インタビュー
[インタビュー]「百英雄伝」の完成度や,アンケートで選ばれなかったDLCのシナリオはどうなる? 気になるところを聞いた
[プレイレポ]「百英雄伝」の序盤を体験。懐かしく既視感のある王道JRPGが最新のノウハウで丁寧に作り上げられた印象だ
505 Games Japanは9月20日,同社のイベント「FUTURE PLAY 2023」を東京都内で開催した。このイベントでは,2024年4月23日リリース予定の「百英雄伝」のプレイアブルバージョンが試遊できたので,そのレポートもお届けしよう。
[プレイレポ]ラーメン屋から始めるサイバーパンク生活。「Nivalis」体験版のボクセルアートで表現された街を散策してみた
505 Games Japanは9月20日,同社のイベント「FUTURE PLAY 2023」を東京都内で開催した。このイベントでは,2024年リリース予定のサイバーパンク・ライフシム「Nivalis」の体験版を試遊できたので,プレイレポートをお届けしよう。
また,当日は短時間だが各タイトルのインタビューも行われた。本稿では「百英雄伝」の開発元Rabbit & Bear Studiossのメンバーである河野純子氏,村山吉隆氏,小牟田 修氏,村上純一氏に話を聞いたので,その内容をお届けしよう。
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。7月下旬に「2024年第2四半期」に発売を延期するという発表がありました。具体的にはどのような理由により遅れが生じているのでしょうか。やはり,膨大な物量でしょうか。
村山氏:
RPGというゲームジャンルは非常に多くのリソースを必要とするために,予定を立てるのは困難です。その中で自分たちが求めるクオリティのために時間をかける必要があり,もうしわけないのですが発売日を延期させていただきました。
4Gamer:
「7月アップデート」の発表について,バッカーやファンからどのようなフィードバックがありましたか。
村山氏:
もちろん延期を悲しむ声もありましたが,納得のいくものを作ってくださいという応援の声も多数いただきました。
4Gamer:
現在のステータス(完成度)と,注力している制作工程を教えてください。
6月のアップデートで「組みあがったものを仕上げていくフェーズ」とお伝えしましたが,まさに今は仕上げの真っ最中で,どこまで磨き上げられるか時間との戦いになっています。ようやくグラフィックスが仕上がって,ここからは一番重要なバランス調整とバグFIXがメインになっていきます。完成度は……そうですね,70%くらいにしておきます。
4Gamer:
DLCの制作について,ストーリーは完成済とのことですが,「シナリオアンケート」を実施した感想を教えてください。また,選出されなかったシナリオは永久にお蔵入りになるのでしょうか。
村山氏:
プレイヤーからも反応がありまして,当然ほかのシナリオに投票した人からそっちも作ってくれと言われています(笑)。
一同(笑)
村山氏:
現状で,作れるかどうかは分からないけれど,可能性がなくはない……くらいしか回答できないです。作りたいというものを5つアンケートに出しているので,どれも作りたくはあるんですよ。
4Gamer:
なるほど。期待したいところです。では,アンケートに答えてくれたファンの熱意みたいなものは,どのように感じましたか?
村山氏:
アンケートにかなりの票数が届いたのもそうですけれど,ファン活動で公式のDiscordサーバーがあるのですが,参加してくれたファンから「これが見たかった!」と,ものすごい反応でした。
4Gamer:
きっと幻想水滸伝シリーズからのファンが多いと思うのですが,そうすると,あれも,これもと要望は止まらない気がします。
そうですね(笑)。Discordサーバーだと,幻想水滸伝の質問もありますが,百英雄伝で見てくれている人も来てくれて質問をもらっています。逆に,どんな悪役が好きと聞いたら,ものすごい量の回答が返ってきて。そのあたりの熱量はかなり高いですね。
4Gamer:
幻想水滸伝シリーズの精神的続編と呼ばれていて,しかも“百英雄”ということで,それだけの人数をみんな集められるのかな……なんて思ってしまうのですが。
村山氏:
ちゃんと集められるようにはしてある……かな?(笑)。
4Gamer:
幻想水滸伝でも「あのキャラはどこ?」みたいなことがありました。
村山氏:
ありましたね。とくに“1”のときは,みんなが全キャラを集めると思っていなかったので,相当に難しいキャラを混ぜていて。
4Gamer:
プレイヤーの遊びの中で,自分なりの仲間との出会いに……みたいなところが,いつの間にか集めることが目的になっちゃうわけですね(笑)。
村山氏:
ええ。ですから,確率でしか出ないキャラは不評でした(苦笑)。
4Gamer:
今作では……大丈夫でしょうか。
村山氏:
それはファンから「やめろ」と言われました(笑)。あとは選択制になるキャラもですね。
4Gamer:
安心(?)しました。今回のイベントでプレイできたところは,本当に序盤も序盤だと思うのですが,進めながらすごく王道的な作りだなと感じました。
村山氏:
そうですね。RPGとして,どんなプレイヤーでも最後まで楽しめるゲームを作りたいので,最初から難しいことは要求しないようにして,だんだんとシステムを開放していく作りになっています。なので,最初はオーソドックスに始まる感じですね。
4Gamer:
最初の村と森を移動するときにマップがありましたが,あそこは完全に移動用のフィールドなのでしょうか?
