新章「EPISODE5」の舞台は中世ファンタジー。新クラス“ヒーロー”の情報も明らかになった 「ファンタシースター感謝祭2017」東京会場レポート

　セガゲームスは2017年6月10日，千葉・幕張メッセにおいて，オンラインRPG「ファンタシースターオンライン2」（PC/PlayStation 4/PlayStation Vita 以下，PSO2）のオフラインイベント「ファンタシースター感謝祭2017」を開催した。全国5都市6会場を巡る恒例のイベントだが，その幕開けを飾る東京会場の模様をお伝えしよう。

東京会場 出演者

◆PSO2 STATION!
諏訪彩花 / なすなかにし
◆PSO2 ｱｰｸｽﾗｲﾌﾞ!
会 一太郎
◆DFガールズ
高野麻里佳 / 小原莉子 / 高木友梨香
◆MC
郡 正夫
◆ABT 実況
モアイ岩下
◆「PSO2」開発陣
酒井智史 / 木村裕也 / 中村圭介 / 濱﨑大輝 / 陳 智政

（以上，敬称略）

「ファンタシースター感謝祭2017」特設ページ

エンペ・ラッピーの巨大バルーンが初登場。足元に見えるのはARマーカーだ

物販コーナーではさまざまなグッズを販売

新コーナー「『PSO2』ミニミュージアム」。歴代作品のパッケージアートや貴重な開発資料が展示されていた

PSO2と日本人形の老舗「後藤人形」のコラボレーションによる「月の光」。マザーがモチーフになっている

特製キャリーケースは受注生産なので，欲しい人はご注意を

「SHIPコミュニケーションエリア」では多くのアークスがメッセージを残していた

4Gamerの「ファンタシースターオンライン2」サテライトサイト

「ファンタシースターオンライン2」公式サイト

7月上旬実装予定「ファンタシースター感謝祭2017 ONLINE」Part4

　まずは，最新のアップデート情報が伝えられた「PSO2 STATION！」の内容をまとめてみよう。
　7月上旬に実装予定の「ファンタシースター感謝祭2017 ONLINE」Part4では，「七夕ロビー」「フランカ’sカフェ『海のカフェ』」「特別突破訓練：Episode1〜4」，そして新スクラッチ「トロピカルサマーオーシャン」が登場する。
　また，「幻創戦艦・大和」の強化版が出現する予告専用緊急クエスト「威風堂々たる鋼鉄の進撃」，再戦クエスト「大海に顕れし鋼鉄の巨艦」のムービーが上映されると，その無慈悲な攻撃ぶりに会場は大きくどよめいた。

「特別突破訓練：Episode1〜4」の限定ドロップ「＊ヴィランツアクター」と★12ユニット「リア／ウェラボード」

新スクラッチ「トロピカルサマーオーシャン」

　「特別突破訓練：Episode1〜4」は，これまでの「特別突破訓練」シリーズのクエストに出てきたすべてのアイテムに加えて，限定★12ユニット「リア／ウェラボード」がドロップする。
　強化版「幻創戦艦・大和」が登場する「威風堂々たる鋼鉄の進撃」では，新たな★14武器（ソード，デュアルブレード，ツインマシンガン）や「エーテルフューズ」を入手できるとのこと。エーテルフューズは「地球武器を新世武器に進化させる」「A.I.S.系および大和系武器の第2潜在を解放する」能力を持つ。
　また，「大海に顕れし鋼鉄の巨艦」ではさらに強化された「天轟幻創戦艦・大和」が登場。なお，先日配信された再戦クエスト「創世を謳う幻創の造神」では5回戦闘不能になるとクエスト失敗になったが，今回の再戦クエストにはこうした制限がないという。

7月26日実装予定「Heroes：EPISODE5」

　7月26日，待望の新章「Heroes：EPISODE5」（以下，EPISODE5）が実装となる。舞台となるのは，ブラックホールの彼方にある「異世界オメガ」。中世ファンタジー風の世界に辿りついたアークス達は，これまたファンタジー系RPGに登場するようなモンスター「魔物種」と戦う。


　こちらも待望の新クラス「ヒーロー」は，ソードによる打撃，ツインマシンガンの射撃，タリスの法撃を1人で使いこなす上級職だ。「一騎当千感」をキーワードに，困難な状況をスタイリッシュに打破できるクラスになるという。


　ヒーローになるには，「打撃クラスのハンター，ファイター，バウンサーのいずれかをレベル75以上にする」「射撃クラスのレンジャー，ガンナー，ブレイバーのいずれかをレベル75以上にする」「法撃クラスのフォース，テクター，サモナーのいずれかをレベル75以上にする」という3つの条件を満たす必要がある。
　ヒーローはメインクラスでのみ運用可能で，サブクラスを設定できない。また，ヒーロー自体をサブクラスにすることもできない。

　ソード，ツインマシンガン，タリスはこれまでに登場したものが装備可能だが，ヒーローがそれらを使うと挙動がまったく異なるものになるという。また，「武器切り替えPA」という新システムにより，同じPAでもボタンを長押しすることで別の武器に切り替えられるとのこと。


●ソード
武器アクションは手から弾を放つ「気弾」。PAのボタンを押す長さで，動きが変化する「派生PA」を使用できる。短く押すと動作A，長く押すと動作A＋動作Bといったように動きが増えていくという。


●ツインマシンガン
武器アクションはPPを回復する「リロード」で，回避アクションが高速移動になる。ヒーローのツインマシンガンは通常攻撃でもPPを消費するが，リロードを使って回復していく。リロードは歩きながらでも可能だ。また，ボタンを押し続けるとツインマシンガンを連射したり，リロードをし続けたりできる。


