巨大なMMORPG? モバイルゲーム? それともeスポーツ? ……そのどれもが正解ではあるが,ここ数年で確実にもう一つのジャンルが加わった。古くは「The Coma」などに始まり,「Skul: The Hero Slayer」「SANABI」……そう,韓国産インディーゲームの進撃である。
しかしその実態を少し掘り進めると,ちょっといびつな姿が見えてくる。
韓国には,政府系/行政系の開発支援制度が,日本から見れば羨ましくなるほど手厚く存在する。ところが,完成したゲームを世に送り出す「パブリッシング」の機能が,決定的に不足しているのだ。
なるほど,作るための金はある。しかし,売るための金と知見が圧倒的に少ないのだ。そして何より,インディーゲームを専門に扱うパブリッシャが,韓国には一社も存在しなかった(これは言われるまで気付かなかった)。
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この会社,経歴だけでも十分に興味深いのだが,やることなすことがイチイチ予想外である。
設立からわずか1か月の,ゲームを1本も出していないどころか契約すらしていない段階で,100億ウォン(約11億6000万円)の資金調達に成功。しかもそれは,「EXITを求めない投資家」だけを選んで受けたという。そんなことできるの?
タイトルごとに置かれる「ブランドマネージャー」は,1人を除いて全員がゲーム業界未経験者で,採用面接では履歴書より先にSteamのプレイ履歴を提出させるという。成功ラインは100万本ではなく20〜30万本。「そのチームが次回作を作るために必要な販売量」との理由だ。そしてなにより,IPは原則として開発会社のものなのだ。
そんな特徴的なパブリッシャーの彼らの最初のタイトルが,TGS 2026のインディーゲームコーナーに出展されていた「ボイドダイバー : アビスからの脱出」(PC)だ。クトゥルフや世界の怪談をモチーフにした,最大3人協力プレイ対応のエクストラクションアクションRPGである。
会期中のステージでは,予定されていたアーリーアクセスを撤回し,2027年1月の正式リリースへ切り替えることが発表された。ブースでは役員自らがコスプレで来場者を迎え,ブランドマネージャーが手作りしたグッズを,Discord経由で駆けつけたユーザーに配っていた。なんというか,全方位に全力だ。
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2.5D協力型エクストラクションACT「ボイドダイバー : アビスからの脱出」は2027年1月に正式リリース。早期アクセスを見送り,新コンテンツを含むロードマップを公開[TGS2026]
Red Brick Houseは本日(2026年9月19日),東京ゲームショウ2026の4Gamerブースで「ボイドダイバー : アビスからの脱出」のステージイベントを実施した。イベントには,本作のディレクターを務めるペク・ホヨン氏らが登壇し,ゲームプレイを実演したほか,本作を2027年1月に正式リリースすると発表した。
TGS 2026の会期中,そんな彼ら……共同代表のKim Hyukjin(キム・ヒョクジン)氏とHong Jeecheol(ホン・ジチョル)氏,そして事業開発理事のAngela Lee Minjeong(アンジェラ・リ・ミンジョン)氏の3名に,話を聞く時間をもらえた。
なぜ大企業をスピンオフしたのか。名刺を配ってもほぼ全部フラれたという釜山のイベントで,何を学んだのか。「Skul」はどうやって見つけたのか。VCの金を受けてなお,「レンガを一つずつ積む」ような地味で堅実な商売は成立するのか……。
韓国インディーシーンの現在地と,「パブリッシャという仕事」の本質が詰まったインタビューになったように思う。日本のインディー開発者の皆さんは,ぜひ最後のメッセージまで読んでほしい。彼らは本気で,みなさんを探しに来ているのだから。
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「Void Diver」は,アーリーアクセスを撤回して2027年1月に正式リリースへ
4Gamer:
さて,一般公開日の朝という慌ただしいタイミングにありがとうございます。しかもコスプレで来るとは思わなかったです。
Angela Lee Minjeong(アンジェラ・リ・ミンジョン)氏:(以下,Lee氏)
違うんです! このインタビューのすぐあとでコスプレで出演しなくてはならず……。
4Gamer:
役員なのになんでもやりますね(笑)。
しかし前回,韓国で一緒に食事をしていろいろ聞いちゃったし,TGSで4Gamerが配った冊子にも登場してもらっているので,もう何を聞いていいのやら……(笑)。
まずは,昨日のブースでの発表の話からいきましょう。
Hong Jeecheol(ホン・ジチョル)氏:(以下,Hong氏)
どうぞどうぞ。
4Gamer:
「VOID DIVER」は,アーリーアクセスのプランを撤回して,2027年1月の正式リリースに切り替えると発表されました。
勝手な思い込みかもしれませんが,Red Brick Houseはコミュニティテストを重視するポリシーなのかと勝手に思っていたので,急に製品版へ切り替えた理由が気になっています。
Kim Hyukjin(キム・ヒョクジン)氏:(以下,Kim氏)
「VOID DIVER」のDiscordには現在4000人ほどのユーザーがいて,テストについて継続的にフィードバックをやり取りしています。そのやり取りの結論として見えてきたのが,アーリーアクセスをやるよりも,ユーザーの期待を満たせるバージョンまで作り込んで正式リリースするほうが正しい,ということでした。
