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「アベンジャーズ/エンドゲーム」大ヒット記念。マーベル・シネマティック・ユニバースとゲームが歩んだ11年をプレイバック!
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印刷2019/06/15 00:00

企画記事

「アベンジャーズ/エンドゲーム」大ヒット記念。マーベル・シネマティック・ユニバースとゲームが歩んだ11年をプレイバック!

 2019年4月26日,映画「Avengers: Endgame」(邦題:アベンジャーズ/エンドゲーム)が日米で封切りとなった。本作は,2008年の映画「Iron Man」(邦題:アイアンマン)から始まったマーベル・シネマティック・ユニバース(以下,MCU)シリーズ(※1)の22作目。そして,同シリーズの「大きな一区切り」となる作品でもある。

 このMCUシリーズ,実はゲームとも密接に関係していて,タイイン・ゲーム(※2)も多くリリースされている。さらに,MCUとゲームの関係性を追うと,ここ10年のゲーム業界の変遷も具体的に見えてくるのだ。そんなわけで,MCUが辿った11年間をゲーム市場的な視点から振り返ってみよう。

※1 マーベル・コミックを原作とする映画のうちMarvel Studios制作によるタイトル群の世界で,設定上Earth-199999と呼ばれている。20th Century Fox配給の「X-MEN」シリーズはEarth-10005,「Dark Phoenix」や「Deadpool」はEarth-10005から分岐したEarth-TRN414で,我々の存在する現実世界はEarth-1218。マーベル作品にはこのような並行世界が無数にあり,初心者はよく分からないと思うが,ファンでもよく分からないし,制作サイドの理解も割と怪しい(「Logan」の設定など)ので,安心してほしい。

※2 日本語としては「タイアップ」が一般的だが,本稿ではアメコミ的な表現である「タイイン」で表記する。



フェイズ1


 MCU作品のうち,2008〜2012年に公開されたタイトルは“フェイズ1”と区分けされており,主に“ビッグ3”と呼ばれるヒーロー達(キャプテン・アメリカ,アイアンマン,ソー)の作品で構成されている。

「Iron Man」


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 MCUの第1弾タイトルは,2008年5月(日本では9月)に公開された(※3)映画「Iron Man」。それとほぼ同時に発売されたMCUタイイン・ゲーム第1弾が,セガグループ(SEGA EuropeとSEGA of America)から発売された,「Iron Man」PC / PS3 / PS2 / Wii / Xbox 360 / PSP / ニンテンドーDS)だ(※4)。

※3 本稿では,映画作品の公開時期について,関連ゲームの発売時期との関係を分かりやすくするため,北米の日付を主としていく。

※4 マルチプラットフォーム作品では,同じタイトルでも内容が大きく異なることがある。ここでは基本的に据え置き機向けのエディションについて述べていく。


 最初期のMCU作品群はセガグループがゲーム化の権利を得たが(関連記事),日本での展開は行われなかった。また,映画「Iron Man」自体の国内公開は大幅に遅れて9月となった。2000年代に展開されたサム・ライミ監督による映画「Spider-Man」シリーズは,最終作が日本先行公開だったり,ゲーム版も全作・全プラットフォームで国内展開されたりしたのだが,マーベル映画自体についての支持は,まだまだだったと言えるだろう。

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 「Iron Man」のゲームシステムは,アクション要素が強めのTPS。ヒーローらしく格闘攻撃も強力だったり,撃たれたミサイルをワンボタンで豪快に投げ返したりできる。また,映画「Deadpool」で言うところの“スーパーヒーロー着地”が急降下攻撃として再現されている。

画像(013)「アベンジャーズ/エンドゲーム」大ヒット記念。マーベル・シネマティック・ユニバースとゲームが歩んだ11年をプレイバック!
コミック「Iron Man #76」表紙をオマージュした映画の着地アクションが,ゲームでは急降下攻撃に
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登場人物の再現は,かなり頑張っている印象を受ける

