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「Hearthstone」開発者インタビュー。日本語でのローカライズやHearthstoneの開発において,Blizzardが大事にしてきたこととは
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印刷2015/10/08 00:00

インタビュー

「Hearthstone」開発者インタビュー。日本語でのローカライズやHearthstoneの開発において,Blizzardが大事にしてきたこととは

画像集 No.004のサムネイル画像 / 「Hearthstone」開発者インタビュー。日本語でのローカライズやHearthstoneの開発において,Blizzardが大事にしてきたこととは
 Blizzard Entertainmentが,2015年10月3日に日本語版を発表したオンラインカードゲーム「Hearthstone: Heroes of Warcraft」PC / iOS / Android)。その発表から2日後の10月5日に,本作のエグゼクティブプロデューサーであるHamilton Chu(ハミルトン・チュー)氏に,短い時間ながらもインタビューを行う機会を得た。

 今回のインタビューでは,日本語ローカライズに関連する話や,プレイヤー目線で現状のゲームバランスなどについて聞いてきたので,ぜひご一読いただきたい。

関連記事:「Hearthstone」のスペシャルイベントが開催。日本語版のリリースと起用声優陣が発表されたトークセッションの模様をレポート

関連連載:Hearthstoneで勝ち抜くためにいますぐあなたが学ぶべきこと

「Hearthstone: Heroes of Warcraft」公式サイト



フィーリングを大事にした日本語ローカライズ


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まずは,簡単に自己紹介からお願いします。

画像集 No.002のサムネイル画像 / 「Hearthstone」開発者インタビュー。日本語でのローカライズやHearthstoneの開発において,Blizzardが大事にしてきたこととは
Hamilton Chu氏(以下,Chu氏):
 私は,Hearthstone全体に関わるエグゼクティブプロデューサーとして働いています。開発,マーケティング,コミュニティなどの各部門を統括する人を,さらに統括するといったような立場だとお考えください。

4Gamer:
 先日,遂にHearthstoneの日本語版が発表されましたが,Blizzardが日本のパブリッシャなどを介さずに,日本で直接サービスを展開するのは初めてのことですよね。

Chu氏:
 HearthstoneというIPについては,自社で直接展開していきたいという気持ちがありました。ただ,日本でイベントなどを行うときは,SANKOさんと協力していく予定です。

4Gamer:
 日本のプレイヤーについては,どういった印象をお持ちですか。

Chu氏:
 日本のプレイヤーは,非常に情熱的かつ献身的にずっとゲームを遊んでくれる人が多いと感じています。

4Gamer:
 日本ではスマートフォン向けのカードゲームも多く登場していますが,そのなかでHearthstoneはどのような層がターゲットになると考えていますか。

Chu氏:
 Blizzardのゲームはプラットフォームが何であれ,ゲームそのものが好きというゲーマーの方々に遊んでいただきたいと考えています。

4Gamer:
 現在,Hearthstoneを遊んでいる日本のプレイヤーはどれくらいいるのでしょうか。

Chu氏:
 具体的な数は開示していないのですが,ローカライズされていない英語版にも関わらず,多くのプレイヤーに遊んでいただいており,非常にありがたく思っています。なので,今回日本語版をリリースすることで,さらに多くの日本人に遊んでもらえるのではないかと期待しています。

画像集 No.005のサムネイル画像 / 「Hearthstone」開発者インタビュー。日本語でのローカライズやHearthstoneの開発において,Blizzardが大事にしてきたこととは

4Gamer:
 日本語へのローカライズで,苦労されたことはありましたか。

Chu氏:
 もちろん,挙げればキリがありませんが,なかでも苦労したのは音声の翻訳です。Hearthstoneではフィーリングを大事にしており,とくにユーモアな言い回しをどう訳すかという部分に多くの時間をかけております。他の国へのローカライズでも,同様の部分で苦労したのですが,それは日本も例外ではありません。

