プレイレポート
PS4版「Book of Demons」プレイレポート。飛び出す絵本のようなグラフィックスの新感覚ハクスラRPG
同作は,2018年にSteamで発売されたタイトルの移植作だ。タイトルどおり,本の中に構築されたダンジョンへと潜ってハック&スラッシュを楽しむシングルプレイのアクションRPGとなっている。今回はそのPS4版のプレイレポートをお届けしていこう。
ハロー!Steam広場 第120回:デッキ構築の要素を取り入れたハック&スラッシュRPG「Book of Demons」
ハロー!Steam広場 第120回は,ハック&スラッシュにデッキ構築の要素を取り入れたアクションRPG「Book of Demons」をメインに紹介しよう。プレイヤーは装備や魔法のカードで構築したデッキをダンジョンに持ち込み,それを駆使して敵を蹴散らしていくのだ。このほか,ディーゼルパンクを背景にした「AIRHEART」もあるので,お見逃しなく。
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- 編集部:YamaChan
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PS store内「Book of Demons」販売ページ
本作は,「地獄から現れた魔物達の手に落ちた故郷を取り戻すため,旅から戻った英雄が諸悪の根源を倒しに地下へと潜っていく」という物語が記された「ブック・オブ・デーモンズ」を読み進めることで進行する形が取られている。
本の中の世界である「ペーパーバース」は“飛び出す絵本”そのものであり,背景や登場するキャラクターも紙のようなグラフィックスで表現される。アニメーションや演出も紙のテイストを強調したものになっていて,派手さこそないが面白い表現といえるだろう。
ゲームは斜め見下ろし型のダンジョンをリアルタイムで探索し,敵と戦いながら深部へと潜っていくという,この手のジャンルではよく見られるものだ。キャラクターはダンジョン内に敷かれたレールのような通路のみを移動するものの,攻撃は可視範囲であれば自動的に行われ,すべての敵にヒットする仕組みになっている。ただ,この自動攻撃はスピードが遅いため,通用するのは敵が弱く数も少ないゲーム序盤のみ。より強力な敵を相手にするには,[L2]ボタンで自動攻撃を無効にし,任意に繰り出せる[○]ボタンを使った攻撃を主軸にしたほうが良いようだった。
通路を移動するプレイヤーを中心に画面がスクロール。敵が現れると,それを自動で攻撃する |
攻撃がヒットすれば敵のハートを削り,0になれば倒すことができる。連続攻撃は押しっぱなしでOKだ |
敵にはいくつかの種類があり,ハートの色で見分けられる。倒したときに毒や冷気をまき散らすものもいるので注意が必要だ |
中ボス的な強敵は複数の攻撃手段を持ち,段階を追って攻撃しないと倒せない |
とはいえ戦闘の展開はそれほど速くないので,アクションが苦手であっても困ることはないだろう。どちらかというと,タイミングを計るような操作よりも,Rスティックによるポインティングに重きが置かれているようだ。
ポインティングというのは,攻撃範囲内のどの敵を優先的に攻撃するか指定するもので,これを活用することで,やっかいな強敵から倒すといった作戦が可能になる。また,敵の盾を破壊したり,敵が詠唱する呪文を阻止したりもできるので,その辺りを意識するだけでも戦果にかなり違いが出てくる。敵の数が増えてくるとかなり忙しくなるが,プレイするときはぜひ意識してみよう。
ちなみにSteam版では,この操作をマウスで行う方式だったが,今回のPS4版ではそれがアナログスティック操作に置き換わった形だ。とはいえポインティングし辛いということはなく,操作性は至って快適だったので,ここに付け加えておく。
本作のもう一つの特徴は,アイテム / スキル / 呪文といった要素がカードとして表現されていることだろう。とはいえ本作はカードゲームではないので,これはあくまで表現上のものだ。こうしたカードはダンジョン内で見つけられ,プレイヤーのスロットにセットすることで効果を発揮するので,実質的にはドロップアイテムのようなものと考えればいいだろう。
カードにはいくつかカテゴリーがあり,例えば「アイテムカード」なら使用すると残り回数が減っていく。残り回数を回復させるには,特定のアイテムを拾うか,地上に戻ってチャージする必要がある。「アーティファクトカード」はいわゆるパッシブスキルのようなもので,装備するだけで効果が表われる。ただ装備時にプレイヤーのマナ上限をコスト分ロックしてしまうので,そこは注意した方がいい。マナが足りなくなると「呪文カード」を使える回数が減ってしまったり,そもそも使えなくなってしまったりするので,そこはトレードオフの関係になっている。
カードを入手。宝箱や倒した敵などから出てくるので,忘れずに拾おう |
ダンジョンで入手したカードはその場で装備できるが,中には街で鑑定しないと装備できないものも |
このカードの入手と組み合わせがキャラクターの強さの源泉といって過言ではないので,ハック&スラッシュである本作では,カード探しが何よりプレイのモチベーションとなるのは間違いない。序盤はある程度慎重に戦う必要があるものの,カードが増えるにつれ選択肢が増え,より多くの敵と渡り合えるようになっていく。プレイスタイルや選んだクラスなどで,アーティファクトと呪文のどちらを優先するかなどにも違いが出てくるので,このあたりの試行錯誤がまた楽しい要素でもある。
プレイスタイルに合わせて変化する自動生成ダンジョン
ゲームのシステム面に目を向けると,ダンジョン生成の仕組みにもアイデアが詰まっている。「フレキシスコープ」と名付けられたこの独自エンジンでは,新たに挑むダンジョンを生み出すにあたって「プレイヤーのプレイスタイルから,おおよそのプレイ時間を割り出して,それに合わせた広さを用意する」という機能を有している。広大なダンジョンには,当然ながら敵も多く配置されるので難度が高くなり,その分報酬も増えるというわけだ。
ダンジョンのサイズは設定で変更も可能なので,例えばストーリークリアを目指すときは小さめに,報酬目当てにじっくり取り組みたいときは大きめに設定するなど,気分に合わせて調整するのがオススメだ。
また難度設定も3段階用意されていて,敵の強さに合わせてカードが出現する「カジュアル」と「ノーマル」,そしてハードコアプレイヤー向けの「ローグライク」が選択可能だ。「ローグライク」では,出現するカードが完全にランダムなうえ,復活時に必要なゴールドが多くなっており,払えない場合はキャラクターがロストしてしまう。ロストと隣り合わせの緊張感はほかのモードでは味わえないので,ゲームに慣れたらぜひ挑戦してみたい。
緊張感のある「ローグライク」モード。一度始めたら,別の難度に変更はできない |
最初に選べる「ウォリアー」がレベル5になると,新たなクラス「ローグ」と「メイジ」がアンロックされる |
見た目や演出面は決して派手でなく,スクリーンショットでは映えない印象のタイトルではあるものの,実際に触ってみるとその面白さに気付かされる本作。筆者もチマチマと敵と戦いながらダンジョンを踏破し,入手したカードに一喜一憂していたら,気が付くとずいぶんと時間が経っていたという経験を何度もさせられた。前述の「フレキシスコープ」は,時間を忘れさせないための配慮なんじゃないかと思ったぐらいだ。
影響を受けたと公言されている「ディアブロ」シリーズの中毒性はそのままに,独自の世界観とカジュアルさが加わって,多くの人にオススメできるタイトルと感じられた。手触りは決して悪くないタイトルなので,気になる人はぜひこの機会にプレイしてみてはいかがだろうか。
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