 ストーリーは,アフガニスタンでの“マークI”開発から始まり,基本的には映画のそれをなぞっている。ただ,それだけではゲームとしては尺が持たないためか,独自要素としてマジア(犯罪シンジケート)とA.I.M.(ハイテク秘密組織)が登場。マダム・マスクやチタニウムマンといったコミックの古典的キャラクターから,コントローラーやメルターといったマイナーなキャラクターまで,さまざまなヴィランも現れる。「レベルデザインが単調である」など,ゲーム自体の評価は高くなかった(関連記事)ものの,MCUの世界を広げようとした試みは評価できるだろう。ちなみに,HasbroがMCUアクションフィギュアのシリーズ商品として発売したゲーム版チタニウムマンは,ファンの間で評価が高い。

序盤はマークIやマークIIを着用する
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 なお,MCUをベースにしたゲームは,このような独自要素が盛り込まれるため,MCU自体に属するものではない(英語圏のファンには「non-canon」と呼ばれている)。また,コミックも「MCUに直結した作品」(例:Iron Man 3 Prelude)と「MCUをベースにしているが直結していない作品」(例:Iron Man: Fast Friends)が混在している。冒頭でも述べたが,こんな感じでマーベル作品の世界はややこしいので,あまり難しく考えない方がいい。

「The Incredible Hulk」


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 MCU第2弾として2008年6月に公開(日本では「Iron Man」より早く2008年8月)された映画が「The Incredible Hulk」(邦題:インクレディブル・ハルク)。それと同時期に,ゲームの「The Incredible Hulk」PC / PS3 / PS2 / Wii / Xbox 360 / ニンテンドーDS)が発売された。

 本作のシナリオも,ブラジルでブロンスキーに襲われたり,ニューヨークへ渡ったりという大枠は映画をなぞりつつ,エンクレイブ(悪の科学者組織)やU-Foes(ヴィランチーム)などの独自要素が盛り込まれている。

襲撃者から逃げるブルース・バナー。映画のキャスト変更前なので,マーク・ラファロ似でなくエドワード・ノートン似
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エンクレイブの超兵器がニューヨークを襲う! 映画には全く無い要素だが
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ハルクとして自動車を壊したりビルを崩したりと大暴れできる(中の人達は……?)。ちなみに投げがやたら強い
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 ゲーム自体は,ニューヨークを主な舞台としたオープンワールド型のアクションゲーム。ゲームデザインが大味なので(ある意味「ハルクらしい」とは言えるが),評価は高くない。ただ,1977〜1982年のTVドラマ「The Incredible Hulk」(邦題:超人ハルク)でハルクを演じたルー・フェリグノ氏をハルクのCVとして採用したところなどには,こだわりが感じられる。

「Iron Man 2」


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 先の2作はアレンジこそあるものの「映画のゲーム化」だったが,2010年5月(日本では6月)公開の映画「Iron Man 2」(邦題:アイアンマン2)にあわせてリリースされた「Iron Man 2」(PS3 / Wii / Xbox 360 / PSP / ニンテンドーDS / iOS / BlackBerry,PC版も予定されていたがキャンセル)は,映画の後日譚的なシナリオとなっている。

 敵対組織はロクソン社(悪徳石油企業)とA.I.M.で,ヴィランはクリムゾン・ダイナモを着用するヴァレンティン・シャタロフや,ウルティモと融合するキアーソン・デウィットが登場する(※5)。また,S.H.I.E.L.D.の飛行空母・ヘリキャリアーが映画に先駆けて登場するのだが,お約束的に墜落する。

※5 クリムゾン・ダイナモとウルティモは知名度が高いほうだが,ヴァレンティンとキアーソンはかなりマイナーなキャラクターだ。

 シナリオをMarvel Comicsのライター・Matt Fraction氏が手掛けるなど,本作は「MCUを拡張する」といった方向性がより強くなっていた。その一方で,ゲーム自体の出来はパッとしたところがなく,高い評価は得られていない。

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ロクソン社と戦うアイアンマン。なぜかロクソン社がハマー・ドローンを運用しているが,細かいことは気にしないでおこう
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ウォーマシンやブラックウィドウも登場。ウォーマシンはプレイヤーキャラクターとして使用できる
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「Iron Man」とは開発元が異なるので,ゲームシステムやキャラクターのモデリングが大きく変わっている
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「Thor: God of Thunder」


