月刊ブロックチェーンゲーム通信　第13号。今回の分析ターゲットは，テレグラムミニゲーム

　なんか最近ちょっと流行りつつあるかも……？　ということは知っていても，どんなタイトルがあって，どういうもので，どれくらいの人が遊んでいて，中では何が行われているのか，実際にプレイしてみないとさっぱり分からないのが，ブロックチェーンゲームです。
　なのでこの連載では，毎月のブロックチェーンゲームのユーザー数や取引高ランキングの動向，そのとき話題になっているブロックチェーンタイトルの様々な分析データなどをdouble jump.tokyoが作成し，まとめて皆さんに紹介します。前回は「De:Lithe Last Memories」（PC / iOS / Android）を深掘りしましたが，今回の分析ターゲットは“テレグラムミニゲーム”です。

　いやいや私はもうだいぶ詳しいから説明なんか要らないよという人は，詳細版のマンスリーレポートだけでもぜひご覧ください。いま現在のブロックチェーンゲームの流れを知るためには，大いに参考になるはずです。

【2024年11月】BCGマンスリーレポート（double jump.tokyo）

「月刊ブロックチェーンゲーム通信」記事一覧

ブロックチェーンゲームのユーザー数ランキング

順位	タイトル	ジャンル	MAU	先月比
1	Pixels	シミュレーション	260万	＋111％
2	PlayEmber	カジュアルゲーム	138万	＋93％
3	BoomLand	カジュアル	123万	＋0.8％
4	SERAPH	アクションRPG	112万	＋20％
5	Moto DEX	レース	111万	＋5％

※DappRadarから引用（2024年10月21日時点）。なおユーザー数は，各タイトルに関連したブロックチェーンネットワーク上でのユーザーアクティビティをもとにカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので，ご了承ください。

　4位の「SERAPH」はダークファンタジー系のアクションRPGです。ダンジョンを攻略してドロップしたアイテムでキャラクターを強化していくハクスラ系のゲームで，ドロップアイテムがNFTとなっていて取引することができます。ユーザー数ランキングに数ヶ月にわたってランクインしており，NFTの取引も比較的活発に行われています。

ブロックチェーンゲームの取引高ランキング

順位	タイトル	ジャンル	取引高	先月比
1	Axie Infinity	TCG	2960万ドル（約45億4863万円）	＋48％
2	NIGHT CROWS	MMORPG	2313万ドル（約35億5439万円）	-17％
3	Overtime Markets	スポーツ	1821万ドル（約27億9833万円）	＋40％
4	Moto DEX	レース	1063万ドル（約16億3351万円）	-3％
5	Solvion	シミュレーション	996万ドル（約15億3055万円）	＋64％

※DappRadarから引用（2024年10月21日時点）。取引高ランキングは，各ゲームのNFTや暗号資産に関連したブロックチェーンネットワーク上のアクティビティを元にカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので，ご了承ください。

　取引高ランキングは，各ゲームのNFTや暗号資産に関連したブロックチェーン上のアクティビティを元にカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティ等はカウントされないのでご注意ください。
　「Axie Infinity」にはシリーズ化でき，アクシーを使ったゲームがいくつかあります。この中で「Homeland」は，自分の土地を育てていくシミュレーションゲームです。素材を集めてクラフトし，より良い土地を作っていきます。

テレグラムミニゲーム

　今回は，特定のゲームのピックアップではなく，ブロックチェーンゲームの参入が始まっているプラットフォームである「テレグラムミニゲーム」について紹介します。
　「テレグラム」は世界で9億人以上のユーザーをもつメッセンジャーアプリで，テレグラムミニゲームはテレグラム上でプレイできるゲームです。クリッカー系やシミュレーションなどのシンプルなゲームが多く，ちょっとした空き時間にプレイすることができます。
　テレグラムミニゲームの中からエアドロップで稼げるゲームが登場したことや，メッセージアプリからアクセスできるという簡単さからユーザーを伸ばしています。
　国内でも「Twelve Goblins - Wizardry BC -」，「キャプテン翼 RIVALS」（BROWSER / iOS / Android）や「CatChef」，「魁 三国志大戦 -Battle of Three Kingdoms-」の事前登録イベントがテレグラムミニゲームに進出しています。


