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「Hearthstone Chapmpionship Tour 2018 Tokyo Tour Stop」は,日本人プレイヤーのhinaya選手が優勝。世界選手権に向けて前進
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印刷2018/08/01 20:00

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「Hearthstone Chapmpionship Tour 2018 Tokyo Tour Stop」は,日本人プレイヤーのhinaya選手が優勝。世界選手権に向けて前進

画像集 No.001のサムネイル画像 / 「Hearthstone Chapmpionship Tour 2018 Tokyo Tour Stop」は,日本人プレイヤーのhinaya選手が優勝。世界選手権に向けて前進
 スポーツブランディングジャパンは2018年7月28日と29日の2日間,Blizzard Entertainmentによるデジタルカードゲーム「ハースストーン」PC / iOS / Android)の国際大会「ハースストーン Chapmpionship Tour 2018 Tokyo Tour Stop」を,東京の原宿クエストホールで開催した。

 本大会は,本作の世界選手権に至るまでのポイント制大会「ハースストーン Chapmpionship Tour」(以下,HCT)のシステムに組み込まれた公式国際大会のひとつだ。上位入賞プレイヤーには“HCTポイント”が授与される。
 HCTポイントを一定数以上獲得すると,さまざまな特典のある「ハースストーン・マスターズ」の称号や,シーズン・プレイオフへの出場権を得ることができる。

 Tour Stopはその中でも,世界の4地域で実施された予選を勝ち抜き,上位4位に入賞した選手合計16名が出場できる大型大会だ。今回は開催地が日本ということで,日本人プレイヤーのみが参加できる“日本予選”枠が設けられ,予選を勝ち上がった4人の日本プレイヤーが出場。世界の強豪たちと国内プレイヤーがしのぎを削る,注目の大会となった。

 本稿においては,準決勝以降の試合を中心として大会2日目の様子をお伝えしていく。記事の後半には,大会の統括を行うBlizzard EntertainmentのChe Chou氏や,優勝者へのインタビューも掲載しているので,ぜひ最後まで読み進めていただきたい。

■「HCT 2018 Tokyo Tour Stop」出場選手
Asura(台湾)
Hi3(韓国)
Portia(韓国)
蘇家宇(台湾)
DacRyvius(韓国)
Alan8708806(台湾)
tholwmenos(ギリシャ)
dog(アメリカ)
ahqShaxy(台湾)
hunterace(ノルウェー)
Plevb(韓国)
muzzy(アメリカ)
Satellite(日本)
Kamaretai(日本)
Machamp(日本)
hinaya(日本)

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「ハースストーン」公式サイト

「ハースストーン」公式ブログ「HCTストップが日出づる国,日本で開催!」


 まずは簡単に,本大会のレギュレーションを紹介していこう。選手はそれぞれ4つのデッキ(すべて異なるヒーロー)を持ち込み,5戦3本先取制で対戦を行うことになる。

 試合前に相手のデッキから1つを選んで使用禁止にする“BAN”が適用されるほか,対戦に勝利したデッキは使用不可になるので,BANされなかった残りの3デッキで各1回ずつ勝たなけれなならない。いわゆる4H1B Bo5(4ヒーロー1BAN,最大5試合)と言われる形式だ。

 こうした仕組みから,持ち込んだデッキとの相性を考えてBAN対象を選び,デッキをぶつける順番も重要な読み合いの要素のひとつとなっている。

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大会のMCを務めた,eSportsキャスターのシンイチロォ氏
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スペシャルMCとして招かれたお笑い芸人コンビ「インパルス」の板倉俊之さん

●2日目 トーナメント通過選手
DacRyvius(韓国)
hunterace(ノルウェー)
hinaya(日本)
Hi3(韓国)
Machamp(日本)
Plevb(韓国)
Kamaretai(日本)
Alan8708806(台湾)

 2日目のベスト8に4名中3名の日本人プレイヤーが勝ち上がり,準決勝ではhinaya選手Machamp選手が別々のブロックへと進出。ベスト4の半数を日本人プレイヤーが占めるという状況もあり,壇上には「これは日本のツアーストップで現地プレイヤーの勝利が見られるのでは?」という期待の視線が送られていた。

試合は中央のスクリーンで展開され,各試合ごとに別々の実況・解説役登場した
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 ここからは,準決勝以降にステージ上(配信戦)で展開された試合の様子をお伝えしていこう。各プレイヤーが使用したアーキタイプと,BAN指定を合わせて記載するので参考にしてほしい。

