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統合型GPU向けのDirectX 12ベンチマーク「Night Raid」が「3DMark」に加わる
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印刷2018/10/09 20:14

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統合型GPU向けのDirectX 12ベンチマーク「Night Raid」が「3DMark」に加わる

 フィンランド時間2018年10月8日,ULのベンチマーク部門であるUL Benchmarksは,3Dベンチマーク「3DMark」の最新バージョンとなる「2.6.6174」を公開した。
 2.6.6174の4Gamerミラーは稼働中だが,メジャーアップデートという位置づけになっている今回は,GPU機能を統合するCPUもしくはAPU向けとなるDirectX 12(Direct3D 12)ベースの新テスト「Night Raid」(夜襲)が加わったのが新要素となる。

Night Raidのヒーローイメージ(Hero Image,代表的な大画像)
3DMark

 ではこのNight Raid,いったいどのようなテストなのか。概要をまとめてみたい。


Windows 10 on ARMにも対応する軽量級DirectX 12テスト


 3DMarkのDirectX 12を用いたベンチマークといえば「Time Spy」がよく知られているが,Time Spy系はDirectX 12の新要素を多く用い,かつ高解像度のディスプレイを前提とした,描画負荷のかなり高いものになっている。
 一方で,「Ryzen Desktop Processors with Radeon Vega Graphics」や,ARMベースのSoC(System-on-a-Chip)など,DirectX 12に対応したGPU機能を統合するプロセッサもいくつか出てきているわけだが,必ずしも単体GPUほど高性能でもない統合型GPUで実行するには,Time Spyは“重すぎる”という問題がある。そのため比較しようにもスコア差が小さくなる結果になりがちだった。
3DMark
 そこでULが新たに用意してきたのが,「ノートPCやタブレットPCなどモバイルデバイスの統合型GPUに向けたDirectX 12ベンチマーク」という位置づけになるNight Raidである。
 ULによるとNight Raidではx86のほか,ARM版Windows 10(=Windows 10 on ARM)においてARMアーキテクチャのネイティブコードにも対応したのこと。つまりNight RaidはARM版Windows 10マシンでもx86エミュレーションに頼ることなくテストが行えるようになっているわけである。

 気になるハードウェア要件は以下のとおり。x86系プロセッサではSSE3以降,AVX2までの拡張命令セットをサポートするという。

  • OS:Windows 10(64bit版推奨)
  • CPUコア:コア数2基以上,コアクロック1.8GHz以上,SSE3命令またはNEON命令対応必須
  • GPUコア:DirectX 12対応必須
  • グラフィックスメモリ:1GB以上
  • ストレージ容量:2GB以上


3つのテストからなるNight Raid


 Night Raidはドローンによる襲撃の模様を描く「Graphics test 1」と,Time Spyに出てくる「過去のベンチマーク博物館」風なミニチュア的世界を用いる「Graphics test 2」,Time Spyの「CPU test」と同じようなシークエンス展開で,その名も同じCPU testの計3テストで構成されている。

3DMark Professional EditionでNight Raidの「カスタム実行」を開いたところ。3つのテストからなるベンチマークなのを確認できる
3DMark

 Graphics test 1はディファードレンダリング(Deferred Rendering)を用いたGPUの性能テストだ。
 固定光源と動的光源の両方に対し,スクリーンスペースリフレクション(Screen Space Reflection)やアンビエントオクルージョン(Ambient Occlusion)を適用することで光の表現を行い,それによって負荷を与えている。同時にパーティクルシステムを用いた描写を加え,さらにポストプロセスとしてレンズ効果やブルームも適用するといったものである。

Graphics test 1
3DMark

 ちなみに,Time SpyのGraphics test 1だと頂点数3000万,トライアングル数1350万といった規模だが,Night RaidのGraphics test 1では頂点数540万,トライアングル数180万と規模が小さい。当然,GPUへの負荷はかなり低くなるわけだ。

