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次世代ゲームエンジン「Unreal Engine 6」はゲーム開発用言語「Verse」を基盤技術に。「Unreal Fest 2026」基調講演レポート
米国時間2026年6月16日から18日までの3日間,Epic Gamesは,米国・シカゴで独自イベント「Unreal Fest 2026」を開催した。基調講演のメインテーマは,次期Unreal Engineとなる「Unreal Engine 6」だ。UE6がどのようなものになるのか,基調講演をまとめてみよう。
展示会場には,企業ブースやインディーゲームの展示,物販コーナーもあり,UEコミュニティの参加者同士による交流の場として,大いに盛り上がっていた。
そんなUF2026の展示会場で見かけたユニークなものをいくつか紹介したい。
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チョークで銃器を描くバトルロイヤルゲーム「Chalk Warfare」
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ゲームの雰囲気は,バトルロイヤル型の三人称シューティングそのものだ。参加者しかいない街に降り立ち,生き残りをかけて戦うデスゲームを繰り広げる。
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この手のゲームで最も重要なアイテムは銃器だが,この世界に落ちているのはチョークだけ。黒板に文字や絵を描くための,あのチョークだ。
このチョークは,描いた絵が実体化する「魔法のチョーク」だ。描く場所は壁でも床でもかまわない。ただし,濡れた場所や草地,泥地には描けず,凸凹のあるトタン板のような面にも描けない。
この状況でプレイヤーがすべきことはただひとつ,チョークで銃器を描くことだ。ピストルの絵を描けば,その場で立体化してピストルになる。あとはそれを手に,敵の襲撃へ備えるわけだ。
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チョークで描けるのは,ピストルだけではない。ライフルやマシンガンも描ける。しかも,銃本体の形状や各部のディテールも,描き方次第で変えられる。
たとえば,マガジンを大きく描けば装弾数が増え,バレル(銃身)を長くすれば弾道の直進性が高まる。ストック(銃床)を長くすれば,発射時の振動を抑えられるといった具合だ。
また,光学サイト(スコープ)やグリップといったアクセサリーも描ける。光学サイトを覗き込むと視界をズームできるほか,着弾位置の目安となる照準も表示される。フォアグリップを描き足せば,銃口の跳ね上がり(マズルライズ)を抑えられるなど,現実の銃器と同様の効果が得られるわけだ。
実体化できるのは銃器だけではない。タマネギのようなものを描くと,グレネードも実体化できた。
体験版では,描いた銃器の絵を保存できる型抜きシート(ステンシルシート)を,各プレイヤーが数枚持った状態で出撃した。高性能な銃の絵を型抜きシートに保存しておけば,必要なときに実体化できる。
ただし,登録した銃がすぐに飛び出してくるわけではない。銃を呼び出すには,チョークの腹を使って型抜きシートを上から塗りつぶす必要があるのだ。
つまり,型抜きシートで省略できるのはデザイン作業だけで,武器を描いて実体化する手順自体は省けない。それでも,型抜きシートを使うほうが,銃器を入手するまでの時間をだいぶ短縮できる。
CNNベースの独自AIで絵を実体化
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AIモデルには,対象物の特徴抽出に長けた「Convolutional Neural Networks」(CNN)を採用している。まず,プレイヤーが描いた絵の大まかな特徴から,「どのタイプの銃を描いたのか」を推論するのだ。
次に,推論した銃タイプをもとに,プレイヤーが描いた絵の目立つ特徴を抽出する。その特徴から「どんなアクセサリーが付いているか」「銃身の長さはどれくらいか」「弾倉の大きさはどれくらいか」といった,銃器ごとのパラメータを生成する仕組みだという。
そのため,あまりにもデタラメな絵だと,そもそも銃器として認識されない可能性もあるそうだ。
現在対応しているのは,ライフル型やピストル型,ショットガン型など,この手のゲームでは一般的な銃器に限られる。将来的には,認識して実体化できる銃器の種類を増やしたいとのことだった。
あくまでも筆者の想像だが,銃器以外の武器,たとえば刀剣や弓矢,ドローンなども登場するかもしれない。
Chalk Warfareはインディータイトルだが,誕生の背景は少し特殊である。
開発元のSoKrispyMediaは,アメリカ・サウスカロライナ州Greenvilleの映像制作スタジオで,特殊効果(VFX)を得意とする企業だ。
同社は,自社の技術力と表現力をアピールするため,短編映像作品を定期的に制作し,YouTubeで公開している。
なかでも,描いたものを実体化できる「魔法のチョーク」を題材にした「Chalk Warfare」シリーズが人気を集めた。第4作までの累計再生回数は3億回以上に達し,YouTubeチャンネルの登録者数も300万人を超えているという。
とくに人気を集め,今回のゲーム化にも影響を与えたのが,第4作「Chalk Warfare 4.0」だという。
