「DOOM」や「Quake」で知られるid Softwareの
最新IPが急接近
シリーズ最新作として世界中のファンが注目する「The Elder Scrolls V: Skyrim」(PC/PlayStation 3/Xbox 360)の詳細が公開されたプレスカンファレンス,「BFG 2011」が2011年4月11日〜13日にかけてアメリカ,ユタ州で開催されたことは,本日掲載した記事でもお伝えしたとおりだ。記事にもあるように,Skyrimだけでなく,同社が2011年後半から2012年にかけてパブリッシングを予定している新規タイトル,「RAGE」(PC/PlayStation 3/Xbox 360),「BRINK」「Hunted: The Demon's Forge」そして「Prey 2」の新情報公開やプレゼンテーション,試遊が行われており,ここではそこで明らかになったRAGEの新情報を紹介したい。
デベロッパであるid Softwareがテキサスで開催したイベント「QuakeCon 2007」で発表されてから約4年,まさに“ようやく”発売にこぎつけたRAGE。パブリッシャが当初のActivisionからElectronic Artsに変わり,さらに2009年にid SoftwareがZeniMax Mediaに買収されたため,パブリッシャがBethesda Softworksに変更されたりなど,かなりの紆余曲折を経てきたタイトルでもある。
1991年に設立されたid Softwareは,「DOOM」シリーズや「Quake」シリーズなどによりFPSというジャンルを築き上げた伝統あるデベロッパだが,もともとリリースされるタイトルが少ないうえに,残念ながらビッグヒットには恵まれず,また,2004年の「DOOM 3」や2009年のブラウザゲーム「Quake LIVE」など,過去作品の続編やリメイクばかりと,なかなか厳しい状況が続いている。それだけに,完全な新IPとなるRAGEにはファンやメディアの注目が集まっており,歴史あるデベロッパの将来を占う作品であると目されてきたのだ。
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プレスカンファレンスでは,id Softwareで本作のリードデザイナーを務めるMatt Hooper氏と,クリエイティブデザイナーのTim Willits氏という,さまざまなイベントですっかりおなじみの2人がプレゼンテーションを行い,そのあと実際にプレイするというスタイルで紹介された。
これまで「巨大な隕石が落下して,大半の人間が滅びた地球を舞台にしたFPS」という程度の内容しか分かっていなかった本作だが,まず今回は,もう少し詳しいストーリーが説明された。それはざっとこんな感じだ。2036年,小惑星アポフィスが地球をかすめ,そによって地球の環境が激変することを察知した人類は,“エデン計画”を秘密裏に発動し,「アーク」と呼ばれるシェルターを地下深くに数千個,建設した。これは,地上の環境が元に戻るまで地下に逃れ,そのあと地上に戻って文明を再建しようというものだ。
アークに入れるのは人類のごく一部で,プレイヤーもその1人。ところが,しかるべき時間経過ののち地上に帰ってみると,そこは想像とはだいぶ異なる世界になっている。多数の人間が生き残っており,不気味なクリーチャーなども徘徊。さらに「オーソリティ」と呼ばれる組織が独自の軍隊によって地上を支配していたのだ。プレイヤーは,この荒廃した世界で生き残り,クリーチャーと戦ったり住民と関係をもったりしながら,世界がどうしてこうなってしまったのか? の謎を追っていくことになるという。
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単なるFPSではない,ユニークなゲーム性
![]() ゲームの説明をしてくれたRAGEのリードデザイナー,Matt Hooper氏 |
![]() 試遊の様子 |
あとで聞いた話だが,Hooper氏によれば,RAGEはあくまでもシングルプレイに軸足を置いた作品であり,シングルプレイの面白さが追求されている。ただ,制作の過程でコンバットバギーによるレースをマルチでやったら楽しいのではないかという話が出て,実装されることになったという。Co-opについても状況は同じらしい。
ともあれ,広大な世界を自由に移動してゲームを進めるというRAGEのシングルプレイにおいて,車両は重要な要素であり,ATV(四輪バギー)のようなシンプルなタイプから,軍用車のようなものまで,3タイプが用意されており,それぞれに機関銃やミサイルを搭載するといったカスタマイズも可能になっている。
マルチプレイは,それらのシングルプレイに登場する車両を使ったレースとなり,もちろんただ走るだけではなく,搭載した武器によるライバル車の破壊も可能。荒涼とした土地を舞台に,ゴテゴテと武装したバギーが砂煙を上げながら走り回る様子は,これまでもスクリーンショットなどでおなじみだ。
