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一目で強烈な印象を残すドットグラフィックスの緻密さ,生き生きとしたアクション,随所に盛り込まれているアイデアの多彩さなど,そこかしこに魅力溢れる作品で,令和になったいまでも,ゲームとしての完成度は高く,その輝きを失うことはない。
当時のアーケードゲーム市場で人気を博したのはもちろんのこと,現在もスピンオフタイトルの発売が続いており,長く愛され続けているシリーズといえるだろう。
そんなメタルスラッグシリーズにおいて,30周年記念プロジェクトが2026年4月19日より展開されており,ナンバリング作品がリリースされたプラットフォームのNEOGEO35周年とあわせ,さまざまなグッズやホワイトカラーの特別カートリッジが発売されるなど,ファンにはうれしい供給が続いている。
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この30周年記念プロジェクトは,1年で終わるお祭りなのだろうか? すでにアナウンスされた新作はどうなるのだろうか? 今回は,初代メタルスラッグの開発をSNK社内から見た貴重な証言と合わせ,プロジェクトメンバーの安部直人氏,小野邦宏氏,宋 昇柱氏に話を伺ってきた。
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「ファンの期待に応えられる新作」に向き合うことが最終ゴール地点
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは皆さんのメタルスラッグシリーズへのかかわりを聞かせてください。
安部直人氏(以下,安部氏):
メタルスラッグ関連のチーフプロデューサーをしている安部です。1989年にSNK入りし,NEOGEOタイトルでは「麻雀狂列伝」「キング・オブ・ザ・モンスターズ」「バーニングファイト」にグラフィッカーとして携わりました。
小野邦宏氏(以下,小野氏):
小野です。メタルスラッグのコンソール&PC版の開発に関わっています。2005年のSNKプレイモア時代に入社し,プログラマからモバイル事業に移り,現在はメタルスラッグ関連のスピンオフタイトルやグッズを作る際に,ドット絵などの素材を管理する仕事をしています。
宋 昇柱氏(以下,宋氏):
メタルスラッグのブランドマネージャーをしている,宋と申します。韓国出身で2024年にSNKに入社しました。SNKのIPをマネジメントする部署で働いています。
4Gamer:
今年4月に30周年プロジェクトが始動しました。どういった経緯で始まったのでしょうか。
宋氏:
SNKには休眠IPがたくさんあり,これを再度ゲームとして展開していく活動を進めています。代表作のひとつであるメタルスラッグシリーズもこうした取り組みの対象です。
これまでにも,モバイル用タワーディフェンス「METAL SLUG ATTACK」,横スクロールアクション「Metal Slug: Awakening」,そして家庭用のシミュレーションRPG「METAL SLUG TACTICS」といったスピンオフタイトルに加え,グッズも発売しています。
じつはメタルスラッグは,現在もリアルタイムで展開しているということです。そのなかで,めでたく30周年を迎えたので,本プロジェクトを実施する運びとなりました。
4Gamer:
ということは,30周年イヤーだけ何かをするという限定的な話ではなく,今後も展開が続くと捉えていいのでしょうか。
宋氏:
もちろんです。30周年プロジェクトには「MISSION REBOOT!(再起動)」というコンセプトを掲げましたが,これには理由があります。先にお話ししたとおり,メタルスラッグというIPは途切れずに展開中です。そのうえでさらに注力し,長期的な目線でフランチャイズ化を進め,もっと強く,みなさんに愛されるブランドにするという意味が込められています。
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4Gamer:
30周年プロジェクトへのファンからの反応はいかがでしたか。
安部氏:
国内外を問わず,横スクロールアクションの新作を期待される声が多かったです。ファンの皆様を長らくお待たせしてしまっていることは,開発の全員が重々承知しています。「横スクロールアクションの新作」に向き合わなければならないと考えています。
宋氏:
30周年記念サイトでは,初代メタルスラッグの開発者をはじめとし,いろいろな方にお祝いコメントをいただきました。それだけでもありがたいのに,「自分のコメントがSNSで多くの人にリポストされて,すごくうれしい」というお礼までいただけました。本当に感謝しかないです。
4Gamer:
地域によって反応の違いはありましたか?