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アニメ調エクストラクション「ボイドダイバー:アビスからの脱出」は,「メイプル」のクリエイティブディレクターを務めた男の新たな挑戦[BIC2026]
ドット絵のビジュアルとアニメ調のキャラクター,そしてエクストラクションのゲームデザインを組み合わせた「ボイドダイバー:アビスからの脱出」。韓国最大級のインディーゲームイベントの会場で,開発スタジオを率いるペク・ホヨン氏にじっくりと話を聞いた。
4Gamer:
サラリと言ってますが,4000人は結構多いですよね。
Kim氏:
確かにインディーゲームとしては,かなり活発なコミュニティだと思います。
それで,デモ版で見せられる面白さは,本作が見せたいものの2〜3割程度なんです。それだけでも相当な数の人が集まっているんですが,ストーリー要素も含め,残りの7割は正式版でこそ見せられるものが多い。それならば,全コンテンツを一括で出したほうが,ユーザーの期待に応えられるのではないかと判断しました。
4Gamer:
外から見ている分には,「結構完成度高そうなのになぁ」と思うくらいの状態ではあったので違和感はないんですが,急な方針転換だったのでちょっと聞いておきたかったです。
しかしローンチ版での難易度面での問題はないんですか? 昨日ステージでのプレイを見てたんですが,見るからに難しそうでしたし,「このまま殺されて終わるのかな?」と思いながらドキドキ見てました。
Kim氏:
確かに今は入口が少し難しいので,「入口は易しく,出口は難しく」という方向で調整しています。「Easy to Play, Hard to Master」の方向へ,ユーザー体験の幅を広げているところです。
4Gamer:
なるほど。確かにそっちのほうが間口は広がりますしね。
「日本が一番重要な市場」だと気づいたのは6月だった
4Gamer:
それはそれとして,TGSのようなグローバルイベントへの出展は,実は初めてですよね。
Lee氏:
うん,そうですね。
4Gamer:
以前どこかの記事で「優先は韓国のマーケット」と読んだことがあって,それにもかかわらず日本にここまで気合いを入れて来ているのがちょっと想定外でした。日本市場を,どう捉えているんですか?
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当初は,フィードバックのやり取りがしやすい韓国ユーザーを中心にコミュニティを作っていました。もちろんそれは海外を排除するという意味ではなく,「まず韓国から」という認識だったんです。
ところが,ある時点でSteamのウィッシュリストの国別比率で日本が1位になりました。それが今年の6月頃の話です。
4Gamer:
1位って,本作では何パーセントくらいですか。
Kim氏:
15%ほどです。
4Gamer:
なんと,そんなに。
Kim氏:
アメリカや中国よりも多かったです。当然Discordにも日本のユーザーの流入が増えてきて,今では日本人のコミュニケーションが一番活発なんです。
会社を設立した直後の6月から,日本市場にどう対応するかをずっと考えてきました。今回のTGSでは,「VOID DIVER」のブランドマネージャーが自分でグッズを手作りして,Discordから会場に来てくれた人に配る,といったこともやっています。
まぁ正直に言えば,「日本がうちにとって非常に重要な市場だ」と気づかされたのがこの6月だった,ということですね。
4Gamer:
じゃあメディアとしては,「VOID DIVER」の日本のユーザーに感謝ですね。彼らがいなかったら,御社は日本に来ていなかったかもしれない。
Lee氏:
本当にそうです……。
TGSで私たちのブースに足を運んでくださった皆さま、そして21日にご来場を予定してくださっていたものの、残念ながらお会いできなかった皆さまも、本当にありがとうございました!
— VOID DIVER: Escape from the Abyss ? TGS (@studionemo_de) September 22, 2026
皆さまのおかげで、私たちもTGSをとても楽しく締めくくることができました。?… pic.twitter.com/znJK2VXQhN
4Gamer:
今聞いたのと逆の話ですが,韓国のタイトルを日本に持ってくるのが上手な御社が,日本のタイトルを韓国やグローバルでローンチするという方向性はあるんですか。
Kim氏:
ものすごくやりたいです。実際,今回のTGS期間中もインディーブースを回って,契約したいゲームをずっと探していました。ただよくご存じだと思いますが,いいゲームはほとんどパブリッシャが決まっているか,すでにリリース済みで,なかなか噛み合わないです。
パブリッシング契約の前の段階で,どうやって開発者と出会えばいいのかを,今もずっと考え続けています。
4Gamer:
おお,さすがに回ってたんですね。でも,インディーの人たちもたぶん,韓国のイケイケのインディーパブリッシャだとは気づいていないと思いますよ。
だってこの人(ホン氏),どう見てもゴルフをしに来たおじさんみたいじゃないですか。
(一同笑)
Hong氏:
ゴルフ,しますよ!(笑) したいですね! 日本のゴルフ場行きたいです。
4Gamer:
買い付け担当の超偉い人にはとても見えない(笑)。
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社名の由来は「三匹の子豚」の末っ子のレンガの家
4Gamer:
まあでも,そうやって仲良く3人で事業を回しているわけですが,Red Brick Houseという社名は,3人いるところから見ても「三匹の子豚」から取っているんですか?
