2026年10月29日から11月1日まで,タイ・バンコクのQueen Sirikit National Convention Centerで
「gamescom asia x Thailand Game Show 2026」が開催された。一般来場者向けのエンターテイメントエリアは10月30日に開場し,Hall 1から4までの4ホールが,試遊の列と,買い物袋を提げた来場者でいっぱいになっていた。
gamescom asiaは,Koelnmesse(ケルンメッセ)とgame(ドイツゲーム産業協会)が開く
gamescomのアジア版で,2021年にシンガポールで始まったイベントだ。2007年から続くタイのゲームイベント,Thailand Game Showと2025年に統合して会場をバンコクへ移し,今回は統合後2回目の開催となる。
前回は4日間で20万6159人が来場し,出展者数は294にのぼったという。今回は会場面積が2割ほど広がって3万5000平方メートルを超え,出展者の国と地域も過去最多の29に増えた。
Riot Gamesのブース。「League of Legends」と「VALORANT」の看板が並ぶ
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タイ政府系機関のデジタル経済振興庁(depa)によれば,タイ国内のゲーマーは
4000万人を超えるという。市場の中心はスマートフォンで,タイの金融系シンクタンクKasikorn Research Centerは,2025年の国内市場を361億バーツ(約1700億円)とし,その58.3%をモバイルが,26.4%をPCが,15.3%をコンソールと携帯機が占めると推計している。
だが,売上のほとんどは国外のゲームの流通や輸入,版権の管理によるもので,同じ推計では国外ゲームが市場の97.8%を占めるという。国産ゲームの売上は2024年に43.6%も落ち込んだ。
「熱心に遊ぶ国から作り手の国へ」というのがタイのゲーム業界の掲げる目標だ。開幕日のオープニングセッションでは,業界団体のThai Game Association(TGA)がまとめたタイパビリオンに,ビジネスエリアで49社,エンターテイメントエリアで86タイトルが並ぶと紹介されていた。
エンターテイメントエリアのタイパビリオン「Thai Playvilion」
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会場の一等地を占めていたのは,日本のパブリッシャだ。任天堂はNintendo Switch 2のブースを構え,
「ぽこ あ ポケモン」や
「Pokémon Champions」の試遊台を並べていた。
サードパーティのタイトルも多く,
「ELDEN RING Tarnished Edition」や
「DAVE THE DIVER Nintendo Switch 2 Edition」も遊べるようになっていた。
「ぽこ あ ポケモン」の試遊台
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「Pokémon Champions」の試遊台
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任天堂ブースの「モンスターハンターワイルズ」
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「DAVE THE DIVER Nintendo Switch 2 Edition」(左)と「Lost & Found Co.」(右)の試遊台
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「ELDEN RING Tarnished Edition」のコーナー
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列の長さで群を抜いていたのが,カプコンブースだ。
「Monster Hunter Wilds: Ascendance」のマルチプレイ試遊では,最後尾の札に手書きされた待ち時間は2時間だった。
ほかにも
「プラグマタ」や
「鬼武者 Way of the Sword」「ストリートファイター6」といったタイトルがプレイでき,
「Mega Man: Dual Override」のパネルも掲げられていた。
「Monster Hunter Wilds: Ascendance」の試遊エリア
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マルチプレイ試遊の最後尾の札。待ち時間2時間となっていた
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バンダイナムコエンターテインメントのブースで来場者を出迎えたのは,
「エースコンバット8: Wings of Theve」の戦闘機だ。
「ドラゴンボール ゼノバース3」の試遊台は
「COMING 2027」の案内を掲げており,
「GUNDAM ROGUE ORBIT」の看板の前にはモビルスーツの立像が置かれていた。
餅菓子の
オンデオンデを題材にした
「Ondeh Ondeh Kaya's Tasty Tale」は,看板のクレジットを見ると,同社のシンガポール法人とマレーシアのMETRONOMIKによるものだ。日本で作ったゲームだけでなく,現地のスタジオと組んだタイトルも持ち込んでいたわけだ。
バンダイナムコのブースには,スクウェア・エニックスの
「FINAL FANTASY」シリーズのコーナーもあった。
「FINAL FANTASY VII REVELATION」の試遊台の奥には飛空艇を模した撮影スポットが用意されており,10月22日に発売されたばかりの
「FINAL FANTASY RESONANCE」では,ドット絵のキャラクターを敷き詰めた壁面が来場者の足を止めていた。
両社は海外の販売で手を組んでいる。東南アジアではBandai Namco Entertainment Asiaが
「FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster」や「FINAL FANTASY RESONANCE」のパッケージ版を扱っており,ヨーロッパでも2025年2月からバンダイナムコがドイツやイギリス,スペイン,イタリア,北欧でスクウェア・エニックスのパッケージ版の流通を引き受けている。
バンコクのブースに「FINAL FANTASY」が並んでいたのは,その延長だろう。
「エースコンバット8: Wings of Theve」の戦闘機
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「ドラゴンボール ゼノバース3」の試遊台
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「GUNDAM ROGUE ORBIT」の看板とモビルスーツの立像
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「Ondeh Ondeh Kaya's Tasty Tale」のコーナー
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「FINAL FANTASY RESONANCE」の壁面
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「FINAL FANTASY VII REVELATION」のコーナー
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セガとアトラスのブースでは,
「ペルソナ4 リバイバル」と
「Stranger Than Heaven」の試遊台に人が集まっており,