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hinaya選手(日本)
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hunterace選手(ノルウェー)

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Machamp選手(日本)
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Alan8708806選手(台湾)

●準決勝 第1試合 hunterace選手 対 hinaya選手
hunterace選手 hinaya選手
回復Zoo 回復Zoo
奇数ローグ 奇数ローグ
奇数パラディン(BAN) ミッドレンジハンター
トークンドルイド トークンドルイド(BAN)

 両選手の持ち込んだデッキのアーキタイプは,奇数パラディンとミッドレンジハンターを除いてほぼ同一となった。加えて,いずれもアグロ寄りの攻撃的なデッキであり「いかに素早く攻めきるか」が試合の焦点となっていた印象だ。

hunterace選手 勝敗 hinaya選手
奇数ローグ × 奇数ローグ
トークンドルイド × 奇数ローグ
奇数ローグ × 回復Zoo
回復Zoo × Midハンター

 ポイントになったのは,3戦目の奇数ローグvs回復Zooだろう。除去呪文は豊富ながらボードの優勢を決定的とするミニオンをなかなか引けないhunterace選手と,その除去によってコンボを完成させられないhinaya選手は互いに拮抗し,いずれもボードの支配権を譲らずに10マナまでもつれ込む。

 7マナのタイミングでようやく「ケレセス公爵」が登場し,9マナの「月を食らうものバク」が頼もしく見える程の泥仕合だったが,ヒーローパワーでリソース勝負に持ち込んだhinaya選手がケレセス公爵のバフを活かしてじわじわとボードを取り返す。最後には「ドゥームガード」を探り当て,執念の勝利となった。

「ブリンクフォックス」から「魂抽出」が生成されたシーンでは,手札状況からhinaya選手が追い込まれる格好となる。その後,遅刻気味に現れたケレセス公爵がじりじりとボードを取り返していった
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hunterace選手は東京以前に行われたツアーストップで好成績を残し,HCTポイントではトップに君臨する選手だ。本大会で準決勝進出を決めたことで,世界初のマスターズ“一つ星プレイヤー”となった
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●準決勝 第2試合 Machamp選手 対 Alan870806選手
Machamp選手 Alan870806選手
キューブウォーロック 奇数ハンター(BAN)
シャダウォックシャーマン テンポメイジ
断末魔ハンター(BAN) ミラクルローグ
クエストローグ 性悪ドルイド

 ランクマッチではあまり見られない奇数ハンターやテンポメイジ,断末魔ハンター。弱体化を受けたクエストローグ,性悪ドルイドなど,やや珍しいアーキタイプ同士がぶつかる形となる。

Machamp選手 勝敗 Alan870806選手
シャダウォックシャーマン × ミラクルローグ
キューブウォーロック × 性悪ドルイド
クエストローグ × テンポメイジ

 試合全体でMachamp選手にとって苦しいマッチアップが重なり,結果はAlan870806選手側の3連勝となる。
 1戦目は「クエスト中の冒険者」や「ヘンチ・クランのゴロツキ」「ガジェッツァンの競売人」が素早くゲームを終わらせ,2戦目では「記録保管大臣」が「究極の侵食」をMachamp選手のフェイスに叩き込むなど,プレイング面でもRBG(ランダム要素)面でもAlan870806選手の快勝となった。

Alan870806選手の性悪ドルイドは「リロイ・ジェンキンス」等を採用。アグロ寄りの構成となっており,早い段階から相手のライフを詰めていく動きが功を奏し,キューブウォーロック独特の強烈なボード展開を阻止した
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●決勝 hinaya選手 対 Alan870806選手
hinaya選手 Alan870806選手
回復Zoo 奇数ハンター(BAN)
奇数ローグ(BAN) テンポメイジ
ミッドレンジハンター ミラクルローグ
トークンドルイド 性悪ドルイド

 来たる最終戦では,hinaya選手の奇数ローグ,Alan870806選手の奇数ハンターがBAN対象となる。どのデッキにとっても厄介な奇数ハンターは最後までBAN対象を引き受け続け,ある意味ではこの時点で仕事を果たしていると言えるかもしれない。

hinaya選手 勝敗 Alan870806選手
ミッドレンジハンター × 性悪ドルイド
回復Zoo × ミラクルローグ
トークンドルイド × 性悪ドルイド
回復Zoo × テンポメイジ
回復Zoo 性悪ドルイド