Lee氏:
その通りです。三兄弟の末っ子が建てた,レンガの家です。
Kim氏:
でも,三匹の子豚がモチーフなのに,なぜ「レッドブリック」なのかという聞き方をされるということは,もしかして日本のお話は内容が違うんですか?
4Gamer:
いや,たぶん同じですよ。元は西洋の童話ですしね。※
※ちなみに知らない(覚えていない)人も多いと思うが,あれは家があまりに貧しくて食えなくなったせいで,親豚が子供を自活させるべき外に放り出す話で,なかなかシュールなのだ。あれ? そういえばRed Brick Houseの面々も元々いたところから……(放り出されてはいません)
Kim氏:
三匹の子豚は,長男がわらで家を作って,次男が木で作って,末っ子が赤いレンガで一番丈夫な家を建てる。それで最後は,みんなが末っ子の家で一緒に安全に暮らす,という話なんです。レンガと言えば普通は赤レンガを思い浮かべるので,Red Brickなんですよ。
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4Gamer:
うん同じですね。まぁオリジナルは,最初の2頭の子豚は狼に食べられちゃうんですが(笑)。
いや,僕はメディアなので視点がイヤらしいというか穿っているというか,「俺達は,わらの家や木の家にはならないぞ」という意味かなと。
Hong氏:
というと?
4Gamer:
今までのインディーゲームパブリッシャは,わらの家や木の家だったので崩れたでしょ? 俺達は違うぞ,という意味なのかなと。
(一同「おおお」)
Kim氏:
なるほどその視点はなかった(笑)。
Lee氏:
ちょっとカッコいいですよこれ。
Hong氏:
いま妙にみんなで感心しちゃいましたが,もうちょっとポジティブな意味です(笑)。
我々にとってのキーワードは「積み上げる」ことです。ユーザーとも開発会社とも,関係を一つひとつ積み上げていくのが我々の仕事だと考えて,この名前にしました。小さいものをどんどん積みあげて,一つの大きなものにしていくぞ,という意思を重視したんです。
Kim氏:
それに「ハウス」には温かみがあるでしょう? 「外は寒いでしょう,うちに来て一緒に暮らそう」という意味も込めています。
4Gamer:
……自分が恥ずかしくなってきました。
Hong氏:
いやいや,とんでもない(笑)。
独立の決定的な理由は「意思決定のスピード」
4Gamer:
気を取り直して。
そうやってカッコいい感じで「家を建てた」と言いますが,正直なところ,3人ともNeoWizの下にいたままでも実績は出し続けられたはずです。それでも独立した決定的な理由は何だったんですか。「俺たちの家を作ろう」と思った理由を知りたいです。
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Kim氏:
うーん……長い期間をかけて関係を積み上げ,可能性を十分に証明できていると思っていたのに,大きな会社だと意思決定が難しいケースが何度もあったんです。
あるインディーゲームは,開発会社との信頼を何年もかけて長く積み立てていたのに,上の意思決定が遅れに遅れて,結局ほかのパブリッシング会社に持っていかれてしまいました。それで「これはもう無理だ」と。
それなら自分たちで意思決定して,自分たちでいい結果を出そう,と思ったのが独立の直接のきっかけです。
4Gamer:
そういうのが何本くらいあったんですか?
