初日の基調講演に登壇したEpic GamesのCEO,Tim Sweeney氏は,これまでの移行方針を変更し,次世代エンジン「Unreal Engine 6」でブループリント(BP)を最初から廃止すると発表した。ゲームプレイの記述はVerseに一本化する。
ブループリントは,ビジュアルプログラミングで扱いやすく,多くの開発者に愛用されてきた機能だ。これをきっかけにUEを使い始めた開発者もいるのではないだろうか。
その廃止について,Sweeney氏は会場の開発者に向けて謝罪の言葉も述べている。
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Sweeney氏はまず,ゲーム業界が大きな変化のなかにある一方で,日本の開発者はUnreal Engineで世界的な成功を収めていると語った。
例として挙げたのが,発売1か月で100万本以上を売り上げ,「フォートナイト」にもソニックが登場した「ソニックレーシング クロスワールド」と,UEFNでゲーム作りを学んだ2人の開発者がSteamで2000万本を販売した「めっちゃカメレオン」だ。
IPが「フォートナイト」に入っていく流れと,UEFNから世界的なヒット作が生まれる流れの両方が,1つのオープンなエコシステムのうえで起きているという。
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Sweeney氏は,ゲームがエコシステムへと成長していることを業界の大きな流れとして挙げた。「フォートナイト」のMAUは7600万人,Robloxは4億人以上で,AIがこの傾向をさらに加速させている。
Robloxは運営元がすべてを管理するクローズドなエコシステムだが,「フォートナイト」はすべての開発者が対等に協力する完全にオープンなエコシステムへと移行しつつあり,UE6でこれを世界中の開発者に広げていく考えだ。
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UE6に入る新機能の多くは,現在UEFNで実験的に開発されている。UEFNで作ったゲームは各プラットフォームで自動的に動作し,決済やサーバーといった運営面もEpic Gamesが引き受ける。
7人のチームが手がける「Steal the Brainrot」はMAU450万人,ライブイベント時の同時接続110万人に達したが,サーバーの用意や運営作業は必要なかったという。
UEFNのローンチ以来,開発者への支払いは累計10億ドル以上にのぼる。収益の20%をIPホルダーに支払えば,「スター・ウォーズ」や「レゴ」などを題材にしたゲームも個別の契約なしで作れるそうだ。
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UE6は,Unreal Engine 5の優れた機能と「フォートナイト」で築いたオープンなエコシステムを組み合わせたものになる。
作ったゲームを各プラットフォームのストアで配信しつつ,「フォートナイト」などのUGCゲームにも出せるようにするのが狙いで,Sweeney氏はこれを1社による支配を避けるための戦略だとした。
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UE6ではゲームプレイをすべてスクリプト言語「Verse」で記述し,エンジン部分は引き続きC++で開発する。
VerseはC#のように書きやすく,C++並みに強力で,AIを使ったゲーム開発ではこれまでのどの言語よりも扱いやすくなるという。
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Sweeney氏は,UE6でのゲーム開発はAIで大きく加速するとの見方を示した。Epic Gamesの社内ではAIによって1.5倍から4倍の生産性向上が見られ,2026年末までに少なくとも4倍,2027年半ばには多くの領域で10倍の改善を見込んでいる。
AIへの姿勢はオープンで,開発者は好きなモデルをMCPサーバーやPythonのスクリプトインタフェース経由でUnreal Engineに接続できる。
Epic Games自身はAIモデルを作らず,米国や中国などのAI企業と組み,各社のモデルが3Dを得意とするようデータを提供しているという。
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講演の後半,Sweeney氏はUE5からUE6への移行方針を変更したと発表した。6月に米国・シカゴで開催された「Unreal Fest 2026」(基調講演レポート)では,ブループリントはUE6の初期版に残し,Verseを中心とする仕組みが成熟した段階で非推奨にするとしていた。
AIにとってはブループリントよりもテキストベースのコードを扱うほうがはるかに生産的だと分かったため,2027年末にローンチするUE6の開発環境からブループリントを取り除くことを決めたという。
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Sweeney氏は,Epic Gamesのデザイナーも会場の開発者の多くもブループリントを愛用している点を踏まえ,この決定が歓迎されないことを認め,ブループリントの廃止について謝罪した。
そのうえで,働き方を大きく変えることになっても,次世代のテキストスクリプトに集中することが,開発者がUE6で成功するためには必要だと説明した。
UE5からUE6への移行には,AIを活用した変換手段を用意する。Epic Gamesは「フォートナイト」でこれを試しており,数千に及ぶブループリントと残ったC++のゲームプレイコードをVerseへ移しているところだ。
Sweeney氏は,日本の開発者はゲームの未来を定義するうえで主導的な役割を担えると述べ,Epic Games Japan代表の河﨑高之氏に講演を引き継いだ。
続いて登壇した河﨑氏は,日本でのUnreal Engineの活用事例として,「ACE COMBAT 8: WINGS OF THEVE」や「METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER」,「ペルソナ3 リロード」などを紹介した。フォトリアルな表現だけでなく,アニメ調の表現にも対応できる点をUnreal Engineの強みとしている。
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河﨑氏はまた,Unreal Engine 5.9のプレビュー版を翌週に公開する予定であることを伝えた。
UE5.9にはAIを活用したワークフローの改善やWebプラットフォームへの対応,レンダリングとアニメーション機能のアップデートなどが盛り込まれる。
Epic Games Japanとしても,日本語の学習リソースの拡充や技術サポートなどを通じて,UE6の導入を全力で支援していくという。
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「Unreal Engine 6」はなぜオープンエコシステム構想を進めるのか? 創業者のTim Sweeney氏らにUEの未来を聞いた
Epic Gamesがシカゴで開催した「Unreal Fest 2026」にて,同社創設者でUnreal Engineのアーキテクトを務めるTim Sweeney氏と,UE開発チームの責任者であるMarcus Wassmer氏に,日本メディアとしては唯一の単独インタビューを行った。開発責任者が語るUEの未来とは。




