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 2011年5月(日本では7月)公開の映画「Thor」(邦題:マイティ・ソー)にあわせて発売された「Thor: God of Thunder」PS3 / Wii / Xbox 360 / ニンテンドーDS / ニンテンドー3DS)は,「Iron Man 2」とは逆に前日譚的なものとなっており,アスガルドにおけるマンゴッグをめぐる戦いが繰り広げられる。本作のシナリオもFraction氏によるものだ。

冒頭,フロスト・ジャイアントがアスガルドを襲撃。戦いの中でシフが命を落とし,激怒したソーは危険な選択をすることになる
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 Liquid Entertainmentが制作したPS3/Xbox 360版はそれまで同様に評価が芳しくないものの,Red Fly Studiosが制作したニンテンドーDS版はグラフィックスやコンボシステムについて高めの評価を得ている。

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据え置き機版は三人称アクションゲーム。このジャンルの代表的なタイトルと比較すると,爽快感に欠けるきらいは否めない
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「Captain America: Super Soldier」


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 2011年7月(日本では10月)公開の映画「Captain America: The First Avenger」(キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー)にあわせて発売された「Captain America: Super Soldier」PS3 / Wii / Xbox 360 / ニンテンドーDS / ニンテンドー3DS)は,映画中盤の「捕虜になったバッキーなどの友軍を救出するためヒドラの基地を攻撃する」パートをベースとしたストーリーで構成されている。ただし,内容についてはほとんどオリジナルと言えるものだ。恒例となったコミック古典キャラとして,マダム・ヒドラやバロン・ジモ(12代目のハインリッヒ)が登場する。

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 本作のゲームシステムは,2009年にEIDOS(国内ではスクウェア・エニックス)から発売されて高い評価を得た「Batman: Arkham Asylum」PS3 / Xbox 360 / PC / PS4,PS4版は「バットマン:リターン・トゥ・アーカム」に収録)を参考にしたのか,探索モードやシームレスマップ,複数の敵に取り囲まれての戦闘など,多くの共通点が見受けられる。その試み自体はおおむね好意的な評価が寄せられていたのだが,ゲームプレイが単調であり,シナリオも平坦だとして評価は低い。

1943年を舞台に派手な能力や特殊なマシンを持たないキャプテン・アメリカが戦うので,絵面などが地味になるのは当然だが,それにしても何かもうひと工夫がほしかったところ
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 VGChartz記載の売り上げ情報によると,全世界・全プラットフォームで「Iron Man」は約352万本を記録しておりヒット作と言えるものの,「The Incredible Hulk」は約145万本,「Iron Man 2」は約171万本と並の売り上げ,「Thor: God of Thunder」は約67万本,「Captain America: Super Soldier」は約56万本と,なかなか厳しいところだ。参考として,「X-Men: The Official Game」(映画「X-Men: The Last Stand」のタイイン)は101万本,「Fantastic 4」(映画「Fantastic Four」2005年版のタイイン)も101万本,「Spider-Man 3」(同名映画のタイイン)は341万本だったそうだ。

 MCUの先行きもまだ分からない中,結果的には右肩下がりになったセガグループのMCUタイイン・ゲーム。どの時点で見切りが付けられたのかは不明だが,セガグループは「Captain America: Super Soldier」を最後にMCU作品のゲーム化から撤退する。

「The Avengers」


 MCUにビッグ3が出揃い,満を持して初の本格クロスオーバー作品「Marvel's The Avengers」(邦題:アベンジャーズ)が制作され,2012年5月(日本では8月)に公開された。そのタイイン・ゲームを作ろうとしたのが,デフォルメ版マーベルキャラクターの「Marvel Super Hero Squad」ゲームシリーズで知られるTHQだった。しかし2011年8月,経営難に苦しむTHQは大規模なレイオフを実施するとともに,ゲーム「The Avengers」を含む複数のタイトルをキャンセルすることになる(同社は2012年に倒産)。

