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Unreal Engineのイベント「Unreal Fest 2026」で見た最新技術や注目のインディーゲーム
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印刷2026/07/04 12:00

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Unreal Engineのイベント「Unreal Fest 2026」で見た最新技術や注目のインディーゲーム

UF2026の展示ホール入り口
画像ギャラリー No.002のサムネイル画像 / Unreal Engineのイベント「Unreal Fest 2026」で見た最新技術や注目のインディーゲーム
 2026年6月16日から18日にかけて,米国・シカゴでEpic Gamesが開催した独自イベント「Unreal Fest 2026」(以下,UF2026)では,将来のゲーム機での活用を見据えた次世代ゲームエンジン「Unreal Engine 6」(以下,UE6)が発表となり,話題を呼んだ。

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 米国時間2026年6月16日から18日までの3日間,Epic Gamesは,米国・シカゴで独自イベント「Unreal Fest 2026」を開催した。基調講演のメインテーマは,次期Unreal Engineとなる「Unreal Engine 6」だ。UE6がどのようなものになるのか,基調講演をまとめてみよう。

[2026/06/20 12:00]

 展示会場には,企業ブースやインディーゲームの展示,物販コーナーもあり,UEコミュニティの参加者同士による交流の場として,大いに盛り上がっていた。
 そんなUF2026の展示会場で見かけたユニークなものをいくつか紹介したい。

UEFNで制作されたゲームの展示コーナー
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チョークで銃器を描くバトルロイヤルゲーム「Chalk Warfare」


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 展示されていたインディーゲーム作品の中で,ひときわ異彩を放っていたのが,SoKrispyMediaの「Chalk Warfare」だ。

 ゲームの雰囲気は,バトルロイヤル型の三人称シューティングそのものだ。参加者しかいない街に降り立ち,生き残りをかけて戦うデスゲームを繰り広げる。

Chalk Warfare体験コーナー。体験版では,青チーム2人対ピンクチーム2人のチーム戦をプレイできた
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 この手のゲームで最も重要なアイテムは銃器だが,この世界に落ちているのはチョークだけ。黒板に文字や絵を描くための,あのチョークだ。
 このチョークは,描いた絵が実体化する「魔法のチョーク」だ。描く場所は壁でも床でもかまわない。ただし,濡れた場所や草地,泥地には描けず,凸凹のあるトタン板のような面にも描けない。
 この状況でプレイヤーがすべきことはただひとつ,チョークで銃器を描くことだ。ピストルの絵を描けば,その場で立体化してピストルになる。あとはそれを手に,敵の襲撃へ備えるわけだ。

後述する映像作品の1シーンより。ゲームのノリもこんな感じだ
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 チョークで描けるのは,ピストルだけではない。ライフルやマシンガンも描ける。しかも,銃本体の形状や各部のディテールも,描き方次第で変えられる。
 たとえば,マガジンを大きく描けば装弾数が増え,バレル(銃身)を長くすれば弾道の直進性が高まる。ストック(銃床)を長くすれば,発射時の振動を抑えられるといった具合だ。
 また,光学サイト(スコープ)やグリップといったアクセサリーも描ける。光学サイトを覗き込むと視界をズームできるほか,着弾位置の目安となる照準も表示される。フォアグリップを描き足せば,銃口の跳ね上がり(マズルライズ)を抑えられるなど,現実の銃器と同様の効果が得られるわけだ。
 実体化できるのは銃器だけではない。タマネギのようなものを描くと,グレネードも実体化できた。


 体験版では,描いた銃器の絵を保存できる型抜きシート(ステンシルシート)を,各プレイヤーが数枚持った状態で出撃した。高性能な銃の絵を型抜きシートに保存しておけば,必要なときに実体化できる。
 ただし,登録した銃がすぐに飛び出してくるわけではない。銃を呼び出すには,チョークの腹を使って型抜きシートを上から塗りつぶす必要があるのだ。
 つまり,型抜きシートで省略できるのはデザイン作業だけで,武器を描いて実体化する手順自体は省けない。それでも,型抜きシートを使うほうが,銃器を入手するまでの時間をだいぶ短縮できる。


