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3Dグラフィックスベンチマークの大定番「3DMark」の最新事情。無料版インストーラも公開中
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印刷2023/05/26 17:00

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UL Benchmark 3DMark

発売元:UL(旧称:Futuremark)


画像ギャラリー No.002のサムネイル画像 / 3Dグラフィックスベンチマークの大定番「3DMark」の最新事情。無料版インストーラも公開中
 UL Solutionsのベンチマーク部門であるUL Benchmark(旧称 Futuremark)が展開する3Dグラフィックスベンチマークテストアプリケーション「3DMark」は,最初のバージョンが2013年2月に公開されて以来,アップデートを重ねて10年が経過した。2014年には,FuturemarkがULに買収され,2018年にはFuturemarkブランドが消滅して「UL Benchmarks」に切り替わるといった大きな変化はあったものの,3Dベンチマークソフトにおける定番中の定番として,10年間変わらぬ高い評価を得ているソフトウェアだ。
 本稿では,3DMarkの解説とアップデートの紹介を行うとともに,UL Benchmark公式ミラーでのインストーラを配信する。

●2026年8月5日:Version 2.32.8897(最新版)

●2013年5月7日:Version 1.1.0
●2023年1月16日:Version 2.25.8056
●2023年5月10日:Version 2.26.8092
●2023年5月26日:Version 2.26.8098
●2023年6月12日:Version 2.26.8113
●2023年8月14日:Version 2.27.8155
●2023年8月18日:Version 2.27.8160
●2023年9月14日:Version 2.27.8176
●2023年9月25日:Version 2.27.8177
●2023年11月11日:Version 2.28.8205
●2023年11月17日:Version 2.28.8213
●2023年12月20日:Version 2.28.8217
●2024年5月3日:Version 2.28.8228
●2024年5月23日:Version 2.29.8256
●2024年6月25日:Version 2.29.8278
●2024年6月26日:Version 2.29.8282
●2024年9月4日:Version 2.29.8294
●2024年11月27日:Version 2.29.8299
●2024年12月5日:Version 2.30.8330
●2024年12月19日:Version 2.30.8348
●2025年2月3日:Version 2.31.8372
●2025年3月11日:Version 2.31.8385
●2025年8月22日:Version 2.32.8426
●2025年9月12日:Version 2.32.8454
●2025年9月12日:Version 2.32.8454
●2025年12月18日:Version 2.32.8743
●2026年1月16日:Version 2.32.8826
●2026年1月29日:Version 2.32.8853
●2026年6月8日:Version 2.32.8871
●2026年6月15日:Version 2.32.8874


 なお,2022年10月のVersion 2.25.8043以前の情報を確認したい場合は,3DMarkの旧紹介ページを,2018年11月のVersion 2.16世代以前の情報を確認したい場合は,バージョンアップ履歴ページを参照してほしい。

 ちなみに,3DMarkのルーツは,フィンランドのゲームデベロッパであるRemedy Entertainmentが,1997年に公開したフレームレート測定機能を持つ3Dメガデモ「Final Reality」まで遡れる。メガデモから3DMarkに至る経緯については,2006年に掲載した西川善司氏の記事に詳しいので,興味がある読者は読んでみるといいだろう。

 ルーツから数えれば,実に25年という長きにわたって3Dベンチマークの定番として君臨してきただけに,信頼と実績という点で,3DMarkに比肩する3Dグラフィックスベンチマークテストはないと言っても過言ではない。

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 2013年にリリースされた当初,3DMarkにおける大きな目玉は,「マルチプラットフォーム化」であった。当時はスマートフォンやタブレット端末における3Dグラフィックス機能や性能が急速に向上していた時期でもあり,さまざまなプラットフォームを横並びで比較できることは,大きな意味を持っていたからだ。
 10年後の現在も,3DMarkには,クロスプラットフォームで性能のテストが行えるテスト「Wild Life」「Wild Life Extreme」を提供しており(関連記事),Windows搭載PCだけでなく,iOS端末やAndroid端末とも性能を比較できるようになってはいる。
 しかし3DMarkの無料版では,これらのテストを実行できないので,マルチプラットフォームが3DMarkの目玉ではないと言えよう。

 一方で,Windows版3DMarkの機能やベンチマーク項目は,大幅に拡充されており,毎年,新機能や新テストが追加され続けている。
 当初,3DMarkに組み込まれていたテストスイートは,「Ice Storm」「Cloud Gate」「Fire Strike」の3種類であったが,今ではDirectX 12の性能をテストする「Steel Nomad」や「Time Spy」,「Speed Way」※,ノートPCやARM版Windowsの統合GPU向けのDirectX 12テスト「Night Raid」が追加されている。逆に,設計が古くて時代にそぐわなくなったIce StormやCloud Gateは,サポートが終了して事実上廃止となった。

2024年5月時点における3DMarkのベンチマークテスト
※2022年10月10日以前のAdvanced EditionにはSpeed Wayが含まれていなかった。2022年10月10日以前にAdvanced Editionを購入したユーザー向けに4.99ドルで「Speed Way Benchmark DLC」が配布されている
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 リリース当初,3DMarkには「Basic Edition」「Advanced Edition」「Professional Edition」という3種類のエディションがあった。現在はそれぞれ,「3DMark Demo」「3DMark」「3DMark for Enterprise」という名称に変わり,エディションという呼び方はしなくなっている(※アプリケーション内では,旧表記が残っている)。ただ,本稿では便宜上,エディションという呼び方を使い続ける。
 変更前と変更後の名称は表1のとおり。

表1 3DMarkの名称変更前と変更後の対応表
変更前 変更後
3DMark Basic Edition 3DMark Demo
3DMark Advanced Edition 3DMark
3DMark Professional Edition 3DMark for Enterprise

 さて,基本のテスト5種類だけを実行できる3DMark Demoは無料であるが,一般向けのフル機能版である3DMark“無印”は,34.99ドル(約4720円,2023年5月現在)だ。また,3DMark相当のSteam版やEpic Games Store版も販売中で,そちらは3900円となっている。Steam版は,割り引き価格での販売が行われることもあるので,3DMarkのフル機能版を安く手に入れたいときは,Steamをチェックするといい。
 一方,for Enterpriseは法人ユーザー向けのサブスクリプション方式となっており,年額で1695ドル(約22万8500円,2023年5月現在)とかなり高額だ。

 リリース当初,エディションごとの差異は,テストにおけるカスタマイズ機能の有無や,ベンチマークスコアの扱いといった機能面にあった。しかし,現在はそれだけでなく,テストできる項目が大きな違いとなっている。
 というのも,3DMarkはダウンロードコンテンツ(DLC)としてテストを追加できるよう,当初から設計されており,3DMarkやfor Enterpriseに対しては,10年間で多くのテストが加わったからだ(※古くなってサポートが終了したテストもある)。

3DMark Demoでは,多くのテストがグレーアウトしたうえ鍵マークが付いており,実行できない
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 3DMarkには,特定のグラフィックス機能をテストして性能を測る目的で,8種類の「Feature tests」(機能テスト)や,CPU性能テストである「CPU Profile」が組み込まれた。Feature testsは,新しいグラフィックス技術が登場するたびに拡充されているので,今後も新たなテストが追加される可能性が高いだろう。
 そのほかにも3DMarkには,ストレージ性能を測る有料の追加テスト「Storage Benchmark」(2.99ドル,Steamでは310円)も追加できる。

 for Enterpriseには,3DMarkおよびDLCのテストがすべて含まれるほか,XML形式でスコアを出力(エクスポート)する機能や,バッチファイルを使った自動実行,UL Benchmarksが企業向けに開発している自動化システム「Testdriver」を使ったベンチマークテストの展開やリモート実行といった機能を備える。Testdriverを利用することで数百台,数千台といった複数のPCのテストを一度に行うことが可能だ。
 各エディションごとの主な違いを表2にまとめてみよう。

表2 エディションによる主な機能の違い
3DMark Demo 3DMark 3DMark for Enterprise
ベンチマーク設定のカスタマイズ ― ○ ○
ゲーム性能の目安表示 ― ○ ○
テスト個別のインストール ― ○ ○
デモのスキップ ― ○ ○
スコアをローカルPCに保存 ― ○ ○
コマンドラインによる自動実行 ― ― ○
イメージクォリティツールの利用 ― ― ○
XML形式へのエクスポート ― ― ○
Testdriverによる展開 ― ― ○
電話およびメールによるサポート ― ― ○

 一方,各エディションで実行できるテストの違いは表3のとおりだ。

表3 各エディションで実行可能なテスト
3DMark Demo 3DMark 3DMark for Enterprise
Steel Nomad ○ ○ ○
Steel Nomad Lite ○ ○ ○
Time Spy ○ ○ ○
Time Spy Extreme ― ○ ○
Night Raid ○ ○ ○
Fire Strike ○ ○ ○
Fire Strike Extreme ― ○ ○
Fire Strike Ultra ― ○ ○
Speed Way ― ○※1 ○
Wild Life ― ○ ○
Wild Life Extreme ― ○ ○
Port Royal ― ○※2 ○
CPU Profile ― ○ ○
Storage Benchmark ― ―※3 ○
GPU Stress Tests ― ○ ○
DirectX Raytracing feature test ― ○ ○
Mesh Shader feature test ― ○ ○
PCI Express feature test ― ○ ○
Sampler Feedback feature test ― ○ ○
VRS feature test ― ○ ○
NVIDIA DLSS feature test ― ○ ○
Intel XeSS feature test ― ○ ○
AMD FSR feature test ― ○ ○
※1 2022年10月10日以前のAdvanced Editionには含まれないが,DLCとして追加購入できる
※2 2019年1月8日以前のAdvanced Editionには含まれていないが,DLCとして追加購入できる
※3 DLCとして追加購入できる