 後年リークされたプレアルファ版「The Avengers」のフッテージ映像からは,FPS形式のゲームであり,マンハッタンやトリスケリオン,ヘリキャリアーなどのマップが存在することを確認できる。また,映画タイインのタイトルであり,ニック・フューリーがデビッド・ハッセルホフ似でなくサミュエル・L・ジャクソン似だったりするものの,シナリオの原案は2008年にコミックで展開されたSecret Invasionイベントで,敵はチタウリでなくスクラルとなっていたようだ。

 なお,THQのスタジオやIPが競売にかけられた後,その買収先の1つであるUbisoftから,同社初のマーベルゲームである「Marvel Avengers: Battle for Earth」Xbox 360 / Wii U)が2012年11月にリリースされた。具体的な関連性は明らかにされていないが,こちらのストーリーもSecret Invasionがベースとなっている(関連記事)。

「Marvel Super Hero Squad」と「Marvel Avengers: Battle for Earth」。ちなみに「Marvel Avengers: Battle for Earth」以降,UbisoftやTHQの商号を継承したTHQ Nordicからマーベルゲームはリリースされていない
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フェイズ2


 MCUは2013年からフェイズ2に突入。脚本構成に例えれば“序破急”の“破”ということで,「Iron Man」トリロジーが終わって「Guardians of the Galaxy」シリーズが始まり,詳細は割愛するがTVドラマシリーズも始まるなど,新たな展開が動き出す。
 このころになると,かつては「知ってはいるけど遠い」ような存在だったマーベルヒーローが日本でも馴染み深い存在となってきており,「Iron Man 3」は北米より1週間早く公開された。
 MCUではないが,2014年にアニメ「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」およびニンテンドー3DS用ソフト「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ アルティメットヒーローズ」,アーケードゲーム「データカードダス ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ 魂ロワイヤル」といった日本独自のコンテンツが出てきたことも印象的だ。

 しかし2010年代前半は,PS Vitaとニンテンドー3DSが前世代ハードと比べて低調なセールスとなったうえ,据え置き機も次世代ハードへの移行期間に差し掛かり,さらにPCゲームとスマートフォン向けアプリがニーズを伸ばしたことで,家庭用ゲーム機の市場は縮小傾向にあった。

Bloombergによる1970年〜2020年にかけてのゲーム市場規模のグラフ(予想を含む)。グラフについての詳細は「Access Accepted」第602回を参照してほしい
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 Marvel Comicsの親会社であるThe Walt Disney Company(※6)は,もともとゲーム市場に入れ込んでいなかったこともあり,2010年ごろから早々とグループ内ゲーム事業の本格的な整理を開始。開発スタジオのPropaganda GamesとBlack Rock Studioを2011年,Junction Point StudiosとLucasArts Entertainment Companyを2013年,Wideload Gamesを2014年に閉鎖している。
 整理に向けた動きのなか,ディズニーゲームのパブリッシングを担当していたDisney Interactive Studiosは,ソーシャルゲームメーカーのGamestarを2008年,同じくPlaydomを2010年に買収するなど,発展を見せるアプリ市場に力を注いでいた(結果的には,大半の傘下スタジオごとDisney Interactive Studiosは閉鎖されるのだが)。

※6 Marvel Comicsは2009年8月にThe Walt Disney Companyに買収されて完全子会社となっている。

 世の流れを受けて,フェイズ2におけるMCUタイイン・ゲームは,スマートフォン向けアプリが中心となる。ここでゲーム化のライセンスを得たのはGameloftで,同社の国内法人から各アプリの日本語版もリリースされた。

「Iron Man 3: The Official Game」


 2013年5月(日本では先行して4月)公開の映画「Iron Man 3」(邦題:アイアンマン3)にあわせてリリースされた「Iron Man 3: The Official Game」iOS / Android)は,いわゆるランゲームだ。ストーリーは例によってnon-canonながら映画の後日談となっていて,トニー・スタークがスターク社への復讐を企てるA.I.Mと戦っていく。

