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Crysis 2は2007年にリリースされたPC向けタイトル「Crysis」(邦題,クライシス 日本語版),そして翌2008年の続編――スタンドアロンで起動可能な拡張パックという位置づけだが――「Crysis Warhead」(邦題,クライシス ウォーヘッド 完全日本語版)に続くシリーズ第三弾で,開発は従来作同様,ドイツのデベロッパであるCrytekが行っている……というようなことは,FPSファンのPCゲーマーならとっくにご存じのことだと思うが,今回のCrysis 2の最大の特徴は,それがマルチプラットフォームタイトルであることだ。Crytekの最新ゲームエンジン「CryENGINE 3」は,PCだけでなくPlayStation 3とXbox 360に対応しており,それを使用した初の作品となるCrysis 2も,PCに加えて上記2機種での発売が予定されている。
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Crytekとしては,初めて作るコンシューマ機向けタイトルでもあり,PCのFPSタイトルとして現在でも最高クラスを誇るグラフィックスが,ゲーム機においてどう再現されるのかといった興味も大きい。
ちなみに,なぜニューヨークでワールドプレミアをやるのか? というもっともな疑問については,3月14日に掲載したGDC2010のレポートで予想したというか,すでに割と広まっているというか,Crysis 2の舞台がニューヨークになるからだ。
2004年の処女作「Far Cry」(邦題,ファークライ 日本語版)以来,3本のタイトルをリリースしてきたCrytekだが,舞台は一貫して南の島のジャングル。よっぽどジャングル好きなデベロッパなのだろうと思っていたが,今回はいよいよアメリカ最大の都市を背景に,新品の超ハイテク戦闘スーツ,その名も「ナノスーツ2.0」に身を包んだアメリカ軍特殊部隊の隊員が激しい戦いに身を投じることになるわけだ。まあ,Crysisには「Cry ENGINE 2」の技術デモという側面もあったので,初代CryENGINEを使ったFar Cryとの比較という意味からジャングルが選ばれているのだが,さすがに4本目のタイトルもジャングルゲームにするわけにはいかなかったという理由もあるはずだ。
北米だけでなく,ヨーロッパやアジアのメディアを含めて数十社100名以上が参加したこのイベント。EA PartnersのゼネラルマネージャであるDavid DeMartini氏の開催の挨拶に引き続いて登壇したのは,個人的に欧米ゲーム業界で最もイケメンのテッキー(techie)ではないかと思っているCrytekのCEO/President,Cevat Yerli氏だ。
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「エイリアンが人類を襲撃するのに,これほどふさわしい街はないでしょう」というYerli氏の意見には異論もあるかもしれないが,従来作の平面的なジャングル戦とは違う,ビルの高低差を利用した「垂直の戦い」(Vertical Fighting)も楽しみの一つ。
と,さりげなく書いてしまったが,Crysisに引き続いて今回も敵はエイリアンとなる。リンシャン島で復活を遂げた彼らは,アメリカ軍特殊部隊“ラプターチーム”の活躍もむなしく,世界中を破壊と混乱に陥れたようだ。このように,ストーリーは前作を引き継いでおり,主人公も前作に引き続きJake “Nomad” Dunn(ジェイク・ノーマッド・ダン)中尉が務め,また,“プロフェット”こと不死身のBarnes少佐も続投となるようだ。
とはいえ,「う。またエイリアンか」と軽くひいてしまった前作のプレイヤーもいるかもしれない(含筆者)。というのも,Crysisはゲームの前半と後半で評価がまっぷたつに分かれており,北朝鮮軍と戦うゲーム前半はプレイの自由度も高く非常に面白いが,主人公がエイリアンと遭遇して以降は難度も上がり,また展開も一本調子になってしまうところがメディアやプレイヤーに問題視されているからだ。
ゲームコミュニティの意見を聞くなどのリサーチの結果,こうした点はYerli氏も認識しており,「(Crysisは)技術的には満足のいくものだったが,ストーリーが今一つだった」とする。そして,今回のCrysis 2ではそれを改善するため,ストーリーライターとしてRichard Morgan(リチャード・モーガン)氏を起用したと続ける。
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もっとも,「小説とゲームのシナリオはかなり違う」とのことで,小説ならば自分の思うように書けるが,共同作業であるゲーム制作では小説執筆とは異なる難しさがあったとのこと。また,SF小説家として“ナノスーツ”というコンセプトには惹かれるものがあり,このナノスーツを中心としたストーリーが繰り広げられていくようだ。
とはいえ,残念ながらストーリーの詳細は現段階では秘密ということで,詳しくは今後の情報を待たなくてはならない。せっかくニューヨークまで来たのに,ちょっと残念。