CNNベースの独自AIで絵を実体化


本作の主要開発メンバー。左からBrendan Forde氏(Tech Lead),Josh Kubit氏(3D Artist),Joshua Woloszyn氏(Programmer)
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 ブースに居合わせたプログラマーに取材したところ,チョークで描いた絵を認識するAIは,独自開発とのことだ。
 AIモデルには,対象物の特徴抽出に長けた「Convolutional Neural Networks」(CNN)を採用している。まず,プレイヤーが描いた絵の大まかな特徴から,「どのタイプの銃を描いたのか」を推論するのだ。
 次に,推論した銃タイプをもとに,プレイヤーが描いた絵の目立つ特徴を抽出する。その特徴から「どんなアクセサリーが付いているか」「銃身の長さはどれくらいか」「弾倉の大きさはどれくらいか」といった,銃器ごとのパラメータを生成する仕組みだという。
 そのため,あまりにもデタラメな絵だと,そもそも銃器として認識されない可能性もあるそうだ。

 現在対応しているのは,ライフル型やピストル型,ショットガン型など,この手のゲームでは一般的な銃器に限られる。将来的には,認識して実体化できる銃器の種類を増やしたいとのことだった。
 あくまでも筆者の想像だが,銃器以外の武器,たとえば刀剣や弓矢,ドローンなども登場するかもしれない。

 Chalk Warfareはインディータイトルだが,誕生の背景は少し特殊である。
 開発元のSoKrispyMediaは,アメリカ・サウスカロライナ州Greenvilleの映像制作スタジオで,特殊効果(VFX)を得意とする企業だ。
 同社は,自社の技術力と表現力をアピールするため,短編映像作品を定期的に制作し,YouTubeで公開している。

 なかでも,描いたものを実体化できる「魔法のチョーク」を題材にした「Chalk Warfare」シリーズが人気を集めた。第4作までの累計再生回数は3億回以上に達し,YouTubeチャンネルの登録者数も300万人を超えているという。
 とくに人気を集め,今回のゲーム化にも影響を与えたのが,第4作「Chalk Warfare 4.0」だという。


 映像作品版のChalk Warfareは,FortniteやPUBGのようなゲームの世界に,魔法のチョークを持ち込んだ内容だった。そのため,ゲーム好きの視聴者から「実際にゲーム化してほしい」という要望が多く寄せられたという。そうした要望を受けて,今作の開発が始まったそうだ。

 筆者もブースでChalk Warfareの対戦プレイを体験したが,基本的なプレイフィールは,一言でいえば「よくあるバトルロイヤルTPS」といった感じではあった。
 ただ,本作ならではの魅力は,やはり武器を自分で描くところにある。マウスで「オレ仕様の銃」を描いていると楽しい。実体化した銃が思いどおりの性能になればうれしいし,逆に性能の低い銃になってしまっても,それはそれで笑えて楽しいわけだ。

戦場となるマップの一例
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 大きな銃を描けば強い銃を作れるが,チョークの消費量が増え,描く時間も長くなる。その間に,敵から狙われる危険も高まるだろう。ここに,Chalk Warfareならではの戦略性があるわけだ。

 便利な型抜きシートを使えば銃を素早く実体化できるが,チョークの消費も早い印象だ。プレイした体験版では,型抜きシートを最初から数枚所持していた。だが,製品版で初期所持数が0になったり,戦場で入手できる数が限られたりすれば,型抜きシートの有無も戦局に大きな影響を及ぼしそうだ。

 お絵描きスキルが強さに影響するかもしれないバトルロイヤルTPSという発想は新しく,楽しかった。
 一方で,遠目には,ビジュアルが単なるPUBGクローンに見えてしまうのは惜しい。より幅広いユーザーに届けるには,殺伐としたPUBG風のマップではなく,誰でも親しみやすいビジュアルにする必要があるだろう。
 「グッズ展開できるような可愛らしくユニークなキャラクターを用意し,Nintendo Switch 2向けにリリースすれば,日本でも人気が出るかもしれない」と開発メンバーに伝えたところ,彼らも「そうだ。Switch2にはタッチスクリーンがある。それはいいアイデアだ」と嬉しそうだった。

 開発メンバーによれば,Chalk Warfareは7月中に,一般ユーザーも参加できるデモ版のリリースを予定しているとのことだ。「スプラトゥーン」に匹敵する作品になるかどうかは分からない。それでも,完成したら少し遊んでみたいと思わせるインディーゲームだった。