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シングルプレイに登場するマップの一部分を舞台に戦うCo-opは,シングルプレイのストーリーとも微妙にリンクしており,Co-opを行うことによって,世界についての追加情報が手に入ったりするという。難度はシングルプレイに準じており,Co-opだからといってとくにバランス調整は行っていないという。プレイシーンを見る限り敵はかなり固めで,狙撃ライフルを使っても1発では倒せない。とくに,オーソリティの兵士達は,どこから持ってきたのかかなりのハイテク装備で,狙撃で倒すにはまず1発目でヘルメットをはじき飛ばし,しかるのちにヘッドショットを決めるといった念の入れよう。デモプレイで,しょっちゅうグレネードを投げていたのも印象的だった。半裸の貧乏くさいバンデット(盗賊)達も,遮蔽物の背後に隠れて手だけ出して撃ってきたり,遠くへ逃げたりと複雑な立ち回りを演じ,さすがにFPSの専業メーカーらしく,戦闘シーンは面白そうだ。
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またこれは,そのあとに行われたシングルプレイ試遊の印象だが,ロボットやガジェットもRAGEでは重要な要素となる。これまで何度が紹介したように,プレイヤーはあちこちに落ちているガラクタを拾い集めて,戦闘用のロボットなどを制作できる。残念ながら試遊ではそこまで凝ったものは作れなかったが,落ちている材料から鍵を開けるガジェットを作り,それを使って行けない場所へ行くというフィーチャーを体験できた。
ユーザーインタフェースがちょっと分かりにくいという印象はあるものの,面白い仕掛けだと感じた。プレゼンテーションのゲームシーンでは,そうしたロボットを使って戦いを有利に進める場面も見られたが,うまく使えばかなり強力な援軍になってくれそうだ。また,爆発物を積んだラジコンカーを使って敵を倒していくという要素もあり,こうした小道具をうまく使って戦っていくことが求められる。
登場する武器は,アサルトライフルやマシンガン,ショットガンなど多彩で,またボウガンを撃つと,視点が矢の先に移動するといった演出も施されている。デモプレイには出てこなかったが,SFライクな武器なども用意されているようだ。巨大なモンスターを倒すためにロケットランチャーを使うなど,DOOM以来の伝統も守られている。
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シングルプレイに関しては,新しい街である「Subway Town」が紹介された。RAGEでは,プレイヤーがあちこちの街でミッションを請け負い,それをクリアすることでゲームが進んでいく。メインミッションは1つで,ストーリー展開はリニアだが,数多くのサブミッションが用意されているというデザインだ。そのほか,街のあちこちには,サイコロ賭博やバンジョーを使った音楽ゲームなど,5種類のミニゲームがあり,これによって手持ちの資金を増やすこともできる(もちろん,減ることもあるだろうが)。
サブミッションとしては,上にも書いたバギーによるレースのほか,怪しげなショウに出演して,襲ってくるゾンビやクリーチャーを次々に倒していくといったものがあり,ゲーム全体のボリュームはかなりのものになりそうだ。
ゲームエンジンとしては,id Softwareのカリスマ的なプログラマーとして知られる,ジョン・カーマック氏が中心となって開発した「id TECH5」が使用されており,グラフィックスのレベルは高い。今回は,Xbox 360版だったが,PC版およびPlayStation 3版でも,同じグラフィックスクオリティが得られるとのこと。ただ,id TECH5の特徴である「メガテクスチャ」は,大きな画像を扱うため,ファイルの容量が巨大になる。そのため,PlayStation 3版では1枚のブルーレイディスクに収まるものの,Xbox 360版では,複数のDVDで提供されることになる(PC版に関しては,「Steam」などのデジタル配信での販売も考えられているが,詳細については未定)。
長い開発期間を経て,ようやく発売されるRAGE。初期段階からゲーム開発に関わってきたHooper氏は,現在は「ホッとしている」とのこと。そして,これまでにないようなユニークなゲームが完成して,満足していると付け加えた。欧米では,2011年9月の発売が予定されており,時期は未定ながら日本語版もリリースされる予定になっている(関連記事)。id Softwareの久々の新IPがどのような仕上がりになっているのか,発売を楽しみに待とう。































