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「Hearthstone」の国際大会“HCT冬季選手権”がカリブ海のバハマで開催。リゾート地で繰り広げられたトッププレイヤー達の戦いをレポート
Blizzard Entertainmentがサービス中のデジタルTCG「Hearthstone: Heroes of Warcraft」(PC / iOS / Android。以下,Hearthstone)のオフラインイベント「Hearthstone Championship Tour Winter Championship」(以下,HCT冬季選手権)が,現地時間の3月23日から3月26日にかけて,カリブ海のバハマで開催された。
HCT冬季選手権は,南北アメリカ/ヨーロッパ/中国/アジア太平洋の4つの地域を代表するトッププレイヤーが一堂に介する,賞金総額25万ドルの国際大会である。
各地域からは,それぞれ4名の選手が出場しており,それまでの戦績に応じてA〜Dのグループに振り分けられている。そして各グループから上位の2名が決勝トーナメントへ進出する形だ。
大会会場が世界有数のリゾート地ということもあり,会場内のホテルに設けられた特設ステージではトッププレイヤー達がしのぎを削る一方で,ホテルが所有するプライベートビーチを散策したり,Blizzardのスタッフたちとの交流したり,対戦を行ったり,映画「ウォークラフト」の鑑賞会を行ったりと,参加者はさまざまな形でイベントを楽しんでいた。
また,1本を勝ち取ったヒーローはそれ以降使用不可になるため,4本を勝ち取るには(BAN分を含め)5体分のデッキに精通することはもちろん,相手がヒーローを繰り出す順番などを予測して,それに対抗するヒーローで出迎えるなど,深い読み合いが求められる試合形式でもある。
b787選手は,現環境でもっとも強力といわれる“海賊/アグロ”系への対抗をメインコンセプトにデッキを構築していた。具体的には“レノメイジ/レノロック/ミッドレンジシャーマン/レノプリースト”の各デッキで,「レノ・ジャクソン」を筆頭に「ハリソン・ジョーンズ」「酸性沼ウーズ」など,海賊アグロを相手に有利に展開できるカードを積極的に採用。そのうえで,同選手が強いこだわりを持っている“コントロールウォリアー”を加えた構成である。
HCT冬季選手権の開幕直後に行われたグループAにおける,b787選手の第1試合は,Fr0zen選手(アメリカ)とのマッチ。b787選手によると,事前に提出されていたデッキを見比べたうえで,レノプリースト同士の戦いが勝敗を分けるとにらんでいたようだ。そして,3-3のフルカウント迎えた最終試合で,レノプリーストのミラーを迎えたものの,これを落としてしまった。
続いての第2試合は,中国から参加しているXHope選手とのマッチだ。XHope選手は0-3と先行するが,あともう1勝を獲得するには,最後に残ったデッキの海賊ウォリアーで勝たなければならない。ただ,上述したようにb787選手の構築は,海賊への対策を十分に練っており,実際にレノロックとレノメイジでXHope選手の海賊ウォリアーを下している。しかし,続いて挑んだミッドレンジシャーマンで,XHope選手の海賊デッキがうまく回ってしまい,b787選手は惜しくもグループリーグで姿を消すことになった。
一方,b787選手が得意とするコントロールウォリアーに関して,2試合とも相手選手からBANを指定されたため,出場の機会がなかったのが残念だと語っていた。とはいえ,レギュレーションの仕様上,こればかりは仕方ないことでもある。
むしろ,コントロールウォリアーは現在のトレンドから大きく外れているわけで,それにもかかわらず世界の頂点を競うという場で,相手選手から「もっとも相手にしたくないヒーロー」(=BAN)と認識されたことが,その実力を如実に表していたといえるだろう。
両選手の選択ヒーローおよびデッキタイプは,Fr0zen選手がミラクルローグ/レノロック/ドラゴンプリースト/マリゴスOTKドルイド/フリーズメイジ(BAN),そしてShtanUdachi選手はミラクルローグ/レノメイジ/レノロック/アグロシャーマン/海賊ウォリアー(BAN)だ。
決勝戦の試合展開としては,Fr0zen選手がミラクルローグのミラーを初戦で制し,その後は両選手が交互に勝利するという一進一退の攻防となった。勝敗の行方は3-3の最終ゲームまでもつれこみ,最後に残ったヒーローは,Fr0zen選手がレノロック,ShtanUdachi選手がレノメイジである。デッキの相性としてはほぼ互角だ。
会場内が固唾を呑んで見守る中,ShtanUdachi選手は,このデッキの勝ち筋である呪文ダメージの上昇効果を着実に重ねていく。受け身となったFr0zen選手は「レノ・ジャクソン」でいったんは立て直したものの,ShtanUdachi選手は「アレクストラーザ」で一気に詰め寄る。そしてShtanUdachi選手は,次のターンで「パイロブラスト」「フロストボルト」「アイスランス」のコンボで17点のダメージを叩き出し,Fr0zen選手のレノロックを撃破。HCT冬季選手権の栄冠はShtanUdachi選手の頭上に輝いた。
今回の各試合はTwitchによる公式配信が行われており,これには日本人のキャスターにより実況解説が盛り込まれている。試合の細部まで分かるので,気になる人は「こちら」のページから確認しよう(決勝戦は3:02:00辺りから開始)。
HCT冬季選手権はこれで終了となるが,Hearthstoneでは今回と同規模の国際大会が,年内にあと数回予定されている。そして,これらの各大会で好成績を収めた選手が「世界選手権」に出場し,そこで真の意味での世界王者が生まれるのだ。
今回のHCT冬季選手権単体で見ても,e-Sporsのイベントして非常に大きな規模である。しかしながらBlizzardにとっては,これもまだ序の口といったところなのだろう。さすがは世界5000万人がプレイする,BlizzardのデジタルTCGといった印象を受けた次第だ。
そして,次のHearthstoneにおける国際大会として,「Hearthstone Championship Tour Japan Major」の開催が先日発表されている。Hearthstoneの次期拡張パック「大魔境ウンゴロ」のリリース直後ということで,レノ・ジャクソンを筆頭に現環境で猛威を振るっている多くのカードがスタン落ちするため,はたしてJapan Majorの開催時にはどのようなトレンドを迎えるのか,まったく予想ができない。エントリーの受付は4月7日から4月12日までとなっているので,興味のある人は応募の準備をしておこう。
「Hearthstone: Heroes of Warcraft」公式サイト
「Hearthstone: Heroes of Warcraft」ダウンロードページ
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(C)2017 BLIZZARD ENTERTAINMENT, INC.
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