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画面上の主人公は,自動で前方へ走り続ける。プレイヤーに求められるのは,通常のジャンプ,高く遠くへ跳ぶ溜めジャンプ,そして地形を破壊できるジャンプの使い分けだ。さらに,地形に合わせて溜める長さを調整する必要もある。溜めが長すぎても短すぎてもミスの原因になるので,なかなか手ごわい。
とはいえ,ステージの構成と曲のノリ,そしてジャンプのタイミングがうまくかみ合っていて,遊びながら体でリズムを取りたくなって。
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と,これだけなら「テンポの良いオートランゲーム」の範疇に収まるかもしれない。しかし,本作の最大の特徴は,「往路」だけでなく「復路」が存在する点だ。行きっぱなしではなく,来た道を折り返して戻らなければならない。そこに楽しさと苦しさの両方があった。
過去の自分と「共鳴」する。往路の痕跡が復路でご褒美に
復路が始まると,これまで進んできたステージを左方向へ逆走することになるのだが,そこには「痕跡」が残されている。これは往路でジャンプした際の着地地点に残るもので,その痕跡に合わせてジャンプすれば,すんなり帰れるという理屈だ。
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過去の自分が残した痕跡に合わせ,同じタイミングでジャンプすると「共鳴」が発生し,そこからさらに空中で溜めジャンプを繰り出せるようになる。これにより,往路では取れなかった得点アイテムを狙うことも可能になる。
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開発者のトマト煮込み氏がnote(https://note.com/gensang)にまとめた記事によれば,開発当初の「帰り道」は単に難度を上げるためのアイデアであり,「ただの嫌がらせ」になりかけていたという。それではイカンと思い直し,過去の自分の痕跡と共鳴して気持ちよくなれる仕組みを加えたことで,往路での「仕込み」が復路で「自分へのご褒美」に変わるサイクルができあがったのだそうだ。
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ただ,現段階では往路を失敗ギリギリのプレイで突破した場合,復路では痕跡を無視したほうがクリアしやすいという問題も発生していた(笑)。この点も含め,トマト煮込み氏は「今回の出展でさまざまな課題がわかったので,さらに作り込んでいきたい」と語っていた。
そして筆者としては,クリア後に表示される「復路の軌跡」がちょっとエモく感じられた。とくに何本もの線が重なっている箇所では,「ああ,こんなに失敗しながらもなんとか越えていったなあ」と,妙な感慨が湧いてしまう。すでにクリアしているので,復路の苦労が「いい思い出」に変わっていたのかもしれない。
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「気持ちよさ」を徹底的に分析。ゲームに込められた開発者のこだわり
ちなみに「DYU/TAN」というどこか不思議なノリのタイトルは,テストプレイ中に思わず口から漏れた「デュ」「タン」という擬音から,直感的に決めたらしい。
また,氏が目指していたプレイ感は,「スーパーマリオでダッシュ状態のまま一気にゴールまで駆け抜けるあの快感」とのこと。氏はその快感を「予測・実行・答え合わせ」というステップに分解し,主体性や緊張感といった要素にまで掘り下げて分析することで,開発の物差しにしていた。だからこそ,音ゲーのような厳密な判定は設けず,あくまで「ジャンプアクションの枠の中でノれる気持ちよさ」を優先したとのことだ。
noteには,こうした氏の開発に対する考え方がまとめられており,なかなか興味深い内容だった。
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なお,ブースで試遊している際,トマト煮込み氏は筆者が操作をミスするたびに一緒に悔しがってくれたり,絶妙なタイミングでその気にさせる一言をかけてくれたりした。
もともとそのつもりで立ち寄ったとはいえ,氏の心遣いにも支えられ,気がつけば用意されたステージをすべて遊びきっていた。そんな氏の人柄が,ゲームの手触りにも表れていた気がする。これぞインディーゲームの醍醐味だ。
本稿の締めくくりとして,改めて「ありがとうございました」とお礼をお伝えしたい。
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