 ヴィランはクリムゾン・ダイナモ(ゲーム「Iron Man 2」に登場した個体とは無関係)や,エゼキエル・ステイン(映画「Iron Man」でアイアンモンガーとなったオバディア・ステインの息子),リビングレーザーが登場するほか,「Iron Man 3」で死亡したアルドリッチ・キリアンがM.O.D.O.K.として復活するという,ファンの意表を突くアレンジも盛り込まれている。


「Thor The Dark World: The Official Game」(2013)


 2013年11月(日本では2014年2月)に公開された映画「Thor: The Dark World」(邦題:マイティ・ソー/ダーク・ワールド)にあわせてリリースされたのが「Thor The Dark World: The Official Game」iOS / Android)。映画と同じくマレキスやアルグリムなどと戦うことになるのだが,シナリオは独自のものとなっている。


「Captain America: The Winter Soldier - The Official Game」


 日米ともに2014年4月公開の映画「Captain America: The Winter Soldier」(邦題:キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー)にあわせてリリースされたのが「Captain America: The Winter Soldier - The Official Game」(iOS / Android)。ゲーム内容は,先の2作以上に映画との関連性が薄いものの,キングコブラやタスクマスター,レッドスカルの娘であるシンといった人気の高いヴィランが登場する。シナリオはMarvel ComicsのライターであるChristos Gage氏が手掛けている。


「Guardians of the Galaxy: The Universal Weapon」


 2014年8月(日本では9月)に公開の映画「Guardians of the Galaxy」(邦題:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー)にあわせてリリースされた「Guardians of the Galaxy: The Universal Weapon」(PC / iOS / Android)は,Disney Interactive Studiosからのリリース。シナリオは,ユニバーサル・ウェポンの部品をロナン・ザ・アキューザーが手にする前に回収するというもので,Marvel ComicsのライターであるDan Abnett氏が執筆している。映画のタイイン・ゲームではあるが,MCU自体とはあまり関係が無い。


 なお,いずれのタイトルも現在は配信終了となっている。マーベル関連商品は,ライセンスの都合もあり販売期間が限られていたり再販の機会が稀だったりするのだが,それでも物理媒体なら後から入手できる可能性は残されている。それがアプリなどのダウンロード専売コンテンツとなると配信終了以降において正規の手段で入手するのは,ほぼ不可能と言っていい状況だ。
 昨今はゲームや音楽,書籍などをほとんどデジタルで買うという人も増えている。筆者自身もそうだが,再入手性が低いうえ記録すら残りにくいという,デジタルコンテンツの“負の特長”は悩ましいところだ。

「LEGOマーベル アベンジャーズ」


 ゲームの発売順としては時系列が前後するが,2015年5月(日本では7月)に公開された映画「Avengers: Age of Ultron」(邦題:アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン)の関連ゲームとして登場したのが,2016年発売の「LEGOマーベル アベンジャーズ」PS4 / PS3 / Wii U / PS Vita / ニンテンドー3DS)だった。本作はLEGOゲームのシリーズタイトルで,「the Avengers」「Avengers: Age of Ultron」「Captain America: The First Avenger」「Iron Man 3」「Captain America: The Winter Soldier」「Thor: The Dark World」のシナリオが含まれる(PS Vita / ニンテンドー3DS版は先の3タイトルのみ)。


 LEGOゲームなので演出こそコミカルだが,基本的なストーリー展開は映画そのままなうえ,フェイズ2の主要タイトルを網羅しているので,インフィニティ・サーガの中核を追体験したいならば,実は一番オススメできるタイトルだ。国内版は音声まで日本語訳されているので,プレイもしやすい。ちなみに,LEGOマーベルの世界はEarth-13122と設定されている。

「Zen Pinball 2 - Marvel's Ant-Man」


 2015年7月(日本では9月)公開の映画「Ant-Man」(邦題:アントマン)は,それ自体をベースにしたゲームが出ていない。ただ,Zen Studiosが展開する「Zen Pinball 2」シリーズのひとつとして,映画公開と同時期に「Zen Pinball 2 - Marvel's Ant-Man」(PS4 / PS3 / PS Vita)がリリースされていた。これは基本的に“映画をモチーフにしたピンボール”以上のものではないため,取り立てて述べることはないのだが,盤上に置かれたアントマン頭部の口からボールがコロコロと出てくるのは強い個性を感じられる(エイリアンや恐竜ならありがちだが,ヒーローの口なのだ……)。



