インディーズゲームの小部屋：Room＃719「嗜血印 Bloody Spell」

　発売から42年も値段が変わらなかったうまい棒がついに値上がりすると聞いて，急いでコンビニでまとめ買いしてきた筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第719回は，藝龍遊戯の「嗜血印 Bloody Spell」を紹介する。本作は，剣や槍などの近接武器による攻撃をメインにしたアクションアドベンチャーだ。電気代もガソリン代も値上げされて，この先いったいどうしたらいいのやら……。


　本作のストーリーは，人々を生贄として捧げ，邪神の復活を目論むカルト教団「霊虚教」にさらわれてしまった妹を助け出すため，帰宗門という門派で武術の修行を積んでいた主人公が立ち上がるというもの。「仁王」と「NINJA GAIDEN」を足して2で割ったような，スピード感ある近接アクションが大きな魅力だ。


　主人公のアクションは，弱攻撃，強攻撃，ガード，回避，ジャンプなど多彩で，タイミングよく防御することで敵の攻撃をパリィで弾き，“処刑”というクリティカル攻撃を繰り出すことも可能。ローカライズが少々怪しいのでゲーム内の表記とは異なるが，武器は片手剣，両手剣，槍，拳，二刀流，法杖の6系統あり，この内の2つを装備して，任意に切り替えながら敵と戦っていく。


　6つの武器系統には個別に熟練度が設定されており，そのカテゴリの武器を装備して敵を倒すことで熟練度のポイントを獲得できる。このポイントを消費して，新しい技やコンボなどを習得する仕組みだ。武器にはそれぞれ異なる特徴があるので，両手剣の重い一撃で相手のガードを崩し，素早く二刀流に持ち替えて連撃を加えるといった具合に，状況に応じて使い分けよう。


　また，宝箱やショップ（のようなもの）などで入手できる「血琥珀」を使って，「嗜血印」というスキルを習得できるのも特徴の1つ。スキルはパッシブスキルとアクティブスキルの2系統あり，主人公の基礎能力を強化したり，魔法のようなもので離れた敵を攻撃したりと，その効果はさまざまだ。中でも，ジャスト回避するとバレットタイムが発動し，短時間だけ敵がスローモーションになるパッシブスキルは強力で，うまく使えば相手に反撃させずに倒すこともできる。


　そのほかに注目したいのは，本作では衣装によって主人公の性別が変化する点。とくに女性用の衣装は，有料DLCを含めてセクシーなものが揃っている。ただ残念なことに，日本語ローカライズの出来がいまいちで，ゲーム後半はほぼ中国語で進むため，肝心の盛り上がりどころのストーリーがさっぱり理解できなかったりする。それでもハイテンポの爽快アクションを楽しめるゲームであることは間違いないので，興味を持った人はぜひどうぞ。そんな本作はSteamにて，2580円で発売中だ。

■「嗜血印 Bloody Spell」Steamストアページ

https://store.steampowered.com/app/992300/_Bloody_Spell/