■Hamster Kombat
　「Hamster Kombat」は取引所のCEOとなり，ダイヤを稼ぐゲームです。ダイヤは動画を見たりSNSタスクをクリアすることで獲得できます。獲得したダイヤを使って，カードを買うとダイヤ獲得の効率が上がっていきます。
　トークンのエアドロップへの期待からユーザー数は膨れ上がり，累計ユーザーが3億人を超えたと発表され話題になりました（トークンはエアドロップ済み）。


■Catizen
　「Catizen」は猫をマージしてレベルアップしていくカジュアルゲームです。「Hamster Kombat」と異なり，「Catizen」には課金要素があり，猫育成の効率化ができます。「Catizen」もエアドロップは完了しており，他ゲームへのハブとなっており，プレイすることで獲得したポイントでCATIを稼ぐことができるようになっています。


■キャプテン翼 RIVALS
　「キャプテン翼 RIVALS」は，Polygonやオーシスでリリースされていたブロックチェーンゲームです。テレグラム版は別のゲームであり，タップやタスクでポイントを稼いでいくアプリです。カードを解放したりレベルを上げることで，ポイントの獲得効率が上がります。
　解放カードの組み合わせで500万ポイントを獲得することができるので，SNSやコミュニティで組み合わせを教え合うなどのコミュニケーションが生まれています。


■「魁 三国志大戦 -Battle of Three Kingdoms-」事前イベント「義勇の夜明け」
　「魁 三国志大戦」の事前イベント「義勇の夜明け」が，ブラウザ版とテレグラムミニゲーム版で展開されています。友人招待やデイリータスクによりポイントを獲得し，城のレベルをあげていくゲームです。
　討伐で稀に獲得できる「武将カード」により，さまざまに異なる効果や獲得BP，デイリーボーナスアップの効果が得られます。


＜事前登録特典＞
　事前登録20万人達成報酬として，事前イベント「義勇の夜明け」で使える武将カード「SR 劉備」を「義勇の夜明け」の参加者全員にプレゼントされました。「義勇の夜明け」で手に入れた武将カードは，「魁 三国志大戦」本編のバトルでも使用することができます。

＜義勇の夜明けSTORY2 最新情報＞
　「義勇の夜明け」は，「魁 三国志大戦」のメインゲームリリース前に開催される事前イベントです。本編につながる三国志の世界を体感できる歴史イベントとして，段階的にストーリーが解放されます。ストーリー1「渇望の大陸」では，腐敗し崩れ行く環王朝の終焉を描き，ここからストーリーが展開します。
　そして，ついに「義勇の夜明け」三つのSTORYのうちSTORY2「黄魔の跋扈」が解禁されました。強大なレイドボスたちと戦う新モード「連軍」モードが追加予定です。
　「"義勇軍の前に立ちはだかる「張梁」を撃破すると，新たな豪傑が登場！黄巾賊の反乱を義勇軍の力で食い止めろ!!"」



まとめ
　今月のレポートでは，「テレグラムミニゲーム」とそこで展開されているゲームについて紹介しました。
　隙間時間にプレイできるようなシンプルなゲームが多く，SNSタスクなどを通じたユーザーの拡大やコミュニティ形成などの役割も担っています。エアドロップ期待で流入するユーザーも多いので，エアドロップ終了後にメインとなるゲームやサービスに引き込めるかが今後の課題となりそうです。

【2024年11月】BCGマンスリーレポート（double jump.tokyo）

「月刊ブロックチェーンゲーム通信」記事一覧