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育成シミュレーションゲームを基盤としつつ,ローグライト的なルールと物語要素を取り入れた本作。Steamレビューではアーリーアクセス時点から「圧倒的に好評」をキープしており,4Gamerでもアーリーアクセス初期から期待の一作としてプレイレポートで取り上げていた。また正式リリース時には,開発者であるカナヲ氏へのインタビューを掲載している。
好きなものを詰め込んでも,ちゃんと“自分のゲーム”になる。カナヲ氏が「DRAPLINE」に持ち込んだ,これまで使ってこなかった引き出し
7年間の連載を終えた「被虐のノエル」ののちにカナヲ氏が手がけたのは,ドラゴンの娘を育てるローグライトな育成RPGだった。予想を超える早期アクセスの反響,RPGツクールを使い続ける理由。自分の“好き”を詰め込んだ「DRAPLINE」について聞く。
約1年3か月のアーリーアクセス期間を経て,遊びやすさが増し,育て方も,その成果を試す相手も増えた「DRAPLINE」の体験はどう変わったのだろうか。
本稿では,基本的なゲームの流れ,アーリーアクセス期間中の変更点,Ver.1.0で加わった内容の順に紹介していく。
その評判やインタビューを見て気になった人もいれば,初期版を遊んで正式リリースを待ちつつも,まだプレイできていなかった人もいるだろう。初めての人は最初から,初期版を知っている人は変更点からと,気になるところを読んでもらえればOKだ。
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ドラゴン娘と過ごす1年間
稼ぎと育成の同時並行を楽しもう
最初に「DRAPLINE」という作品の特徴と基本的なシステムを,改めて紹介しておこう。
プレイヤーが育てるのは,世界に迫る“災厄”を察知して生まれた「神竜」と呼ばれるドラゴンの娘だ。神竜はありとあらゆるものを食べ,自らの力に変える能力を持っている。プレイヤーは幼き神竜の親として,災厄を跳ねのけられるだけの力を身に付けさせなければならない。
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といってもやることは簡単。プレイヤーは1週間ごとに「食事」と「行動」を選択するだけ。選んだ食事によって伸びる能力が変わるので,力自慢に育てたいのか,魔法を得意にしたいのかを考えながら献立を決めていく。
ただし,神竜はとんでもない大食らいなので,ステータスがよく伸びる高級品ばかり選んでいると,すぐに財布がすっからかんになる。世界を救う大役を担っていても,まずは今週のご飯代を用意しなければならないのだ。
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そこで,村人の仕事を手伝ってお金を稼ぐことになるのだが,この仕事も育成において重要な役割を持っている。神竜は仕事からヒントを得て新たなスキルをひらめくので,構築したいビルドに合わせて仕事先を選ぶ必要がある。
仕事先で村人と親しくなれば,高レアリティの食材やスキルが出やすくなるので,そこも考えどころ。誰のところで働くかを選ぶことが,食費稼ぎと今後の育成方針の両方につながっているわけだ。
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物語の節目には「災竜」を名乗るボスが現れ,プレイヤーは育てた神竜でターン制のコマンドバトルに挑むことになる。
条件に応じて自動発動するパッシブスキルや,所持することで効果を得られるアーティファクトを組み合わせ,戦略を組み立てるのだ。ドラゴンらしい必殺技「ブレス」など,本作ならではの戦い方も用意されている。
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もちろん,育てるのは戦闘用の能力だけではない。神竜に言葉を教えたり,「これを食べてもいい?」という提案に答えたりするうちに,その子らしさが変わっていく。好きにさせるか,きちんとたしなめるかによって“気質”が形成され,それ自体が戦闘に影響する仕様もある。
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育成を終えると,結果に応じてポイントを獲得できる。これを使えば強力な周回ボーナスをアンロックできるので,遊べば遊ぶほど快適になっていくわけだ。
ただし,食事も仕事もスキルも毎回思いどおりに選べるわけではない。提示された候補を生かし,「次はこう育ててみよう」と試すことになる。基本システムはシンプルながら,短い育成を何度も試したくなる作りは,初期版から続く本作の面白さだ。
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アーリーアクセス開始時のレポートでは,こうした基本システムをもう少し詳しく取り上げている。作品の雰囲気も含めて知りたい人は,こちらも参考にしてほしい。
なんでも食べちゃうドラゴン娘は,世界を救う英雄となるか?「DRAPLINE」は,気軽に遊べて周回が楽しい“育成RPG”としてオススメの作品だ
2025年6月30日にアーリーアクセスを開始した,Vaka Game Magazineの新作タイトル「DRAPLINE」が話題を呼んでいる。なんでも食べちゃうドラゴン娘を育て上げ,世界の破滅を防ぐ“育成ローグライト”を謳う本作は,要素はいろいろありながらも遊びやすくて周回が楽しい,その成長を追いかけたくなる一作だった。
育成幅と挑戦の両方が大幅強化!