宋氏:
日本の方からの反応はもちろん多かったんですが,海外ファンからの反応も多く,とくに南米の方々は熱狂的に喜んでおられました。
安部氏:
当時,営業ががんばって売り込みをかけてくれていたんだと思います。そのおかげで南米での知名度が高いのだと思います。
4Gamer:
確かにNEOGEOのカートリッジには,多くの言語が収録されていましたね。30年前にまいた種が芽吹き,今もファンが多いというのは喜ばしいと感じられます。30周年プロジェクトでは,既にLPレコードなどさまざまなグッズが展開されています。こういった商品化はどのようにして進むのでしょうか?
安部氏:
外部からの提案はライセンス部門を通じて受け付け,開発・監修部と連携し,商品化可否を検討します。
4Gamer:
開発スタッフも商品化に絡むわけですね。
安部氏:
グッズの内容によっては弊社のライブラリから資料やデータをお渡しします。また,途中段階から完成まで進捗に合わせてイメージをご提出いただき,監修とチェックを行っています。
4Gamer:
クリエイターの個性が出たグッズを監修する際,どんなジャッジが行われるのでしょう? 先日は熊組のアパレルが発表されましたが,「全面クリアのリザルト画面のTシャツ」や「ウータンのラグ」など,強い個性が感じられます。
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安部氏:
制作者の作家性は大事にしています。ただ,キャラクター性を損なう表現に関しては調整をお願いすることもあります。
4Gamer:
作家性は尊重しつつも,IPとしてのイメージを最優先されるわけですね。では,小野さんや宋さんの部署ではどのような作業を進めるのでしょう?
小野氏:
私はスピンオフタイトルのチェックをすることが多いですね。出来上がったゲームのキャラクターイメージが正しいか,ドットの使い方を誤っていないかといった部分を見ていきます。ジャンルが原作と違っていたり,展開するハードウェア側に限界があったりする場合,スピンオフタイトル固有のゲーム性を重視することになります。
宋氏:
私の部署ではビジネス周りの連携をしています。メタルスラッグ30周年では,公式SNSや記念サイトを立ち上げるなどして,マーケティングやプロモーションでシナジーを生み出しています。また,IP全体でどういったグッズが作られているかを把握して,主に宣伝周りの告知協力やお互いにシナジーを生みだせるキャンペーンを考案して調整を行っています。
4Gamer:
グッズやスピンオフタイトルが世に出るまでに,さまざまなチェックや監修があるわけですね。スピンオフタイトルで海外デベロッパとお仕事されることも多いと思いますが,皆さんの熱量はいかがですか。
小野氏:
メタルスラッグのファンが作り手となり,「俺のメタスラ」を作られるわけなので,やはり情熱がすごいですね。ディープなネタを出されることも多く,「こんなところまで使うんだ」と驚かされます。
ただ,原作にあったオマージュについては,時代の流れからそのまま使えないことがあります。例えば「メタルスラッグ2」のラストには超有名なオマージュがありますが,今から作るゲームで同じことはできません。当時は寛容な時代だったということですね。
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絵の美しさだけでなく,意味と機能を込めてプレイヤーにサービスするメタルスラッグの衝撃
4Gamer:
皆さんのメタルスラッグにまつわる思い出や,驚きのポイントを聞かせてください。
安部氏:
私の思い出は,メタルスラッグの発売前のことです。当時のSNKには,開発中のゲームを社内にお披露目する会がありました。メタルスラッグも出展されましたが,ドット絵のクオリティの高さに驚いたことをいまでも覚えています。
まだゲームとして動作する段階ではなく,開発ツール上でドット絵の動きを見せてもらったんですが,「このゲームは,戦車が生き物のように動きます!」(※)という説明どおりの光景が展開しているんです。背景も緻密で,こんなすごいドット絵はこれまで見たことがないと衝撃を受けました。