3DMark Demoでも実行できる基本のテストを解説


 多数のテストを擁する3DMarkだが,無料の3DMark Demoで実行できる5種類のテストが基本といっていいだろう。それぞれの概要は次のようなものだ。

Steel Nomad
 「DirectX 12 Future Level 12_0」に対応するGPUを搭載したゲームPC向けベンチマークテスト。

Steel Nomadのテストシーン
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Steel Nomad Lite
 Steel Nomadの軽量版で,iOS/iPad OSやAndroid端末でも計測可能なマルチプラットフォーム対応ベンチマークテスト。

Steel Nomad Liteのテストシーン
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Time Spy
 「DirectX 12 Future Level 11」に対応するGPUを搭載したゲームPC向けベンチマークテスト。DirectX 12世代のベンチマークテストとしては古いため,UL Benchmarkでは,Steel Nomadの使用を推奨している。

Time Spyのテストシーン
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Night Raid
 DirectX 12に対応する統合型グラフィックス機能(統合GPU)やエントリー市場向けのGPUを搭載したPCに適したベンチマークテスト。

Night Raidのテストシーン
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Fire Strike
 DirectX 11の性能をテストするベンチマークテストで,DirectX 12に対応しない古いGPUでも実行できる。

Fire Strikeのテストシーン
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 2024年5月の時点で,新作PCゲームの多くは,DirectX 12対応となっている。つまり,Steel NomadかTime Spyのスコアが,現在のゲームにおけるグラフィックス性能の目安として最も重要と言っていいだろう。
 Night Raidも同じくDirectX 12を使用したベンチマークテストだが,UL Benchmarksによると,Time Spyでは負荷が高すぎて比較に適さない程度のスコアしか得られないPCに適したテストであるという。UL Benchmarksは,主に統合GPUを想定しているようだが,エントリー市場向けの単体GPUにも活用できるだろう。

 最後のFire Strikeは,3DMarkが初登場した当時からあるDirectX 11ベースのベンチマークテストだ。DirectX 11は,主流だった時期が長いために対応タイトルが多く,いまでも多数のゲームがプレイされている。また,eスポーツ系タイトルやインディーズタイトルは,現在もDirectX 11ベースの新作が多い。作られてから10年が経ったベンチマークテストではあるが,比較的,グラフィックス負荷が軽いタイトルを中心にプレイしているゲーマーにとって,Fire Strikeのスコアは重要な意味を持っている。
 一方で,2024年時点で最高クラスの性能を持ったGPUが相手になると,Fire Strikeは設計が古すぎるのか,性能を正確に反映できないこともあるのが注意すべき点だ。

 各テストの概要やテストシーケンスを見ていこう。


●Steel Nomad


 Steel Nomadは,リリースから時間が経過してDirectX 12の性能指標としては相応しくなくなってきたTime Spyを置き換える,新しいDirectX 12ベースのテストである(関連記事)。後述するDirectX 12テストのSpeed Wayとは異なり,リアルタイムレイトレーシングは使用していない。
 Steel Nomad(鋼の放浪者)というタイトルどおり,ベンチマークではスチームパンク風の世界が描かれる。街を訪れた放浪者が,掲示板のようなものを見て自身が手配されていることを知り,同時に追手が現れるというショートストーリーが,美しいグラフィックスで展開されるというものだ。

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 今回のSteel Nomadは,「DirectX 12 Future Level 12_0」に対応するGPU,つまり現行世代の全GPUで動作する。なおかつ,レイトレーシングこそ使っていないが,重量級のグラフィックスを,標準4K解像度でレンダリングすることで,最新世代のGPUにとっても,十分に負荷の高いテストだ。レイトレーシングを使用していない現行世代ゲームの性能指標となることを目指して作られた新ベンチマークと理解していい。

 Steel Nomadでのレンダリング解像度は,3840×2160ドットだけだ。ただ,実際の画面表示は,接続しているディスプレイ解像度に応じて行われるので,テストに4K解像度のディスプレイは不要である。Time SpyやFire Strikeとは異なり,レンダリング解像度の異なる高負荷バージョンのテストはない。
 また,Time SpyやFire Strikeでは,GPU性能だけ,あるいはCPU性能だけに焦点を当てたテスト項目が含まれているが,Steel Nomadにはそうした項目はなく,いわゆる総合スコアだけを算出するようになった。UL Benchmarkは,CPU性能は,有料版に含まれる「CPU Profile」ベンチマークで測定することを推奨している。

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 Steel Nomadでは,グラフィックスAPIとしてDirectX 12とVulkanをサポートしている。使用するグラフィックス技術は,ボリュメトリックな空や雲の描画,プロシージャルな草の表現,ボリュームイルミネーション,アンビエントオクルージョン,被写体深度といったものだそうで,とくにSteel Nomadでは,HDRを有効化すると,よりポップな映像になるとのことである。

 Steel Nomadには標準のベンチマークモード以外に,「Stress test」と「Explorer mode」という実行モードもある。
 「Stress test」モードは,ベンチマークシーンを初期設定では20回連続で実行して,その間の最大および最小スコアやGPU温度の変化などを確認するものだ。連続実行によって持続的に高負荷をかけた状態での性能や温度変化を調べるために活用できる。

 最後のExplorer modeは,シーンの中をウォークスルーで移動してみたり,各種エフェクトなどをオン/オフして変化を確認できたりするモードだ。

Explorer modeと,その設定ダイアログ(左)
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●Time Spy


 「過去を覗き見ることができる未来の『Time Spy』が,博物館を訪れて美しい展示物を見てまわっていると,何者かの襲撃を受け……」というシーンを描くTime Spyは,2016年にWindows 10とともに,新しいグラフィックスAPIとして登場したDirectX 12に対応したテストとして,3DMarkに組み込まれたベンチマークテストである(関連記事)。
 余談だが,ストーリーの意味をUL Benchmarksが詳細に解説したことはないようだが,DirectX 12がもたらすゲームの未来を暗示したシーンが描かれているという説が一般的なようだ。

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 そんなTime Spyは,DirectX 12のもっとも基本的な機能レベル(Feature Level)である11_0を使って開発されていることが特徴だ。Feature Level 11_0は,DirectX 12が登場した当時に主流だったDirectX 11向けのグラフィックスカードでも対応可能で,DirectX 12のマルチスレッドレンダリングといった機能的なメリットや性能面の優位性を享受できるものだった。
 もっとも現在では,Feature Level 11_0止まりのGPUだとプレイできないゲームが出てきており,ベンチマークとしてはやや古めといって差し支えない。それもあって,最新のGPU向けに「DirectX 12 Ultimate」の性能をテストするSpeed Wayが登場したわけだ。

 話を戻すと,Time Spyのレンダリング解像度は2560×1440ドット,3DMarkで実行できる高解像度版「Time Spy Extreme」のレンダリング解像度は3840×2160ドットである。テストシーケンスは「Graphics test 1」「Graphics test 2」「CPU test」の3種類だ。

 Graphics test 1とGraphics test 2は,GPU性能を測定するシーケンスで,どちらもCPU性能がフレームレートを制限しないように,CPU負荷を最小限に抑えた設計となっている。
 Graphics test 1は,ガラスやパーティクルといった透明なエレメントを,順不同で描画できる「A-Buffer」を使ってレンダリングする処理に重点を置き,Graphics test 2はレイマーチング法を使って,視点からポリゴンまでの空間をライティングする「ボリューメトリックイルミネーション」(関連記事)の処理に重点を置いている。
 GPUを使ったポストプロセスも非常にリッチで,被写界深度,発光,レンズリフレクションを多用する仕様だ。

 Graphics test 1,Graphics test 2は,実行中にフレームレートを計測して,その結果をスコアに反映する。

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Time Spy Graphics test 1の1シーン
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Time Spy Graphics test 2の1シーン

Time Spy CPU testの1シーン
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 一方,CPU testは,オープンソースの物理シミュレーションライブラリ「Bullet Open Source Physics」(以下,Bullet Open)を使用して,一連のシーンを描くテストシーケンスである。CPU testで描かれるシーンは,群体をシミュレートするボイドシステムと,剛体およびフェザーストーンアルゴリズム(※関節やアームにかかる力を計算する手法)を使った物理シミュレーションという2種類の構成要素でできている。

 Graphics testと同じように,実行中にフレームレートを計測して,その結果をスコアに反映する仕様だ。CPU testで行うシミュレーションは,極めてCPU負荷が高いため,少なくとも単体GPUを搭載したPCならば,GPU性能はスコアにほとんど影響を与えない。ただ,CPU testがレンダリングするフレーム数は一定となっているので,CPU性能によって実行時間が変化する点がGraphics testとは異なる。

 なお,Time SpyとTime Spy Extremeでは,CPU testにおけるボイドシステムのベクトル演算に使用する命令セットが異なる点には注意が必要だ。Time Spyでは「SSE3」までの命令セットを使用するが,Time Spy ExtremeではCPUが対応していれば「AVX2」までの拡張命令セットが使われる(※カスタム設定では,AVX512まで対応できる)。
 さらに,Time Spy Extremeでは,フレームレートに代わり平均フレームタイム(※1フレームの描画にかかった平均時間)がスコア算定に使われるという違いもある。こうした違いがあるため,Time SpyのCPU testとTime Spy ExtremeのCPU testでは,まったく傾向が異なる結果が出ることも少なくない。


●Night Raid


 DirectX 12テストであるTime Spyは,レンダリング解像度が2560×1440ドット以上で,描かれるシーンもGPUにとって負荷が高めの処理が中心だ。DirectX 12登場後,ほどなくしてIntelやAMD製の統合GPUもDirectX 12に対応したが,それらのGPUでTime Spyを実行すると,性能を比較することが非現実的なほど低いスコアしか得られないという問題が生じた。

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 そうした事情もあり,2018年に3DMarkに加わったのが「Night Raid」だ(関連記事)。Night Raidは,統合GPUやエントリー市場向けのGPU,さらにARM版Windowsに対応していることが特徴のテストだ。ARM版Windowsは,2018年当時に期待されていたほどポピュラーになってはいないが,同環境で実行できる貴重なGPUベンチマークテストのひとつである。