初期から変わった3つのポイントを紹介
アーリーアクセス開始以降,本作は高頻度でアップデートを重ねてきた。新コンテンツの追加だけでなく,基本システムを含むさまざまな調整も行われている。ここからは,アーリーアクセス期間中に本作がどう変わったかを見ていこう。
まず,重要なコンテンツ追加やシステム変更の履歴をまとめてみた。ここには記載していないものの,スキルやアーティファクトのバランス調整も細かく行われている。ざっと見ただけでも,アーリーアクセス初期とは相当大きく変わっていることが分かると思う。
| 実装時期 | 調整内容 |
|---|---|
| Ver.0.5.4 | ・能力バフ/デバフの重ねがけを2段階までに変更 ・アーティファクト3種/村人の会話追加 |
| Ver.0.6.0 | ・スキル/アイテム/TIPSのライブラリ追加 ・商会の品揃えを更新する手段追加 ・夏合宿のチャレンジボス追加 ・ランダムイベント/「小さな災い」追加 ・スキル15種追加 ・アイテム類5種追加 |
| Ver.0.6.1 | ・任意のタイミングで育成を放棄可能に |
| Ver.0.6.2 | ・Steamクラウドセーブに対応 ・アーティファクト8種追加 |
| Ver.0.7.0 | ・高難度Lv.3〜9追加/Lv.2を改修 ・「時空の断片」追加(初期シナリオのクリア後に解放) ・スキル21種/アイテム類27種追加 ・秋〜冬のチャレンジボス2種追加 ・周回ボーナス/シナジー効果追加 ・神竜の新しい「雰囲気」2種追加 ・既読スキップ/演出速度などの設定追加 ・反動ダメージをシールドで防御可能に |
| Ver.0.7.4 | ・自宅の待機モーションに気質ごとの違い追加 |
| Ver.0.7.5 | ・スキル4種/アーティファクト3種追加 ・「熱血頭突き」「反応魔法」で攻撃時パッシブが発動 |
| Ver.0.8.0 | ・好感度イベント21本/スチル7枚追加 ・好感度イベントで特定属性のスキルをひらめくように ・第3ボス候補に災竜ドロシー追加 ・スキル6種/アーティファクト2種追加 ・RULEに大きく寄った状態を維持すると,バトルスキル枠+1 ・シールドが毎ターン10%減少する仕様に ・連続攻撃の1撃ごとに攻撃時パッシブが発動 |
| Ver.0.8.2 | ・スキル8種追加 |
| Ver.0.8.3 | ・不用品買取部追加(訪問週はカレンダーに表示) ・スキル3種/アーティファクト2種追加 ・イベント追加 |
| Ver.0.9.0 | ・第1ボス候補にメルティ追加 ・第2ボス候補にフラクタ追加 ・アーティファクト6種追加 ・教える言葉の初期設定追加(初期シナリオのクリア後) ・好感度イベントの条件を行動選択画面に表示 |
| Ver.0.9.3 | ・スキル「ガッツ」追加 ・アーティファクト2種追加 ・WILDに偏ると解禁される「矯正プログラム」追加 |
こうしたアップデートによってプレイヤーの体験が大きく変わったのは,主に「難度とプレイフィールの向上」「戦闘における戦略幅の拡張」「育成と交流の深化」の3点だ。
●難度とプレイフィールの向上
長く遊びたいプレイヤーにとって最も嬉しいのは,初期シナリオである「DAYS OF TORNADO」の高難度版が最大レベル9まで追加され,より挑戦的な遊び方が可能になったことだ。これにより“周回”に重要な意味がもたらされた。
一般的なローグライト系作品と比較すると,本作の難度は低い部類に入る。ゲーム慣れしている人ならば,1回目でクリアできても不思議ではなく,高難度版もレベル1〜3の範囲なら大きな差を感じることはない。物語を楽しむにあたってはありがたいが,周回する作品としてはちょっと寂しい。
しかし,レベルが上がるとリトライ回数が厳しく制限され,敵はどんどん強くなり,頼みのブレスも撃ちにくくなっていく。レベル6以降は再抽選系アイテムの必要数が増え,食材やショップの価格も大きく上がるので,意識的な取捨選択が勝敗を分けるようになる。遊びごたえを求める人も,これなら十分に楽しめるだろう。