●タリス
武器アクションは「高速移動」。ボタンを長く押すと「マーキングショット」を発射し，その場所へ一瞬で移動できる。あらかじめ後方や上方をマーキングしておけば，急速回避するといった使い方も。また，PAも使用可能となる。


　EPISODE5の常設クエストは，新登場の「バスタークエスト」。自軍の拠点を守りつつ，敵の「魔神城」を撃破するのが目的だ。守りと攻めの要素を含んだものになっているとのこと。「マナ」を回収しつつ，「破界槌（バスターパイル）」を守るといった“新たな遊び”が提案される。こちらは8月上旬からの配信が予定されている。

ヒーローの公式コスプレ衣装

EPISODE5におけるクラスバランス調整

　EPISODE5の実装に合わせて，全クラスのバランス調整が行われる。EPISODE5のディレクターを務める濱﨑大輝氏によると，「既存のスキルや武器から選択肢が広がるような修正」をキーワードとして，基本的には突出した強さを持つスキルやPAは下方修正，あまり使われていなかったものには上方修正が行われる。


　例えば「マロンストライク」の場合，「限界まで膨らませて大ダメージを与える」という意図で実装されたものの，実際には第2段階の効率が高く，多用されている。そこで「第3段階の威力をそのままに，第2段階の攻撃力を下げ，第3段階に膨らませるための必要ヒット数を増やす」といった措置が行われる。単純に下方修正するのではなく，本来の意図に沿った調整となっているのが分かるだろう。
　詳しくは公式サイトを参照しておこう。


　また，「素材倉庫」やブロック間マッチングなどの新機能も予定されているとのこと。とくに素材倉庫については，会場から大歓声が起こっていたのが印象的だった。

「PSO2es」新章が6月28日にスタート

　「ファンタシースターオンライン2 es」（iOS/Android）では，6月28日にストーリークエスト「Season2」がスタートする。新コスチュームのジェネや謎の少女デュナが活躍する新たな物語が展開するという内容だ。

アークスバトルトーナメントも開幕

　今年3月に実装されたPvPコンテンツ「バトルアリーナ」を使った全国大会，それが「アークスバトルトーナメント」だ。東京大会には30チームが集い，決勝大会の出場権をかけて戦いを繰り広げた。


　東京会場の決勝は「Realize」と「G-zass company」の組み合わせとなった。試合はG-zass companyが優勢な状況で進んでいたが，残り30秒になったところでRealizeが逆転。そのまま僅差で逃げ切りに成功した。
　なお，決勝に進出した2チームには，8月12日に有明コロシアムで行われる決勝大会の出場権が与えられた。ちょうど2か月後の本番に向けて，さらなる進化が楽しみだ。

「G-zass company」（左）と「Realize」（右）。アークスバトルトーナメントはこれまでのタイムアタック大会とは異なり，アークス同士が直接ぶつかり合う

おなじみのコスプレショーも。複雑なデザインを再現したハイクオリティな衣装に，感嘆の声が上がっていた

　イベントの締めくくりは，これまでの「アークスダンスフェス」に代わって「『PSO2』サウンドチームミニライブ」が行われた。PSO2のサウンドクリエイター 小林秀聡氏と福山光晴氏，そしてボーカリストのフローレンス マックネアさんがステージに登場し，「Zero-G」「Realize」「Borderless」を披露。最後まで会場を盛り上げた。


　終演後，酒井氏と木村氏，濱﨑氏への囲み取材の場が用意された。その模様をお伝えして本稿を締めたい。

（左から）PSO2 シリーズディレクター 木村裕也氏，シリーズプロデューサー 酒井智史氏，EPISODE4＆EPISODE5 ディレクター 濱﨑大輝氏

――「ファンタシースター感謝祭2017」東京会場のイベントを終えたばかりですが，率直な感想をお願いします。

濱﨑氏：
　EPISODE5の発表がポジティブに受け入れられ，バランス調整もご理解いただけたようで安心しました。あとは，皆さんの期待どおりに仕上げていきたいです。

木村氏：
　今回，「感謝祭を新しくしよう」というコンセプトでアトラクションやステージ構成を変えてみました。また，「バトルアリーナ」というコンテンツがイベント向けであることを再確認できましたね。

酒井氏：
　久々の感謝祭でしたが，ユーザーさんのすごいパワーを感じましたね。今回は若いアークス達が増えている気がします。PS4版でPSO2の世界に入った方が，初めて来られる感謝祭ということで楽しんでいただけたのではないしょうか。

――とくに印象に残ったことは？

濱﨑氏：
　皆さん，すごく楽しそうでした。これまでの「アークスグランプリ」だと，タイムアタックという性格上，「ミスをしないように」という意識でピリピリされていました。その点，「アークスバトルトーナメント」では相手を倒すと，一気に盛り上がれますね。

木村氏：
　PSO2はEPISODEごとに全然違うことをやりますが，EPISODE5への反応は心配していたんです。ヒーローもこれまでとはまったく違うクラスですし。
　もちろん，皆さんに喜んでいただけるコンテンツを作っているつもりですが，やっぱり反応が見られないと……というところはあります。それが，フタを開けてみたら反応が良かったので，本当に安心しました。

酒井氏：
　「アークスバトルトーナメント」では，これまでイベントにエントリーしたことのない方が決勝に進出したというのが印象的でしたね。新しい種目になったことで，新陳代謝が起きたことが面白かったです。
　EPISODE5についても，まだ発表していないところが多いです。今後の続報を楽しみに待っていてください。

――ありがとうございました。

「ファンタシースター感謝祭2017」特設ページ