 Night Raid(夜襲)というタイトルどおり,ドローンやロボットの襲撃シーンが描かれるNight Raidは「Graphics test 1」「Graphics test 2」「CPU test」という3つのテストからなる。レンダリング解像度は1920×1080ドットだ。

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 Graphics test 1は,ディファードレンダリングを用いたGPUベンチマークで,スクリーンスペースリフレクションやアンビエントオクルージョンを使った光の陰影表現や,レンズ効果やブルームを用いたポストプロセス処理に重きを置いている。

Night Raid Graphics test 1の1シーン
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 Graphics test 2は,一般的なフォワードレンダリングを用いたGPUベンチマークで,テッセレーションを用いたシーンのレンダリングや,ポストプロセスに被写体深度の表現を追加しているので,Graphics test 1よりも,やや処理負荷が重いテストだ。

Night Raid Graphics test 2の1シーン
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 両テストともに実行中にフレームレートを計測して,スコアに反映する仕様だ。Time Spyに比べると,Graphics test 1,Graphics test 2ともにポリゴン数を大幅に減らしており,統合GPUでも計測に十分なフレームレートが得られるよう工夫されている。

 一方のCPU testは,Time Spyと同じくBullet Openを使用したボイドシミュレーションと,ミドルウェア「Umbra」を使用したソフトウェアによるオクルージョンカリングを使って,CPUの性能を測定するものだ。スコアに反映するのはテスト中に計測されるフレームタイムである。
 なお,ベクトル化の処理は,デフォルトでは「SSE3」まで,カスタム実行では「AVX512」までの命令セットを使用するように設定できる。

Night Raid CPU testの1シーン
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●Fire Strike


 3DMarkのリリース当初から存在する「Fire Strike」は,3DMarkを代表するベンチマークテストと言っていいだろう。煮えたぎる溶岩の上にかかる橋で,2人の異形の戦士が戦う様子を描いたグラフィックスシーンは,3DMarkリリース当時の主流グラフィックスAPIであったDirectX 11の機能をフルに使って描かれている。

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 レンダリング解像度は1920×1080ドット。3DMark以上では,レンダリング解像度が2560×1440ドット相当になる「Fire Strike Extreme」と,4K解像度相当になる「Fire Strike Ultra」も加わり,より高負荷のテストが行える。

 テストシーケンスは「Graphics test 1」「Graphics test 2」「Physics test」「Combined test」の4種類だ。そのうち,Graphics test 1,2は,DirectX 11におけるGPU性能を測るテストである。すべてのテストでフレームレートを計測して,1秒あたりの平均フレームレートによってスコアを算出する仕組みだ。

 Graphics test 1は,ジオメトリとイルミネーションの処理に焦点を当てたテストとなっている。パーティクルは半分の解像度で描画するが,シーンには100個のスポットライトと140個のポイントライトが配置されており,複雑な光の表現が行われる。さらに,コンピュートシェーダを用いたポストプロセス処理も使われており,そこでもGPUに負荷を加えている。

Fire Strike Graphics test 1の1シーン
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 Graphics test 2は,パーティクルの描画とGPUを使用した流体シミュレーションに焦点を当てたテストで,Graphics test 1よりもGPU負荷が高い。パーティクルはフル解像度で描画しており,またGraphics test 1では使っていない動的なパーティクルイルミネーションも使用する。シーンに配置したスポットライトは6個で,ポイントライトは65個と,Graphics test 1よりも少ないが,パーティクルの流体シミュレーションにコンピュートシェーダを使うそうだ。
 Graphics test 2のポストプロセスも,やや負荷の高い処理で被写体深度のエフェクトを使用する。

Fire Strike Graphics test 2の1シーン
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 Fire StrikeのPhysics testは,Bullet Openを使ったソフトボディのシミュレーションを実行する。やや設計が古いテストではあるが,Time SpyのCPU testに比べると,CPUコア数に応じて比較的,素直にスコアを上げていく傾向があるようだ。

Fire Strike Physics testの1シーン
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 最後のCombined testは,Graphics test 1,2を構成する要素を組み合わせたGPU性能テストと,Bullet Openを使用した剛体の物理シミュレーションを組み合わせて,CPUとGPUの双方に負荷をかけるテストである。


2024年時点の最新GPUに適したベンチマークテスト


 3DMark Demoで実行できる5種類のテストは,最新GPUの機能をフルに使うものではない。最新GPUの機能や性能をテストするのであれば,3DMarkに含まれるテストも実行するのが適切だろう。
 ここでは,4Gamerでも折に触れて利用しているテストを中心に,3DMarkのテストについても見ていきたい。


●Speed Way


 先述したとおり,「Speed Way」は,DirectX 12 Ultimateに対応するベンチマークテストだ。

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 DirectX 12 Ultimateとは,Windows PCとMicrosoftのゲーム機「Xbox One」シリーズとの共通基盤として,同社が2020年に定義したグラフィックスAPIセットだ(関連記事)。DirectX 12に,以下に示す4種類の機能やAPI群を追加している。

  • DirectX Raytracing
  • Variable Rate Shading(VRS)
  • Mesh Shader
  • Sampler Feedback

 こうした事情があるため,Speed Wayを実行するには,DirectX 12 Ultimateに対応したGPUが必要だ。DirectX 12のFeature Level(機能レベル)で言うと,「Feature Level 12_2」に対応している必要があり,2023年前半時点でのミドルクラス市場向けGPU以上が該当する。エントリー市場向けのGPUだとレベル12_2に対応できていないものもあるので,Speed Wayを実行できないPCも少なくはないわけだ。

 そんなSpeed Wayのテストシーケンスは,Graphics testのみ。Time SpyやFire Strikeのように,CPU性能を測定するテストは含まれず,レンダリング解像度が異なる高負荷版テストもない。ただ,GPUに対するコマンド生成を,CPUの論理コア数分のスレッドで行うので,CPUのマルチスレッド性能が低い場合,Speed Wayのスコアに影響を与える可能性があるそうだ。

 Speed Wayでは,未来のガレージを舞台に,レースに出場するバイクの整備シーンが描かれる。シーンを描画するSpeed Wayのグラフィックエンジンでは,DirectX 12 Ultimateで加わったMesh Shaderを使っている。
 Speed Wayで重点を置いているのは,レイトレーシングを用いた動的なボリュメトリックライティングや透明なサーフェスの描画,レイトレーシングベースの間接照明やグローバルイルミネーションといった要素だ。また,パーティクルの描画には,GPUを用いた非同期GPU演算による物理シミュレーションを使用する。
 ベンチマークモードにおけるレンダリング解像度の初期値は2560×1440ドットで,実行中にフレームレートを計測して,フレームレートをもとにスコアを算出する仕組みだ。

Speed Wayの1シーン
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VS. Modeは,画面右下の目立たないところにスイッチがある
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 ここまでに紹介したテストにはなかったSpeed Wayの新しい要素は,ベンチマークモードのほかに,「VS. Mode」と「Interactive Mode」が用意されている点だ。
 VS. Modeは,UL Benchmarksのクラウド上にアップロードされている他のPCによるデータと比較しながら実行できる。一方のInteractive Modeは,パラメータをスライダーやボタンで変化させて,シーンの変化をリアルタイムに確認できるモードだ。

Interactive Modeで,時間帯を変更してみた
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●Wild Life


 3DMarkの特徴でもあったマルチプラットフォームベンチマークテストを受け継いでいるのが,「Wild Life」および「Wild Life Extreme」だ。Wild LifeはArm版を含むWindowsとAndroid,iOSに対応し,これらのプラットフォームを横断的に横並びで比較できるテストである。

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 Windows版とAndroid版はVulkan API 1.1を,iOS版はMetalを使うようになっている。iOSと他のプラットフォームではAPIが異なるが,エンジン部分は共通だ。ベンチマーク実行時のデフォルトの2560×1440ドットだ。先述のようにGraphics testのみで構成され,フレームレートをもとに総合スコアを算出する仕組みだ。

 Wild Lifeでは,異星の風景と自然界の様子が美しいグラフィックスで描かれる。技術的要素としては,CPUを用いたライトカリングが用いられていることがポイントだ。なお,Wild LifeにCPU性能を検証するテストシーケンスはないのだが,ある程度はCPU性能がスコアに影響を与える仕組みとなっている。
 また,シーンを通してライトやジオメトリ,ポストエフェクトの量が変化することで,さまざまな負荷における性能をテストできるよう工夫されているとのこと。たとえばポストプロセスでは,ブルームや熱による空気のゆらぎ(ヒートディストーション),ボリュームイルミネーション,被写界深度の処理を行っている。

Wild Lifeの1シーン
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 Wild Life Extremeは,Wild Lifeの高負荷版で,他の高負荷版テストとは異なり,レンダリング解像度を変えるのではなく,ポストプロセスや処理内容を変えることで負荷を高めているのが特徴だ。
 具体的には,「Asynchronous Compute」による並列レンダリングパスを使用しているほか,ジオメトリ負荷を1.25倍にしたり,シャドウマップを高解像度にしたりして,描画負荷を高めている。またポストプロセスでは,「Adaptive Screen Space Ambient Occlusion」(ASSAO)による陰影が加わり,アンチエイリアシングとしてTAAを用いるという。
 これらにより,Wild Lifeと比べてWild Life Extremeは,かなり処理負荷が高いテストになっている。PCでも,相応に高い性能を持つGPUがないと,高いフレームレートは得られないだろう。

Wild Life Extremeの1シーン
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 Wild LifeおよびWild Life Extremeには,「Unlimited Mode」というベンチマークモードが用意されているのも特徴のひとつだ。Unlimited Modeは,オフスクリーンで一定のフレーム数をレンダリングしてスコアを算出するモードである。たとえば垂直同期をオフにできないスマートフォンやタブレットでも,Unlimited Modeなら,その影響を受けることなくベンチマークのスコアを得ることができるわけだ。
 異なるプラットフォームを比較するのなら,ディスプレイの影響を排除できるUnlimited Modeを使ったほうが安全だろう。