「Total War: WARHAMMER 40,000」もPCで遊べるようになっていた。
「ペルソナ4 リバイバル」の試遊台
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「Stranger Than Heaven」のパネルと「Total War: WARHAMMER 40,000」の試遊台
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日本勢と同じくらいの広さを取っていたのが,アニメ調のタイトルを持ち込んだ中国や韓国のパブリッシャだ。GRYPHLINEは
「アークナイツ:エンドフィールド」の巨大なキャラクター映像を掲げ,KURO GAMESの
「鳴潮」は中華風の門と提灯でブースを飾っていた。
「勝利の女神:NIKKE」のブースは,屋根に大きなキャラクターの人形を載せていた。来場者がメッセージを書いて貼る壁も,付箋で埋まっていた。
「アークナイツ:エンドフィールド」のブース
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中華風の門を組んだ「鳴潮」のブース
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屋根にキャラクターの人形を載せた「勝利の女神:NIKKE」のブース
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「NOTE TO NIKKE」と書かれた付箋の壁
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「白銀の城」のブースではコスプレイヤーが登壇するステージイベントが開かれ,
「アズールプロミリア」では木の枝を組んだ大きなアーチが入口に立てられていた。奥では作中のキャラクターに扮したコスプレイヤーが撮影に応じており,カメラを持った人の人だかりができていた。
「白銀の城」のステージイベント
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木の枝を組んだ「アズールプロミリア」のアーチ
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「アズールプロミリア」のブースにいたコスプレイヤー
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タイらしさを前面に出していたのが,
「THAI NEXT THAINESS」を掲げたエリアだ。電飾をまとった観覧車のオブジェが立ち,隣のステージではRobloxの
「Blade Ball」大会の参加者を募っていた。
ステージの看板によれば,賞金総額は3万バーツ(約14万円)だ。Sensor Towerの調べでは,タイのモバイルゲームのダウンロード数で「Roblox」は
「Free Fire」や
「PUBG Mobile」と並んで上位に入っている。
「THAI NEXT THAINESS」の観覧車
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Robloxの「Blade Ball」の大会の告知。賞金総額は3万バーツ(約14万円)とある
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ブースの真ん中にリングを据えていたのは,ムエタイを題材にした
「MUAY THAI XTREME」だ。クローズドテストを2026年11月に行い,
2027年2月に
Steamで発売する予定だという。
パブリッシャを探していると看板で呼びかける
「Blast Blade」のようなブースもあった。エンターテイメントエリアとはいえ,商談の相手を探す場としても使われていたわけだ。
「MUAY THAI XTREME」のブースに据えられたリング
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「Seeking Publisher」の看板を掲げた「Blast Blade」のブース
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Thai Playvilionには,depaとTGAのロゴを掲げた小さなブースがずらりと並んでいた。タイの水かけ祭りを題材にしたらしい
「Songkran Hazard」のような地元色の濃い作品もあれば,アライグマが料理をする
「Sous Raccoon」のように国を感じさせないゲームもあり,かなり雑多な印象だ。
「Songkran Hazard」(左)と「Sous Raccoon」(右)のブース
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Thai Playvilionの試遊台。中央は「SHINE BRINGERS」
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国・地域のパビリオンは今回20に増え,インドネシアや日本,マレーシア,アメリカが新たに加わった。初出展のインドネシアパビリオンは
「Games from Indonesia」の看板を掲げ,自国のスタジオのタイトルを並べており,試遊台の前はなかなかのにぎわいだった。
国を問わず小規模なスタジオが集まるindie areaには,黒い衝立に作品名を掲げた試遊台が整然と並び,どの台でも開発者が付きっきりでゲームの説明をしていた。規模の小さなスタジオほど,遊ぶ人の反応を直接見られる場は貴重なのだろう。
インドネシアパビリオン
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indie areaの入口
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indie areaの試遊台
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ゲームと関係の薄い企業の出展が多いのも,Thailand Game Showを引き継いだイベントらしいところかもしれない。タイの食品大手CPは
「CP BOOST STATION」で総菜を販売。200バーツ(約940円)以上を買うとガチャを回せ,電子マネーTrueMoneyの90バーツ(約420円)分や50バーツ(約240円)分が当たるという企画を実施していた。
黄色いトラックを置いていた
「RICHMAN SHOP」は,ゲームのトップアップ(課金用のチャージ)を扱う店のブースだ。スポンサーのMonster Energyは,大型スクリーンを据えたステージを構えていた。
CPのガチャ。TrueMoneyの90バーツ(約420円)分と50バーツ(約240円)分が当たるとある
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「RICHMAN SHOP」のブースに置かれたトラック
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Monster Energyのステージ
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会場では,来場者やブースのコンパニオンなど,かなりの数のコスプレイヤーを見かけた。会期中にはコスプレの大会も開かれ,賞金総額は30万バーツ(約140万円)だったという。
「RICHMAN SHOP」の販促パネルを手にしたコスプレイヤー
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エンターテイメントエリアは,11月1日までの3日間にわたって開かれていた。ゲームを遊ぶ人の多さはもちろん,作り手を育てようとする動きも会場のあちこちで見られた,タイのゲームショウだった。