そのときの衝撃もあり,私はメタルスラッグを「動くジオラマ」と表現しています。私が子どもの頃は模型が流行していて,戦車や飛行機といった兵器と,兵士のフィギュアや情景を表す看板といった小物を組み合わせたジオラマが作られていました。
メタルスラッグの作り込みには,同じスピリットを感じたんです。初めて見たときの衝撃は,いまだに忘れることができません。
※このゲームは,戦車が生き物のように動きます!:当初,メタルスラッグは戦車を自機として開発が進められていた。その後にキャラクターを主人公とする路線変更が行われ,メタルスラッグはステージの要所に置かれた搭乗型兵器となった
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4Gamer:
「動くジオラマ」というのはまさにそのとおりですね。背景までしっかりと作り込まれていて,小物のそれぞれに意味がある。物語性を帯びていることが最良とされるジオラマは,メタルスラッグと通じているところがあると感じられます。小野さんはいかがでしょう。
小野氏:
仕事の性質上,シリーズのドット絵をチェックすることが多いんですが,ただ「すごい」としか言えないですね。メタルスラッグの1面では水たまりに自機が映り込み,潜水艦でフレームショットを撃つと中だけが赤く光るなど,画面に一瞬しか映らないところにもものすごい熱量がかけられているのに驚きます。
背景もすばらしいですね。例えば「メタルスラッグ3」のカタツムリが出るステージは,背景が黄土色→赤と色が変わりますし,構成物も岩と粘菌で複雑なのですが,実はたった8色のカラーしか使っていないんです。
そして作り込みはドット絵だけに留まりません。このステージはなぜこういう展開をするのか,どういった作戦の一環なのか,というゲーム内に一切語られないところも細かく設定が決められているんです。
例えば初代メタルスラッグの2面ですが,モーデン軍の支配する町に進行し,兵器工場の破壊のためにゲームが進みます。2面の最後に溶鉱炉でボスの大型機「ヘアバスター・リバーツ」と戦闘になるのですが,これには最終ボスのデビルリバース・モーデンが乗っています。このステージ構成には,元となったであろう設定画に軍隊の作戦図のようなものがあり,マルコたちの進行に対して近くにある飛行場からモーデンが進発したことが書かれていたりします。
4Gamer:
細かな設定を言葉ではなくドット絵の芝居で語るというのはアーケードゲームらしいですね。宋さんの思い出はいかがでしょう。
宋氏:
韓国で暮らしていた子ども時代,文房具屋やゲームセンターには必ずメタルスラッグが置いてありました。SNKという名前を知らなくても,メタルスラッグは知っていたくらいでしたから。
メタルスラッグのようなミリタリーテーマでラン&ガンな横スクロールアクションって,当時はあまり多くなかったという印象です。だから,ストーリーの先を見たかったので,コインを積み上げて遊んだり,お金がないときはほかの人のプレイを見ていたりもしました。こうした体験が,強く思い出に残っていますね。
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4Gamer:
ステージごとに趣向が凝らされているので,先がどうなるかが気になるんですよね。そういった趣向を表現するドット絵のクオリティが目を引きますが,なぜここまで驚異的なクオリティを出せたのでしょう。
安部氏:
まず技量が飛び抜けて高いグラフィッカーがチームにいたこと,そしてチーム全員がその人に着いていけたことでしょうね。
あのチームは,ドット絵に関する考え方が根本的に違っていたんですよ。私は格闘ゲームのドット絵を作っていたので,「上着の色」「ズボンの色」「肌の色」「髪の色」というように,パーツに分けた考え方をしてしまうのですが,パーツごとに色がバラけるため,グラデーションに使える色数が少なくなりがちだったんです。
しかしメタルスラッグは,かなり独特な色づかいをしています。絶妙な中間色でグラデーション数を稼ぐことでドット絵を高密度に表現しているんです。