Wild LifeのUnlimited Modeは,通常の[RUN]ボタンの下にある[RUN]ボタンで開始する
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●Port Royal


 Port Royalは,2018年にDirectX Raytracingが登場したのを受けて,2019年1月に加わったベンチマークテストだ。Port Royalは,海賊の宇宙港の様子がレイトレーシングをフルに使用した美しいグラフィックスで描かれる。
 レイトレーシングを使用する点はSpeed Wayと同じだが,こちらはDirectX Raytracingの登場初期からあったAPIを用いて実装した独自のグラフィックスエンジンを使用するという。Port Royalの実行には,DirectX Raytracingに対応したうえで,DirectX 12のFeature Level 12_1をサポートするGPUを必要とするものの,GPUがDirectX 12 Ultimateをフルサポートしている必要はない。

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 Port Royalのテストシーケンスは,Graphics testのみだ。CPU性能を測定するテストはないが,Speed Wayと同様に,CPU側で論理コア数分のスレッドを使ってGPUにコマンドを発行する関係で,CPUのマルチスレッド性能がスコアに影響を与える可能性はあるという。ただ,レンダリングにおけるCPU側の負荷は軽いため,GPU性能に見合うCPUが搭載されていればCPUの影響は大きくないとのことだ。

 技術面で特徴的な点としては,ボリューメトリックライトマップの生成に,テッセレーションを用いた独自の処理を使っていることが挙げられる。テッセレーションによって,メッシュのデータ量を抑えながらリアルなライティングの表現を可能にしているそうだ。
 そのほかにも,レイトレーシングを使用した完全なシャドウの表現や,透明なサーフェスの描画を行っている。またポストプロセスでは,GPUを使用したブルームや被写界深度の効果が加えている。

Port Royalの1シーン
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 ベンチマークにおけるレンダリング解像度は,2560×1440ドットに固定されている。実行中にフレームレートを測定して,平均フレームレートをもとに総合スコアを算出する仕組みだ。Speed WayよりもGPUの要件がやや緩いのだが,レイトレーシング性能を見るベンチマークとしては,現在でも有効だろう。


●CPU Profile


 2021年6月に3DMarkに加わった「CPU Profile」は,CPUの性能を測定するベンチマークテストだ。Port RoyalやSpeed Wayといった,比較的最近になって3DMarkに加わったベンチマークテストには,CPU性能を計測するシーケンスが含まれていないので,その代わりという面もあるのではないだろうか。

CPU Profileの1シーン
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 CPU Profileにおけるテストは,物理シミュレーションライブラリの一種で,群体をシミュレートするボイドシステムである。使用する拡張命令セットは,SSE3が半分で,残りの半分がAVX2までとのこと。ゲームにおいて,1種類の拡張命令セットだけを物理シミュレーションに使うことは少ないので,ボイドシステムに使用する命令セットをテスト中に変えることで,よりゲームに近いCPU性能の評価ができる,というのがUL Benchmarksの主張だ。

CPU Profileの起動画面
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 CPU Profileのデフォルトでは,CPUが実行可能な最大スレッド数と,16,8,4,2,1スレッドの順でボイドシステムのシミュレーションを実行して,それぞれの性能評価と総合スコアを算出する仕組みになっている。UL Benchmarksによると,8スレッドの成績はDirectX 12対応ゲームの性能と相関が強く,4および2スレッドの成績は,DirectX 9のように古いAPIを使用するゲームとの相関が強いとのこと。また,8スレッドは,Time SpyのCPU testと強い相関のあるスコアが得られるそうだ。

CPU Profileの実行結果画面
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 シミュレーションの実行時間はごく短く,実行スレッド数を変えるたびに一定のインターバル時間を開けているので,その間にCPUを冷却できるよう配慮している。ゲームでは連続してCPUに高負荷が生じ続けることは少ないので,この点もゲームに近いと評価していいだろう。

 なお,デフォルトでは,たとえば4コア8スレッドのCPUでも16スレッドのテストを実行するが,カスタム実行を選べば,必要のないスレッド数のテストはキャンセルできる。必要に応じてカスタム実行を使うといいだろう。


●Storage Benchmark


 先述したとおり,Storage Benchmarkは3DMarkにも含まれない別売りのDLCだが,ゲームに特化したストレージ性能を測定できる珍しいテストだ。

Storage benchmarkの起動画面
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 PCI Express(NVM Express,以下 PCIe)接続対応のSSDが普及して,PCにおけるストレージ性能は大幅に向上した。だが,単純な逐次(シーケンシャル)アクセス性能やランダムアクセス性能のテスト結果と,リアルなアプリケーションにおける体感的な性能は,相関が分かりにくいというのが正直なところだろう。
 3DMarkのStorage Benchmarkは,ゲームにおけるストレージアクセスパターンを再現して,平均のストレージ帯域幅を算出するテストだ。テストシーケンスに含まれるのは,以下の7項目となる。

  • 「Battlefield V」の起動からメインメニュー表示まで
  • 「Call of Duty: Black Ops 4」の起動からメインメニュー表示まで
  • 「Overwatch」の起動からメインメニュー表示まで
  • 「OBS Studio」を使って「Overwatch」のプレイを解像度1080p,60fpsで録画
  • 「Counter Strike: Global Offensive」を外付けSSDからSteamライブラリのフォルダへコピー
  • 「Epic Games Launcher」を使って「The Outer Worlds」をインストール
  • 「The Outer Worlds」でゲームを保存

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 これら実際のゲームタイトルを使ったストレージ操作を再現した,7パターンでテストを行う。7パターンの再現を3回ループさせて測定するので,ゲームにおける体感性能に近い正確なテストが可能というわけだ。
 テストでは,それぞれのアクセスパターン再現時の平均帯域幅と,平均ストレージアクセス時間を計測する。総合スコアは,平均帯域幅と平均ストレージアクセス時間から算出する仕組みだ。

Storage benchmarkの計測結果
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 ちなみに,かつてのPC総合ベンチマーク「PCMark 8」には,Storage testに類似のテストが含まれていた。しかし,現在の「PCMark 10」では,ストレージ向けのベンチマークにはゲームを使ったテストが含まれていない。PCMark 10ではできないゲーム特化型のストレージテストができるという意味では,価値があるテストであろう。


特定の機能や性能をチェックするFeature test


 3DMark以降で利用できるFeature testは,特定の機能(Feature)をテストするもので,ある機能を使用したときの性能や,グラフィックス表現をチェックできる。Feature testでは,総合スコアは算出しないものの,フレームレートのような性能指標が提示されるので,ベンチマークとしても利用可能だ。
 Feature testは,WindowsやPCハードウェアに新たな機能が実装されるたびに追加されていて,2023年5月の時点で8種類がある。今後も順次,追加されていくだろう。

2023年5月時点でのFeature testラインナップ。サポートが終了して事実上廃止されたFeature testもある
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 4Gamerでは,Feature testのうち,「DirectX Raytracing feature test」など,一部のFeature testを利用するので,それらについて簡単に解説しておきたい。


●DirectX Raytracing feature test


 本テストは,DirectX Raytracing 1.1の機能をチェックするFeature testだ。
 レイトレーシングを使用したベンチマークであるPort RoyalやSpeed Wayは,現実のゲームに近づけるためにラスタライズとレイトレーシングを併用する描画エンジンが使っているが,DirectX Raytracing feature testでは,ラスタライズをほとんど使用せず,レイトレーシングのみの1パスでグラフィックスを描く。
 したがって,DirectX Raytracing feature testにおけるフレームレートは現実のゲーム性能を反映したものではないことに注意が必要だ。だが,GPUのレイトレーシング性能のみを横並びに比較するという目的であれば,DirectX Raytracing feature testをベンチマークとして利用することもできるだろう。

DirectX Raytracing feature testの1シーン
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DirectX Raytracing feature testでは,Interactive Modeを実行したり,ピクセルあたりのサンプル数を変えたりできる
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 DirectX Raytracing feature testのデフォルトのレンダリング解像度は2560×1440ドットだ。標準のテスト実行に加えて,「Interactive Mode」というテストモードもある。Interactive Modeでは,シーン内を自由に移動してスクリーンショットを撮影できる。
 なお,ピクセルあたりのサンプル数はデフォルトが「12」だが,カスタマイズも可能だ。

Interactive Modeの1シーン。画像下側に操作ガイドが出ている
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 実行には平均フレームレートが得られるので,ベンチマークとして使う場合は,フレームレートで比較することになる。


●NVIDIA DLSS Feature test


 NVIDIA DLSS Feature testは,NVIDIA独自の超解像技術「DLSS」のテストを行うFeature testだ。2023年5月の時点で,初代DLSSに加えて,改良版の「DLSS 2」および「DLSS 3」をサポートしている。
 当然ながら,NVIDIA DLSS Feature testを実行するには対応したGPUが必要になる。具体的には,DLSSおよびDLSS 2のテストにはGeForce RTX 20シリーズ以降が,DLSS 3のテストにはGeForce RTX 40シリーズが必要だ。

NVIDIA DLSS Feature testで画質比較をしている様子
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 DLSS Feature testでチェックできる項目は大きく2つある。DLSSを使用したことによるフレームレートの向上具合と,使用,非使用時の画質比較である。

 DLSS Feature testのデフォルトの表示解像度は2560×1440ドットだが,そのほかのオプションとして選択できる解像度はDLSSの世代によって異なる。DLSSでは,表示解像度1920×1080ドットと3840×1440ドットが,DLSS 2ではさらに7680×4320ドットが選択できる。一方,DLSS 3では1920×1080ドットが選択できない。

