレーションバトルでは?」と思ったときだろうか。やけに仰々しい前振りに対して,怒りのイくらいは表明したいはず。
そのときは,ありがとう。本作がいかに「今までの三国志ゲームの常識と違うのか」を解説していくには,これ以上ないお客さまだ。
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革新的なSRPGの形
Qookka Gamesの新作スマホゲーム「三國志 戦棋版」は,コーエーテクモゲームスの「三國志14」の正式ライセンスを受けて制作されている,重厚な世界観と戦略性が売りのSRPG×SLGだ。
9月にはテストプレイが実施され,開発環境を体験できた。
なお,「戦棋」(せんき)とは将棋や囲碁などのボードゲームのほか,軍略や戦略を用いるシミュレーションゲームのことで,中国語圏ではおもにウォーシミュレーションゲームと同義の語とされている。
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ここで話を戻して,冒頭の問いかけをひも解いていく。
まずはゲームの全体像からだが,プレイヤーは乱世に生きる君主として城を構え,武将を集め,広大な大陸で仲間たちと天下取りに挑む。
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大規模な戦略シムらしく,コツコツと内政や研究にいそしみ。
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ときには自由な1人旅で,大陸各地での出会いや散策を楽しみ。
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ターン制のシミュレーションバトルで,決戦に臨む。
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これが全体像となる。似たゲームの経験者なら理解はたやすいだろう。しかし本題は,本作の最大の売りである“戦闘の部分”だ。
戦闘は上記スクリーンショットのとおり,盤面に武将を配置し,敵味方のターン制で行動する。四角形のマス目で突撃や誘引の駆け引きを生み,攻撃や戦法(スキルに相当)のコマンド選択でしのぎを削り合う。
これ自体は古くからなじみ深い,王道のシミュレーションバトルの体裁だ。そこに疑問を持つ人は少ないどころか,まずいないはず。
ただ,これが“マルチプレイの戦略SLGの基本装備”となると,話が変わる。シミュレーションゲームでは当たり前のこうした戦闘構造だが,スマホ向けSLGでは長らく敬遠されてきたためだ。
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この戦闘システムについては以降,「戦棋バトル」と表記していこう。戦棋バトルの類いを採用しているスマホゲーム自体は数あるが,まず思い浮かぶものは「1人用SRPG」だ。CPU相手に戦い,ストーリーを進めていく,定番のシミュレーションゲームの形である。
けれど,これが不特定多数とのマルチプレイが前提のSRPGで採用されることはめったにない。前例は存在するが,市場を見ても存在感を示している組み合わせとは言いがたい。
あっても,多くの場合はAIに戦闘を委ね,戦況を眺めるオートバトルの方向性にとどまっていた。結局,操作と思考と通信の手間を減らすには,それが最適解であった。理由は至極単純だ。
この対戦様式はマルチプレイに向かないから。
1vs.1で駒を指し合う対戦は,スマホゲームがお題目として大事に抱えてきた「手軽に短時間で遊べる」とのかみ合わせが悪い。それこそ将棋のごとく,どっしり腰を据えて遊ぶものだからだ。
ゆえにスマホ向けMMOシムたちは,かつてPCゲームで覇を極めたリアルタイムストラテジー(RTS)に着目し,操作や画面遷移に摩擦のない構造をもって,その大多数が“MMOストラテジー”と名乗った。
それが皆さんのよく知る,大きなマップで敵拠点に部隊を派遣し,兵数や種類に差をつけた部隊同士がぶつかり合ったら,あとは操作いらずで結果を待つもの。兵士たちがワチャワチャと戦ったのち,とぼとぼと自拠点に帰ってくるもの。いわゆる村ゲーと呼ばれるものだ。