4Gamer:
 確かに,ミニオン召喚時などのボイスは印象的ですよね。

Chu氏:
 はい。Hearthstoneに出てくるキャラクターは,どれも個性的かつバラエティに富んでいるので。例えば,Jaraxxusとかは非常に面白いキャラクターですし,そういったキャラクターを活かせる声優さんを選ぶということは,とても大切なことです。



“誰にでも分かるルール”が成功の要因


4Gamer:
 Hearthstoneはルールが非常にシンプルで,普段カードゲームを遊ばない人でも入りやすい作りになっていると感じます。開発において,やはりその点は意識されたのでしょうか。

画像集 No.003のサムネイル画像 / 「Hearthstone」開発者インタビュー。日本語でのローカライズやHearthstoneの開発において,Blizzardが大事にしてきたこととは
Chu氏:
 おっしゃる通り,ゲームのルールはすごくシンプルにしてあります。カードゲームはルールの難しさなどで敬遠されがちなジャンルでもあります。私達は,どうやったらカードゲームの面白さをより多くの人に伝えられるのかということを,いつも話し合っています。

4Gamer:
 Blizzard社内には,カードゲーム好きが多いのでしょうか。

Chu氏:
 もちろんです(笑)。Blizzardのスタッフは,皆カードゲームが大好きな人ばかりで,私自身も「マジック:ザ・ギャザリング」をアルファ版から遊んでいるプレイヤーです。

4Gamer:
 初心者にもプレイしやすいゲームを目指すうえで,工夫した部分を教えてください。

Chu氏:
 例えば,カードを選ぶ時にカードの端が緑色になるとか,大きな矢印が出るとか,誰が遊んでもぱっと見で何をすれば良いのか分かるようにする,ということを大切にしています。そして,そういった部分こそ,Hearthstoneが世界中で遊ばれている一因であると考えています。

4Gamer:
 Hearthstoneは,ほかのカードゲームと比べてもランダム要素が強い印象を受けます。大会でも,プレイヤーがランダムの結果に一喜一憂する姿が多く見られますが,そのようなゲームデザインにした意図を教えてください。

Chu氏:
 理由は大きく分けて2つあります。1つ目は,「見ていて楽しい,やっていて楽しい」という面白さの部分です。ランダムにミニオンを召喚する効果によって,強力なカードが出てきた瞬間は,非常にワクワクしますよね。


4Gamer:
 実際,Piloted ShredderからDoomsayerが召喚されてしまった時はエライことになりますよね(笑)。

画像集 No.009のサムネイル画像 / 「Hearthstone」開発者インタビュー。日本語でのローカライズやHearthstoneの開発において,Blizzardが大事にしてきたこととは

Chu氏:
 2つ目は,ランダム要素によってより深いプレイングスキルが要求されるからです。例えば,Piloted Shredderからランダムで召喚されたミニオンが何であるかによって盤面が変わるので,瞬時にそれを判断し,戦略を立て直さなければならなくなりますよね。日本代表のKno選手と韓国代表のKranich選手の試合はご覧になりましたか。

4Gamer:
 はい。最初から最後まで見ていました。

Chu氏:
 最終ラウンドの一番最後のターン,それが先ほどの話の最も良いサンプルになります。あのターン,Kno選手はDreadscaleのミニオン全体に1ダメージを与える効果でBoom Botを爆発させ,Kranich選手に6点のダメージを与えることに賭けたプレイを行いました。次のターンがあるか分からない状態で,短い時間であの行動を考えついて計算して選択し,実行できるという点は,まさにプロレベルの選手のスキルの高さであると考えています。

