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「崩落の国」では,落ちる恐怖がいつしか降りる楽しさに変わる。「CygamesEdge」第1弾で描かれる兵士と少女の物語[プレイレポ]
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印刷2026/11/05 14:00

プレイレポート

「崩落の国」では,落ちる恐怖がいつしか降りる楽しさに変わる。「CygamesEdge」第1弾で描かれる兵士と少女の物語[プレイレポ]

 Cygamesのサブブランド「CygamesEdge(サイゲームスエッジ)」が手がける第1弾タイトル「崩落の国」(PC / PS5 / Nintendo Switch 2)が,本日(2026年11月5日)発売された。価格は1100円(税込)で,ダウンロード専用タイトルとして販売される。

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 本作は,崩れゆく世界樹を舞台に,ひとりの兵士と「忌み子」と呼ばれる少女が地表を目指して旅をする,ドラマチック崩落アクションアドベンチャーだ。高所から降りていく緊張感を味わえるアクションと,言葉の通じないふたりが絆を深めていく物語を特徴としている。

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 「CygamesEdge」は,小・中規模のゲーム開発に特化した新ブランドで,「Stay on the edge.」(尖り続けろ)をタグラインに掲げている。これまで「ウマ娘 プリティーダービー」や「グランブルーファンタジー」など,大規模なタイトルを展開してきたCygamesが,新たなブランドでどのようなゲームを送り出すのか。気になっている人も多いだろう。

 今回,CygamesよりSteam版のゲームキーの提供を受け,一足先に本作をひととおりプレイする機会を得た。実際に遊んで感じたアクションの手触りや物語の魅力,そして約3時間というコンパクトなゲーム体験について紹介していこう。

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 インディーの大流行に乗ろうとする大手はたくさんあるが,その流行のコア部分を社内に取り込んで動かそうとする会社はほとんどいない。そこに真っ先に手をつけたのが,Cygamesである。新ブランド「CygamesEdge」は,どうやって生まれて,どこに向かっていくのだろうか。

[2026/10/16 17:00]



世界樹の上に築かれた国で,兵士と「忌み子」の旅が始まる


 まずは,本作の舞台となる世界について説明しておこう。

 かつて人々は争いを繰り返し,その果てに地上は人が住めない場所となってしまった。生き残った人々は巨大な世界樹へと逃れ,その枝の上に新たな国を築いて暮らすようになった。

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 しかし,世界樹の上でも争いは終わらなかった。限られた領土を巡って再び争いが起こり,やがて世界樹は穢れに侵されていく。そして,その穢れから「忌み子」と呼ばれる災いが生まれた。

 忌み子は世界の崩落を招き,人々が築いた国を落としていく存在とされていた。人々はこの災いに対抗するために団結し,やがて争いをやめ,世界樹で生きていくための戒律を定めた。

 その戒律とは,「人同士で争ってはいけない」「穢れた者は落とさねばならない」「忌み子は滅ぼさねばならない」というものだ。

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 こうした世界で,物語の主人公となるひとりの「兵士」の前に,忌み子が姿を現す。

 忌み子は災いをもたらす存在であり,戒律に従うならば滅ぼさなければならない。兵士もまた剣を構えるが,その少女の姿に亡き娘の面影を重ねてしまう。

 そして兵士が選んだのは,剣を振るうことではなく,少女に手を差し伸べることだった。

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 こうして,兵士と忌み子による地表を目指す旅が始まる。

 本作は世界観や物語を重視した作品であり,その描き方も特徴的だ。登場人物が長々と説明するのではなく,風景や演出,キャラクターのしぐさなどを通して,世界の成り立ちやふたりの関係性を感じ取れるようになっている。

 すべてが言葉で説明されるわけではないからこそ,プレイヤー自身が想像しながら物語を追っていく楽しさがある。

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落下の恐怖を感じながら,世界樹を下へ下へと進んでいく


 ゲームの目的は,世界樹を降りて地表を目指すことだ。

 主人公の兵士はアナログスティックで移動し,走る,ジャンプする,足場から降りるといった基本動作を駆使して道を切り開いていく。崖や足場につかまってよじ登ったり,ぶら下がったりすることもでき,立体的な地形を移動するためのアクションはひととおり用意されている。

 ただし,目指すのは上ではなく下だ。高い場所から飛び降りれば,当然ながら落下死の危険がある。足場を踏み外したり,着地に失敗したりすると兵士は力尽き,チェックポイントからの再開となる。