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3本ですね。どれも,インディーゲームが好きな皆さんなら絶対名前を知ってるタイトルです。そのうち1本なんて,3年くらい使って関係を積み上げてきたのに。
4Gamer:
なるほど。ちょっと心が折れそうになりますね。
Hong氏:
NeoWizで物事がスムーズに進められていたら,たぶん我々はずっとあの会社にいたと思います。
ただ,我々が「このゲームはいい」と判断しても,最終的な意思決定は我々には下せない構造だった。長年の努力が無に帰す経験を重ねる中で,「このビジネスがこういうふうに回るのはおかしい」と強く感じるようになりました。インディーのパブリッシングは,迅速さと速い意思決定こそが重要な市場なんだと,むしろあのとき痛感したんです。
Kim氏:
もう一つ付け加えると,韓国には「インディーゲーム専門」のパブリッシャが存在しなかったんです。
4Gamer:
あぁ……確かにそうですね。言われてみれば。
Kim氏:
NeoWizはインディーのパブリッシングを一番うまくやっていましたが,AAAからモバイルまで何でも扱う総合商社のような会社です。
世界にはインディー専門のパブリッシャが存在するのに,なぜ韓国にはないのか。歴史が短いのか,経験が足りないのか,理由はいろいろあるでしょうが,もし誰かがやるとしたら,それは誰なのか。「それは我々だ」と考えたわけです。
4Gamer:
僕も韓国のことを知れば知るほど,「作るためのサポートはあんなに手厚いのに,作った後のことはほとんどサポートされないのだな」と個人的に思っていました。もちろん作るためのサポートはすごく手厚いんですが,ちょっと偏ってるなぁ,と。
Hong氏:
まさにそうです。韓国には政府支援事業がかなりあって,インディーの開発費に充てられる資金はあります。ただ,その資金は開発だけに使われて,しかも金額としては足りないんです。
ゲームを完成させた後,それを世に知らせたり,自分たちでサービスしたりするための資金ではないんです。パブリッシングの領域・機能が,韓国に大きく不足しているのは事実です。
4Gamer:
開発のための支援があれだけ数多くあるだけでも,日本としては羨ましいですけどね。まあ最近は日本もだいぶ増えてきて,いい感じになってきましたが。
Hong氏:
しかし今回のTGSで感じたのは,日本には実に多様な形のパブリッシャがいるということです。
4Gamer:
そうですね。ゲーム業界以外の会社がとても熱心なのが,日本のインディーパブリッシャーの特徴かなと。
Kim氏:
ホントに色々ありますよね。びっくりさせられます。
最終決定はキム代表。ただし,三人の意見が割れたら「ブランドマネージャー」が決める
4Gamer:
さっきの「すぐ決めてすぐ契約する」という話ですが,共同経営かつ仲良し3人組で,最終的に決めるのは誰なんですか。
Hong氏・Lee氏:
キム・ヒョクジンです。
4Gamer:
即答でしたね(笑)。意見は割れないんですか。
Kim氏:
普通に割れますよ(笑)。割れたときはむしろ,担当者,つまりブランドマネージャーの意見が重要です。
たとえば我々3人が全員「ホントに?」と思っても,ブランドマネージャーが「行けます!」なら,それは行きます。
4Gamer:
でもどこかで読んだんですが,ブランドマネージャーにはゲーム業界関係者がほとんどいない,と。これは本当ですか?
Kim氏:
本当です。現在4人のブランドマネージャーがいますが,1人を除いて,ゲーム業界での経歴がほとんどない人たちで構成しています。
誤解しないでほしいんですが,「ゲーム業界の経験があるとダメ」という意味ではなく,「ゲーム以外の領域の経験のほうが重要な場合がある」ということです。マネージャーの1人はインフルエンサー出身で,我々が経験していない領域を埋めてくれる。残りは我々が助けられますから。
そして一番大事にしているのは,担当するゲームのジャンルを本当に,心から好きかどうかです。
4Gamer:
なるほど。そこなんですね。
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実は今,我々がTGSに出張で来ている間,韓国のオフィスでは「Badassgard」のブランドマネージャーが1人で留守番をしているんですが,誰にも頼まれていないのに,担当ゲームのコスプレをしながら仕事をしています(笑)。
4Gamer:
あー,BIC会場でコスプレしてた人?
Lee氏:
そうです! あのときブースでお会いした人です。
もともといろんなコスプレをやる,コスプレが好きな人なんです。自分が担当しているゲームのコスプレを自らしたがるなんて,会社としては本当にありがたい存在です。このくらい自分のタイトルを好きにならないと,うちのブランドマネージャーにはなれない,ということですね。
武器はショットガンのみ。マッチョで破壊的なローグライトシューター「Badassgard」がショットガン1本に振り切った理由[BIC2026]
韓国・釜山で開催された「BIC2026」で,THECOVEが開発する「Badassgard」をプレイした。北欧神話をモチーフにした世界で,バイキングがショットガンを撃ちまくるローグライトシューターだ。クラスも複数の武器種も存在せず,プレイヤーが手にするのはショットガンのみという振り切った作りについて話を聞いた。