この構造には甲も乙もない。市場でも長らく一大ジャンルとして定評を得ている。比較ではなく,ただの差別化の話である。
本作はただ,スマホゲームではとのかみ合わせが悪いと見向きもされてこなかった戦略シムの当たり前を,ここにきて拾い上げただけだ。
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まずは「戦棋バトルを導入した価値」から考えていこう。
これまた当然の話だが,今まで積極的に導入されてこなかったのは,前述したような理由が多いためだ。
その点,本作では以下のようになっている。
・戦棋バトルは,対CPUのストーリーコンテンツやマップ上の賊狩りのほか,プレイヤー相手の対人戦でも適用
・部隊が戦棋バトルに突入したとき,プレイ中であれば手動操作,不在であれば自動操作のオートバトルとなる
・戦棋バトルの発生機会は,敵部隊との遭遇戦や攻城戦など。eスポーツ的なプレイヤーマッチで手腕を競い合うこともできる
・ただし,対人戦は「1vs.1の個人戦」が主軸となる。勢力同士の大規模な100vs.100などはオートバトル仕様となる
・手動操作中は3倍速やオートモードを利用できる。賊狩りなら画面遷移なしのワンボタン討伐にも対応
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競技的なランクマッチも搭載される戦棋バトルは,部隊編制の戦略性も,盤面上での戦術性も,取って付けたような作りではない。
それでいて「プレイ中は手動操作,不在時は自動操作」という仕様で,大まかな弱点をつぶしている。本作はいわば,ストラテジーとシミュレーションのハイブリッド型といったところである。
まあ,従来型のストラテジー的な遊びで戦うときは,ボクの最強編制が,不在時のCPU操作で,戦力に劣る人の手動操作にいいようにされることを容認しなければならないものの。それもある意味,知略をもって大軍を蹴散らす三国志っぽい体験か。味わうのは相手方だが。
なにより戦棋バトルがある価値については,楽しい。ゲームとして楽しい。ゲーム業界に連綿と続く,誰もが当たり前に触れてきた定番のバトルシステムなだけに,操作と思考の遊びそのものが楽しい。
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ストラテジーにも準備と結果の醍醐味がある。戦闘操作が控えめでも,命令の結果を受けるだけで驚くほど一喜一憂できる。その低負担さゆえ(※),スマホゲームで人気になったのもうなずける。
※あくまで操作の低負担。ライフサイクルにべったり張りつく“時間の負担”については,数あるゲーム類のなかでも目を背けるほかない
それでいて往年のRTSの名作たちのように,格ゲーばりに複雑な操作で事細かな部隊運用を行う対戦型もある。
こちらはまるで別ジャンルだが,同じ屋根の下に住まう兄弟だ。
対して戦棋バトルは,静と動。思考が結果を分ける。もちろん手持ち武将や育成状況も勝敗に関わるが,根本的に遊び方が異なる。
こうした戦闘は編制の準備も大切だが,本質的に待って楽しむものではない。“操作した結果を楽しむもの”だ。そこが明確に違う。
分類としては,ストラテジーとは似て非なるものだが,RTSとは近い。あちらさんは激しい動と動であるが,違いは体感速度だけだ。
つまるところ本作は,ゲーマーであれば誰もがなじんでいる定番システムなのに,スマホゲーム市場では「向かないから」とことごとく見ないふりをされてきたものをすくい上げた。
それをストラテジーのノウハウが詰まった土台に乗っけて,シミュレーションを名乗るに足る内容として成立させた。
組み合わせとしてはどちらもありふれた概念なのに,今の時代ではオリジナルになっている。SRPG×SLGを名乗る本意も,広大なマップでのGvGに,今までなかった戦棋バトルをかけ合わせた,といったところだろう。本作では,こうしたシステム全体を“盤上戦”と称している。
そのうえ,実際の内容も“対人戦を見据えたカスタマイズ性”に優れていることで,CPU相手の1人用SRPGでは味わえない体験が生まれていた。
戦棋バトルの華は「下克上」にあり
戦棋バトルは,CPU相手なら自ターンにすべての手駒を行動させたあと,相手に手番を回していくオーソドックスなルールである。