DLSS Feature testの起動画面
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 また,DLSS 2とDLSS 3では,画質モードの選択も可能になる。選択肢は「Quality」「Performance」「Ultra Performance」の3種類で,Ultra Performanceは7680×4320ドット時のみ選択可能だ。

 テストではPort Royalのリソースを使用しており,DLSS無効,DLSS有効の順でテストを行い,終了後にそれぞれの平均フレームレートを得る仕組みだ。無効と有効のフレームレートを比較することで,DLSSによるフレームレート向上具合を確かめられる。


●AMD FSR Feature test,Intel XeSS Feature test


 「AMD FSR Feature test」は,AMD独自の超解像技術「FidelityFX Super Resolution」(FSR)を,「Intel XeSS Feature test」は,Intel独自の超解像技術「Xe Super Sampling」(XeSS)をテストするFeature testだ。

 AMDは,Radeon RX 7900シリーズと同時に「FSR 3」を発表しているが,3DMarkのAMD FSR Feature testは,前世代の「FSR 2.2」に準拠したテストだ。FSRは,DirectX 12のシェーダモデル6.0を使用したポストプロセスによる超解像技術なので,AMD製GPUだけでなく,GeForce GTX 10シリーズ以降やGeForce RTXシリーズのNVIDIA製GPUや,Intel Xe GraphicsベースのIntel製GPUなどでも実行できる汎用性のあるテストとなっている。

 一方のIntel XeSS Feature testも,Xe GraphicsベースのIntel製のGPUを前提としたテストである。ただXeSSは,DirectX 12の「Shader Model 6.4」を使用するシェーダコードでAI処理系部分が作られているので,Shader Model 6.4対応のNVIDIAおよびAMD製GPUでも実行できる。

Intel XeSS Feature testでの画質比較
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 どちらもNVIDIA DLSS Feature testと同じく,超解像技術を使用することによるフレームレートの向上率および画質のチェックを行うテストだ。4Gamerでこれらをベンチマークテストに利用した例はまだないものの,今後は使うことがあるかもしれない。


●そのほかのFeature test


 残るFeature testは,4Gamerでベンチマークテストとして使用する機会があまりなさそうなので,ごく簡単に概要を記しておくにとどめたい。

 まず,DirectX 12 Ultimateにおいて加わった技術のテストと性能を検証するテストして,「Mesh Shader feature test」「Sampler Feedback feature test」「VRS feature test」が用意されている。いずれもテーマである機能を使用したデモと使用しないデモを実行したうえで,フレームレートを比較ができる。
 フレームレートの値をベンチマークテストとして利用することも可能だが,これらの要素の性能を調べる必要に迫られるケースはあまりない。特定の要素について詳細に分析したいときには,これらの機能テストが役立つ場合もあるだろう。

Mesh Shader feature testの1シーン
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Sampler Feedback feature testにおける処理の様子を画像化した状態
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 「PCI Express feature test」は,DirectX 12を使用した3Dグラフィックスデモを固定フレームレートで実行して,GPUとCPU間のデータ転送速度からPCIeインタフェースの帯域幅を調べるテストだ。PCIeは,3.0から4.0,5.0とリビジョンが進むたびに帯域幅が倍増していっているので,PCI Express feature testで確認できる実効帯域幅から,PCIeインタフェースが仕様どおり正常に機能しているかどうかを確認できる。

PCI Express feature testの1シーン
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Steamやミラーサイトからインストールが可能


 2023年5月時点で,3DMarkの配布や購入元は,Steamが主流となっている。一方で,4Gamerを含めたミラーサイトからインストーラをダウンロードすることも可能だ。ただ,3DMarkの購入やアップグレード,DLCの購入といった作業はSteamのほうが容易なので,購入を検討しているのならSteamからのインストールをおすすめしたい。

 インストールは,Steam上で「インストール」をクリックするか,ミラーサイトからダウンロードしたインストーラを実行するだけ。Steamからインストールした場合,ゲームなどと同様にSteamアプリケーションに3DMarkが追加される。

Steamの3DMark購入画面
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3DMark Demo起動後の画面
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 ベンチマークの一覧で,鍵マークがあるのは,現在のエディションで実行できないテストだ。鍵がついているテストをクリックして開くと「UPGRADE」ボタンがあるので,それをクリックすれば有料のアップグレードに進める仕組みだ。

UPGRADEボタンの例
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 アップグレード方法は,Steam版とインストーラ版で異なる。
 Steam版は,UPGRADEボタンを押すと3DMarkがいったん閉じて,Steamのストアページが開き,3DMarkの購入に移動する。一方のインストーラ版は,「OPTION」タブが開いてライセンスキーの登録を求められる。そこで「BUY」ボタンを押すとライセンスキーの購入に進む形だ。

 話を戻すと,BENCHMARKSタブで鍵がついていないベンチマークは実行できる。とはいえ,表1でも説明したように,3DMark Demoではベンチマークのカスタム設定を行えず,デモシーンの再生をスキップできない。3DMark以上ではカスタム設定が可能で,for Enterpriseではデモのスキップも可能だ。

 ベンチマークの実行は簡単で,「RUN」ボタンを押すだけである。実行が終わると結果が「RESULTS」タブに表示される。

Fire Strikeの起動画面。右にある「RUN」ボタンを押せば,ベンチマークが始まる
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 RESULTSタブでは,スコアに加えてテスト実行中のフレームレートの推移や温度,GPU負荷率,CPUおよびGPUの動作クロックの推移が確認できる。これをみれば,PCの性能だけでなく動作状態を含めてのチェックが可能だ。

for EnterpriseにおけるRESULTSの画面。3DMarkも基本的には同様である
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フレームレートの推移やCPUおよびGPUの温度,GPU負荷,CPUやGPU,グラフィックスメモリの動作クロック変動を表で確認できる
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 なお,3DMark Demoでは結果の保存やエクスポートがサポートできない。できるのはオンライン上での結果の比較のみだ。また,「Estimated game performance」(ゲームにおける性能の目安)も表示されない。

3DMark Demoではオンラインに結果を出力して閲覧するほか,他のPCのスコアと比較もできる
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 一方,3DMarkではローカルPCへの測定結果の保存やロードが可能で,さらにfor Enterpriseでは,XML形式で結果のエクスポートも可能だ。

 以上,3DMarkの概要を見てきたが,4Gamerでもベンチマークの定番中の定番として活用しているソフトウェアなので,いまだ実行したことがないというPCゲーマーがいたら,3DMark Demoで構わないので一度は試してみることをおすすめしたい。利用しているゲーム用PCのウイークポイントが見えてくるので,今後のアップグレードの参考になるはずだ。


バージョンアップ履歴


■Version 2.25.8056


 欧州時間2022年12月22日,バージョン2.25.8056が登場した。数多くの問題点を修正したマイナーアップデートとなっており,ベンチマークスコアへの影響はないとのことだ。

●Version 2.25.8056の新要素(Professional Edition)
  • DirectX 12ベースのテストやVulkanベースのテストなどGPUの選択が可能なテストにおいて,GPUを選択するコマンドラインスイッチを追加

●Version 2.25.8056で解決した問題(全エディションに共通)
  • Windows 10で実行したときに,OSのバージョンがWindows 10 21H2以降であるかをSpeed Wayが正しくチェックしなかった問題
  • Wild Life,Wild Life Extreme,Ice Stormにおいて,本来は無制限のカスタム実行に対応していないにもかかわらず,カスタム実行を行えた問題
  • 3DMarkのホーム画面からSpeed Wayを実行したときに,間違ったGPUが選択されることのあった問題
  • 3DMarkのUIを起動できないことのあった稀な問題
  • SSDのシリアルナンバー欄が,Systeminfoによる解析を妨げることのあった問題
  • Time Spyのデモで,カメラのポストエフェクトやレンズの反射表現に不正確なアンチエイリアシングが生じていた問題
  • Time Spyでログを出力するフォルダおよびファイル名にUnicode文字が含まれていると,テストに失敗することのあった問題
  • Time Spyで新しいDirectX 12の検証時にエラーや警告が表示された問題
  • Speed WayをVS. modeで実行したときに,FPSグラフがテストの正常に同期されなかった問題
  • 横方向に長いウルトラワイドディスプレイでSpeed Wayを実行したときに,Interactive ModeのUIが正しく表示されなかった問題


■Version 2.26.8092


 欧州時間2023年3月30日,バージョン2.26.8092が登場した。
 別途掲載した記事にあるとおり,本バージョンは,新しい要素テストである「AMD FSR feature test」(以下,FSR機能テスト)をAdvanced EditionおよびProfessional Editionに導入したのが見どころである。

FSR機能テストのサンプル画像
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 ULによると,既存テストのスコアに対する影響はないとのことだ。

●Version 2.26.8092の新要素(Advanced EditionおよびProfessional Edition)
  • AMD FSR feature testを追加


■Version 2.26.8098


 欧州時間2023年4月20日,バージョン2.26.8098が登場した。
 本バージョンは,DirectX 12テスト「Speed Way」で生じていた不具合や,3DMarkのUIに関する問題を解消したマイナーアップデートである。マイナーアップデートの通例どおり,ベンチマークスコアに影響は及ぼさないそうだ。

●Version 2.26.8098で解決した問題(全エディションに共通)
  • 3DMarkのUIが正常に表示されないことのある問題

●Version 2.26.8098で解決した問題(Advanced EditionおよびProfessional Edition)
  • CPU統合型グラフィックス機能と単体GPUの両方を使用しているハイブリッドグラフィック環境のノートPCで,「Speed Way」のコマンドライン実行に失敗することのあった問題
  • Speed Wayで高解像度の「カスタムラン」を実行したときに,一部のジオメトリが失われていた問題

●Version 2.26.8098で解決した問題(Steam Edition)
  • オンラインサービスにおける実績に関連したログ記録で生じていた問題(詳細未公開)


