NDS「THE 裁判員」，第1話「有罪を訴える被告人」の概要と，充実した参照機能を紹介

　ディースリー・パブリッシャーから5月21日に発売予定のニンテンドーDS用ソフト，「SIMPLE DSシリーズ Vol.48 THE 裁判員 〜1つの真実、6つの答え〜」。タイトルを見れば分かると思うが，これは5月21日よりスタートする裁判員制度をテーマにしたアドベンチャーゲームだ。
　ゲームの概要，および本作のキモとなる“評議パート”に関しては，以下の記事で紹介済みなので，未読だという人はぜひチェックしてほしい。

裁判員に憑依して，正しい判決を導け。「SIMPLE DSシリーズ Vol.48 THE 裁判員 〜1つの真実、6つの答え〜」が5月末に発売

「DREAM C CLUB」の双葉理保が一日裁判長!?「SIMPLE DSシリーズ Vol.48 THE 裁判員 〜1つの真実、6つの答え〜」，評議パートの流れなどを紹介

　本稿では，いよいよ発売間近となった本作の，第1話「有罪を訴える被告人」の概要をお届けしよう。ソフトを購入後，よりスムーズに最初のストーリーに入っていけるように，事件の概要や登場人物の特徴を，ここで把握しておくといいだろう。

第一話『有罪を訴える被告人』事件概要

某日深夜、一台の普通自動車が運転を誤り、磯部博泰氏運転の軽自動車と衝突。この事故により、磯部氏の妻と２歳の長女が死亡。磯部氏自身も全治２ヶ月の重症を負った。本件の被告人は、普通自動車を運転していた女性、山口まつり２７歳。なお、被告人は運転前に飲酒をしており、正常な運転が困難な状況にあったとされる。被告人の車に同乗していた男性、永瀬邦夫氏も全治１ヶ月の怪我を負った。

検察官の加勢憲悟氏

　プレイヤー＝主人公の五條誠司は，第1話から，非常に重い事件に関わることになるようだ。この事件に対し，検察官の加勢憲悟氏は以下のように語っており，被告人 山口まつりの発言およびプロフィールを併せて見る限り，まったくもってそのとおり！　なんじゃないかと思わされてしまいそうだが……？

被告人は茨城県水戸市で出生し、中学生の頃より地元の女性暴走族グループ“かげろうエンペラー”に所属し、高校入学後も幾度となく危険運転行為を繰り返し、地元では有名ないわゆる「札付」として認知されておりました！この事件によって何の罪もない二つの命が失われてしまったのです！幸いにして磯部博泰さんは一命をとりとめましたが、奥さんとお子さんは二度と帰ってくることがないのです！！
罪名及び罰条、危険運転致死傷罪。刑法２０８条の２。

被告人 山口まつりプロフィール

第一話被告人。危険運転致死傷罪にて、公訴される。酒癖が悪く、ゲームセンターやカラオケボックスの機材破壊、生け簀の魚を用水路に放流など、警察沙汰以前の狼藉は数知れず。以前、別の事件にて女子少年院に入っていたことがある。茨城県水戸市出身、現住所は東京都国分寺市恋ヶ窪。本人は、今回の事件について、自分が起こしたことであると認めているが・・・

わ、わたしは……酔っぱらい運転して……反対車線で軽と衝突して……間違いございません……はい……

　ところで，主人公 五條誠司は，なぜ裁判員に“憑依”して，「間違った裁判」をなくすために尽力することになったのだろうか。そこが気になるという人は，以下の画面写真/キャプションを確認してほしい。
　また，第1話で五條が憑依することになる人物を含む，6人の裁判員のプロフィールも併せて掲載しておこう。個性的なキャラクターばかりだが，果たして……。

ある雪の夜、五條誠司の生涯は閉ざされた・・・一体、何者が彼を・・・？

幽霊となり、なんとなく裁判を傍聴していた五條。突如現れたヤマヤマを見て、思わず・・・

強い未練のため成仏できない五條を成仏させるため、この世に現れたヤマヤマ。

車輌事故を起こしたことを自白した被告人。しかし、それはウソだった！？何のために、被告人はそんなウソを・・？

“間違った裁判”をなくし、自身の未練を晴らすため、五條は裁判員に憑依することを選ぶ！

第一話に登場する裁判員達

麻井さくら(あさい さくら)