対してプレイヤー相手の場合,先手が1武将を動かす→後手が2武将を動かす→先手が2武将を動かす……と変則的な交互操作となる。eスポーツに明るい人なら,ドラフトピックの流れだと思えばいい。
盤面に出せるのは5部隊=5武将で,内政で集めた兵士たちを各部隊に割り振ると,それがそのまま体力になる。
こうした基礎の部分は,既存のMMOストラテジーそのものである。
部隊の基本行動は,移動と通常攻撃だ。そこに魏・蜀・呉・群(三大勢力以外の呂布など)の多種多様な武将と能力,兵種や陣形,そして武将ごとに3つまで持てる“クールタイム制の戦法”が加わる。
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特筆すべきは,100種以上の戦法の組み合わせと“回し方”だ。
戦法は分かりやすいものだと,単体・範囲へのダメージ,2種類の属性ダメージ,回復や支援のバフ/デバフのほか,地形オブジェクトを生み出すものなどもある。以下がその一例だ。
関羽:樊城の水攻めの史実再現。範囲攻撃+地形変化
趙雲:武勇の逸話を再現。地形無視の単騎駆けで敵陣を切り裂く
周瑜+陸遜:呉の火攻めを再現。複数武将によるコンボの一例
見た目は地に足をつけたクラシックな三国志ゲームの装いだが,実際の盤面はド派手なマップ兵器が飛び交うイメージである。
少なくとも,敵と密着し合ってからの肉弾戦や,弓などの2マス射撃だけで応酬する古典的なスタイルは踏み越えている。
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武将に習得させた戦法も,3種をただ使い分けるだけではない(※)。コンボ的な概念が多分に含まれており,自分好みに改良していく。
※戦法の1つ目は武将固有。2つ目〜3つ目が任意の習得枠
■戦法の属性
【兵刃】:兵刃属性のダメージ。いわゆる物理属性
【謀略】:謀略属性のダメージ。いわゆる魔法属性
【文武】:兵刃&謀略ダメージの両適用
【守備】:自身または味方の被ダメージを軽減
【補助】:回復や支援効果。敵への弱体化付与も
■戦法の大別
【能動】:手動で使用するアクティブスキル
【受動】:自動で使用されるパッシブスキル
【起動】:起動型の戦法は使用後,続けて能動戦法・通常攻撃などを実行可能。起動戦法は1ターンにつき最大1回まで
【突撃】:敵軍に通常攻撃や兵刃ダメージを与えたときなどに発動。1回の行動につき,同一の対象に対して最大2回まで突撃効果を与える
各戦法にはクールタイム(CT)が存在し,再使用が可能になるまでに1〜2ターンを要する。それもふまえて構築すると,以下のようになる。
■戦法コンボの概念
・CT1ターンの能動戦法2種を,毎ターン交互に使用。空き枠に守備や補助を入れて臨機応変に対応する構え
・CT1ターンの能動戦法2種を,受動戦法や起動戦法と合わせて回す。追加効果を乗せて一手ずつをより強力に
・CT2ターンの能動戦法2種を,CT1ターンの能動戦法1種と混ぜて回す
・起動戦法のあと,兵刃戦法を使い,突撃戦法につなぐフルコンボ
などなどだ。このあたりはパッと見では飲み込めないだろうから,流し見で問題ない。ともかく「3つの選択肢で対応型にするか,連携型にするか。その中身をどうするかはすべて自由」な設計だ。
しかも考慮すべきは,3戦法×5武将=15枠の組み合わせである。おかげで構築とその対処の選択肢がとんでもないことになっている。
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ユニットの個性。任意のカスタム性。それらをぶつけ合う環境の有利不利。これらは1人用SRPGでは,もはやアピールポイントにもしづらい基本装備だ。CPU相手では“ハメ”たところで満足感の質も違う。
その点,対人戦ありきだと事情がガラッと変わる。
テストプレイ中は,PvPイベントで1vs.1を楽しめた。1戦にかかるプレイ時間も「将棋的な持ち時間制」と「15ターン制限」で抑制されており,決着もわりと早くつく気がした。
マッチング後はまず,部隊の出撃位置を制限時間内に決める。相手側の配置は不可視だが,どの武将を出してくるかは可視化されている。