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また,既読スキップや演出速度などの設定が可能になったことで,周回そのものの快適性も大幅に増している。正式版で新要素をサクッと楽しみたい人にとっても嬉しい機能なので,久しぶりにプレイする人は設定欄を改めてチェックしてみよう。
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●戦闘における戦略幅の拡張
周回は,ゲームが難しくなれば面白くなるというものではない。プレイヤーの工夫に応えられるだけの選択肢が増え,戦略の幅が大きく広がっているのも注目点だ。
アーリーアクセス開始から正式リリースまで,追加されたスキルは58種,アーティファクトは48種,アイテムは11種で,合計すると117種類におよぶ。調整もこまめに行われており,ローグライトらしい「出たものを使ってビルドを組む感覚」をより味わいやすくなっている。
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全体の方向性としては,直接的なダメージが小さいスキルの役割が増した印象だ。特に連続攻撃系については,攻撃時パッシブ効果が1撃ごとに乗るようになったため,2〜3回攻撃の低レアリティスキルもしっかりと役立ってくれる。
そのほかにも,スキルとアーティファクトのシナジーが強化されている部分が多く,状況次第でさまざまな戦略が効果を発揮するようになった。知識がモノをいう場面も増えており,ローグライトらしい“選択の楽しさ”は大きく深まっている。
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●育成と交流の深化
スキルが増えたからといって,それがランダムに放り込まれただけでは,単に強力なシナジーが生まれる確率が下がってしまう。そこをカバーしているのが,交流や育成に関する追加要素の数々だ。
特定属性のスキルを得たければ,その属性に対応した村人との交流を深めるのが得策だ。現在は特定属性のレアリティが上がるだけでなく,好感度イベントで特定属性のスキルを確実にひらめかせられる。もちろん,その場面でも再抽選アイテムを使えるので,計画的にリソースを使えば一定のシナジーを持つビルドを構築可能だ。
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また,気質が戦闘に影響を与える要素が増え,育成中の選択肢やアイテムで気質を調整しやすくなっている。クリティカル系のビルドでは意識的に“命令無視”を発生させたほうが強くなる場合もあり,WILDに寄せることにかなり意味が出ているのも面白いところだ。
| 種別 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| RULE | ・ランダムイベントでスキル獲得 ・バフ/デバフ持続が+1ターン ・【極端】受けるデバフの持続−1ターン ・【極端】スキルセット枠+1 |
・捕食の成長量が減少 ・【極端】人型の捕食成長が消滅 |
| WILD | ・捕食による成長量が上昇 ・ランダムイベントで能力値上昇 ・命令無視時,クリティカル率+50% ・【極端】命令無視時,クリティカル率+100% |
・命令無視の可能性が高まる ・命令無視時,被ダメージ+25% ・仕事でスキルをひらめく確率が下がる ・【極端】命令無視時,被ダメージ+50% ・【極端】警告無視で強制終了 |
ランダムに出現する災竜や,撃退することで大きなリターンを得られるチャレンジボス(全3種)など,計画の指針になる要素も増えている。久々に遊んだなら「こんな要素もあったのか!」と驚くこと請け合いだ。
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“あのとき”の選択を覚えている?
