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18人の韓国同人チームが作るリズムゲーム「Witch\'s Lounge」。マウス操作の無理ゲーから,魔女が魔法陣をキビキビ描く音ゲーへ[BIC2026]
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印刷2026/08/15 15:41

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18人の韓国同人チームが作るリズムゲーム「Witch's Lounge」。マウス操作の無理ゲーから,魔女が魔法陣をキビキビ描く音ゲーへ[BIC2026]

 韓国最大級のインディーゲームイベント「BIC2026」の会場で,お姉さんの雰囲気をまとった美少女イラストに吸い寄せられ,リズムゲーム「Witch's Lounge」のデモ版を試遊した。かわいい魔法少女たちが,上下・左右・斜めの8方向に飛びまわり魔法陣を描く作品だ。

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 「グルーヴコースター」が思い浮かぶ人もいるかもしれないが,実際にプレイしてみると,別のゲームだと実感できる。開発陣に話を聞いたところ,紆余曲折の結果,今のスタイルになったそうだ。

左から,
・チーム長,プログラマ:パク・ジソプ(Park Jiseop)氏
・コンテンツ企画者:ナ・ヒョンビン(Na Hyun Bin)氏
・コンテンツ企画者:パク・ソンイク(Pak Sung Ik)氏
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 舞台となるのは,魔女の存在が一般常識として受け入れられた世界。魔法を必要とする客に,魔法陣で有用な魔法をかける「魔法陣セラピー」が流行っていた。
 魔法陣セラピーの効果は,疲労回復から身体能力の向上までさまざまだ。手軽さゆえに専門店は瞬く間に世界中へ広まったものの,やがて競争が激化して客足が遠のいていく。

 その状況を打開すべく,オーナーはセラピーにショービジネスを掛け合わせ,魔法陣を描きながら踊りと音楽を加えた。これがリズムゲームにつながっているわけだ。
 ストーリーもあり,とりあえず契約書をぽいっと交わした主人公のもとに,5億(円かは分からない)の借金が降りかかる。このセラピーショービジネス店で借金返済の営業を開始するといった物語である。

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 試遊版で遊べるのはプロローグまでだが,製品版では客ごとのストーリーが順次追加されていく予定とのこと。
 ストーリーを進めながら店を成長させ,それに合わせて楽曲が解禁されていく構造になっており,成長のタイミングはプレイヤー側が選べる。感覚としてはクエストに近いという。

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 リズムゲーム部分は,魔法陣を描くため,上下左右に斜めを加えた8方向を魔女が動き回っていく。
 操作としては,[W/A/S/D]キーで8方向の矢印(上下左右は1キー,斜めは2キーを押す)を,[Space]バーで赤い点を,それぞれタイミングよく押していく形だ。これにホールドや,方向キーと[Space]の同時押しなどが加わる。

 操作系はこれだけで,現時点でほかのアクションを追加する計画はないという。そのぶん,演出にはこだわっている。
 直感的な操作だが,いざやってみると,複数のキーを操り「自分上手いんじゃね」という気分になれた。普段[W/A/S/D]キーでの移動に慣れている人ほど,すぐに入り込める操作性だ。

 画面中央にいるキャラクターの周囲の線が徐々に伸びていき,星のマークが埋まりきったところで魔法陣が完成する。
 ノーツをつなぐことがそのまま魔法陣を描く行為になっている,というわけだ。

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 プレイ中に本作について説明してくれたパク・ソンイク氏に話を聞くと,同氏がこのチームに合流したのは約1年前だという。
 もともとゲーム開発が夢だったわけではないが,鍵盤タイプの音ゲーが好きで,このゲームの少し変わった操作方法に惹かれ,合流したそうだ。ただ,当時のゲームシステムは今とはかなり違ったらしい。
 合流した時点でキャラクター設定もドット絵もすでに完成しており,まだ手探りだったゲームシステムの中身の部分を詰めていくのがパク・ソンイク氏の役割になった。