 2ターン目に手札の中に「究極の侵食」が2枚揃ってしまうという不運に見舞われて1戦目を落としてしまったAlan870806選手だったが,2戦目に踏ん張りを見せる。
 呪文が手札にダブつく形となったものの,除去能力を持つ「ヴァイルスパインスレイヤー」をボード維持のために展開。そのままボードの優勢を確固たるものとして試合を取り返した。

除去用に用いられるヴァイルスパインスレイヤーをボード維持のために展開した際には,会場から感嘆の声が送られていた
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4戦目の回復Zoo対テンポメイジ。初期手札どころか,両プレイヤーともにドローの内容すらも完璧。さらに双方ともに非常に攻撃的なデッキとあって,非常に激しい試合展開となった
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 そのまま試合は第5戦までもつれ込み,最後は回復Zooと性悪ドルイドのマッチアップとなった。神妙な雰囲気の中で開始された最終戦だったが,始まってすぐに怒涛の展開を見せる。

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 まず,序盤を凌ぐために展開された「クリプトロード」の低攻撃力を利用してまんべんなくダメージを受けさせたhinaya選手は,それらを「キノコの呪い師」で回復して「ライトウォーデン」を大幅に強化。4ターン目にして異様に強力なボードを完成させる。

 Alan870806選手も「サロナイト鉱山の奴隷」で体力を守るが,さらに「菌術師」のバフでそれを突破。攻撃力7に達したライトウォーデン2体が顔面に突撃し,hinaya選手が優勝をもぎ取った。

ほかの試合では真価を発揮できなかった回復Zooだったが,その真骨頂が決勝戦最終試合で披露された
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 hinaya選手はこの優勝をもって15点のHCTポイントを獲得し,地域別シーズン・プレイオフへの出場に大きく近づいた。本大会で見せた試合のように,プレイオフでの活躍にも期待したいところだ。

 以上をもって本大会は終了となった。優勝を果たしたhinaya選手と,Che Chou氏へのインタビューを掲載して,本稿の締めとしたい。

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hinaya選手 合同インタビュー


――まずは優勝の感想をお願いします。

hinaya選手:
 めちゃめちゃ嬉しいです……。夢見心地というか,ぜんぜん実感が沸かないですね。

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――今回のデッキは比較的アグロ寄りでしたね。どういった意図のもと,デッキを選ばれたのですか。

hinaya選手:
 最初は奇数パラディンなどのアグロ系を入れつつ,マリゴスドルイド辺りのコントロール系も持ち込もうと思っていたんですが。HCTオークランドでtarei選手がクエストローグなどのアンチコントロール系で優勝したので,その方向で行くのは怖いなと思って。それで,思い切ってアグロ構成に変えていきました。

――最終戦では奇数ハンターをBANしましたが,どういった意図があったのでしょうか。

hinaya選手:
 奇数ハンターはフェイス(ヒーローの体力)を詰めていくデッキなので。Zooは自傷ダメージを受けやすいですし,ローグも武器を振って体力を使うので,相性的にもハンターBANが良いかなと。Alan870806選手は予選でも当たっていて,奇数ハンターをBANしてうまくいったこともあったので,決勝でも同じように。

――ハースストーンを始めたのはいつ頃からですか。

hinaya選手:
 日本語版が始まって2か月後くらいでしょうか。スタンダードローテーションや「旧神の囁き」がリリースされる直前ですね。

――デッキを作るにあたっての協力者や,感謝したい相手はいますか。

hinaya選手:
 同じ「ラスカル鑑定団」に所属しているb787選手とglory選手は,デッキ構築にも練習にも付き合ってくれました。出場したMachamp選手,Satelite選手,kamaretai選手も全員練習相手になってくれたので,5人には本当に感謝しています。

――今後の課題にしている部分があれば教えてください。

hinaya選手:
 僕はまだ世界選手権に出場したことがないのですが,手持ちの14ポイントと,今回もらった15ポイントを合わせるとほぼ出場が確定したんじゃないかと思います(プレイオフ出場権は45ポイント)。なので,次は世界選手権で勝つのを目標にしたいですね。

――ありがとうざいました。


Che Chou氏 インタビュー


※こちらはDay2の試合中に行ったインタビューです。

4Gamer:
 まずは役職と役割について教えてください。

Che Chou氏:
 役職はグローバルフランチャイズリードです。ハースストーンにおけるeスポーツチームすべてを統括するトップの立場――つまり,ハースストーン選手権ツアーなど,あらゆる大会に関するチームを率いて,全体を俯瞰して管理するのが仕事ですね。
 Team 5(Blizzard Entertainmentのハースストーン開発チーム)とも密に連携を取りながら,ハースストーンのeスポーツシーンを作っています。