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Kim氏:
それと,ゲーム業界の経験が長い人をむしろ厳しく見る理由もあります。経験が長いほど「今までのやり方」をそのまま続けてしまう可能性が高い。本人にその気がなくても,自然にそうなってしまう。
我々は「今までどおりのゲームサービス」を,望んでいないのです。
4Gamer:
そこ,すごく分かります。
Hong氏:
さらにそれとは別に,現実的な問題もあります。韓国のゲーム業界には,Steamやインディーの領域で「スペシャリスト」と呼べる人がほとんどいないんです。
なにせ韓国ですので,大半はMMORPGの専門家やモバイルマーケティングの専門家といった人たちです。プラットフォームのノウハウは我々3人が持っているので,教えればいい。それよりも,ゲームへの情熱を持った人に我々のノウハウを教えるほうが,会社が早く立ち上がると考えました。
若くて,ユーザーと本当の意味でコミュニケーションが取れることのほうが,業界経験10年20年よりずっと重要です。
4Gamer:
「ブランドマネージャーに経験者を採らないメリットとデメリットは?」と聞こうと思っていたんですが,全部説明してもらったので大丈夫そうです(笑)。
でも逆に,好きすぎてフィルターがかかって,デメリットになることはないんですか? 例えば僕らの仕事で言うなら,そのタイトルがあまりに好きすぎるとそれ以外のことが見えなくなって,やや暴走気味な原稿になることもよくあるんです。
Kim氏:
なるほど,そういうこともあるんですね。
でも我々は逆です。自分が好きなジャンル以外のものは絶対にやらせません。「このジャンルは知りません」という人に,そのゲームのミッションは絶対に与えない。それが原則です。仕事は教えられますが,ゲームは教えたり訓練したりできる領域ではない。本人がやりたいかどうか,心にかかっているものなので,強制はできないと考えています。
私の任務は,そのブランドマネージャーがうまくサービスできるゲームを探してきて,契約してくることなんです。
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4Gamer:
なるほど。僕らはある程度一歩引いた状態が仕事柄望ましいと思っていますが,さすがにパブリッシャともなるとそうじゃないんですね。
Kim氏:
そうですね。あと採用の話をするならば,面接では履歴書を見る前に,Steamのプレイ履歴を先に提出してもらって確認します。
4Gamer:
おお,徹底している。
Kim氏:
どのゲームを何時間プレイして,どんな実績を達成したか。それを見れば,その分野にどれだけ専門的な知識があるか分かりますから。
4Gamer:
いやさっきから聞いていて,ちょっと似てるなと思っているんですが,僕も,元同業者みたいな人は基本的にはあまり採用しないようにしています。仕方のないことなんですが,古いやり方をそのまま引っ張ろうとするので,「4Gamerのやり方に合わせてくれ」と補正するのがかなり大変なのです。
あと,僕も採用するまで履歴書を見ません。何も分かりませんからね,あの書類(笑)。
Kim氏:
似てますね(笑)。同じタイプの人間かもしれません。
「仕事は教えられるが,ゲームは教えられない」んです。ゲームをたくさんやってきた人は,そこに人生が溶け込んでいるわけで。
4Gamer:
なるほど,人生が溶け込んでいるとは言い得て妙かもしれません。
Kim氏:
1人が,20年30年という人生をゲームに捧げてきたわけで,実はとんでもない「経歴持ち」なんですよ。本当の意味でのプロフェッショナルかもしれません。
4Gamer:
日本のコアなゲーム好きの皆さんが喜びそうな話です。
一同:
(日本語で)キテ! ウチニキテ! マッテマス!
「Skul」は,300本レビューの果てに残った1本。発掘は結局ベタな力業
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いやそんな感じでブランドマネージャーに相当な権限を与えているとはいえ,NeoWiz時代には「スカール(Skul: The Hero Slayer)」や「SANABI」(PC / Nintendo Switch)を発掘してきたわけじゃないですか。
ここで一つ聞きたいんですが,ああいうタイトルはどうやって見つけてくるんですか。
Kim氏:
そこは大変誤解されがちなんですが,狙い定めて確信を持って,その1本を契約したわけではないんです。
思い起こすと例えば「Skul」の場合は,300タイトルを全部プレイしてレビューして,絞りに絞った末に残ったのが「Skul」だったという話です。
結果だけ見ると「最高の1本を見つけた」ように見えるかもしれませんが,発掘がうまいとかではなく,ただ一生懸命に向き合って取り組んだ結果なんです。
4Gamer:
おお……結構ベタな力業だったんですね。実は僕も,何か僕らの知らない「見るべきところ」があって,NeoWizの担当者はそこを理解しているのかな,とかちょっと思ってました。
Kim氏:
いやいや(笑)。NeoWiz在職中は,私だけでも年間200〜300本の新作をプレイして,開発会社とのミーティングも毎年50〜100社はやっていました。
4Gamer:
いやちょっと待ってください。事実上1日1本遊んで,2〜3日に1回くらいは開発会社とのミーティングをしていたということですか?