映像作品版のChalk Warfareは,FortniteやPUBGのようなゲームの世界に,魔法のチョークを持ち込んだ内容だった。そのため,ゲーム好きの視聴者から「実際にゲーム化してほしい」という要望が多く寄せられたという。そうした要望を受けて,今作の開発が始まったそうだ。
筆者もブースでChalk Warfareの対戦プレイを体験したが,基本的なプレイフィールは,一言でいえば「よくあるバトルロイヤルTPS」といった感じではあった。
ただ,本作ならではの魅力は,やはり武器を自分で描くところにある。マウスで「オレ仕様の銃」を描いていると楽しい。実体化した銃が思いどおりの性能になればうれしいし,逆に性能の低い銃になってしまっても,それはそれで笑えて楽しいわけだ。
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大きな銃を描けば強い銃を作れるが,チョークの消費量が増え,描く時間も長くなる。その間に,敵から狙われる危険も高まるだろう。ここに,Chalk Warfareならではの戦略性があるわけだ。
便利な型抜きシートを使えば銃を素早く実体化できるが,チョークの消費も早い印象だ。プレイした体験版では,型抜きシートを最初から数枚所持していた。だが,製品版で初期所持数が0になったり,戦場で入手できる数が限られたりすれば,型抜きシートの有無も戦局に大きな影響を及ぼしそうだ。
お絵描きスキルが強さに影響するかもしれないバトルロイヤルTPSという発想は新しく,楽しかった。
一方で,遠目には,ビジュアルが単なるPUBGクローンに見えてしまうのは惜しい。より幅広いユーザーに届けるには,殺伐としたPUBG風のマップではなく,誰でも親しみやすいビジュアルにする必要があるだろう。
「グッズ展開できるような可愛らしくユニークなキャラクターを用意し,Nintendo Switch 2向けにリリースすれば,日本でも人気が出るかもしれない」と開発メンバーに伝えたところ,彼らも「そうだ。Switch2にはタッチスクリーンがある。それはいいアイデアだ」と嬉しそうだった。
開発メンバーによれば,Chalk Warfareは7月中に,一般ユーザーも参加できるデモ版のリリースを予定しているとのことだ。「スプラトゥーン」に匹敵する作品になるかどうかは分からない。それでも,完成したら少し遊んでみたいと思わせるインディーゲームだった。
MetaHumanの機能紹介ブースで,噂のMeshcapade技術を体験
UF2026における陰の主役は「MetaHuman」だったのではないかと思っている。
MetaHumanは,UE5に統合されたデジタルヒューマンオーサリングツールだ。人型キャラクターの制作やアニメーション作成に関する機能をまとめて備えている。
UF2026では,「Unreal Engine 5.8」(以下,UE5.8)の発表に合わせて,MetaHuman 5.8のリリースが明らかになった。MetaHuman 5.8の開発キットはライセンスフリーで公開され,ほかのゲームエンジンでの利用も認められるという。
Epic Gamesのブース内ステージでは,MetaHuman 5.8の代表的な機能を紹介する講演や,MetaHuman関連のさまざまなデモが行われていた。その講演のトピックを紹介しよう。
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MetaHuman 5.8の新機能として最初に紹介されたのは,Epic Gamesが2026年2月に買収したMeshcapadeの技術「Markerless Motion Capture」だ。
これはAI技術を活用し,これまで再現が難しかった体内の筋肉の動きや,姿勢によって生じる肉のたるみ,関節を曲げたときのしわまで再現するアニメーション技術である。
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続いて紹介されたのは,任意の頭/顔の3Dモデルや,人物をスキャンして生成した人体3Dモデルなどを,MetaHuman互換キャラクターへ変換する技術「Mesh to MetaHuman」だ。
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Mesh to MetaHumanの最新版では,人間以外の人外キャラクターやデフォルメキャラクターを,MetaHumanへ変換する事例も紹介された。頭身のバランスが極端だったり,顔の造形が大きく崩れていたりする漫画調のキャラクターも変換できるという。
ただし,腕や脚が人間より多かったり,四つん這いで歩いたりするような,標準的な人体トポロジから大きく外れたキャラクターには,現時点では対応していない。
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MetaHuman 5.8には,新しい群集表現システム「MetaHuman Crowd」が搭載されることも紹介された。
MetaHumanは高品質な人体キャラクター表現を目的としたシステムであり,本来は群集表現には向いていなかった。MetaHuman Crowdは,それを可能にする機能だ。
MetaHuman Crowdの仕組みは,おおよそ次のようなものだ。
まず,視点に近い最大で十数人程度のキャラクターは,通常のMetaHumanとして高品質にアニメーションさせ,ライティングやシェーディングも緻密に行う。
一方,中距離よりも遠いキャラクターは,GPU負荷の低い簡略化した3Dモデルをインスタンス描画する「Instanced Skeletal Mesh」で代用する。