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 本作で印象的だったのは,この落下に対する緊張感と,アクションの軽快さが両立していることだ。

 兵士の動きには適度な重みがあり,移動中に勢いがついた状態では,思った場所にぴたりと止まれないこともある。高所での移動には自然と慎重になるし,足場の端に近づけば,思わずヒヤリとさせられる。

 とはいえ,操作そのもののレスポンスが悪いわけではない。慣性の強さに最初は戸惑うものの,兵士の動きには一定の法則性があり,操作に慣れるほど思いどおりに動かせるようになる。意図的に設けられた操作の難しさが,理不尽なストレスにつながることはあまりなかった。

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 足場を踏み外せば容赦なく落下するものの,操作に慣れてくると,地形を見極めながら次々と足場を飛び移ることができるようになる。

 最初は高さへの恐怖もあって慎重に進んでいたが,次第に操作が手になじみ,パルクールのように軽快に世界樹を駆け下りる感覚が心地よくなっていった。

 開発者インタビューでは,この慣性の強い操作感は,降りることの緊張感を生み出すために意図的に調整したものだと語られていた。実際にプレイしてみると,その狙いがよく分かる。

 思いどおりに動ける楽しさと,一歩間違えれば落ちてしまう怖さ。その両方があるからこそ,無事に次の足場へたどり着いたときの安心感も大きいのだ。

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「忌み子」の不思議な力とフラワーダイブが,降下アクションを広げていく


 兵士は優れた身体能力を持っているものの,あくまで普通の人間であり,特別な能力を持っているわけではない。

 そんな兵士の旅を助けるのが,背中に背負った忌み子の力だ。

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 忌み子は不思議な力を持っており,その力を借りることで,兵士は落下中にふわふわと浮かぶように降下速度を抑えられる。

 この能力を使えば,通常のジャンプでは届かない場所へ移動したり,高所から安全に降りたりできる。ただし,使用中は専用のエネルギーを消費するため,無制限に使えるわけではない。

 エネルギーは地面に立っているあいだに回復するので,どこで能力を使い,どこで着地するかを考えることが重要になる。

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 また,世界樹の「こぶ」に力を送ることで,「わきめ」を成長させ,新たな道を作り出すこともできる。

 道が途切れているように見えても,周囲を見渡せば忌み子の力で進める場所が見つかることがある。こうした能力を使いながらルートを切り開いていくのも,本作の面白さのひとつだ。

わきめはすぐに枯れてしまうので,すばやく移動しよう
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 さらに,マップには世界樹の「つぼみ」が配置されている。

 このつぼみを投げると,着地点に大きな花が咲く。花はクッションのような役割を果たし,通常なら致命的な高さから落下しても,安全に着地できるようになる。この花を利用した着地アクションが「フラワーダイブ」だ。

 あらかじめ安全な着地点を作り出すフラワーダイブと,忌み子の能力を組み合わせることで,降下ルートの選択肢が広がり,移動に独特の面白さが生まれている。

つぼみを投げることでクッションとなる花が咲く。着地は慎重に
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落下すれば即リタイア。それでも高難度ゲームではない


 ここまで読むと,落下によって何度も失敗する高難度アクションゲームを想像する人もいるかもしれない。しかし,実際に遊んだ印象は少し違う。

 確かに落下の危険は常につきまとうが,本作は決して理不尽な難しさを売りにしたゲームではない。

 その理由のひとつが,進行ルートの分かりやすさだ。

 マップには,進むべき方向を示すようにオレンジ色の「こはく」が配置されている。これを目印に進んでいけば,大きく道に迷うことは少ない。

マップに点在する「こはく」。破壊することで到達した目印にもなる
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 また,壁面には青い目印が設けられている場所もあり,どこをつかんで移動すればよいのかが視覚的に分かりやすくなっている。

壁面には青い目印があることも。移動先を示してくれることが多いので参考にしたい
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 さらに,ボタンひとつで進行方向を示してくれる「カメラガイド」も用意されている。次にどこへ向かえばいいのか分からなくなっても,この機能を使えば進むべき方向を確認できる。

 そのため,立体的で複雑そうに見えるマップでも,移動そのものに大きなストレスを感じることはなかった。

 リトライの快適さも好印象だ。筆者も道中では何度も足場を踏み外してリタイアしたが,チェックポイントからすぐに再開できるので,失敗によってテンポが大きく損なわれることはない。

 ほかにも,マップには兵士の穢れが蓄積する「不浄の地」や,こちらに攻撃してくる「穢れた者」など,さまざまな障害が登場する。ただし,これらがゲームの難度を急激に引き上げることはなく,基本となる降下アクションの楽しさを邪魔するような印象も受けなかった。