すでに駆け引きがはじまっているため,読める範囲で対面構築に臨む。知識がないあいだは無作為な全部隊最前線でもいいだろう。
戦地はリアルよろしく,敵味方の部隊が密着してゴチャゴチャするが,その裏で相手をうまく誘い出し,自分の戦法×地形コンボを複数部隊に当てられるかを考えていく。などと自分のことばかり考えていたら,誘引されていたのは自分のほうだった,なんてことも。
早くも遅くもない,思考の余地がある戦棋バトルのテンポ。人それぞれの仕掛けに直面するたび,「げぇっ! 関羽!」なお気持ちになる。
とくに実感できるのは,前述したように「手動操作で,こそ打ち勝てる状況がある」ことだ。数値上は不利に見えても,操作次第で結果を変えられる。すべてがプレイヤー同士の手動操作とはならないだろうから,こうしたゲームによくいる“圧倒的課金軍”にも,太刀打ちできる状況は多い。この下剋上体験もまた,戦棋バトルに込めた魅力のようだ。
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体験の質としては,カードゲームで相手の手番を戦々恐々と眺める緊張感に似ているだろうか。カウンターなどの誘発効果で介入できないぶん,もっと神頼みな面も強い。いずれにせよ,戦棋バトルの比較対象は(CPU戦ではないなら)1人用SRPGではない。対戦ゲームのそれだ。
しかもこれは,市場では長年希少なままの対戦型シムの遊びである。なじんでいるのに慣れていない対戦様式のせいか,プレッシャーもわりと大きく,手動時は操作も心理もお手軽とはほど遠い。
ゆえに,1回やってダメな人は絶対にいる。スマホゲームとしては長時間じっくりな1vs.1だけに,その圧に耐えられない人は出てくる。
だからこそ,1回やってどハマりする人も絶対にいる。怖そうだからと食わず嫌いしていた人が,1戦で脳が切り替わってしまい,ドパ君(ドーパミンどばどば君主)になる体験談が絶対に出てくる。そういう効果が予測できるくらい,新鮮な刺激が襲いかかってくる。
ドパ君になればもう,じっくり時間を使うことも,どっしり腰を据えて遊ぶこともまるで忌避しなくなる。これはそういうゲームだ。
どうしても対戦は無理という人も,避けて遊べばいいだけ。すべて自動操作に委ねよう。前線の兵の気持ちなど無視して,大局だけを見据えていいのが指揮官待遇の特権である。そしてそういう人こそ,1回試すとドパ君になる可能性が高いので注意しよう。
少なくとも,サービス開始後は誰もが一歩先を知らぬ軍師として,一歩先を恐れぬ勇者の心持ちを体験できるだろう。
とくに,障害物の壁を作って進軍を阻むなどのオブジェクト戦法では,人様の叡智とイヤらしさを存分に味わえるはずである。
もちろん,開発中の現状では,要素のすべてを破綻なくまとめられるかは分からない。けれど,テストプレイの段階ではもう「普通に悩んで楽しめるバトル」に達していた。だから不安はそれほどない。
100のうちの,5だけゲーム解説
ここまで戦棋バトルにだけ注目してきたが,大規模GvGを含めた盤上戦の全体像のほうもサラッとまとめておこう。
もしスマホ向けストラテジーの定型を知らないまま,ここまで読んでくれたのであれば,ちょっと不親切だったかもしれない。
なお,本作はこうしたゲームのご多分に漏れず,画面のボタンや機能がてんこ盛りだ。今は遊べない現状,逐一説明しても頭からすっぽ抜けるだろうから,今回は「100のボタンや機能のうち,5くらいを紹介する」にとどめる。身の詰まり方がギッチギチでハンパないゆえ。
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1つのサーバーの大マップには,200以上の城が存在する。プレイヤーは東西南北の4つの同盟(=勢力)のいずれかに属し,マップ中央にある洛陽に向けて進軍ルートを構築して,他同盟を出し抜くのが目的だ。
マップ上には「自身のアバター」も存在し,移動させることでさまざまなオブジェクトに触れられる。ここは実にRPG的である。
また1人用の遊びとして,100個以上のシナリオを通じて三国志の名場面を追体験する「演義」。マップ内を自由に探索して行ける場所を増やしたり,名将や名所を訪れたりする「探索」も存在する。
前者は物語と戦棋バトルを楽しめて,後者はローグライク的なランダムイベント(各地に「遊歴」というオブジェクトが点在している)や,強力なギミックを備えた野外ボスなどと遭遇できる。