要するにMetaHuman Crowdは,遠方のキャラクター表現を簡略化する「Level of Detail」(LOD)の仕組みを,MetaHumanに導入したものといえる。
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プレゼンテーションの終盤には,ヒップホップミュージシャンのK-Loがサプライズで登場。自身の楽曲「Half A' Heart(Josephs Song)」に合わせて,リアルタイムでミュージックビデオを制作する様子を,ステージ上で再現するパフォーマンスを披露した。
これは事実上,Meshcapade技術の実演を兼ねたデモだ。
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実在の人物の動きを,任意の角度から撮影するだけで,マーカーなしに,その動き(アニメーション)をMetaHumanキャラクターへ反映できることを示してみせた。
顔の動きは,正面に置いた小型カメラで捉える仕組みだが,こちらもマーカーレスで処理される。
複数人による同時パフォーマンスを扱える点にも驚かされる。
ボーンを仕込んでいない(ノンスケルタル)3D人体モデルに対して,ボディと顔の両方のアニメーションを適用できるのは,AIならではといったところ。今後この技術は,インディーゲームにおける人体表現の質を大きく底上げしそうだ。
また,演者の負担軽減や制作時間の短縮にも,大きく寄与するだろう。AIの恩恵により,演者とアニメーションを適用するCGキャラクターで,体型や顔つきが大きく異なっていても問題ない。実際の制作現場でもリテイクのハードルが下がるため,取得データの品質向上にもつながりそうだ。この点も,制作コストの低減に寄与するだろう。
ステージイベントの終了後には,筆者もドラキュラを演じさせてもらった。
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Intelブースで「Arc G3」の詳細を聞いた
COMPUTEX 2026会場外にあったクローズドの企業ブースでは,Lenovo,NVIDIAなどが出展していたが,タイミング的に興味深い展示をしていたのがIntelだ。
Intelは,COMPUTEX 2026に合わせて発表した新プロセッサ「Arc G3」シリーズを搭載する携帯型ゲームPCの実機を,プレイアブルな状態で展示していた。
「Forza Horizon 6」がフレーム生成なしでも60fps以上で動く!? 「Intel Arc G3 Extreme」搭載の携帯型ゲームPCは注目する価値がある
COMPUTEX 2026開幕直前に発表となった,Intel初の携帯型ゲームPC向けプロセッサ「Intel Arc G3 Extreme」搭載PCの実機が,会場で披露された。実際のゲームをどれくらい快適に動作させられるのか,MSIとAcerの製品を使って,その実力を簡単に調べてみた。
展示機は,MSIの「Claw 8 EX AI+」とAcerの「Predator Atlas 8」の2モデルだ。どちらもFortniteや「Lego Batman: Legacy of the Dark Knight」をプレイできる状態だった。
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Arc G3シリーズは,理論性能値から想定される以上のGPU性能に注目が集まっている。実際,ブースでも両タイトルをかなり快適にプレイできた。
ブースには技術に詳しい担当者がいたので,Arc G3シリーズに関する疑問をぶつけてみたところ,詳しい話を聞けた。
発表時点で,Arc G3シリーズがPanther Lake系のプロセッサであることは分かっていた。ただ,Core Ultra 300シリーズと,チップそのものまで同一なのかは明らかになっていなかった。COMPUTEX 2026会場では,Arc G3シリーズとされるチップパッケージが2種類展示されていたからだ。
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ひとつは,長方形に近いPanther Lakeパッケージと同じもの。もうひとつは,長辺が短くなり,正方形に近い形状のパッケージだった。
Intelブースの担当者によると,Arc G3シリーズには2種類あるという。
長方形のパッケージは,オリジナルのPanther Lakeそのもので,そこからP-coreを2基無効化したものだそうだ。ノートPCやエッジコンピューティングボードなどへの採用を想定したもので,オリジナルのPanther Lakeとピン互換である。
やや正方形に近いパッケージは,主に携帯型ゲームPCのような小型機器への搭載を想定したものだ。最初からP-coreを2基しか持たないCPUダイを用いた,新しいパッケージだという。
2種類のパッケージは,どちらもPanther LakeアーキテクチャベースのSoCで,同系統のバリエーション製品にあたる。機能面での差はないが,パッケージ形状が異なるため,物理的な互換性はないようだ。
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Intelは,異なる製造プロセスで作られた複数のダイを集約し,1つのプロセッサ製品にまとめる独自のパッケージング技術「Foveros」を持つ。Panther Lake自体も,この技術を用いた代表的な製品だ。
同一アーキテクチャで,物理構造の異なる2種類のチップをほぼ同時に投入できたのは,Foveros技術の恩恵といえる。



