 本作はあくまで,世界樹を降りていく体験そのものを楽しむゲームだ。高所を進む緊張感はありつつも,操作に慣れるほど軽快に進めるようになり,失敗してもすぐに再挑戦できる。このバランスのよさが,最後まで気持ちよく遊べた理由だと思う。

移動を妨害する不浄の地や穢れた者。あくまでもマップギミックのアクセントのひとつという印象だ
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言葉が通じなくても,旅を通して深まっていくふたりの絆


 もうひとつ,本作で注目したいのが,兵士と忌み子の関係性だ。

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 ふたりは言葉を交わして意思疎通できるわけではない。それでも,危険な旅をともにするなかで,少しずつ距離を縮めていく。

 印象的なのは,兵士と忌み子の反応の違いだ。兵士は高所でうろたえたり,危険な状況に緊張した様子を見せたりする。一方,背中に背負われた忌み子は,そんな状況でもどこか楽しげだ。その無邪気なしぐさが実にかわいらしく,危険な世界樹を降りていることを忘れてしまいそうになる。

 例えば,道中に配置されているこはくを壊すと,忌み子が喜ぶ場面がある。さらに,兵士と忌み子がハイタッチを交わすこともあり,ふたりの関係が少しずつ変化していく様子を感じられる。

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 言葉による説明がなくても,こうした何気ないやり取りだけで,ふたりの絆が深まっていることが伝わってくるのだ。

 もちろん,旅の道中では危険な場面も待ち受けている。ふたりが互いを助け合いながら窮地を乗り越えていく様子も,物語の見どころになっている。

 また,本作には世界観や物語の背景を想像させる要素が随所に散りばめられている。

 例えば,なぜ忌み子はこはくを壊すと喜ぶのか。道中には別の忌み子の遺体があり,それを弔うこともできるが,そこにはどのような意味があるのか。そして,行く手を阻む穢れた者たちは,いったい何者なのか。

 こうした疑問に対して,すべての答えが明確に提示されるわけではない。しかし,だからこそ,断片的な情報をつなぎ合わせながら世界の成り立ちを想像する楽しさがある。

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3時間弱でクリア。それでも物語を最後まで味わえた満足感は大きい


 本作のメインストーリーは,初見プレイで約3時間のボリュームとされている。筆者の場合は,3時間弱ほどでクリアに至った。道中では何度も落下してリタイアしたものの,リトライが快適だったこともあり,最後まで大きなストレスを感じることなく遊びきれた。

 そして,短時間でクリアできるゲームだからといって,内容が物足りないという印象も受けなかった。

 本作では,世界の成り立ちや登場人物の背景が,すべて詳しく語られるわけではない。むしろ,多くの部分はプレイヤーの想像に委ねられている。

 それでも,旅の道中では兵士と忌み子それぞれの背景が少しずつ明らかになり,ふたりが地表を目指す理由や,その旅の行方もしっかりと描かれていく。

 約2〜3時間というコンパクトなプレイ時間のなかで,ひとつの物語の始まりから結末までを味わえることは,本作ならではの魅力だろう。

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 一方で,クリア後も気になる謎は残されている。道中で目にした意味深な光景や,明確には語られなかった世界の背景など,思い返してみると気になることは少なくない。短いプレイ時間ながら,クリア後もその世界観について考えたくなる,余韻の残る作品だった。

 なお,メインストーリーのクリア後には,高難度のエクストラマップやタイムアタックも用意されている。アクションをさらに突き詰めたい人は,こちらに挑戦してみるのもいいだろう。

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 本作はCygamesの新ブランド「CygamesEdge」が送り出す第1弾タイトルだ。新ブランドの最初の作品という意味では,今後の方向性を占う重要な1本といえる。

 Cygamesが手がけた比較的小規模なアクションゲームといえば,個人的には「リトル ノア 楽園の後継者」を思い出す。ゲームの方向性こそ異なるものの,「崩落の国」も1100円という手に取りやすい価格で,作り込まれたアクションと物語を楽しめる作品だった。

 落下の緊張感が次第に爽快感へと変わっていくアクションと,兵士と忌み子の心温まる物語。その両方を短いプレイ時間のなかでしっかりと味わえる本作は,「CygamesEdge」の第1弾にふさわしい作品に仕上がっている。体験版も配信されているので,気になった人は,まずは実際に触れてみてはいかがだろうか。

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