Kim氏:
そうですよ。そういうことが蓄積されて,いいゲームを取れる確率が上がっていったという話だと思います。
4Gamer:
いや……すごいですね。素直にレスペクトです。
BitSummitの会場あたりをフラフラしながら「なんかいい作品ないですかね〜?」みたいなこと言ってる人たちに聞かせたほうがいいですね,そういう話は。
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そうですね。「いいゲームないかなー」と会場を見て回っている人たちにこそ,一番伝えたい話です(笑)。
長くこの仕事をしていますが,イベント会場で関係を作れる確率は非常に低いんですよ。普段から関係のいい人たちに,別の場所でもう一度挨拶して,コーヒーを持っていって,食事をして,手伝って……そうやって関係がよくなっていくんです。
事前に信頼とブランドを積み上げておいて,イベントで会うことでさらに積み上がるんです。
Lee氏:
信頼とブランドという意味では,先日のBIC(釜山インディコネクト)で,キム代表がRed Brick Houseの名刺を持って回ったんですが,ほとんど全部フラれました(笑)。
Kim氏:
いやあツラかった(笑)。
Hong氏:
「お前誰?」「レッドブリック……?」と(笑)。
これがNeoWizの名刺だったら,皆「ああ,どうも!」と快く会ってくれたはずです。だから,インディーイベントをどれだけ回っても信頼は上がりません。信頼とブランドは,事前に積み上げておかないといけないんだ,と改めて感じましたね。
設立1か月で集めた100億ウォンは,「EXITを求めない投資家」を選んだ結果
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そういうことを続けてきたからこその業界の信頼だと思いますが,それにつながる話で言うなら,ちょっと調べたところ,設立1か月で100億ウォン(約11億6000万円)を調達していますよね。
たった設立1か月で,1本もゲームを出していないどころか,契約すらしていない段階で!
Kim氏:
ハハハ。
4Gamer:
一体何をどうやって説得したのか,もしくは何が信用されているのか,すごく気になります。
Hong氏:
それは正直,私も知りたいんです(笑)。なんでこんなに信頼してくれるのかと。投資家の言葉を借りると,どうやら「スピンオフ」のような感覚だったようです。
単に人が3人集まった会社ではなく,「もともとインディー事業を懸命にやっていた人たちが,外に出て何かを始める。今やっていることより,もっとよくなるはずだ」と見てくれたんだと思います。
4Gamer:
なるほど。本当の意味での「信頼」ですね。
Hong氏:
我々がNeoWizでいた部署は投資事業本部だったんですが,投資する側にも受ける側にもなりながら,投資を業(なりわい)とする多くの人たちと競争し,交流してきました。
つまり,彼らは我々の仕事ぶりをずっと見てきているんです。だから新しい会社を作ると言ったとき,「え,あなたたち3人が新しいことやるの? 分かった出すよ」と,ごく自然につながったのかなと。
Kim氏:
個人的には,ホン代表の歩んできた人生の価値に,お金が集まるだけの価値があったんだと思っていますよ。真面目に。そうじゃなければ,何もない会社に誰が100億ウォンも出しますか。
そもそも本人が投資のプロですし,投資家たちとゴルフもたくさん打ってきましたからね! ゴルフで信頼を積み上げたんです。
4Gamer:
僕もピッチ資料送るので,ぜひゴルフをご一緒してください(笑)。
でもちょっと真面目な話なんですが,VCから100億調達したということは,必ずEXITを求められますよね。彼らが求めるEXITと,さっきおっしゃっていた「レンガを積み上げていく」ような地味で堅実なビジネスは相性が悪いんじゃないかと思っているんですが,そこの解決はどうする予定ですか?
Hong氏:
さすがのツッコミですが,実は最初からそれは織り込み済みで,そういう部分を理解して,インディーゲームシーンについて深く勉強している投資家「だけ」を選んで受けました。むしろ我々より,投資家のほうがインディーの専門家なくらいで……。
4Gamer:
おおお,なるほど。しかしそれはなかなか珍しいパターンですね。
会社のことを調べたときに「これどうやってEXITするんだろう?」と思っていたんですが,そもそもその必要を強くプレッシャーとして受けていないわけですね。ハレーションも起こらないし,素敵です。
Kim氏:
起こりませんね。
FI(財務的投資家)という言葉がありますが,今回受けた投資家は皆,ゲーム業界の専門家よりもさらに専門家で,我々の事業をある程度の解像度で理解している人たちです。それでも本来はEXITについて悩むべきなんでしょうが,実は悩んだことがほとんどないんです。
4Gamer:
といいますと?
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投資家に「3年後の姿はどうなっていたいか」と聞かれたとき,我々がどうしても投資が欲しくて焦っていたら,「3年後にIPOします」「大企業にM&Aされます」と言ったでしょう。
でも我々はこう答えました。「1年後も分からないのに,3年後の話なんてできない。今は会社を設立すること以外に興味がない。設立すれば勝手に回る会社だ。今まで回ってきたのを見ただろう。どこまで積み上がるかは我々にも分からない。ただ,我々は積み上げていく。見ていてほしい」
本当にそれで投資を受けたんです。未来の話をしたことがない。
4Gamer:
いや……いい話だし,いい投資家ですね。というか,うちの親会社になってほしい。3年後のことなんてこのご時世に分かるわけないじゃないですか。中期計画って何?
