![]() |
建設機械マニア向け,建設機械を主役としたシミュレーション
ズーから発売中の「コンストラクション シミュレーター 2015 日本語版」のインプレッションをお届けしたい。
農場主となって農作業をしたり農場を経営したりする「ファーミング シミュレーター」シリーズ,そして解体会社のオーナーとなってビルなどの解体作業が楽しめる「デモリッション カンパニー」など,ユニークなゲームのローカライズ版をリリースしてきたズーだが,今回は“コンストラクション”というタイトルからも分かるとおり,建設会社経営がテーマとなる。
実在する建設機械を操作して,材料の運搬から基礎工事,大型クレーンを使った小屋組み作業やミキサー車とポンプ車を使ったコンクリート流し込み作業など,簡単なものから重機を使った大がかりな作業まで,さまざまな建設作業を体験できる本作は,まさに重機マニアならプレイ必須のゲームといえそうだ。
![]() |
ゲームモードは,数多く用意された現場で建設作業に挑むシングルプレイ(キャリアモード)と,最大4人のプレイヤーが参加して共同で建設作業を楽しむマルチプレイモードが用意されている。
舞台となるのは広大なオープンワールドで,商業地や住宅地,繁華街があるほか,道路や高速道路,鉄道といった交通網が張りめぐらされている。そこには自分が勤務する建設会社が存在しており,さらに都市のあちこちに建築資材の販売店,園芸店,製材所,砂利採石場,各種工場,鉄道の駅などがある。プレイヤーは,この都市を縦横に走り回って,建設作業を行っていくわけだ。
最初は一部地域の建設作業しかできないが,ミッションをこなして経験を積み,レベルを上げることにより,さらに新たな地域の難しい建設作業に携われるようになっていく。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
ちなみに街中には信号機があり,一般車が交通ルールに従って走っているが,プレイヤーは交通ルールを守る必要はなく,目的地まで爆走しても捕まったりはしない。ただ,一般車や障害物に接触するとこちらの車両がビックリするほど派手に飛び上がったり,横転したりすることもあるので注意が必要だ。ちなみに街中には人々も歩いているが,当たり判定はなく,あくまで雰囲気作りの要素になっている。
建設機械は,MAN,STILL,LIEBHERRというドイツのメーカーのもの15種類が収録されており,モデリングはもちろん,動作音を実機からサンプリングするなど,本物を忠実に再現することに非常に力が入れられている。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
ここで登場する建設機械をいくつか列挙すると,クレーン付き平床トラック,集積ダンプ,ローラー,ハーフパイプトラック,ローボーイトラック,ハーフパイプトラック,コンクリートミキサー,ホイールローダー,タワークレーン,油圧ショベル,コンクリートポンプ,クレーン車,フォークリフトのほか,パワーショベルなどの搬送に使用するトレーラー,ローボーイトレーラーなどがある。名前を聞いただけで形状や使用目的などが頭に浮かぶ人は,たぶんプロだ。
実際の作業は,「請負」リストの中から好きなミッションを選択することになる。それぞれのミッションは,建築資材やコンテナを搬送する輸送系のものと,戸建て住宅や統合オフィス付きの倉庫,大型アパートの建設といった建築作業を行うものが用意されており,作業内容によって報酬や得られる経験値が異なる。また,スタジアムや,その投光照明柱を建てたりといった,「特別な仕事」というミッションも用意されており,収録されるミッションは150種類を超えるという。
![]() |
ミッションはいくつかのステージ(作業)に分かれており,建設廃棄物コンテナを砂利採石場から園芸店に運んだりなど,一つのステージで完了してしまうものもあれば,機材や材料の運搬,建設現場で作業,再び材料などの運搬と,複数のステージで構成されているものもある。当然,作業工程が多いほど,手間もかかるので報酬が高くなり,獲得できる経験値は多くなるわけだ。
現場の作業はこのように進む。そつなくこなせ
![]() |
ちなみに現場監督を雇うと複数の仕事を請け負え,監督や作業員に現場を任せることができるようになる。彼らは自分でせっせとやるよりも素早く作業をしてくれるので非常に助かる。
ただし,作業員が行った仕事については経験値が入らないので,高額の報酬が得られる仕事を作業員にやらせて,自分は時間をかけて地道に経験値稼ぎをするというプレイスタイルが良さそうだ。
![]() |