未来を見届ける新シナリオ
正式版(Ver.1.0.0)では,育成した神竜の未来を見届ける新シナリオ「DRAGON’S DISCIPLINE」が実装され,真のエンディングを迎えられるようになった。
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基本的な育成形式は「DAYS OF TORNADO」と同じだが,どう育成し,誰と関わったかによって,25種類のエンディングへと分岐していく。ここではネタバレを避けるために詳細は省きつつ,プレイするにあたって重要な要素を簡単に紹介していく。
| Ver.1.0.0 アップデートまとめ |
|---|
| ・新シナリオ「DRAGON’S DISCIPLINE」実装 -「時空の断片」に紐づく新シナリオ開放イベント -「DRAGON’S DISCIPLINE」クリア後のエンディング25種 ・「小さな災い」追加 ・スキル「大声で叫ぶ」「蜃気楼」「リバーブ」「空間浸食」「騒音」強化 ・「ポイズンクロー」「ポイズンラッシュ」「毒の牙」「デスロール」「硬化」「コーティング」「再生」「応急手当て」CD(クールダウン)短縮 ・英語/簡体字翻訳を大幅改訂 |
新シナリオは非常によくできていて,プレイヤーが抱いてきたであろう疑問に応えてくれる。ゲーム体験の面でも独自の要素が複数取り入れられ,初期シナリオを楽しめた人が求めるものは,しっかりと詰め込まれている。
楽しむにあたって一番大事なのは,初期シナリオの内容をしっかりと理解し,自分がどんな選択をしてきたのかを覚えておくことだろう。……冗談で言っているわけではなく,本当にこれが最重要事項なのだ。
新シナリオにおいては,初期シナリオで提示された謎が回収されていく。「あれってなんだったんだろう」「あいつはどうなったんだろう」という疑問が,真のエンディングに向かうにあたって一番のスパイスになる。
なので,新シナリオのアンロック条件を満たしていたとしても,久々のプレイであれば初期シナリオを最低でも1回はゆっくり咀嚼しながら遊んでみてほしい。災竜の物語「時空の断片」に取り逃しがあるなら,それを拾っておくのもオススメだ。
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全体的な難度についても触れておこう。新シナリオで要求される要素は初期シナリオよりも少し多いが,システムの理解がある程度進んでいれば戸惑うことはないはず。当然,アンロックした永続強化要素も引き継げるので「難しすぎてクリアできない」といった状況には陥りにくい。
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ただし,エンディングにはそれぞれ条件があり,一部の村人と仲良くなったり,特定のステータスを一定以上まで上げたりと,それなりに極端な育成が必要になることもある。
つまり,特定のエンディングを狙うとなればプレイ方針に“縛り”が発生する。全エンディングを埋める場合は難度が高くなるので,注意が必要だ。なかなかクリアできない場合は,初期シナリオを周回して適切なバフを得られるだけのポイントを用意してから進めたほうがいいかもしれない。
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「DRAPLINE」は1年と3か月のアーリーアクセス期間を経て,非常にボリューミーな作品に進化した。コンテンツ量の拡大やゲームバランスの整備もしっかりと行われ,1本の作品として完成に至ったといえる。アーリーアクセス初期に触れた人や,興味を持ちつつタイミングに迷っている人は,この機会にぜひ触れてみてほしい。
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