ときには赤ネーム(他同盟のプレイヤー)に「あの〜,このあたりに英雄(※)いませんかね〜?」などとチャットで話しかけることで,ふところに潜り込み,離間の計を仕掛けられるかもしれない。
※各地には「全プレイヤーのアバター」や「出会えると配下になってくれる高レア名将」が放浪している。旅してるだけでわりと楽しい
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最初に手をつけるべきは「内政」だ。まずは施設を作るため,マップ上で木材・鉄鉱・石材・糧食・銅貨の資源地を探し,駐屯兵を倒して占領する。同時にそこらの賊も狩ってレベルアップや報酬を狙う。十分に稼いだら,自城に施設を建設し,資源や兵士を管理していく。
これらの一連のサイクルについては,ジャンル経験者なら説明せずとも分かるだろう。時間か時短で解決させる基盤構築タイムだ。
ちなみに,部隊に組み込む武将のレベルは,プレイヤーレベル相当の「共鳴レベル」に応じて上がる。いろいろとアクティビティをこなして共鳴レベルが10になれば,武将たちもLV10になる仕組みだ。
けれども,部隊1はLV10でも,部隊2はLV7,部隊3はLV5などと値は下がっていく。全部隊をLV10で並べられないからこそ,自分がどの武将たちを主力として運用するかの取捨選択が求められる。地味ではあるが,非常に効果的にプレイヤーを悩ませてくるすばらしい仕様だ。
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資源と建築の問題が解消されてきたら,「研究」にも注力だ。こちらもよくある,恒常的なバフ効果などをアンロックする項目である。
研究には「武将」と「内政」の2種類があり,前者は武将の能力や配備兵数などを強化。後者は資源の生産量などを増加させる。
なお,武将には戦地に出せない「内政武将」がおり,彼らを集め,コツコツと育てて内政ブーストするのも大切である。
こうして施設や研究を充実させていったら,あとは天下に覇を唱える術を模索するのみ。ゲームの醍醐味はここからだ。
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あらためて全体の流れを確認すると,プレイヤーはサーバーに参加後,出生州(リスポーン地)の同盟に自動で配属される。
同盟はシステム側で作られるもので,目標として指定されたルートに沿って「旗」を立てていき,領土を拡大する。旗は「ここウチのシマだから」と支配を主張するためのオブジェだ。
なお,部隊は遠征するほどに士気が低下していくため,大陸外縁から洛陽に吶喊しようとしても道中で勝手に瓦解する。領土の拡大とともに進めるのが原則ルールだ。これは他同盟との戦争でも同じである。
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同盟内には複数の役職があり,ゲーム序盤は優れたプレイ戦績の個人に役職が与えられる。役職に就くと,同盟全体への指示や方針の提示など,システムを介してさまざまな権限を行使できる。
全体の行軍ルートはそれなりに自由なため,どのような道を描いて洛陽に迫るか。首脳部の手腕が問われることだろう。
ついでに,同盟内では「一派」を作成できる。これは最大50名の同盟メンバーが所属できる,大集団のなかのチームあるいはギルドだ。
一派に所属すれば,仲間の強力な武将を借りて部隊を強化したり,仲間が占領した土地で一緒に屯田したり(効率のよい資源の獲得手段),貴重なアイテムを得られる一派商店などを利用できたりする。それ以上に,肩を並べて天下取りにいそしむ交流が,最大の価値になる。
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ともあれ,こうしたゲームの最大の課題はプレイスタイルだ。先ほどもちょろっと触れたが,このジャンルはとにかく「「◯日の◯時にあそこ攻めましょー」などと,ゲームに参加すべき日時への要求が多い。
そうした課題に,本作はいくつかの機能で立ち向かう。
■ワンタップ攻城予約