■Version 2.26.8113


 本バージョンは,ノートPCやARM版Windowsの統合GPU向けのDirectX 12テストである「Night Raid」をVersion 1.1.5へと更新したもので,「ARM64」こと64bit Armアーキテクチャをサポートしたという。これにより,ArmアーキテクチャCPUを搭載する一部のWindowsデバイスで,Night RaidのCPUスコアが向上する可能性があるそうだ。

 マイナーアップデートであるため,Night RaidのGPUテストスコアや,それ以外のテストにおけるスコアには影響しないとのことだ。

●Version 2.26.8113の新要素(全エディションに共通)
  • Night RaidがARM64に対応


■Version 2.26.8125


 欧州時間2023年3月30日,バージョン2.26.8125が登場した。
 本バージョンは,3DMarkが起動中に応答しなくなるまれな問題を解決したものだ。
 既存テストのスコアに対する影響については言及がないものの,テスト自体の修正を行うものではないので,影響はなさそうである。

●Version 2.26.8125で解決した問題(全エディションに共通)
  • 3DMarkが,UIの起動中に応答しなくなることのある問題


■Version 2.27.8155


 本バージョンは,既報のとおり,WindowsおよびAndroid端末向けのレイトレーシングテストである「Solar Bay」を導入したものだ。

 それ以外には,インストール先がNTFSボリュームにマウントされたディレクトリ(=フォルダ)の場合に,一部のテストが失敗することのあった問題を修正しているとのこと。明言されてはいないものの,Solar Bayの実装以外はマイナーアップデートと考えていいので,スコアには影響しないと思われる。

●Version 2.27.8155の新要素(Advanced EditionおよびProfessional Edition)
  • Solar Bayを追加

●Version 2.27.8155で解決した問題(全エディションに共通)
  • NTFSボリュームにマウントされたディレクトリに3DMarkがインストールされていると,一部のテストが失敗することのある問題


■Version 2.27.8160


 欧州時間2023年8月17日,バージョン2.27.8160が登場した。
 本バージョンは,「Solar Bay」で生じていた不具合を修正するマイナーアップデートである。マイナーアップデートの通例どおり,ベンチマークスコアに影響は及ぼさないそうだ。

●Version 2.27.8160で解決した問題(Advanced EditionおよびProfessional Edition)
  • Solar Bayでスコアをもとにした実績が解除されない問題
  • PC上で「Riva Tuner Statistics Server」(RTSS.exe)が実行されていると,Solar Bayのロードに失敗する問題


■Version 2.27.8176


 欧州時間2023年9月14日,バージョン2.27.8176が登場した。
 本バージョンは,Vulkanベースのレイトレーシングテスト「Solar Bay」で生じていた不具合を複数修正するとともに,そのほかの問題をいくつか修正したものだ。マイナーアップデートであるため,ベンチマークスコアに影響を与えないのは通例どおりである。

●Version 2.27.8176で解決した問題(全エディションに共通)
  • 一部のハードウェア構成で,リザルト画面におけるGPU動作クロックに,間違った値が書かれる問題
  • HDR表示対応ディスプレイと接続した環境で,Wild Life ExtremeまたはSolar Bayを実行すると,そのあとで実行するプログラムの一部で色がおかしくなる問題
  • Speed Wayのリザルト画面で,「ゲームパフォーマンス予測」結果が正常に表示されないことのある問題
  • Solar Bayの実装を更新して,iOS版Solar Bayと一致するように修正。ベンチマークスコアに大きな影響は与えないしている
  • SystemInfoコンポーネントが破損していて測定結果が無効と判定された場合に,無効になったことをリザルト画面で通知するように修正


■Version 2.27.8177


 欧州時間2023年9月19日,バージョン2.27.8177が登場した。
 「Solar Bay stress test」のリザルト画面が正常に表示されない問題を修正したマイナーアップデートである。ベンチマークスコアに影響は及ぼさないとのことだ。

●Version 2.27.8177で解決した問題(Advanced EditionおよびProfessional Edition)
  • Solar Bay stress testで,リザルト画面に「error.result_missing」と表示され,結果が表示されないことのある問題


■Version 2.28.8205


 欧州時間2023年11月8日,バージョン2.28.8205が登場した。
 本バージョンは,基本的にはマイナーアップデートで,各機能テストおよびストレステストにおいて,ベンチマーク結果のリザルト画面を追加したほか,「Port Royal」および「Speed Way」で確認された複数のバグを修正している。
 通例であれば,マイナーアップデートはスコアに影響を与えないが,今回はPort Royalのみ,GPUアーキテクチャによってはスコアが変動する場合があるとのこと。そのため,結果を比較する場合は,最新版でのスコアのみを比較するようにと,UL Benchmarkでは推奨している。

●Version 2.28.8205で解決した問題(全エディションに共通)
  • Port Royalにおいて,テストの実行中に影がちらつくことのある問題
  • Port Royalにおいて,エラーが表示されることなくテストが失敗することがあった問題
  • Port Royalにおいて,TAA(Temporal Anti-Aliasing)の処理で,視覚的な異常が生じることのあった問題
  • Speed Wayにおいて,「ByteAddressBuffer」のシェーダリソースビューに不適切なフラグが使用されるため,一部ハードウェアで適切なレンダリングができない問題


■Version 2.28.8213


 欧州時間2023年11月15日,バージョン2.28.8213が登場した。
 本バージョンは,「Storage Benchmark」のリザルト画面で生じていた不具合などを修正したマイナーアップデートだ。マイナーアップデートの通例どおり,ベンチマークスコアに影響は及ぼさないとのことである。

●Version 2.28.8213で解決した問題(全エディションに共通)
  • Storage Benchmarkのリザルト画面で結果が間違った順序で表示される問題
  • 3DMarkのスタンドアロン版(Steam版以外のバージョン)で,インストールされているテストを更新するときに失敗することのあった問題


■Version 2.28.8217


 欧州時間2023年12月11日,バージョン2.28.8217が登場した。
 Time SpyやNight Raid,Port Royalで「枠なし全画面ウィンドウモード」をオンにした場合に生じていた問題を解決したマイナーアップデートである。ベンチマークスコアに影響は及ぼさないとのことだ。

●Version 2.27.8177で解決した問題(Advanced EditionおよびProfessional Edition)
  • Time Spy,Night Raid,およびPort Royalにおいて,カスタム実行の「枠なし全画面ウィンドウモード」を有効にしても,通常の全画面と同じように動作してしまう問題


■Version 2.28.8228


 欧州時間2024年5月2日,バージョン2.28.8228が登場した。
 本バージョンは,いくつかのマイナーなバグを修正したもので,SystemInfoの解析に失敗する問題や,特定環境においてSolar BayやWild Life Extremeで生じていた問題を解決している。
 マイナーアップデートの通例どおり,ベンチマークスコアに影響は及ぼさないとのことだ。

●Version 2.28.8228で解決した問題(全エディションに共通)
  • まれに,SystemInfoのハードウェア解析に失敗することのある問題
  • Microsoftが配布している「OpenCL、OpenGL、およびVulkan互換機能パック」をインストールした環境で,Solar BayおよびWild Life Extremeが「サポートされていない」と表示されていた問題

●Version 2.28.8228で解決した問題(Professional Edition)
  • Time SpyおよびTime Spy Extremeのカスタム実行時に結果をXMLファイルで出力すると,FPSの値が欠落していた問題


■Version 2.29.8256


 本バージョンは,既報のとおり,Windows向けの新DirectX 12テストである「Steel Nomad」を導入したものだ。

 新テストの追加以外にも,Basic/Advanced/Professionalという各エディションの名称が廃止されて,新しい名称に変わった。名称変更の理由は,SteamおよびEpic Games Storeで販売している有料版(=Advanced Edition)と名称が異なることでの混乱を避けるため,とULは述べている。

 一方で,新テスト追加と名称変更以外は,バグ修正がひとつ行われただけのマイナーアップデートであり,ベンチマークスコアに影響は与えないとのことだ。

●Version 2.29.8256の新要素(全エディションに共通)
  • 各エディションの名称を変更
  • Steel Nomadを追加

●Version 2.29.8256で解決した問題(全エディションに共通)
  • ArmベースのWindows PCで,Wild Life Extremeがクラッシュする問題


■Version 2.29.8278


 欧州時間2024年6月24日,バージョン2.29.8278が登場した。
 本バージョンでは,Solar BayとWild LifeなどがArmプロセッサ搭載Windows PC(Windows on Arm)でも利用可能になったのが大きな目玉だ。そのほかにも,いくつかの問題を解決している。
 基本的にはマイナーアップデートであり,通例どおり,ベンチマークスコアに影響は及ぼさないそうだ。

●Version 2.29.8278の新要素(全エディションに共通)
  • Solar BayがWindows on Armデバイスに対応。Vulkan対応のディスプレイドライバがインストールされている必要がある
  • Wild LifeがWindows on Armデバイスに対応
  • Wild Life ExtremeをWindows on Armデバイスで実行するときに,グラフィックスAPIとしてVulkanまたはDirectX 12を選択できるようになった。Vulkanの使用には,Vulkan対応のディスプレイドライバがインストールされている必要がある

●Version 2.29.8278で解決した問題(全エディションに共通)
  • Steel NomadとSteel Nomad Lightで,サウンドの切り替えが分かりにくかった問題
  • Night Raidでウインドウモードを選択しているにも関わらず,フルスクリーンで実行されてしまった問題
  • Windows on ArmデバイスでWild Lifeがクラッシュする問題


■Version 2.29.8282


 欧州時間2024年6月25日,バージョン2.29.8282が登場した。
 前日に掲載したバージョン2.29.8278にあったいくつかの問題を修正したものである。マイナーアップデートであるため,ベンチマークスコアに影響は及ぼさない。

●Version 2.29.8282で解決した問題(全エディションに共通)
  • 表示言語の選択が正常に機能していなかった問題
  • ストレステスト一覧にSpeed Way Stress Testが表示されない問題