続いて材料販売店に小型平床トラック(クレーン付きでも可)で向かい,断熱材×2,セメント袋×2を購入し,フォークリフトで荷台に積み込んで建設現場へ戻る。と,こんな感じで機材や材料を手に入れて指定場所へ下ろしていくわけだが,どんな材料が必要で,それらがどこで入手できるのかは常に分かるようになっているから安心だ。このへんで,次のステージへ進む。
![]() |
続いて,プレハブ壁パネル×4枚を壁工場から運び,適切な場所に設置する。この壁パネルの運搬には専用トレーラーが必要なので,ローボーイトラックにそのトレーラーを接続する必要がある。車体が大きくて交差点でうまく曲がり切れない場合があるので注意が必要だ。無事に建設現場まで運んだら,クレーン車を使って壁パネルを下ろし,今度は1枚ずつ指定場所へ配置していく。
しかるのちに,マークされたエリアを油圧ショベルで掘削し,ハーフパイプトラックで砂利採石場から土を購入して運び,掘った穴に土を入れる。
![]() |
![]() |
![]() |
次のステージでは,断熱材×2とアスファルト×1を材料販売店で購入して指定エリアに下ろすと自動的に作業が進み,それが終わるとミッション終了になる。お疲れ様でした。大がかりな建物になるとステージ数は10以上になるので,完成までかなりの手間がかかる。
こんな感じで,作業を行うわけだ。材料などを指定エリアに運び込むと自動的に建設作業が進む場合もあれば,建設機械を操作して自分で作業を進めるときもある。自分で行う作業としては,大きな穴の掘削,壁材や屋根の取り付け,鉄筋の柱や壁にコンクリートを流すといったものが用意されている。どう? そそられるでしょ。
![]() |
なお,材料販売店や園芸店などへは自らトラックを走らせても構わないが,料金を払うことでダイレクトに移動(ワープ)できたりする。作業員が使えるほどゲームが進んでいれば,料金は問題にならないはずだが,トラックなどの荷台に荷物を積んでいるとワープできないので,その場合は頑張って建設現場まで走ろう。
優れた建設機械シミュレータ。重機好きは見逃すな
本作の面白さは,普通なら専用の免許を持ったプロの人にしか扱えない建設機械を,思う存分操作できることだと筆者は思う。操作が複雑なため,最初はおぼつかないかもしれないが,自由に操れるようになると面白さが格段にアップするのだ。
![]() |
建設機械の操作はキーボードでもできるが,筆者はゲームが対応しているコントローラ「Xbox 360 Controller for Windows」を使用した。すべての操作が手元で可能になり,本物を動かした経験はないが,2つのジョイスティックを使って操作するタイプの実際の建設機械に近い感覚でプレイできるのではないかと思う。操作方法が分からなくなっても画面上に説明を表示させられるので,忘れっぽい人も安心だ。
![]() |
作業モードでは,左スティックの前後がアームの操作,左右が旋回操作,右スティックは前後がブームの操作,左右がバケット操作となる。お分かりいただけましたでしょうか。
![]() |
クレーン車にも「移動モード」と「作業モード」があるが,アウトリガーを下ろして車体を固定しないと作業モードに切り替わらないところに,こだわりを感じる。操作は左スティックの前後でブームの上下,左右で旋回,右スティックの前後でフック,左右でブーム伸縮となっており,文字で書くとそう思えないかもしれないが,パワーショベルより操作は簡単だ。
![]() |
最も独特の操作が必要だったのが,コンクリートポンプ車だ。基本的な操作はクレーン車と変わらないが,ブームが4か所で折れており,そのうち2か所を右スティックの前後左右でコントロールしなければならないため,コンクリート排出口を狙ったところに寄せるのに難儀する。しょっちゅう生コンをあらぬところにまいているというのは,ここだけの秘密だ。
![]() |
このように本作は「コンストラクション シミュレーター」というタイトルではあるものの,建築そのものよりも,さまざまな建設機械の操作に力点の置かれた作品であり,「カッコいいマイホームを建てたい」「すごいオフィスビルを建てたい」といった希望にはあまり沿えない。一方で経営シムとしては易しく,たとえ工事をミスってもゲームオーバーになるようなことはない。
しかし,例えば油圧ショベルを操作して穴を掘りたいとか,大型クレーンを操作してみたいとか,コンクリートポンプ車のすぐ横にコンクリートミキサー車を横付けして,上のフロアへ生コンを注ぎ込みたいとか,そういう建設機械マニアにとっては類作なき至福の一本になってくれるはずだ。
建設機械は形も動きも面白いので,子供達にも人気。親子で楽しむのも楽しいだろう。いずれにしろ,マニアックなシミュレータだけにプレイヤーを選ぶところは大きいが,興味のある人はぜひプレイしてみよう。
![]() |













