予定された攻城戦を事前予約しておくと,指定した時間に自部隊が勝手に参加する。決まった時間にログインする必要がない。
■自動探索機能
マップ上の資源回収や賊退治を自動化。毎日のルーチン作業をスムーズに処理し,プレイの手間を大幅に削減できる。
実際,テストプレイ中にワンタップ攻城予約を試したところ,戦争の時間にログインしていなくても参加できていた。戦闘はすべてログが取られるため,実際の模様もあとから振り返ることができる。
そうして振り返ると分かる。おい,自動操作。この部隊の動かし方はそうじゃない。もっとこう,こっちに関羽を動かして! などと憤る。本作のAIは強いとか弱いとかではない。「自分なりの思惑を実行する操作」まではフォローしてくれないだけだ。
ゆえに,ゲームプレイ的にも手動で操作する価値は高い。
まあ,どちらも課題解決のためのアンサーとしては十分に及第点だ。
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後半の紹介文だけだと,純粋なMMOストラテジーにしか見えないが,振り返るとやはり,戦棋バトルを組み込んでいるところが異例だ。
本作の場合,時代の最適化が追いついたのが大きいのかもしれないが,重厚なマルチプレイゲームに,旧来のシミュレーションバトルを乗っけても,まるで違和感なく成立させてきた。ジャンル自体が重めだからか,戦闘も重めになったところで気にはならない。
そのうえで倍速もオートもスキップも搭載しているから,パパッと処理したいときはスマホくんに任せればいい。
自動操作についてはスマホゲームらしい気楽さの反面,肝心の戦棋バトルがただの演出装置と化すうえ,手動相手にバチボコにされる不利を背負う。だが,そこは「背負わせてなんぼ」だろう。
このゲームが提供したい体験は手動プレイの下剋上だ。そこに促すためには,多少のデメリットがあるほうがうまく機能するのだろう。いずれにせよ,絶妙なバランスで組み立てられている。
それに,ふと思った。ここ10年くらいで耳にしてきた,「スマホのMMOで旧来のシミュレーションバトルは向かない」といった言葉。細部は違うが,いくつもの現場で実際に聞いてきた言葉だ。
私はそれに納得していた。実際やってもそうだったろうし。プレイの手間と時間を考えると重すぎるんだろうなと。そう信じていた。
私がこの記事を書く前もそうだった。事前に社名とタイトル名だけは聞いていて,ゲームの形はなんとなく想像できていた。
しかし,開発陣との打ち合わせで最初に戦闘画面を見せられたとき,すぐには読み解けなかった。前例で考えるとこの発想は「合わないから」。市場で切り捨てられてきたはずの構成だったから。まさかこの戦闘ありで,MMOではないだろうと。脳内で勝手に疑ってかかった。
一方で,目にしたときワクワクした。
「もしかして,ヤったか?」と。
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内々での新作ゲームに関する打ち合わせでは概して,資料や実機を見せられて,「ああ,そういう!」と「ああ,そういう……」の所感でよく二分される。新たな概念や機能を持ち込んだゲームも,体験をフワッと予測できてしまうことで,私の期待が傾きやすくなっているせいだ。
その点,本作は予測どおりの期待どおりをいった。ありえないはずの道を選び,これまでありえなかったことを成立させた。
市場にありふれたストラテジーではない,誰もがなじみ深いのに珍しい戦棋バトル。それでいて1人用SRPGでもなく,対人戦を意識する盤上戦だからこそ,部隊編制や戦法構築にメタが張りめぐらされる。
おまけに三国志の歴史シナリオも体験できて,フラッと1人旅なんかもできちゃって,いろいろなものに出会えてしまって。
結局は,誰かが言った説得力のありそうな言葉をうのみにせず,疑い,実際に形作った本作開発陣を評価すべきだろう。
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「三國志 戦棋版」は現在,アプリストアで事前登録の受付が開始されている。SRPGに“SLGを融合した”と表明する手触りを体験したい人は,この募兵に名乗りを上げるといい。























