再び登壇したYerli氏は,Crysis 2のポイントとしてさらに,ナノスーツの進化を挙げた。ナノスーツ2.0はより直感的な操作が可能になっており,またカスタマイズも可能とのこと。どうやってカスタマイズするのか? あるいは,直感的な操作とはどういうことかについては,こちらも続報を待つほかないのが惜しいが,ともあれ「コンソール機市場にCrysisシリーズを送り出すのが夢だった。それがかなって嬉しい」というYerli氏は,これまでCrysisシリーズをプレイしたことのない人々が,あっと驚くような作品に仕上げようと気合いを入れている。
続いて実際のプレイシーンがスクリーンに映し出された。使用されていたのはXbox 360版で,このイベントのために制作されたバージョン。したがって,製品とは微妙に内容が異なるとのことだった。内容としては,すでに廃墟と化したニューヨークで,まずナノスーツ風の戦闘服をがっちり着込んだ男達との撃ち合いが展開するのだが,上述したようにストーリーは現在のところ秘密で,彼らが誰で,なんのためにアメリカ軍と戦っているのかはよく分からない。頭をスッポリと覆うヘルメットをかぶっているので,顔つきも不明だが,隊員同士で言葉を交わすので,とりあえず人間なのだろう。うーむ,気になる。
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ともあれ,目もくらむような高い場所から敵のいるビルの屋上に飛び降りるNomad。落下の瞬間,「ぐえっ!」とか声が出て目の前が真っ赤になるが,ナノスーツのおかげでダメージは最小限のようだ。ちなみにCrysis同様,攻撃にさらされていない限り体力は自動回復。また,見たところプレイスタイルもCrysisと同じくソロプレイがメインで,部下に命令を下すといったタクティカルな要素はなかった。ただし,Crysis Warheadのように仲間と一緒に戦うといったシーンは出てくるかもしれない。
着地したノーマッドは,敵の背後にそっと近づいてナイフ一閃。それから銃撃戦に突入する。グラフィックスはさすがに見事であり,ニューヨークの街並みが緻密なディテールによって描かれている。物理エンジンによって,銃撃を受けたオブジェクトが華麗に吹き飛んでいく様子もすばらしく,マズルフラッシュや爆発のエフェクト,サウンドなどによって,FPSとして高い爽快感を実現していることがよく分かる。もっとも,撃たれた敵がものすごい勢いで飛んでいったりするシーンも見られ,調整は今後も必要のようだ。
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スクリーン左下にミニマップ,右下にヘルスと残弾といったゲーム画面の基本情報はCrysisとあまり変わらず,それぞれアイコンの変更程度。いっとき流行した“HUDレス”ではない。
また,ナノスーツのモード選択はCrysisと違ってワンボタンで可能ということだったが,現在どのモードを使っているのかはよく分からなかった。PCに比べて押せるボタンの少ないコンシューマ機だけに,ユーザーインタフェースの善し悪しがゲームの評価を左右するはず。ゲーム画面/入力方法については,今後ともいろいろ改善されていく可能性は高そうだ。コンシューマ市場初挑戦となる,Crytekの腕の見せ所。
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やがて,敵に捕らえられてヘリコプターに連行されるNomadだが,そのとき地面を突き破って,エイリアンのなんだかよく分からない巨大な塔みたいなものが出現。同時に発生した謎の高周波音と共にバタバタと倒れる敵兵達。そして,間髪を置かずエイリアン部隊がNomadめがけて襲ってくるという急展開だ。
Crysisのあとで何が起きたのか分からないが,今回のエイリアンどもは,プロテクタースーツを着込んで銃を持ち,地上を二本足で走ってくるタイプになり,前作のように,あっちフラフラ,こっちフラフラと宙を飛ぶ厄介さはなくなった。何があったのだろう? 進化したのかしら。
もっとも,すばしっこさはかなり残っており,またプロテクタースーツも比較的固そうな印象で,簡単な敵ではない。そこで,銃撃ではラチがあかんとグレネード系の武器を多用するNomad。たぶんゴッドモードになっていることもあって,順調にエイリアンを倒していく彼の前に何か巨大なモノが……というあたりで,世界初のプレイシーン公開は終了となった。ムービーが一本あれば,このように長々と書かなくても良かったのだが,残念ながらというか,お約束というか会場は撮影禁止。その代わりといってはなんだが,日本時間の本日公開されたプロモーションムービーを「こちら」に掲載したので,併せて見てほしい。
いささか隔靴掻痒な感じは残るものの,初めてその概略をあらわにしたCrysis 2。PC版とコンシューマ機版との違いや,マルチプレイモードの内容,ナノスーツの詳細などは,2010年6月にロサンゼルスで開催されるE3(Electronic Entertainment Expo)で発表されることになっているので,そのときまで待ちたい。とはいえ,今回のワールドプレミアで詳細の一端を明らかにしたCrysis 2は,PCプレイヤーだけでなく,PlayStation 3/Xbox 360のプレイヤーにもかなり期待の持てる,2010年最大の話題作の一つであるのは間違いない。繰り返すが,Crysis 2はPCのほかPlayStation 3とXbox 360向けに,2010年のホリデーシーズンにリリースされる予定だ。
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