MetaHumanの機能紹介ブースで,噂のMeshcapade技術を体験


 UF2026における陰の主役は「MetaHuman」だったのではないかと思っている。
 MetaHumanは,UE5に統合されたデジタルヒューマンオーサリングツールだ。人型キャラクターの制作やアニメーション作成に関する機能をまとめて備えている。
 UF2026では,「Unreal Engine 5.8」(以下,UE5.8)の発表に合わせて,MetaHuman 5.8のリリースが明らかになった。MetaHuman 5.8の開発キットはライセンスフリーで公開され,ほかのゲームエンジンでの利用も認められるという。

 Epic Gamesのブース内ステージでは,MetaHuman 5.8の代表的な機能を紹介する講演や,MetaHuman関連のさまざまなデモが行われていた。その講演のトピックを紹介しよう。

MetaHuman 5.8の機能を紹介するTony Lacey氏(MetaHuman Product Director,Epic Games)
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 MetaHuman 5.8の新機能として最初に紹介されたのは,Epic Gamesが2026年2月に買収したMeshcapadeの技術「Markerless Motion Capture」だ。
 これはAI技術を活用し,これまで再現が難しかった体内の筋肉の動きや,姿勢によって生じる肉のたるみ,関節を曲げたときのしわまで再現するアニメーション技術である。

Epic GamesによるMeshcapade買収により,マーカーレスモーションキャプチャ技術がMetaHumanに統合された
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 続いて紹介されたのは,任意の頭/顔の3Dモデルや,人物をスキャンして生成した人体3Dモデルなどを,MetaHuman互換キャラクターへ変換する技術「Mesh to MetaHuman」だ。

MetaHuman以外で制作された人型3Dモデルを,MetaHumanエコシステムへ取り込むMesh to MetaHuman
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 Mesh to MetaHumanの最新版では,人間以外の人外キャラクターやデフォルメキャラクターを,MetaHumanへ変換する事例も紹介された。頭身のバランスが極端だったり,顔の造形が大きく崩れていたりする漫画調のキャラクターも変換できるという。
 ただし,腕や脚が人間より多かったり,四つん這いで歩いたりするような,標準的な人体トポロジから大きく外れたキャラクターには,現時点では対応していない。

人外キャラクターをMetaHumanエコシステムへ変換する事例として紹介された,角の生えた漫画調のドラキュラ風モンスター
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 MetaHuman 5.8には,新しい群集表現システム「MetaHuman Crowd」が搭載されることも紹介された。
 MetaHumanは高品質な人体キャラクター表現を目的としたシステムであり,本来は群集表現には向いていなかった。MetaHuman Crowdは,それを可能にする機能だ。

 MetaHuman Crowdの仕組みは,おおよそ次のようなものだ。
 まず,視点に近い最大で十数人程度のキャラクターは,通常のMetaHumanとして高品質にアニメーションさせ,ライティングやシェーディングも緻密に行う。
 一方,中距離よりも遠いキャラクターは,GPU負荷の低い簡略化した3Dモデルをインスタンス描画する「Instanced Skeletal Mesh」で代用する。
 要するにMetaHuman Crowdは,遠方のキャラクター表現を簡略化する「Level of Detail」(LOD)の仕組みを,MetaHumanに導入したものといえる。

システム上は,1000人規模のMetaHumanキャラクターを同時に動かせる技術だ。実際には,中距離より遠いキャラクターをインスタンス描画で処理し,アニメーションも簡易的なボーンスキニングで代用する
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 プレゼンテーションの終盤には,ヒップホップミュージシャンのK-Loがサプライズで登場。自身の楽曲「Half A' Heart(Josephs Song)」に合わせて,リアルタイムでミュージックビデオを制作する様子を,ステージ上で再現するパフォーマンスを披露した。
 これは事実上,Meshcapade技術の実演を兼ねたデモだ。

K-Loによる,ミュージックビデオ制作のライブ再現。写真中央のK-Loが,後方のディスプレイに映っているドラキュラを演じ,写真左のTシャツ姿の男性は,モブダンサー役のMetaHumanキャラクター「ミーラ」を演じる舞台スタッフだ
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 実在の人物の動きを,任意の角度から撮影するだけで,マーカーなしに,その動き(アニメーション)をMetaHumanキャラクターへ反映できることを示してみせた。
 顔の動きは,正面に置いた小型カメラで捉える仕組みだが,こちらもマーカーレスで処理される。
 複数人による同時パフォーマンスを扱える点にも驚かされる。