■Version 2.29.8294


 欧州時間2024年9月3日,バージョン2.29.8294が登場した。
 本バージョンは,Intel独自の超解像技術「XeSS」の処理性能を検証する機能テスト「Intel XeSS feature test」(Intel XeSS機能テスト)に,XeSS 1.3.1/1.2/1.1の選択機能を追加したものだ。

 新しいXeSS機能テストでは,XeSSのバージョンを「XeSSバージョン」で,XeSSの品質と速度のバランスを「XeSSモード」(XeSS quality mode)で選択できる。このXeSSモードの選択項目は,XeSSバージョンをXeSS 1.3.1を選んだ場合と,1.2以下を選んだ場合で内容が変わるようになった。簡単に言えば,XeSS 1.3.1を選択するとXeSSモードの項目数が増えて,同じ名称の項目でも解像度スケーリングのパラメータが高負荷よりになるといったところだ。

XeSS 1.2を選択した状態(左)と,XeSS 1.3.1を選択した状態で,XeSSモードの項目がどう変わるかを示した画像
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 そのほかのテストについては,ベンチマークスコアに影響はないとのことだ。

●Version 2.29.8294の新要素(3DMarkおよびEnterprise Edition)
  • Intel XeSS機能テストのXeSSバージョンで,XeSS 1.3.1/1.2/1.1を選べるようになった(初期値は1.3.1)。それに合わせて,XeSSモードの内容も変更した

●Version 2.29.8294の新要素(全エディションに共通)
  • Steel Nomadのリザルト画面にフレームレートの推定値を追加


■Version 2.29.8299


 欧州時間2024年11月26日,バージョン2.29.8299が登場した。
 本バージョンは,Speed WayおよびNight Raidに含まれていたバグを修正したもので,それ以外のテストに変更はないとのこと。
 Speed Wayのバグ修正は,IntelのXe2アーキテクチャを採用したGPU(※Core Ultra 200Vの統合型GPUなど)で生じていた問題を修正したものだ。そのため,ほかのGPUで計測したスコアに影響はないが,Xe2 GPUで計測したSpeed Wayのスコアは無効になる。
 そのほかのベンチマークスコアには,影響は与えないとのことだ。

●Version 2.29.8299で解決した問題(全エディションに共通)
  • Intel Xe2ベースのGPUで,Speed Wayのグラフィックスに生じていた問題
  • まれにNight Raidが失敗することのあった問題


■Version 2.30.8330


 欧州時間2024年12月4日,バージョン2.30.8330が登場した。
 本バージョンは,Microsoftのストレージ高速化技術「DirectStorage」の処理性能を検証する機能テスト「DirectStorage feature test」(DirectStorage機能テスト)を追加したものだ。機能テストの通例どおり,無料版の3DMark Demoでは実行できない。

DirectStorage機能テストの画面
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 DirectStorageとは,PlayStation 5シリーズやXbox Series X/Sが採用しているストレージ高速化技術のWindows 11/10版に相当するAPIである。おおまかに言えば,ゲームのデータ読み込み時にDirectStorageを用いると,Windows標準のファイルシステムを利用した場合よりもオーバーヘッドを短縮できるほか,CPUではなくGPUを使って圧縮データを高速に展開できるようになるため,総合的にはデータ読み込みと展開にかかる時間を短縮できるという仕組みである。詳細については,西川善司氏によるレポート記事を参照してほしい。

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 GDC 2023において,AMDは「Ryzen」や「Radeon」などの自社製品や関連技術を紹介するセッションを数多く行っていたが,なぜかMicrosoftのストレージ高速化技術「DirectStorage」の効果を検証する講演があったので,その内容をレポートしたい。

[2023/03/25 18:03]

 3DMarkのDirectStorage機能テストは,PCで使用しているPCI Express(≒NVM Express)接続SSDを選んでテストを実行する。すると,DirectStorageを用いた場合と用いない場合で,ストレージからメインメモリ,またはグラフィックスメモリにデータを読み出す速度や,メインメモリからグラフィックスへの転送速度,圧縮データのGPUによる展開速度を計測して比較するというものだ。

DirectStorage機能テストで計測する内容の例
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 ただ,実際にPCでDirectStorageが有効になっていないと,当然ながらDirectStorage機能テストは実行できない。そして,PCでDirectStorageを有効にできるかどうかは,細かい条件が関わってくるので,意外に難しい。
 DirectStorageが有効になっているかを確認するのは簡単で,[Windows+G]キーを押すなどでWindowsの「Game Bar」を開いて,「設定」から「ゲーム機能」を選べばいい。ゲーム機能欄にあるDirectStorageの項目で,ひとつでも「サポートしていません」や「サポートされていません」があると,DirectStorageは使えず,DirectStorage機能テストも実行できないわけだ。

Game BarのDirectStorageの状態を確認した様子。OSのバージョンとストレージのフィルタドライバーが原因で対応していなかった
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 問題は,DirectStorageが使えない状態でDirectStorage機能テストを実行しても,「おや,エラーが発生しました」というメッセージを表示するだけで,問題の原因は示してくれない。自力でなんとかするしかないのだが,これはかなりやっかいだ。
 たとえば筆者のゲームPCでは,OSのバージョン(Windows 23H2,22631.4460)とドライバーが原因で,DirectStorageを利用できない状態だった。ドライバーはバックアップソフトが原因であるため,これをアンインストールする必要がある。一方,OSのバージョンは,Windows 11の最新版である「Windows 11 24H2」を導入しないと解決しないかもしれない。

 PC環境に左右される面はあるが,DirectStorageによってどれくらいゲームに関わるストレージ性能が変わるかを調べてみたい人には,有益なテストではなかろうか。

 なお,そのほかのテストについては,ベンチマークスコアに影響はないとのことだ。

●Version 2.30.8330の新要素(3DMarkおよび3DMark for Enterprise)
  • DirectStorage機能テストを追加
●Version 2.30.8330の新要素(全エディションに共通)
  • フランス語表示に対応
  • Speed Way,Wild Life,Wild Life Extremeでサウンドを再生できるようになった


■Version 2.30.8348


 欧州時間2024年12月18日,バージョン2.30.8348が登場した。
 本バージョンは,Steel NomadやDirectStorage機能テストのバグ修正を中心としたマイナーアップデートである。また,Solar BayにBGMが追加された。
 マイナーアップデートの通例どおり,ベンチマークスコアに影響は及ぼさないそうだ。

●Version 2.30.8348の新要素(全エディションに共通)
  • Solar Bayにサウンドトラックを追加
  • 「ベンチマーク」タブの検索欄に,「EXPLORER MODE」の検索フィルタを追加
  • Steam版3DMarkは,Steamクライアントの言語設定に合わせて3DMarkの表示言語を変更するようになった。3DMarkが対応していない言語の場合は,英語で表示する
  • DirectStorage機能テストのリザルト画面に,「GDeflate」を使用しない場合の「RAM to VRAM」のスコアを追加

●Version 2.30.8348で解決した問題(全エディションに共通)
  • Steel Nomadにおいて,Vulkan検証レイヤーで生じていたエラーの問題
  • DirectStorage機能テストで,ラテン文字以外の文字セットを使用するシステムで生じていた問題(詳細未公開)


■Version 2.31.8372


 欧州時間2025年1月30日,バージョン2.31.8372が登場した。
 本バージョンは,NVIDIA DLSS feature test(NVIDIA DLSS機能テスト)に,GeForce RTX 50シリーズ以降で使用できる「DLSS 4」の「マルチフレーム生成」機能の選択を追加したものだ。

 新しいDLSS機能テストでは,「DLSSバージョン」の項目で,DLSS 4を選択できるようになった。DLSS 4を選択肢すると,「フレーム生成」のリストボックスで「2x」「3x」「4x」から任意のフレーム生成倍率を選べるようになる。2xは,GPUが描画した画像からフレームを1枚生成(≒フレームレートが2倍)。同様に,3xなら2枚(3倍),4xなら3枚(4倍)になるという仕組みだ。

DLSS機能テストの画面。DLSS 4を選ぶと最大4倍のフレーム生成を選べる
画像ギャラリー No.068のサムネイル画像 / 3Dグラフィックスベンチマークの大定番「3DMark」の最新事情。無料版インストーラも公開中

 そのほかのテストについては,ベンチマークスコアに影響はないとのことだ。

●Version 2.31.8372の新要素(3DMarkおよびEnterprise Edition)
  • NVIDIA DLSS機能テストのDLSSバージョン欄でDLSS 4を,フレーム生成欄でフレーム生成倍率も変更した選べるようになった。


■Version 2.31.8385


 欧州時間2025年3月10日,バージョン2.31.8385が登場した。
 本バージョンは,8K(7680×4320ドット)解像度やアスペクト比が16:9よりも横長のウルトラワイドディスプレイへの対応を,一部のテストのカスタムモードに導入したのが特徴となっている。新しい解像度に対応したテストは,Steel NomadとSteel Nomad Light,およびSpeed Wayの3種類だ。

 ただ,筆者の環境で試した限りでは,ひとつ前のバージョン2.31.8372でも,ウルトラワイドディスプレイでのカスタム実行でアスペクト比21:9の解像度を選択できたので,具体的に何が変わったのかよく分からない。これまでは,正式にはこれらの解像度に対応していなかったが,本バージョンから正式に対応したということなのかもしれない。
 なお,本バージョンはマイナーアップデートであり,スコアに影響は与えないとのことだが,新しい解像度への対応については,これまでの計測結果と測定条件が変わるので,当然ながら結果に互換性はない。

 そのほかにもバージョン2.31.8385では,DLSSに関する問題がいくつか解決されたとのことだ。

●Version 2.31.8385の新要素(全エディションに共通)
  • Steel NomadとSteel Nomad Light,およびSpeed Wayのカスタム実行で,8K解像度やウルトラワイドの解像度に対応