Graphics test 1
3DMark

 次にGraphics test 2はフォワードレンダリング(Forward Rendering)を用いたGPUの性能テストとなる。
 シーン内のオブジェクトはテッセレーション(Tessellation)を用いて描画する仕様になっていたり,パーティクルシステムはより複雑になっていたり,ポストプロセスでは被写界深度(Depth of Field)を活用したカメラレンズ風のエフェクトを適用したりしているため,Graphics test 1よりも複雑で負荷が高い。

Graphics test 2
3DMark

 もっとも,Time SpyのGraphics test 2だと頂点数4000万,トライアングル数1400万という規模だが,Night Raidでは順に200万,70万と相当に規模が小さい。なので「Graphics test 1よりも複雑で負荷が高い」とはいえ,統合型GPUでも十分にこなせるものとなっている。

Graphics test 2
3DMark

 最後のCPU testでは,オープンソースの物理演算エンジン「Bullet Physics」を用いた物理シミュレーションと,ミドルウェア「Umbra」を活用し,遮蔽されたオブジェクトのレンダリングを省く処理であるオクルージョンカリング(Occulusion Culling)をソフトウェアベースで行う処理によってCPUに負荷をかけている。そのため,1フレームあたりの時間からCPU性能を求めることができるという。

CPU test
3DMark
3DMark

 以上の3テストを実行するためのゲームエンジンはマルチコアに最適化されており,さらにマルチGPU構成をサポート。また,DirectX 12においてグラフィックスタスクと演算のタスクをGPUで同時に非同期に実行する非同期演算(Asynchronous Compute,アシンクロナスコンピュート)を用いる仕様にもなっているそうだ。
 非同期演算がワークロードに占める割合は1フレームあたりざっくり10〜20%ながら,フォワードレンダリングを用いるGraphics test 2では若干低くなるとのことである。


スコア算出法はTime Spyから変わらず


 Night Raidでは,以上の3つのテストでそれぞれ平均フレームレートを計測し,そこから「Graphics score」および「CPU score」を算出し,両方の値から総合スコアを求めることになる。スコアの算出方法は基本的にTime Spyと変わっていない。

 Graphics scoreの計算式は下に示したとおりで,「Graphics test 1とGraphics test 2それぞれにおける平均フレームレートの逆数を分母として足した結果分の2」に定数208.33を掛け小数点を切り捨て(floor)たものとなる。

3DMark

フィンランド時間10月8日版技術ガイドにある表記ミス
3DMark
 CPU scoreのほうは,実のところULの公開している技術ガイド(※リンクをクリックするとpdfファイルのダウンロードが始まります)に表記ミスがあるため,100%断言はできないものの,下の計算式における分子のTReferenceが定数5000,SReferenceが定数115,そして分母であるTSimulationが1フレームあたりの時間を指す「はず」だ。
 つまり定数57500を1フレームあたりの時間で割ったものから小数点を切り捨て(floor)た値がスコアではないかと思われる。

3DMark

 そして総合スコアは,GPU Scoreに0.85,CPU Scoreに0.15の重み付けを与えるべく,それぞれ重み付けの値を各スコアで割った値を加算して求めることになる。

3DMark


エントリークラスGPUにとってよいベンチマークとなる期待も


 以上がNight Raidの概要だ。冒頭で述べたとおり,現在は統合型GPUのDirectX 12対応が進んでいるが,Time Spyではスコアを取りにくいことがあったので,Night Raidがそれに代わる指標として使えるようになるとすれば大いに歓迎したいところだ。また,エントリークラスの単体GPUが持つ3D性能の検証にもおそらく使えるだろう。
 今後のテストの幅が広がるという意味で,非常に大きな意味を持つことになるのではなかろうか。

※2018年10月10日追記
 読者からの指摘を踏まえ,計算式についての考察をアップデートしました。


4Gamerの3DMark公式ミラーページ

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    3DMark

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