フェイズ3


 フェイズ3は,キャプテン・アメリカとアイアンマンの対立が描かれた2016年5月(日本では先行して4月)公開の「Captain America: Civil War」(邦題:シビル・ウォー キャプテン・アメリカ)から始まり,スパイダーマンやキャプテン・マーベルといったMarvel Comicsの象徴的なキャラクター達が続々参戦。「Avengers」シリーズは初めて2年連続で公開され,インフィニティ・ストーンをめぐって繰り広げられてきた戦いに終止符が打たれる。

 このころになると,アプリゲームは長期的に運営してプレイヤーを囲い込むスタイルが主流となっており,MCUタイイン・ゲームの展開は「新作アプリのリリース」から「アプリ内でコラボイベントを実施」へとシフトする。それを主に行ってきたアプリが,2015年にリリースされた「Marvel Future Fight」iOS / Android)だ。







 2018年4月に日米同時公開された「Avengers: Infinity War」(邦題:アベンジャーズ インフィニティ・ウォー)に関しては,「Marvel Future Fight」だけでなく,マーベルゲームの7タイトルで大規模な一斉タイイン・イベントが開催された。中でも「Marvel Contest of Champions」(iOS / Android)のイベントは,グウェンプールがこれまでのMCU映画を観に行くというユニークな設定のものとなっている。また,「Fortnite」PC / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch / iOS / Android)においてサノスの登場するコラボレーションイベントが行われた。




 現在公開中の「Avengers: Endgame」に関しても,「MARVEL Future Fight」でタイインが行われている。「Fortnite」でも,パワーアップしたMCUコラボイベントの“エンドゲーム”が開催されていた(関連記事)。




「Spider-Man: Homecoming - Virtual Reality Experience」


 時系列を少し遡るが,2016年のゲーム市場は複数のメーカーからVR HMDがリリースされたことも大きな動きだった。そのうちの1つであるPlayStation VR専用のタイトルとしてリリースされたのが,「Spider-Man: Homecoming」タイインのPS4用ソフト「Spider-Man: Homecoming - Virtual Reality Experience」だ。


 このほか,Kellogg(日本でもおなじみの,シリアル食品のケロッグ)から「Captain America: Civil War」タイインのVRゲームである,「Kellogg Marvel’s Civil War VR」(iOS / Android)がリリースされたりもしている。

 フェイズ3では,映画の公開時期が日米で同タイミングになったケースが過半数となった。また,その最後を飾る「Spider-Man: Far From Home」(邦題:スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム)は日本が先行公開となる。

 国内での興行収入も,「Iron man」では約9億円(※7)止まりだったものが,「Avengers: Endgame」では58億円を突破している。マーベルヒーロー自体にそのポテンシャルがあったのはもちろんだが,ここまでMCUを支えたり広めたりしてきた国内ファンは,自身のファン活動を誇っていいだろう。

※7 Box Office Mojoに記録の国内興行収入・8,658,784ドルと,三菱UFJリサーチ&コンサルティング公式サイトに記載の2008年平均TTS・1ドル=104.46円から概算。

 「Avengers: Endgame」は大ヒットしているものの,6月27日をもって国内上映を終了することが発表されている。「今までMCU作品を観ていなかったけど今回は気になっている」という人は,大スクリーンで観られるうちに映画館へ足を運んでほしい。
 予備知識があれば,より楽しめる部分は確かにあるが,「キャプテン・アメリカは盾を持った青いスーツのクリス・エヴァンスで,アイアンマンは赤い金属スーツのロバート・ダウニー・ジュニア」くらいが分かっていれば十分楽しめる。MCUは,よほどのことがなければ今後もフェイズ4,フェイズ5と続いていくはずで,まだまだ序盤。遅いということは全くない。


今後のMCUとマーベルゲームは?