専業主婦。５６歳。被告人の前歴や酒癖の悪さに対して「信じられない」「考えられない」を連発する、典型的な一般市民。事件に対する関心は低いが、被告人と、とある男の関係には強い関心を示す。テレビでこの事件の報道は見ていて、被告人に対してかなり悪感情を抱いているが、情に流されやすい面があり、心証がぶれやすい。

信じられませんよねぇ……お酒を飲みながらの運転だなんて。


松園正照(まつぞの まさてる)

小遣い稼ぎにゲームソフトやイベントチケットの転売を繰り返す、いわゆるニート。３３歳。ネット依存症であり、典型的なネット型差別主義者。そのため、元レディースの被告人に対して、「いわゆるDQN」「いわゆるビッチ」などと言った蔑称を使い、周囲をどん引きさせる。やる気だけは充分だが、法律知識は極めて乏しい。

け、け、けけ、検察官の示した証拠そのままだな。山口は酔っぱらって運転して事故った。疑う余地はありませんな。


高野朋子(たかの ともこ)

漫画家。３５歳。自身が執筆した漫画がのちにTVドラマ化されるなど、そこそこのヒットを記録。裁判員に選ばれたことは、取材にちょうど良いと考えている。性格はさばけており、今回の事件については、「無罪の方が面白そうな展開だから、なんとなく無罪」といまひとつ、不真面目な態度。

・・・なーんか引っかかるのよね。作家としては。


小山昇(こやま のぼる)

現役の暴走族。２１歳。法廷では検察官に野次を飛ばし、裁判長に注意をされる始末。被告人を無罪と断定しているが、その根拠は、「レディースが事故るわけがない」と短絡的。この事件を巡る報道に対しては、元レディースに対する偏見だと憤慨している。車に対する関心が高い。

俺の言うとおりにしとけって。山口さんは被害者だって。これでケッテーイ。


町城安里(まちしろ あんり)

専門女子学生。２０歳。音楽の勉強をしながら、メイド喫茶でアルバイト中。今回の事件については、あまり積極的に自分の結論を述べたがらない。しかし、ミステリー好きのため、証拠と証言の食い違いなどには、高い関心を示す。ちなみに、現在特定の彼氏はいない。

でも……飲んでたのは、確かなわけだしなぁ……やっぱりこれって、彼女が有罪って思っちゃうかなぁ……


越後孝一(えちご こういち)

第一話で五條が憑依する裁判員。２８歳。実は裁判員制度のことを全く知らず、辞退を申し入れるも認められず、仕方なく裁判所に赴く。 できればすぐにでも、裁判所から立ち去りたいと考えている。そんな考えをヤマヤマに見抜かれ、五條初めての憑依対象となってしまう。

だいたい・・・僕に、裁判員なんて無理なんだよぉ・・・



　被告人は，決して善良な一般市民とはいえない経歴の持ち主なので，裁判員達の心証はかなり悪い。しかし，ヤマヤマの能力によって，被告人が嘘の自白をしていることが判明している。果たしてキミは，この裁判を「正しい」ものにできるだろうか？　5月21日からスタートする裁判員制度を，それと同日に発売される本作を通じて，ぜひ楽しみながら学んでほしい。
　なお本作には，ストーリー中に出てくる裁判用語などの意味が閲覧できる，用語辞典が搭載されている。辞典には，裁判用語以外にもさまざまな単語が用意されており，ゲームを進めていく過程で，徐々に登録されていく。ストーリーを理解するためのサブテキストとして活用できるのはもちろん，単語のコンプリートを目指すという遊び方もアリだろう。
　そのほか，本作には人物辞典，音楽鑑賞機能，グラフィック鑑賞機能なども搭載されている。ゲームをより深く楽しみたい人は，そういった機能にもご注目を。