村山氏:
ワールドマップは移動用です。RPGでいろいろワールドマップを作ってきましたが,物量的に厳しくなるとワールドマップをやめましょうという話が必ず出てくるんですよ。
それこそポイントからポイントの移動でいいじゃないかとなるんですけど,ワールドマップで街から森まで移動に時間がかかることに意味があると思っていて。旅の感覚とまではいかないけれど,手触りとしてピョンと行くよりもちゃんと進んでいってほしいんです。だから,ワールドマップ(の制作)を頑張ってもらっているというのはありますね。
4Gamer:
実際に「ああ,ちゃんとマップを旅するんだ」という感じはありました。
村山氏:
雰囲気でしかないかもしれませんが,RPGの手触りとして大事だと思っています。
4Gamer:
なるほど。では,百英雄伝で表現しようとしている「JRPGらしさ」について,3年を超える開発期間の中で変化はなかったのでしょうか。あらためて「JRPGらしさ」をご説明いただけますか。
村山氏:
JRPGはいろんな楽しみの詰め合わせだと思っています。ストーリーを楽しんだり,戦闘を追求したり,お金を手に入れてどうやって強化するか考えたり,本筋とは別のところのサイドのキャラクターの話を見たり,ミニゲームを楽しんだり。そういった楽しみの中から,好きなところを楽しんでほしいというのが我々の考えるJRPGらしさであり,これは開発当初から変わっていません。
4Gamer:
今回のイベントでは,東京ゲームショウ2023に合わせて来日された海外からのメディアも多数参加していましたね。
小牟田氏:
505 Gamesが海外のパブリッシャということもあるでしょうね。
4Gamer:
そういう意味では,海外での認知度はどれくらいあるのでしょうか。
村山氏:
最初の(幻想水滸伝で)コアなファンは日本も多いですけれど,海外でも熱いファン活動をずっとしてくれていた人が多くて,Kickstarterが始まったときにも,いろいろな国から支援が集まりました。
毎回,トレイラーを発表すると海外版と国内版を出すんですけれど,海外版の再生数は多くて,反響は全然違いますね。
4Gamer:
そうなんですね。海外のファンはアジア圏に多いのでしょうか? それとも欧米圏?
河野氏:
英語圏の人が多いですね。
4Gamer:
そこで思ったのですが,欧米,英語圏のファンから「JRPGらしさ」は,どのように映っているのかなと。
村山氏:
「オクトパストラベラー」などがヒットしたこともあって,JRPGに対する面もだいぶ変わった気がしますね。
小牟田氏:
もともと海外のファンは,レトロゲームマニアが多くいるので,ドット絵が好きな人が多いですよね。
村上氏:
あと,それなりの年齢が行った人が多いなとは思います。
いつまでも好きって感じですね(笑)。
村上氏:
いまどきのハイクオリティのゲームを遊んで,疲れてこういうテイストもいいなという人も多いのかなと。日本(のプレイヤー)も,わりとそういうところを感じたりしますけどね。
4Gamer:
では,時間もなくなってきたので,バッカーやファンに向けて,あらためて伝えたいことがあればお願いします。
村山氏:
開発期間が長期にわたっていますが,いま少しだけ僕らと一緒に戦い,応援してください。よろしくお願いします。
小牟田氏:
発売日を延期しましたが,もう完成間近なところまでは出来上がっているので,いましばらくお待ちください。最後の仕上げを頑張ります!
河野氏:
えっと,最後の仕上げを頑張ります(笑)。
一同(笑)
河野氏:
あとは,仕上げていくだけなので,もうちょっとだと思います。お待たせしました。楽しみにお待ちください。
村上氏:
えーと,同じですね(笑)。ずいぶんと待たせていますし,まだまだ作り込みたいところもあります。いろいろあるのですが,そろそろ約束を果たさないと,というところで残り期間を頑張っていきたいと思います。
4Gamer:
それこそ作り込もうと思うと,どこまでもやってしまうでしょうから(笑)。
最後に,河野さんが言及されていた「CV付き『百英雄伝 Rising』も遊びたい」について,実現の可能性はあるのでしょうか!
河野氏:
実現のためには,皆様の声が必要です……!
4Gamer:
やはり,ファンの声で次第というわけですね。本日はありがとうございました。
「百英雄伝」公式サイト
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