 ボーンを仕込んでいない(ノンスケルタル)3D人体モデルに対して,ボディと顔の両方のアニメーションを適用できるのは,AIならではといったところ。今後この技術は,インディーゲームにおける人体表現の質を大きく底上げしそうだ。
 また,演者の負担軽減や制作時間の短縮にも,大きく寄与するだろう。AIの恩恵により,演者とアニメーションを適用するCGキャラクターで,体型や顔つきが大きく異なっていても問題ない。実際の制作現場でもリテイクのハードルが下がるため,取得データの品質向上にもつながりそうだ。この点も,制作コストの低減に寄与するだろう。

 ステージイベントの終了後には,筆者もドラキュラを演じさせてもらった。

ドラキュラになりきる筆者
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Intelブースで「Arc G3」の詳細を聞いた


 COMPUTEX 2026会場外にあったクローズドの企業ブースでは,Lenovo,NVIDIAなどが出展していたが,タイミング的に興味深い展示をしていたのがIntelだ。
 Intelは,COMPUTEX 2026に合わせて発表した新プロセッサ「Arc G3」シリーズを搭載する携帯型ゲームPCの実機を,プレイアブルな状態で展示していた。

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 COMPUTEX 2026開幕直前に発表となった,Intel初の携帯型ゲームPC向けプロセッサ「Intel Arc G3 Extreme」搭載PCの実機が,会場で披露された。実際のゲームをどれくらい快適に動作させられるのか,MSIとAcerの製品を使って,その実力を簡単に調べてみた。

[2026/06/04 08:00]

 展示機は,MSIの「Claw 8 EX AI+」とAcerの「Predator Atlas 8」の2モデルだ。どちらもFortniteや「Lego Batman: Legacy of the Dark Knight」をプレイできる状態だった。

MSIのClaw 8 EX AI+(左)とAcerのPredator Atlas 8(右)
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 Arc G3シリーズは,理論性能値から想定される以上のGPU性能に注目が集まっている。実際,ブースでも両タイトルをかなり快適にプレイできた。

 ブースには技術に詳しい担当者がいたので,Arc G3シリーズに関する疑問をぶつけてみたところ,詳しい話を聞けた。
 発表時点で,Arc G3シリーズがPanther Lake系のプロセッサであることは分かっていた。ただ,Core Ultra 300シリーズと,チップそのものまで同一なのかは明らかになっていなかった。COMPUTEX 2026会場では,Arc G3シリーズとされるチップパッケージが2種類展示されていたからだ。

Panther Lakeパッケージと同じダイ形状のArc G3
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 ひとつは,長方形に近いPanther Lakeパッケージと同じもの。もうひとつは,長辺が短くなり,正方形に近い形状のパッケージだった。
 Intelブースの担当者によると,Arc G3シリーズには2種類あるという。
 長方形のパッケージは,オリジナルのPanther Lakeそのもので,そこからP-coreを2基無効化したものだそうだ。ノートPCやエッジコンピューティングボードなどへの採用を想定したもので,オリジナルのPanther Lakeとピン互換である。

 やや正方形に近いパッケージは,主に携帯型ゲームPCのような小型機器への搭載を想定したものだ。最初からP-coreを2基しか持たないCPUダイを用いた,新しいパッケージだという。
 2種類のパッケージは,どちらもPanther LakeアーキテクチャベースのSoCで,同系統のバリエーション製品にあたる。機能面での差はないが,パッケージ形状が異なるため,物理的な互換性はないようだ。

Intelブースでは,ハードウェア面についてさまざまな質問ができ,有意義だった
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 Intelは,異なる製造プロセスで作られた複数のダイを集約し,1つのプロセッサ製品にまとめる独自のパッケージング技術「Foveros」を持つ。Panther Lake自体も,この技術を用いた代表的な製品だ。
 同一アーキテクチャで,物理構造の異なる2種類のチップをほぼ同時に投入できたのは,Foveros技術の恩恵といえる。

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