この手法の特徴がよく表れているのが,鉄の表現ですね。錆びているわけではなく,水垢が付いているような鉄特有の質感は,中間色で絶妙なグラデーションだからこそのものです。グラフィッカーの感性から生まれたものなのでしょう。
あとは動きの表現もかなり細かいですね。例えば迫撃砲を撃つにしても,発射筒の上から弾を入れ,耳を塞ぐ。こんな現実に即した表現はメタルスラッグまで見たことがなかったですね。
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4Gamer:
いま見ても表現力に驚かされます。なぜここまで細かな表現を実現できたんでしょうか。
安部氏:
グラフィッカーの引き出しの多さと,あとはサービス精神だと思います。「こういうことをすればみんな喜ぶだろう」「こうすればみんな笑うだろう」という,エンターテインメント的な仕掛けを常に考えていた。だからドット絵の随所に,演出からゲームデザインそのものに影響するようなものまで,さまざまな仕掛けが盛り込まれていたんだと思います。
4Gamer:
サービス精神があるからこそ,いろいろな仕掛けを考えつくことができたわけですね。
安部氏:
そうですね。背景に箱をひとつ置くにしても,その意味合いなり仕掛けなりが考えられています。だからメタルスラッグでは,ドット絵キャラクターのパントマイム的な芝居で世界設定を伝えることができたのだと思います。
4Gamer:
モーデン兵なんかがいい例ですよね。たき火を囲んでコーヒーか何かを飲みつつ,ゆるく談笑してるけれど,プレイヤーキャラクターが近づくとビックリして飛び上がる。敵もひとりの平凡な人間であることが,言葉のないドット絵の芝居で伝わってきます。
安部氏:
開発段階では色違いのモーデン兵がいて,プレイヤーたちの味方だったんです。助けるとメタルスラッグに乗り込んでくれるんですよ。
4Gamer:
戦車が自機だった時代の話でしょうか。
安部氏:
そうです。軍服のカラーも現在の緑ではなく青色でした。木に縛り付けられているスケッチを見た覚えがあります。
小野氏:
METAL SLUG ATTACKで,青服の兵士が味方の正規軍兵として出てくるのは,そのときの名残ともいえます。
安部氏:
ゲームデザインに関わる仕掛けといえば変身でしょうか。メタルスラッグ2以降は食べ物を取ればプレイヤーがデブになり,ゾンビやミイラにやられると同じ姿になって性能も変化する。水中に潜るとダイバー姿になるし,飛行面でも専用の姿がある。仕掛けとして面白かったし,妙な納得感もありました(笑)。
4Gamer:
変身後のほうが性能もよかったりしますよね。
安部氏:
そうなんですよ。わざとゾンビに噛まれにいったりして(笑)。ほかのゲームでも,開発段階に近いアイデアは出ているんでしょうけれど,実現するとなると時間もコストも掛かるし,容量もかさむから断念せざるを得ません。これを実現したのがメタルスラッグですから,業界の内外を問わず,多くの人がビックリしたんじゃないでしょうか。
4Gamer:
プレイヤーキャラクターそれぞれにさまざまな形態があると,それだけ制作やデバッグの手間が増えていきますからね。
小野氏:
ゾンビ状態でミスして倒れる際だけでも,30〜40枚のアニメーションがあるんですよ。
安部氏:
グラフィッカーのところにそんな仕様が上がってきたら,さすがに困ってしまいますよ(笑)。
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4Gamer:
安部さんが手掛けておられた格闘ゲームも,結構な作画枚数があると思いますが,メタルスラッグとは全然違うのでしょうか。
安部氏:
格闘ゲームは,技の出かかりと出たあとはしっかり描きますが,途中のモーションはそこまで多くないんです。一方メタルスラッグはフルアニメーションに近い枚数を使っています。ドット絵を描く人間としてはすごいと驚くと同時に,「ヤバい」「ここまでやるのか」と思ってしまいます。
当時はゲームの容量が増えていた時代で,NEOGEOも有名な「100メガショック」から,最終的に3.3倍の330メガビットを扱えるようになりました。こだわった表現をいくらでもやれるような状況だったので,プレイヤーサービスに拍車がかかったんだと思います。
4Gamer:
制限が緩和されたことで,いろいろなことができるようになったと。
安部氏:
とはいえ,家庭用のNEOGEO CDに移植する際は,より厳しい制限が課されます。NEOGEO CDで処理できる絵の容量には限界がありますから。動画の枚数を多く使うと,NEOGEO CDに合わせて削る作業が増えてひどい目にあうんですよ。
小野氏:
内部的には,背景やキャラクターのパーツがバラバラになってパズルのように組み合わされています。これを小さな正方形にキッチリと収められるのが,優秀なグラフィッカーでしたね。
安部氏:
例えば「餓狼伝説SPECIAL」の場合ですと,ギースは袴,舞は胸が揺れて動画の枚数を使うので,こうしたところから削られていくわけです。困ったときは,立ち状態からしゃがむ途中の中割りのポーズを使ってつなぐんです。そうすると,何となく動いているように見える。まさに裏技でした(笑)。
4Gamer:
まさに職人芸ですね。一口にNEOGEOゲームといっても,作品によって画風はさまざまでした。チーム間で交流したり,技術を学んだりといったことはあったのでしょうか。
安部氏:
そうした動きはあまりなかったですね。当時は餓狼伝説チームとサムライスピリッツチーム,ザ・キング・オブ・ファイターズチーム,メタルスラッグチームがありましたが,チームが違うとフロアも別々だったんです。スタッフ個人の交流はあったと思いますが,技術交流はありませんでした。
4Gamer:
別のチームからヘルプに駆り出されるようなことはありましたか。
安部氏:
ありましたが,メタルスラッグチームだけはヘルプを呼んだことがありませんでした。ほかのチームの人で,あのドットを打てる人はいなかったんじゃないかと思います。
4Gamer:
唯一無二のドット絵だったわけですね。
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従来のファンと新規層の両方に注力し,新作につなげていく
4Gamer:
メタルスラッグシリーズの歴史は長く,ファンも初代からの方から新規の方まで幅広いです。30周年プロジェクトでは,どんな展開をする予定でしょうか。
宋氏:
まずはシリーズをリアルタイムで追い続けてくださるコアファンの方々に注力することが重要だと考えています。しっかりとコミュニティにリーチしたうえで,10代から20代の若いファンにつなげていければと思っています。
私の上司などは家族の集まりに「メタルスラッグ3」を持っていき,親子で楽しんでいるそうです。こうした例を見ても,メタルスラッグシリーズにはいまでも通じる魅力がありますから,新規層をしっかり獲得し,ブランド拡大を目指していきます。
4Gamer:
新旧のファンどちらにもアピールをしていくと。メタルスラッグのナンバリング作品は「メタルスラッグXX」から16年出ていませんが,古参のファンと新規のファンで断絶があったりするのでしょうか。例えば,新規層はナンバリングの横スクロールアクションを触ったことがなく,スピンオフタイトルだけを遊んでいるとか?
宋氏:
ナンバリング作品の移植は定期的に行ってきましたので,新規層の方にも触ってもらってきています。
4Gamer:
スピンオフタイトルの物理版や熊組のアパレル,Bitmap Booksの書籍など,海外オンリーのグッズもありますが,こうした品を国内のファンが入手できる機会はあるのでしょうか。
宋氏:
物理商品の流通や,個々のライセンス契約の関係で,海外オンリーになっているものがあるのは確かです。ただ,我々はメタルスラッグのIPをできるだけ広げたいと考えています。海外オンリーのものについては,日本国内をはじめ,いろいろな国のファンの皆さまに喜んで頂ける商品をお届けするため,多くのパートナー企業様とともに,実現していきたいと思っております。
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4Gamer:
今年4月のプレスリリースでは,「新作ゲームの開発を含むさまざまな企画」がアナウンスされていますが,新作について話せる範囲で聞かせてください。
本日より『メタルスラッグ』シリーズ30周年記念プロジェクト始動!
