「Dolphin Emulator」のSteamストアページが削除される。任天堂からデジタルミレニアム著作権法違反の指摘を受けて無期限延期に

　オープンソース型のエミュレーターとして20年近い歴史を持つ「Dolphin Emulator」が，Steamページから削除され，そのリリースに暗雲が立ち込めている。

過去に公開された画像

　「Dolphin Emulator」は，2003年にゲームキューブ向けのエミュレーターとして公開され，2007年以降はオープンソースのプロジェクトとなって有志により改良が続けられ，Wii向けのタイトルにも対応するなど徐々に進化を果たしてきた。そして，2023年3月末にはSteamストアページが公開となり，第2四半期中（6月末まで）の無料リリースがアナウンスされていた。


　今回の件に関して，Dolphin Emulator公式サイトの運営者が声明を発表している。「非常に残念ですが，Dolphin EmulatorのSteamでのリリースが無期限に延期されたことを発表しなければならなくなりました。Valveから，任天堂がDolphin Emulatorに対して，DMCA（デジタルミレニアム著作権法）を理由に配信停止を求めたため，問題が解決するまでSteamから削除したとの通知を受けました。現在，選択肢を検討しており，近い将来，より詳細な対応を行う予定です」と記述されている。

　Dolphin Emulator側は，「Dolphinで使用するゲームのオリジナルを所有している必要がある」という立場を取っている。とはいえ，ソフトウェアを違法にダウンロードするユーザーが存在し，問題視されていることは事実である。一部のファンからはSteam Deckのキラーコンテンツの1つになり得るとして注目を浴びていたものの，現時点ではDolphin Emulator側にとって“問題が解決される”というオプションは余りないと思われる。