Kim氏:
本当にそうですね(笑)。
あぁでもただ一つ,投資家たちが強く共感してくれたことがあります。インディーの生態系が存在してこそ,彼らも投資先を持ち続けられる。その生態系をより豊かにするために,我々という存在が必要だ,という点です。
むしろ「あなたたちのRed Brick Houseがなければ,インディーシーン自体がうまく回らない」という視線もあったと思います。
IPは開発者のもの。それでも成立するRed Brick Houseのビジネス
4Gamer:
いやあ……それならいろいろ疑問が解消されて,また新しく聞きたいことが出てきました。
僕はEXITを要求されていると思っていたから,「どうやってそれに相当する収益を出すのか」を考えて疑問だったんです。でも建前はどうあれ出来るだけ収益はほしいはずなのに,Red Brick Houseは「原則としてIPは開発会社のもの」というポリシーを明確に掲げていますよね。
これは,明確な形で自らの収益機会を手放しているわけですが,それでもビジネスが成立すると考える理由はなんでしょうか。
Kim氏:
ふふふ。
これはNeoWizでの経験ですが,在籍中に12タイトルをリリースして,少なくともMG(ミニマムギャランティー)を回収できなかったタイトルは1本もありません。そのうえで100万本クラスが1本,150万本クラスが1本,300万本クラスが1本あります。この成功率なら,むしろお金にならないほうが難しいでしょう。
4Gamer:
さらりとすごいことを言っている……。
Hong氏:
それと,目標が段階的なんです。今の我々の最優先は,初めて持つことになった「我々自身のアカウント」――Red Brick Houseというレーベルの力を強くすることです。10本契約して10本ともよく売れたら,「全部Red Brick Houseがやってるね」と皆が知ることになる。
ゲームがうまくいけば,当然パブリッシャもうまくいく構造ですから。このアカウントパワーの強化が,今の我々の一番の課題でありやるべきことです。
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4Gamer:
確かに結果を出せばあとから色んなものが付いてきますもんね。
Kim氏:
ええ。もちろんIPは欲しいですよ。でも原則としてこれは開発会社のものだと,我々は宣言しました。
将来,パブリッシングだけを続けるのか,何らかの形で開発をやるのか,IPを持つ形になるのか,その決定は今はしていません。買い増しをするかもしれないし,別の形もあるかもしれない。今の段階では,そこまでは考えていません。
4Gamer:
100万本200万本のタイトルを出してきた人たちなのに,成功ラインを20万〜30万本という控えめな設定にしてあるのもちょっと不思議だったんですが,そういう部分にも関係してそうですね。
Kim氏:
収益計算をするとき,会社が損をしないのは当然として,それより優先しているのが「そのチームが次回作を作るために必要な販売量」なんです。
4Gamer:
なるほど。それは個人的には初めて聞いた視点です。
Kim氏:
たとえば5万本で次回作に進めるチームなら,5万本で商業的に一定の成果を挙げたと判断します。多くの場合,4人ほどのチームが3年かかる次回作に,もう一度挑戦するために必要なのが20万〜30万本程度。だからそこを設定しています。
4Gamer:
すごい。目標本数が開発者目線だったんですね。
Hong氏:
謙遜した表現をしているだけかもしれませんよ?(笑) 内心の目標は100万本かもしれない。
ただ個人的な考えとしては,100万本以上売れるかどうかは,そもそも事業戦略で作れるものではないとも思っていますけどね。
4Gamer:
あぁそれはちょっと分かります。言い方が難しいですが「勝手に売れるもの」ですよね。
そもそも100万本を目標にすると,100万本を売ろうとする動き方とかプロモーションになっちゃいますし。
セルフパブリッシング時代に,パブリッシャが提供できるもの
4Gamer:
開発者目線になったところで,そのままつなげちゃうんですが,2026年の昨今,Steamで普通にセルフパブリッシングができるじゃないですか。まぁ確かにプロモーションは大変だし,プレスリリースを書くのも大変だけど,基本的には1人で全部できるはずです。
そういう状況下で,御社にレベニューシェアを払ってまでやってもらう合理性というのは,開発者から見たときにどこにあると思いますか?
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確かにそうですね。資本やマーケティング費用についても,「誰でも出せる」というのが正しい表現だと思います。
我々が考えるパブリッシャの最も重要な力は,「すでに積み上がっている経験と関係を活用して,開発会社の成功を助けること」です。
開発会社は3年かけてゲームを1本経験しますが,パブリッシャは1年に10本以上,我々なら15〜20本のゲームを経験します。そこから得た関係値やプラットフォームへの理解を通じて,より良い決定を助けられるわけです。
価格をいくらにするか,どんなプロモーションをするか,誰に会うべきか,今何をするべきか。開発会社が1つのプロジェクトでは経験できないものを我々は持っていて,その経験と知識を分けることが一番重要だと考えています。
Hong氏:
もう一つ付け加えると,韓国だけなのかグローバルでそうなのかは分かりませんが,インディーゲーム開発会社というのは,VCや金融機関から投資を受けてEXITまで導かれるような構造には乗りにくいんです。なにせ2〜3人のチームだったり,法人ですらなかったりしますから。
だからこの生態系におけるパブリッシャの最も重要な機能の一つは,開発費の支援なんです。ゲームが完成するまでの間,早期や中期の段階でMGや持分投資ができる存在は,事実上我々しかいない。
パブリッシャとしての「金融」の役割が確かにあると思いますし,韓国でそれをきちんとやれるのは,Red Brick Houseだけだと思ってますよ。
4Gamer:
おお……素敵です。そこまで言い切れるのはすごいです。
ちなみにその流れで聞いちゃいますが,レベニューシェアって何%なんですか?