一番難しいモードがどんな感じかプレイしてもらったところ,一発でフルコンボしていた
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 本作を開発しているWolsang Studioには,18人が所属している。チームは大学のサークルでもなければ会社でもない。高校生から大学生,会社員まで,さまざまな立場の人間がサイドプロジェクトとして関わる,日本でいう同人サークルだ。
 会場のブースを見るかぎり,同人という言葉から受ける印象よりずっと作り込まれていた。同人だからこそ,好きで準備している側面もあるかもしれない。

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 チーム長でプログラマも担当しているパク・ジソプ氏にも話を聞けた。もともと本作は,マウスも使うリズムゲームだったが,それが難しすぎて今の形に落ち着いたそうだ。

4Gamer:
 先ほど,パク・ソンイクさんに教えてもらいながら体験させていただきました。パク・ジソプさんは,もともと音楽ゲームはどんなものを遊ばれていたんですか。

パク・ジソプ氏:
 アーケードでは「SOUND VOLTEX」「beatmania」を。最近はSteamで「DJMAX」シリーズとか,韓国系の鍵盤タイプを触っています。

4Gamer:
 なるほど。Witch's Loungeのゲームシステム的に,真っ先に「グルーヴコースター」が出てくると思っていましたが,そうではないんですね。

パク・ジソプ氏:
 ははは。実際にプレイしていただくと,操作方法も譜面もグルーヴコースターとはちょっと違うと思います。
 グルーヴコースターはもともとゲームセンターのゲームで,専用のコントローラベースですが,こちらはキーボードベースです。

4Gamer:
 [W/A/S/D]なので,自分で移動しているぞ,動かしているぞ,って感覚がありました。このゲームの音ゲーとしてのコンセプトは,どういうところから始まったんですか。

パク・ジソプ氏:
 大きく魔法陣を描く,というコンセプトで始めたのですが,実際に譜面を作ってみると,現実的にはちょっと無理がありました。
 なので今は,演出などで「魔法陣を描いている感覚にさせる」というコンセプトで作っています。

4Gamer:
 8方向入力や同時押しを採用した決め手はなんでしょうか。

パク・ジソプ氏:
 それはですね,もともとはPCのマウスで操作する音ゲーを作りたくて始めていたんです。それがあまりにも難しくて,操作ができなかった。

4Gamer:
 その時はマウスだけだったんですか?

パク・ジソプ氏:
 マウスとキーボードです。マウスでキャラを操作して,キーボードでノーツを処理する,という。

4Gamer:
 弾幕ゲー兼音ゲーみたいな。

パク・ジソプ氏:
 そうですね。それで人にはできない無理ゲーになって。

4Gamer:
 その姿を見てみたいです(笑)。

パク・ジソプ氏:
 あとで送ります(笑)。チームのみんなにDiscordの画面共有でプロトタイプを遊んでもらったら,「これ無理じゃね?」と怒られました。

当時の映像。マウスの位置に向かってキャラが進んでいくような形。忙しそうだ
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・2025年 当時の開発日誌
https://ilsang-ilsang.tistory.com/m/13

4Gamer:
 それで今のキーボードオンリーのスタイルになったんですね。

パク・ジソプ氏:
 キーボードだけで操作できるように修正したらしたで,なぜかグルーヴコースターとまったく同じようなゲームになって「これはさすがに寄りすぎているな」と。
 じゃあどうすれば違う形にできるのかと考えて,8方向・四角い動きにしたんです。グルーヴコースターは円を描きながら進みますが,こちらはもっとカクカクした,スタイリッシュな動きになっている。

4Gamer:
 遊んでもらっての手ごたえはどうですか。

パク・ジソプ氏:
 遊んでくれた方には「これは違うゲームだね」と言ってもらえているので,大丈夫かなと。

4Gamer:
 ゲームシステムががっつり変わっていますが,もともとどういった出発点から本作を作り始めたのでしょうか。

パク・ジソプ氏:
 最初は音ゲーですらなく,「Vampire Survivors」のような,カジュアルなゲームを作ろうとしていました。

4Gamer:
 あの手のゲームはめちゃくちゃ増えましたね。

パク・ジソプ氏:
 そうなんです。これだけだと面白くないね,となって。それでリズム感も利用したサバイバー系を作りたくてやってみたら,今度は「Crypt of the NecroDancer」にかなり近い形になってしまって。
 「これならもう音ゲーを作ったほうがいい」となりました。

4Gamer:
 完全なオリジナリティって,いざ意識しだすと難しいですよね。
 これだけ大きな方向転換を繰り返してきたわけですが,チーム内で拒否感のようなものはなかったんですか?

