男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ：第732回「『パラノマサイト』と私だけが味わった特殊すぎる演出」

著者近影

　私がアメリカに旅立ち，帰ってきてから，早くも1か月が経とうとしております。現地の試合で思いのほか大喝采を浴び，調子に乗って試合翌日のレッスルコン（世界一のプロレス団体WWEの年間最大の大会であるレッスルマニア，その前日に行われる世界各地のプロレスラーが集いサイン会を行うイベント）でエクスカリバーチャレンジ（我々由緒正しき天空のプロレスラーが紙でできた伝説の剣をケツにはさみ，挑戦者がその剣を指の力だけで抜くことができるかを競う儀式）を行った結果，しっかりとイベント関係者に叱られてしまったのが1か月前だと思うと，時の流れは速いなあと思わざるを得ません。

　あ，細かいことを言うと日本ではエクスカリバーチャレンジなんだけど，アメリカではガンスリンガーチャレンジにローカライズしました。剣をピストルに変えて，伝説の銃を早撃ちできるかという儀式。
　まあ，怒られたことに変わりはないけれど。通訳してくれた人もなぜだか，「俺もこんなことは言いたくないんだが」っていう部分までしっかりと訳してくれました。怒りのほどが伝わってきますね。

　さて，そんなアメリカ遠征でしたが，そのときにプレイしたゲイムをご紹介しましょう。その名も「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」（PC / Nintendo Switch / iOS / Android）です。どうせ普段行かないアメリカに行くんだから，普段積極的には遊ばないホラーゲイムを遊んでみようと思って，Nintendo Switchにダウンロードしてたんですね。

　最初，ホラーゲイム枠は別のタイトルだったんだけど，SNSを通じて読者からおススメされたもので。ゲイム的にはアドベンチャーゲイムですね。私，ホラーゲイムが苦手なんですよ。怖いから。
　あと，だいたいNintendo Switchは寝る前にベッドで横になって，部屋を暗くして遊ぶんですよ。深夜帯に。ね，そうするとホラーゲイムとの相性が悪くなるわけです。いや，相性がいいとも言えるな。


　ホラーゲイムと深夜の暗闇プレイの相性はさておき，ともかく私は怖いゲイムが苦手なわけで，そうすると私がプレイしている状況はとても怖いシチュエーションなわけです。だから，自ら進んでホラーゲイムは遊ばないんですね。据え置き機で遊ぶ「バイオハザード」でギリ許容範囲内。だけど，アメリカではシチュエーション変わるから，和ホラーならいけるんじゃないかなーと思ったわけですよ。

　ケツ論から言うと面白いです。世界観もキャラクターもしっかりしている。ストーリーも難解なわけではない。何より，テンポがいい。第〇話的な構成なので，キリもいい。
　ただ，私にとって飛行機のフライト中に遊ぶには怖すぎた。

　実際に私が遊んだのは飛行機の機内で電気も消えている状態だから，当然イヤホンで遊んでたんです。で，私一番後ろの席だったんですね。このゲイム，自分の視点から360度動かしながら周囲を調べるっていう要素があるんですよ。簡易的なVRですよね。で，振り返ったら，明らかに何かが起こってる状況が生まれるんですよ。ゲイムを進めてたら。だってこれ，ホラーゲイムだし。

　でね，もう一度，現実のことを言いますけど，私の座席は飛行機の一番後ろだったんです。だから，後ろには誰もいないはずなんですよ。それなのにゲイム内で私が振り返った瞬間，後ろから声が聞こえるんです。最後尾の私より後ろから。イヤホンから聞こえるゲイム音とは別の声が。
　ビビってイヤホンを外して振り向いたら，いたよね。キャビンアテンダントさんが。食事を用意してた。怖いよね。だから，そこでプレイできなくなっちゃった。こんな演出あるなんて思わないじゃん？　パラノマサイト，すげーよ！

　それから，アメリカのホテルでもプレイしたんです。パラノマサイトをプレイしてたら寝落ちしてて，深夜にホテルの非常ベルが鳴って起こされる事態に見舞われたのですよ。詳細はちょっと前の連載でお話したから割愛しますが，パラノマサイトをプレイした結果，水道管が破裂して屋外に避難させられるという超常現象が起こってしまった。
　滅多に行かないアメリカで，滅多に起こらないであろうトラブルを引き当てるというか，巻き起こすわけですよ。すごいよ，パラノマサイト。

　そこから私は今作をプレイできていません。演出がすごすぎるからね。……と書くと，ゲイムが勘違いされそうなので補足するとね。かなり面白いですよ。ここはフェアに伝えなきゃね。アドベンチャーゲイムとしてしっかりしてます。たまたま，私がリアル恐怖演出を引き当ててしまっただけで。
　すぐ主人公が死ぬルートになってしまうから，トゥルーエンド的なシナリオもあるんだろうけど，全貌が明らかになったときにカタルシスがあるんだろうなという予想はできる。そのあたりの積み上げていく最中で私は中断しているわけだけれど，積み上げの時点で面白い。繰り返すけど，ゲイムテンポがいいのもいい。
　なので，元々おすすめされて遊んだゲイムではあるけど，さらにおすすめしたいです。ぜひアドベンチャー好きはお試しあれ。


　てなわけで，今週は「パラノマサイト」と私だけが味わった特殊すぎる演出について述べてみました。令和のゲイムはすげーよ（違）！　ではまた来週。

今週のハマりゲイム
PlayStation 5：「eFootball 2023」
Nintendo Switch：「溶鉄のマルフーシャ」「Winning Post 10」
iOS：「ロードモバイル」
iOS：「ウイニングイレブン カードコレクション」

■■男色ディーノ（プロレスラー）■■ ディーノ選手が所属するDDTプロレスは，4月29日（土）に大阪・豊中市176BOX大会「MAX BUMP 2023 TOUR in OSAKA」を，翌30日（日）に静岡・クリエート浜松ホール大会「MAX BUMP 2023 TOUR in HAMAMATSU」を開催します。ディーノ選手は飯野“notセクシー”雄貴選手とのタッグで，大阪では大石真翔選手＆須見和馬選手と，静岡では火野裕士選手＆大石真翔選手と対戦します。ディーノ選手に試合への意気込みを聞くと，「試合はともかく，ホンダのフィットは燃費がいい」と自慢されました。