Kim氏:
全部違うんです。
4Gamer:
どういう部分で変わるんですか?
Kim氏:
どのタイミングで出会って,リリースまでにどれだけ寄与するかで変わります。
ゲームがもう完成した後に出会ったなら,当然我々の取り分は低くなります。さほど仕事をできませんから(笑)。コミュニティがすでに構築されていても低くなります。DiscordやXがすでに活発かどうかでも変わりますし,現実的な話,競合がいて条件を下げることもあります。まぁ我々3人だけで意思決定すればいいので,速くて楽なんですけどね。
4Gamer:
本当ですか? 本当に速くて楽?(笑)
Kim氏:
いや……実はホン代表と意見がすごく割れるんです(笑)。
ホン代表は「競合がついたら,取り分を下げてでも取りに行くべきだ」派で,私は「だったらやらない」派です。
4Gamer:
現実と理想がぶつかっているんですね。でも逆に言うと,レベニューシェアの数字の決定にはちゃんと理由がある,ということですね。
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もちろんです。相手が望むからそれに合わせる,我々が望むからそうさせるのではなく,我々の立場を説明します。
これはあくまでも一例ですが,例えば初期プロトタイプの段階で出会って,まず先方が「開発者:Red Brick」を「7:3」で望んだとしましょう。しかし初期プロトであって,我々にはまだまだやるべきこと,やらねばならないことが多いので,これからやることや寄与できることを説明して,「6:4が妥当です」としっかりと話します。
4Gamer:
絶対いやだ! と言われたら?
Kim氏:
根拠なく7:3でなければやらないと言われたら,一歩引きますね。
4Gamer:
でも理由があるから交渉も議論もできるからいいですよね。紙一枚に決まった比率が書かれているだけで,何の理由もなく押しつけたり押しつけられたりするよりは,全然いい。
「面白いゲームを作っていれば,我々が見つけ出します」―――日本の開発者の皆さんへ
4Gamer:
そろそろ飛行機の時間かと思うので,最後に……。
日本のタイトルをローンチすることも可能だし,やりたいという話がさっきありました。日本の開発者に向けて,求めることや期待することなど,何かコメントはありますか。
Kim氏:
え,難しいな……。
4Gamer:
カッコいい言葉で締めてください(笑)。
Kim氏:
我々にアピールする必要はありません。面白いゲームを作ってくだされば,我々がどうにかして見つけ出します。
4Gamer:
おお,本当にカッコよかった……。
Hong氏:
私は逆! 来てほしいです!(笑) 連絡,お待ちしています!
Lee氏:
私も! キテ! ミンナキテ!
4Gamer:
意見が合わない(笑)。
Kim氏:
あ,真面目な話,一つお願い……というか残念に思っていることがあります。
韓国も,変わり始めたのは実は最近のことで数年前からなんですが,日本の開発者は,今もグローバル向けのDiscordチャンネルを開かない傾向があると思います。多言語対応を恐れて,作らないケースが多いです。
今はAIによる翻訳などでも大変よく出来ているわけですし,怖がることなく,ぜひ多くの言語に対応したDiscordを開いて,全世界のユーザーに向けて発信してほしいです。そうすれば,我々は必ず見つけられます。
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4Gamer:
ちゃんと書いておきますね。……あ,僕からも質問いいですか? 最後とか言っておきながらすみません。
プレイアブルじゃないと,そもそも審査のテーブルにも乗らないですか?
Kim氏:
いえ,うちはGDD(Game Design Document:企画書)から見ますよ。
GDDにこう書いてあって,実際のゲームがそれに合って出てきているか,デモで追求しようとしていたものが中間バージョンで実際に発展しているか。重要なのはどこか1点で意思決定することではなく,この「変化の過程」なんです。
だからビルドがなくても,その前の段階から関係を作り続けることが重要で,企画の段階から検討は当然行います。
Hong氏:
逆に,企画書が本当に魅力的で「これはいい」と思ったのに,プロトタイプを作る資金がないというのであれば,そこまでで契約をして,我々が資金を支援することも可能ですよ。
4Gamer:
融通が利きますね。
Lee氏:
我々の長所は,開発会社の状況に合わせて対処できることだと思います。大きな会社のように「契約書はこうでなければならない」「契約構造はこうだ」というものがないので,全部オーダーメイドで設計できるんです。
4Gamer:
バッチリ全部書いておきます。
飛行機の時間も迫っているのにありがとうございました!
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――2026年9月20日収録



















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