特設サイトを開設し、SNSをスタート!記念映像も公開!
https://www.snk-corp.co.jp/press/2026/metal-slug-30th-project/
安部氏:
開発としては,はっきりした形で「メタルスラッグ」を世に出し直したいとは思っています。ただ,どういう形になるかは,いま現在はお話しできないところがあります。
4Gamer:
例えばグラフィックスは,とくにファンも気になっていると思います。伝統の2Dドット絵なのか,あるいは3Dになるのか,そのあたりはいかがでしょう。
小野氏:
申し訳ないのですが,現時点で詳しいことはお話しできません。話せる範囲ですと,家庭用ゲーム機とPCで出す方針ではあります。ターゲットについては,新旧のファンのどちらも大事で,全員が納得できるよう全力で取り組んでいくのが大前提と考えています。
4Gamer:
いろいろと気になりますが,また話せるタイミングでぜひインタビューさせてください。話を変えて,皆さんはメタルスラッグIPの目標や課題についてどういった考えをお持ちですか。
安部氏:
目標は「メタルスラッグを誰もが知っているタイトルにすること」です。これに加え,長い歴史をアップデートできるような作品にも取り組んでいきたいですね。
宋氏:
「メタルスラッグをSNKナンバーワンのブランドにしたい」というのが目標です。これは他IPとの競争という意味ではありません。SNKの話が出たとき,「ザ・キング・オブ・ファイターズ」や「餓狼伝説」などに並んで,必ず名前が挙がるようなブランドにしたいということです。
30年という歴史があるがゆえに,幅広い層のファンがいまして,そのバランス感覚が大事になるのは確かです。この課題をどうクリアしていくか。メタルスラッグに携わる全員が考えているところではあります。
小野氏:
私は,「あらゆる年代層にメタルスラッグを知ってほしいし,どんなところでも遊べる状態にしたい」です。だから,新作もアーケードで出せるといいよね,なんて話をしているんですよ(笑)。
現状の課題は,ファンの方々を長らくお待たせしてしまっているところで,新情報も含めて,早く皆さんにお届けしたいとは思っています。
4Gamer:
30周年を起点に,さまざまな展開が成されていくのを楽しみにしています。では,最後にファンに向けてメッセージをお願いします。
安部氏:
30周年はひとつの節目ではありますが,ゴール地点ではありません。むしろ,ここから進めていこうというプロジェクトですので,ご期待ください。
小野氏:
メタルスラッグは,アクションゲームとしての質はもちろん,サウンドもすばらしい作品です。新作のサウンドにもぜひご期待ください。
宋氏:
メタルスラッグというIPを長期的なフランチャイズとして成立させ,ファンの期待に応えられるよう,社内外で盛り上げていきます。
30周年施策の一環としてモバイル用スピンオフタイトルの「METAL SLUG RUSH」(RING GAMES)がまもなくリリースを予定しています。ライセンスアウト,つまり弊社で開発したタイトルではございませんが,ぜひ遊んでいただきたいと思います。
幼いころにメタルスラッグで遊び,大人になってからこうしたお仕事をさせていただいているのは,本当に運命だと思っています。旧作からのファンの方はもちろん,新規のファンもぜひメタルスラッグを末永く愛していただけるとうれしいです。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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ドット絵が,レガシーではなく表現手法のひとつとして認識されるようになってしばらく経つ。こうした状況だからこそ,メタルスラッグシリーズの魅力は際立つし,改めて評価されるべきなのではないだろうか。
30周年は一過性のお祭りではなく,今後も展開を続けるためのワンステップであるという。当時のゲームセンターからいまに至るまで,輝きを放ち続ける「メタルスラッグ」のさらなる発展に期待したい。
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