「龍が如くONLINE」，男色ディーノが語る「桐生一馬伝」，そして「桐生一馬」という漢

男色ディーノ

　どうも，「龍が如く」大好きプロレスラーの男色ディーノよ。ついに「龍が如く ONLINE」（iOS / Android / PC，以下，龍オン）に，伝説の漢「桐生一馬」と，そのストーリーを追体験できる「桐生一馬伝」が実装されたわね。前回のインタビューでも話題にあがってたわけだけど，思ったより早い登場だったわ。

　桐生一馬伝の概要や，桐生一馬の性能については，別の記事で紹介されているから，ぜひそちらを見てちょうだい。私のほうからは，龍オンに桐生一馬伝が実装された今だからこそ，龍オンや「龍が如く」，そして桐生一馬の魅力を，この場所を借りて語らせてもらおうと思っているわ。



　まず，「龍が如く」とは何かと聞かれれば，私はこう答えるわ。

　神室町をめぐる男の物語よ，と。

　これまでの「龍が如く」シリーズって桐生一馬が主人公だったんだけど，龍オンでは，春日一番という男が主人公になった。これが意味することは2つあるわ。

　ひとつは「龍が如く」の本当の主人公は神室町という街だということ。

　今までの作品は，桐生一馬の物語がそのまま「龍が如く」だったから，プレイする我々としても桐生一馬＝龍が如くだったわけ。でも龍オンではそうでないことが分かった。なぜなら，春日一番が主人公でも「龍が如く」の物語は成立しているから。となると，やはり2人の共通点は神室町ということになるわよね。厳密に言えば，「神室町を愛した男たち」という共通点。逆説的に，2人の主人公に愛された神室町こそが龍が如くのキモであり，真の主人公と言えるんじゃないかしら。


　そしてもうひとつは，桐生一馬が伝説になったということ。

　桐生がいなくとも，「龍が如く」は回ってイくわ。シリーズが続く以上は，そうでなければならない。でも，桐生がいないからといって桐生が残してきたものもなかったことになるのかしら。答えは断じて否よ。人と人はつながってイく。これまでの「龍が如く」って，結局は桐生の生き様，そしてそれに影響を受けた人たちが織りなすドラマを楽しむ作品だったの。

　龍オンにはまだ桐生一馬が直接的に出ててきたわけではないけど，桐生一馬に影響を受けた人たちの何人かは登場しているわ。そういう人たちが春日一番とどう交わってイくか。今，龍オンではまさにそういう展開を見せているのよね。


　少しずつ気になってこない？　桐生一馬がどういう漢だったのか。そんな人にこそ遊んでほしいのが，最近実装された「龍が如く」のストーリーを追体験できる桐生一馬伝よ。

　とは言ったものの，龍オンで語られるのは「龍が如く」のストーリーなのよね。だから実際に「龍が如く」，今ならPS4の「龍が如く 極」をプレイしたほうが早いと思うの。身も蓋もない言い方だけど。

　私にとっての桐生一馬はね，決して正義漢ではないのよ。任侠の世界にいるから，必ずしも正義ってわけではないのはその通りなんだけど，主人公だからといって絶対善ではない。自分の中の正義を貫く男なのよ。自分が守りたいモノを守るために何でもする男。あくまで自分のために。

　龍オンの桐生一馬伝で，親友の錦山が犯した罪を桐生が被ることになるくだりが語られるんだけど，ここなんかはまさにそう。龍オンではかいつまんで語られてるけど，そこに至るまでがけっこう独善的なのよね。自分のやったことではない罪をかぶり，自分が今まで築いてきたものを一瞬で投げ出す。

　なぜなら，自分が守りたいから。


　そして，長く刑務所に入る。それも，誰のせいにもしない。正直，私としては理解できないわ。いい話だとも思わない。だけど，なぜか引き付けられるのよ。自分には理解できない選択を誰のせいにもせずにしてしまう。そこが桐生一馬の魅力なんでしょうね。こんな生き方は，きっと誰にもできない。

　龍オンだとテキストだけだけど，過去作「龍が如く」では，そこに動きがあるから，次第に桐生のペースに巻き込まれていくのね。だからこそ，龍オンしかプレイしたことないみんなにもぜひプレイして欲しいと思うのよ。


　桐生一馬って，とんでもない“事件巻き込まれ体質”でね，共感を得るタイプの主人公ではないのよ。過去シリーズをプレイしてて，何度ツッコんだことか。「いや，そんな行動取ったらそりゃ巻き込まれるわよ」って。でも，だんだん「ま，桐生の言うことだししょうがない」って気持ちになってくる。で，その生き方に共感はしないけども羨ましくはなってくるわけね。その感じを体験して欲しいの。そこを体験することで，龍オンの世界が何倍にも広がってくるってわけ。

　余談だけど「龍が如く」をプレイしてて，まだ「龍が如く 極」はプレイしたことがないって人も，「極」はプレイして欲しいわね。確かにストーリーの大筋は同じよ。でも，より細かくストーリーが補足されているし，遊びやすさも現代風にアレンジされているから。


　私もぶっちゃけ「ストーリーが同じだし，やらなくても良くない？」って思ってたんだけど，やってみたら「極」として登場した理由が分かったわ。純粋に面白い。そして，大まかなストーリーしか覚えていないことに気づいて，新鮮な気持ちでプレイできる。人によっては「こんなシーンあったっけ？」「どうなるんだっけ？」って思うはずよ。桐生一馬の物語が一通り終わっている今だからこそ，「極」をプレイすればきっと楽しめると思う。

　……話が逸れたわね。桐生一馬って，結局シリーズを通して「自分の守りたいモノを守る」っていう行動原理で一貫してるの。いい意味でも悪い意味でも。で，最終的には力づくで守りきってしまう。自分自身は守れなくとも。あまり皆までは言わないけど，自分の身が守れないエンディングが過去作ではまあまああるわよね。必ずしもグッドエンドではない。だから魅力的なんでしょうね。


　今回の龍オンで登場した桐生一馬伝は，桐生一馬伝説のほんの一部分よ。でも，私はなんとなくだけど信じてるのよね。いつか，何らかの形で桐生一馬の物語と，春日一番の物語が交わりあう日が来ることを。

　春日一番の物語はまだ始まったばかりだけど，桐生一馬の物語は今からでも知ることができるわ。だから，その来る日のために，今のうちに桐生一馬の物語を知っておいて欲しい。そのほうが，2人の男が交わりあった時に感動できるだろうから。最大限，龍が如くを味わうために，桐生一馬伝を堪能してほしいわね。そしてもっとその世界を知りたくなった人は初代「龍が如く」もプレイすべきよ。

　2人の交わる日が来なかったら，ゴメン。でも，来ると思う。根拠はないわ。ただ，神室町はそういう街だから。都合よく色んなタイミングで衝撃的な事件が起こる街だから。最高の感動を味わう準備をしといて欲しいわね。来るべき桐生一馬と再会できる，その日までに。

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