●Version 2.31.8385で解決した問題(全エディションに共通)
  • DLSS 4 feature testで,繁体字中国語が正常に表示されなかった問題
  • NVIDIA製GPU搭載PCにおいて,DLSS対応GPUであるにも関わらず,同機能に未対応と表示されることのあった問題
  • Arm製SoC搭載のWindows PCで,命令セット「SSSE3」対応の確認によってTime Spyが実行できなかった問題
  • Intel Arc GPU搭載PCで,超解像技術対応の確認に時間がかかりすぎていた問題


■Version 2.32.8426


 欧州時間2025年8月20日,バージョン2.32.8426が登場した。
 本バージョンは,Windows,macOS,iOS/iPad OS端末,Android端末向けのレイトレーシングテストである「Solar Bay」をベースとした,より高負荷なベンチマークテスト「Solar Bay Extreme」と,連続実行時の性能や温度変化を測定するストレステストモード「Solar Bay Extreme Stress test」を追加したのが大きなトピックである。

Solar Bay Extremeの画面
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Solar Bay Extremeのテストシーン
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 プロセッサの進歩に合わせて作られたというSolar Bay Extremeは,既存のSolar Bayと比べて5倍も描画負荷が高いという。具体的には,リアルタイムレイトレーシングによる反射表現の多用や,半透明表現,ソフトシャドウの強化などを施しているそうだ。
 ベンチマーク中のシーンも拡張され,舞台の工場内が広がっただけでなく,動き回る工作機械やドローン,NPCも追加されているなど,一目見ただけでも,負荷が大幅に高まっているであろうことが想像できる。現在あるGPUやSoCだけでなく,今後登場するであろう,より高性能なSoCに対しても,適切な性能計測が行えそうだ。


 なお,Solar Bay ExtremeはWindows on Arm環境でも動作するが,一部の環境では,ドライバソフトの問題で正常に動作しないことがあると,UL Benchmarkは告知している。その場合,Windows Updateでドライバを更新するか,端末の製造元,あるいはQualcommから最新のドライバを入手することで,解決できることもあるようだ。

 そのほかにもバージョン2.32.8426では,既存のベンチマークに含まれていた小さなバグを修正しているとのこと。ただ,あくまでもマイナーアップデートであるため,スコアに影響は与えないそうだ。

●Version 2.32.8426の新要素(全エディションに共通)
  • Solar Bay Extreme,Solar Bay Extreme Stress testを追加

●Version 2.32.8426で解決した問題(全エディションに共通)
  • Steel Nomad,Steel Nomad Light,Solar Bay,Wild Life,Wild Life Extreme,Port Royalのマイナーなバグ(※詳細未公開)


■Version 2.32.8454


 欧州時間2025年9月11日,バージョン2.32.8454が登場した。
 本バージョンは,複数のテストに含まれる問題を修正したバグフィックス版だ。
 公式のリリースノートを見る限り,どれも比較的マイナーな環境で生じていた問題のようである。

 ただ,本稿執筆時点のリリースノートには,通例なら書かれているはずの,修正によってベンチマークスコアが影響を受けるかどうか,つまり前バージョンでの計測結果と,本バージョンでの計測結果を比較できるかどうかについての記述がない。
 これについては,UL Benchmarkに確認中であるため,後日,追記される可能性はある。とりあえず,影響を受けないと明言されるまでは,前バージョン以前との比較は避けたほうが無難かもしれない。

●Version 2.32.8426で解決した問題(全エディションに共通)
  • Solar Bay Extremeの互換性チェックに生じていた問題。テストを実行できない古いGPUの場合,正しく「非互換」と表示されるようになった
  • GPUおよびディスプレイ構成の検出に関する問題。ディスプレイとGPUが正しく接続されているかどうかを,UI上で正しく表示するようになった
  • NVIDIA DLSS Feature testが,複数のNVIDIA製GPUを搭載した環境で,DLSSへの対応を正しく検出できていなかった問題
  • DirectX 12に関するファイル「dxcompiler.dll」がシステムパスに存在する場合,Steel Nomad実行時に,誤ってシェーダを再コンパイルしてしまうことのある問題。修正により,常に事前コンパイル済みシェーダが使用されるようになる


■Version 2.32.8743


 欧州時間2025年12月16日,バージョン2.32.8743が登場した。本バージョンは,細かい修正を加えたマイナーアップデートである。

 ただ,ベンチマークスコアに影響を及ぼすかどうか,3DMarkのリリースノートには書かれていない。修正内容からして,スコアに影響を与えるようなものはなさそうだ。

●Version 2.32.8743で解決した問題(全エディションに共通)
  • ベンチマークページの検索フィルタを改良
  • ドイツ語版のローカライズに関する小規模な修正

●Version 2.32.8743の新要素(for Enterprise)
  • すべてのテスト結果をPDFで出力するボタンを追加。なお,Arm版Windowsでは,テスト結果のXML出力およびPDF出力が機能しないそうだ。今後のアップデートで修正する予定


■Version 2.32.8826


 欧州時間2026年1月15日,バージョン2.32.8826が登場した。
 本バージョンは,UIに生じていた問題を修正する小規模なアップデートだ。

 今回もリリースノートに記述はないものの,おそらく,ベンチマークスコアに影響はないと思われる。

●Version 2.32.8826で解決した問題(全エディションに共通)
  • 一部の状況で,結果のページに「名前を付けて保存」のボタンが表示されないことのあった問題


■Version 2.32.8853


 欧州時間2026年1月26日,バージョン2.32.8853が登場した。

 本アップデートは,ベンチマークそのものの修正や改良ではなく,ベンチマーク結果を検証する仕組みに改良を加えたものだ。
 3DMarkは,計測結果をUL Benchmarkが運営するサービスに投稿,公開して,結果同士を比較する機能がある。今後,正当な計測結果として投稿するには,バージョン2.32.8853以降の3DMarkが必須になると,UL Benchmarkは発表している。
 つまり,以前のバージョンでは,正当ではない結果を投稿できてしまっていた。それが今回,検証プロセスを改良したことで,正当な結果だけを投稿できるようになったということだろう。

 ベンチマークスコア自体への影響について,UL Benchmarkはとくに言及していないのだが,改良点からすると,正常に計測している限り影響はないように思える。

●Version 2.32.8853の改良点(全エディションに共通)
  • すべての3DMarkベンチマークに対する結果の検証を改善


■Version 2.32.8871


 欧州時間2026年6月3日,バージョン2.32.8871が登場した。
 本バージョンは,3DMarkのいくつかのテストを,Armアーキテクチャ向けのWindowsである「Windows on Arm」で動作するようにしたのがポイントだ。
 新しくWindows on Armに対応したテストは以下のとおり。なお,Steel Nomadはリリース時点から,Solar BayやWild Life,Wild Life ExtremeはVersion 2.29.8278で,すでにWindows on Armに対応済みだ。

  • Speed Way
  • Port Royal
  • Mesh Shader feature test
  • Sampler Feedback feature test
  • DirectX Raytracing feature test
  • PCI Express feature test
  • VRS feature test

 UL Benchmarkは明言していないが,Windows on Armに対応するテストが増えたのは,NVIDIAがWindows PC向けSoC(System on a chip)である「RTX Spark」を発表したことと関係があるのだろう。
 RTX Sparkは,非常に高いグラフィックス性能を有するので,AMDやIntelのCPUを搭載するPCと性能比較を行えるベンチマークテストが,今後必要になる。そのために,3DMarkの対応を進めたわけだ。

 また,3DMarkのUI上で,ベンチマークテストがArmネイティブのモードで動作しているか,それともx64エミュレーションで動作しているかを表示するインジケータを追加した。
 さらに,3DMark for Enterpriseなら,Armネイティブとx64エミュレーションを選択して実行するオプションも追加したとのことだ。

 本バージョンはマイナーアップデートであり,スコアに影響は与えない。

●Version 2.32.8871で解決した問題(全エディションに共通)
  • ポーランド語テキストの翻訳を修正
  • Armデバイスでベンチマークがまれに失敗することのあった問題
  • Solar Bay Extreme(v1.0.4.1)が,Armデバイスでストレステスト実行時にクラッシュすることのある問題
  • Port Royal(v1.4.3.1)のデモ部分で生じていたグラフィックスの問題

●Version 2.32.8871で解決した問題(3DMark for Enterprise)
  • ArmデバイスでPDFへのエクスポートが機能しない問題


■Version 2.32.8874


 欧州時間2026年6月15日,バージョン2.32.8874が登場した。
 本バージョンは,インストーラに含まれていたバグを修正したもので,それ以外のテストに変更はないとのこと。ベンチマークスコアには,影響は与えないとのことだ。

●Version 2.32.8874で解決した問題(全エディションに共通)
  • インストール中に,インストーラーが意図しない「.NET Framework」のプロンプトを表示することのある問題
  • HDDの数が非常に多いシステムや,特定の非常に古いハードウェア構成において,障害が発生していないにもかかわらず,SystemInfoにおけるスキャンが60秒をわずかに超えてしまう問題。スキャンのタイムアウトを90秒に延長して解決



■Version 2.32.8897


 欧州時間2026年8月3日,バージョン2.32.8897が登場した。

 本バージョンは,いくつかの問題を修正するマイナーアップデートで,ベンチマークスコアに影響はないとのこと。
 とはいえ重要な問題が解消されているので,ユーザーはインストールをお勧めする。

●Version 2.32.8897の改良点(全エディションに共通)
  • Fire Strikeテストが失敗することのある問題。この問題は,3DMarkのインストール時に,旧版のDirectX再頒布可能パッケージがインストールされないため,必要なコンポーネントがシステム上にあらかじめ存在しない場合に生じていた

●Version 2.32.8897の改良点(Steam版)
  • 3DMarkからWebページのリンクを開くと,そのあとで3DMarkを終了しても,Steamクライアントがアプリの終了を正常に検出できなくなる問題


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