ストラテジーにRPG要素を加えた，あの伝説のMODに続編が登場。Valveが「Defense of the Ancients 2」発表

　北米時間の10月13日，Valveが「Defense of the Ancients 2」の制作を正式に発表した。Valveがストラテジージャンルのタイトルを制作するのは初めてのこと。詳細はまだ発表されていないが，PCとMac向けに2011年内のリリースを予定しているという。


　「Defense of the Ancients」は，「Warcraft III: Reign of Chaos」のカスタムMODとして登場した作品で，IceFrogというハンドルネームで知られるアマチュア制作者の手により2003年に登場。一時はオリジナルをさしおき，国際的なゲームトーナメントで使用されるほどの人気を獲得し，さらにそのユニークなゲーム性は，Gas Powered Gamesの「Demigod」やS2 Gamesの「Heroes of Newerth」などの作品に大きな影響を与えた。

　Defense of the Ancientsでは，2つのチームに別れた10人〜12人のプレイヤーが，相手の陣地にある“Ancient”と呼ばれる堅固な建物を破壊すべく戦うことになる。ゲームスタート時，プレイヤーは100種類以上存在するヒーローユニットから1体を選ぶことになるのだが，それぞれのヒーローユニットは特徴的なスキルを保有し，さらに経験値やレベルアップの概念も持っている。初期状態のままでは話にならないため，いかにヒーローユニットを鍛えるかが重要になり，同時にヒーローのスキルを活かした戦略も要求される。このように，RTSとRPGの面白さが見事に融合されているのだ。


　アメリカのゲーム情報サイトGameInformerは，Defense of the Ancients 2の独占情報を掲載しており，記事中「前作のヒーローユニット全員が登場するほか，ゲームプレイはまったく変わっていない」としている。シングルプレイ用キャンペーンは実装されないようだが，Sourceエンジンを使って一新されたグラフィックスに加え，オンラインのプレイヤーが途中でゲームを止めた場合でも，PCが代わってプレイしてくれるというような機能も搭載されるようだ。
　また，ゲームで勝つと新しいキャラクタースキンがアンロックされたり，ベテランゲーマーが新人を“コーチ”するというプレイヤー同士のコミュニケーション機能があったりと，Valveのデジタル配信システムである，「Steam」を使ったネットワーク機能の拡張にも重点が置かれているという。
　しかも，ソースコードが公開される予定もあるとのことで，リリース後にはMOD制作者達によるさまざまアイデアが盛り込まれていくかもしれない。このあたりも，MODカルチャーを重要視するValveらしい判断だと言えるだろう。