パク・ジソプ氏:
 変えるときは私個人の意思ではなくて,チーム員と相談して「じゃあこれ,どうすればいい?」と何時間も話し合って。
 「これは捨てちゃえ,いらない」と決めていきました。

4Gamer:
 メンバーはどういう経緯で合流していったのでしょうか。

パク・ジソプ氏:
 みんなそれぞれですね。私がいろんなコミュニティに募集を投稿して,それを見た人が「やってみます」と。

4Gamer:
 日本の同人と似ていますね。

パク・ジソプ氏:
 実は,私も日本で同人のゲームチームをやっていました。
 ただ,日本も韓国も同じなんですけど,朝起きたら連絡が取れなくなっている,みたいなことがあるんですよ。そのときのチームは,残された人たちと最後に「お疲れさまでした」と言って,解散しました。

4Gamer:
 失踪……。制作全体を管理する人とかって,チームにおいて一番大事だと思っています。

パク・ジソプ氏:
 そうですね。私は今リーダーをやっていますけれど,チームがいつか会社になったとしても,私は絶対にCEOにはなりません。誰かにやってもらって,私は普通の開発者でいたいです。

4Gamer:
 今のメンバーは,どういう構成なんでしょう。

パク・ジソプ氏:
 サウンドチームが4人くらい,クライアントのプログラミングは私1人です。あとイラストが2人,UIが1人。このUIの方がアートディレクターも兼ねています。それとピクセルアートが3人,VFXが1人,あともろもろ6人になります。

4Gamer:
 18人規模の同人チームってかなり大きいですよね。

パク・ジソプ氏:
 私も初めてです。こんなことになるとは想像もしていませんでした。大きいからか,サボっている人もいますけれど(笑)。

4Gamer:
 そこは趣味活動だから仕方ない部分もありますね。

パク・ジソプ氏:
 はい。そこが楽しいところでもあります。

4Gamer:
 楽曲もチームのメンバーが作っているんですか?

パク・ジソプ氏:
 音楽はチーム内だけではなく,外の有名な方に連絡を取って,契約を交わしています。チームで作った音楽もありますが,大部分は外部ですね。

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4Gamer:
 自腹という表現でいいのか分かりませんが,出費がかさみますね。今回の出展でもいろいろグッズを作られていますし。
 将来的には,同人ではなく会社にしたいといった思いはあるのでしょうか。

パク・ジソプ氏:
 韓国ではゲームを販売しようと思うと,やはり法人が必要になるので,そのあたりの形は検討中です。メンバーそれぞれの都合もあるので,私個人で立ててという形式かもですが。

4Gamer:
 ならないと宣言したCEOの道へと。開発はどのくらいまで進んでいますか。

パク・ジソプ氏:
 私の考えでは40%くらい……だと思いたいのですが。やはりブラッシュアップやポリッシュが大変なので,そこで時間はかかりそうです。

4Gamer:
 テストも大変そうですね。

パク・ジソプ氏:
 テストの大切さはチームに毎日言っています。プログラマーが私1人なので,そこがなかなか伝わりきらないのがちょっと寂しいですね。

4Gamer:
 ストアページはもう公開されていますよね。

パク・ジソプ氏:
 ページだけ先に作ってしまって(笑)。ウィッシュリストを集めるのが大事だと聞いたので。ゲームの発売はまだまだ先で,時期は未定です。

4Gamer:
 お話ありがとうございました。今後を楽しみにしています。

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