 MCUが大成功を収める傍ら,現行の家庭用ゲーム機が好調なセールスを飛ばしていることもあり,マーベルヒーローのゲームへの帰還も始まっている。ソニー・インタラクティブエンタテインメントは2018年にリリースしたPS4用ソフト「Marvel's Spider-Man」で高い評価を得たほか,PS VR専用のPS4用ソフト「Marvel’s Iron Man VR」を2019年内に発売する予定だ。

 また,任天堂もコーエーテクモゲームスのTeam Ninja開発によるNintendo Switch用ソフト「MARVEL ULTIMATE ALLIANCE 3:The Black Order」を2019年7月19日に発売する。スクウェア・エニックスも以前からティザートレイラーを公開していた新作について,正式タイトルを「Marvel's Avengers」PC / PS4 / Xbox One / Stadia),発売日を2020年5月15日と発表した。

 さらに,NetEaseは5月28日に「MARVEL Super War」iOS / Android)を発表している(詳細は未公表だが,Second DinnerがNetEaseから資金提供を受けて開発しているマーベルゲームとは本作である可能性もある)。

 MCUは「Spider-Man: Far From Home」で一区切りつき,フェイズ4はちょっとした状況整理の段階になると思われるが,ゲームはこれからビッグウェーブが訪れそうだ。映画からマーベルヒーローに興味を持った人は,これらのゲームにも注目してほしい。

 映画やゲームだけでなく,コミックにも興味を持った人はいるだろう。現在はヴィレッジブックスと小学館集英社プロダクションが積極的に邦訳本を刊行しているほか,Amazon.comなどの電子書籍で最新作からゴールデンエイジの旧作まで手軽に購入して読めたりもする(デジタルは再入手性に関して悩ましいと言ったが,こういった点では本当に便利だ)。また,近年はタケダ・サナ氏やグリヒル(Sasaki氏&Kawano氏)といった日本人アーティストや,Iban Coello氏やBong Dazo氏,Takeshi Miyazawa氏など,日本人が馴染みやすい絵柄のアーティストが活躍していたりもする。今からマーベルコミックを読み出すというなら,2018年5月に“Fresh Start”と第されたリランチ(シリーズの再出発)が行われたので,その邦訳版が出る前の予習として,好きなヒーローの個人誌をキャラ萌え的に買ってみてはいかがだろうか。

 この記事を作る過程でマーベルコミックの最新カタログを見ていて知ったのだが,新規タイトルの「SWORD MASTER」や「AERO」は一見しただけではアメコミと思わないほどのカバーアートが採用されている。中国をメインとした東アジア市場向けの展開とのことで,いろいろな意味で驚かされた。



その他のマーベルゲーム


 今回はMCUタイイン・ゲームを中心にお伝えしたが,マーベルゲームにはカプコンの「MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE」PC / PlayStation 4 / Xbox One)など,多彩なタイトルが存在する(ちなみにカプコンからリリースされたマーベルゲームは,Earth-30847と設定されている)。スパイダーマンは多すぎて,単独で1つの記事を作れるくらいだ。

 余談ながら,世界で初めてコミック「the Avengers」をゲーム化したのは,日本のデータイーストだった。そのゲーム「キャプテン アメリカ アンド ジ アベンジャーズ」は,2012年のホークアイ個人誌「Hawkeye #6 "Six Days in the Life of"」(邦訳版は2015年の「ホークアイ:リトル・ヒッツ」に収録)でパロディ化されていたりもする。

データイーストの「キャプテン アメリカ アンド ジ アベンジャーズ」をパロディ化したシーン(電子版)。ちなみにウルヴァリンの攻撃はSega Genesis「X-Men 2: Clone Wars」のモーション,スパイダーマンのスイングはSega 32X「The Amazing Spider-Man: Web of Fire」のモーションが比較的似ているので,これらもパロディかもしれない。あと「ホークアイ:リトル・ヒッツ」がどこも売り切れなので,小プロさん増刷お願いします……
画像(053)「アベンジャーズ/エンドゲーム」大ヒット記念。マーベル・シネマティック・ユニバースとゲームが歩んだ11年をプレイバック!
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