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4Gamer:
 Tokyo Tour StopのDay1をご覧になった感想を教えてください。

Che Chou氏:
 Day1の進行は非常にスムーズでしたし,配信のクオリティも良いものでした。私は日本の大会の現場に来るのは初めてだったのですが,非常に良い大会になっていて嬉しい限りです。今日(Day2)で観戦が入ったことで,Day1とは違った雰囲気になって,活気を感じられるのも良いですね。

4Gamer:
 海外における大会と,日本の大会で違いを感じた部分はありますか。

Che Chou氏:
 それほど違いはないと思います。プレイヤーもフレンドリーですし,コミュニティからも「みんなで大会を作る」というポジティブな一体感を感じます。
 あえて違いを挙げるなら,キャスターの熱量でしょうか。日本と韓国では,大会実況役のキャスターはとてもエキサイティングな試合を演出してくれています。これは素晴らしいことですし,ほかの国にも広がってほしい要素でもありますね。

4Gamer:
 では,日本人のハースストーンプレイヤーについてはいかがでしょうか。

Che Chou氏:
 日本人プレイヤーの成長には,いつも驚かされています。クラーケン年(2016年)シーズンの頃,アジア圏のプレイヤーの活動は控え目な印象がありました。しかし,マンモス年(2017年)シーズンからはアジア圏の活動が活発になり,日本人プレイヤーも毎回存在感を示しています。
 このTokyo Tour Stopからも,その急激な成長を感じられました。今後,日本は力を入れていくべきエリアだと確信しています。

4Gamer:
 国内の事情としては,eスポーツに対する認識はあまり広まっているとは言い難い状況です。ハースストーンはその認知を広げるにあたって大きな役割を担っていると思いますが,今後普及を推進するにあたって用意している施策などがあればうかがえますか?

Che Chou氏:
 日本はカードゲームというジャンルにおいて,プレイヤー人口も実力も十分な水準にあります。たとえ現状での普及状況が満足の行く状態でなくとも,ハースストーンのeスポーツを推進する立場において重要な地域であることには変わりがありません。
 こうした大会運営を経て情報を集め,より本格的なプログラムを日本で走らせるよう,準備していきたいと考えているところです。

4Gamer:
 本大会は国内で観られるハースストーンにおいてもトップクラスの大会だと思います。これからハースストーンのeスポーツ的な側面に触れたい人は,どこから楽しめば良いでしょうか。

Che Chou氏:
 ハースストーンのユニークなところは,草の根の大会から世界ランクまでが一本の線でつながっていることです。まずは近所の“炉端の集い”に参加しつつ,観戦会などでシーンを追っていただければと思います。

4Gamer:
 本大会において,とくに注目している選手がいたら教えてください。

Che Chou氏:
 Tempo Storm所属のMUZZY選手や,同じくLiquid所属のdog選手といった有力選手が多数予選を通過している点は注目していました。Day2に勝ち残ったプレイヤーで,もっとも注目しているのはhunterace選手です。
 彼は準決勝に進出したことで,今年始まったハースストーンマスターズプログラムにおける世界初の“一つ星プレイヤー”になりました。

4Gamer:
 まさか今年始まったプログラムで,この速さで150ポイントを集めるプレイヤーが出るとは思いませんでした。

Che Chou氏:
 正直に言って,我々も予想外です。マスターズプログラム()は得られるベネフィットが大きい代わりに,非常に高いハードルを設定しています。それをわずか2シーズンで超えられるとは……。ソウル,イタリアと,あそこまで短い期間で連続して結果を残したのは,ハースストーン史上初と言って良いでしょう。

※マスターズプログラム
一定のHCTポイントを集めたプレイヤーには「マスターズ」の称号が与えられ,達成したポイントに応じて得点が授与される。プログラムは全3段階で,最初の段階である“1つ星”は150ポイントを得ることで到達できる。なお,ツアーストップ優勝で獲得できるポイントは,優勝で15ポイント。

4Gamer:
 日本人プレイヤーに伝えたいことがあれば,最後に一言お願いします。

Che Chou氏:
 これだけハースストーンにエネルギーを注いでくれて,ありがとうざいます。日本から世界の舞台に,毎シーズン選手を迎え入れられているのは驚嘆すべきことですし,我々としても嬉しく思っています。その感謝を伝えるためにも,日本マーケットに適切なアプローチをかけていきます。

4Gamer:
 ありがとうざいました。

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