4Gamer:
 なるほど。確かにあれはプレイヤースキルの高さが垣間見えた,非常に印象的なシーンでしたね。

Chu氏:
 私がそれを考えている時に,Kno選手は既に実行していました(笑)。

4Gamer:
 高いスキルが必要なデッキというと,Patron Warriorというデッキがありますよね。あのデッキも計算が難しいデッキですが,Blackrock Mountainのリリースから現在まで,ずっとTop Tierのデッキとして存在感を示し続けています。プレイヤーの間でも「いつNerf(弱体化)されるのか」ということが話題になりますが,あのデッキに対してどのような印象をお持ちでしょうか。

※ダメージを受けて生き残ることで,新たな自分を召喚するミニオン「Grim Patron」を軸としたコンボデッキ。自ミニオンにダメージを与える手段とシナジーが豊富なWarriorと相性が良く,Blackrock Mountainのリリース以降,現在までプロプレイヤーのデッキ格付けでも常に最上位に位置づけられ,ランクマッチからトーナメント戦まで幅広く使用されている。

画像集 No.010のサムネイル画像 / 「Hearthstone」開発者インタビュー。日本語でのローカライズやHearthstoneの開発において,Blizzardが大事にしてきたこととは
Chu氏:
 プレイヤーに思われているほどパワフルなデッキではないと感じています。Patron Warriorデッキは非常に人気がありますが,だからといって人気とデッキの強さが必ずしも比例するわけではないと考えています。
 Patron Warriorはトーナメントでもよく使われるデッキなので,おそらくそれを見ているプレイヤーに強いデッキという印象を与えているのかと思います。ただ,皆さんがこのPatron Warriorというデッキについてどう思っているか,ということは非常に大事なことなので,引き続きPatron Warriorというデッキに注視しながら,今後どうしていくかを決めていきたいと思います。

4Gamer:
 カード単位だと,Emperor Thaurissanなども非常にパワフルなカードですが,あのカードによってMalygos Warlockなどの新しいデッキタイプが生まれましたね。

Chu氏:
 おっしゃるように,Emperor Thaurissanは非常に強いカードで,さまざまなデッキを生み出す要因となりました。また,あのカードは先ほどお話した“ランダム性”もありますよね。例えば,Druidを使用した相手がEmperorの効果を使った時,Force of natureSavage Roarが手札にあるかないかによって,結果が大きく変わります。そうした部分で,先ほどお話したようなことにもつながってくるカードなのかと思っています。

4Gamer:
 話は変わりますが,新モードである“Tavern Brawl”を実装した意図についても教えてください。

Chu氏:
 良い質問ですね。これは,デッキを作るのが面倒な人だったり,普段とは違うルールを楽しみたい人だったりと,広範囲のプレイヤーに遊んでもらえるようなモードを目指して開発しました。また,今までのランクマッチはマンスリーベースのものでしたが,毎週新しいことが行われるモードを提供したかった,という意図もあります。

4Gamer:
 “Tavern Brawl”では,1勝するとカードパックを1つもらえますが,あれは初心者救済的な意図も含んでいるのでしょうか。

Chu氏:
 そういった面もあります。そして,初心者の方でも気軽にトライしてもらえるようなデザインにしています。1回プレイして,ちょっと味見をして,気に入ってもらえたら引き続き遊んでもらう――といった感じで,気軽に楽しめるコンテンツに仕上がっているはずです。

画像集 No.011のサムネイル画像 / 「Hearthstone」開発者インタビュー。日本語でのローカライズやHearthstoneの開発において,Blizzardが大事にしてきたこととは


日本プレイヤーの推奨サーバーはAsia? それともNorth America?


4Gamer:
 また話は変わるのですが,今回の日本語版のリリースにあたって,日本人のプレイヤーの中で,今後の大会がAsiaサーバーで行われるのではないか,という憶測が飛び交っています。日本のプレイヤーは今後どのサーバーでプレイすべきなのか,といったことについてBlizzardの見解を教えてください。

画像集 No.012のサムネイル画像 / 「Hearthstone」開発者インタビュー。日本語でのローカライズやHearthstoneの開発において,Blizzardが大事にしてきたこととは
Chu氏:
 これは社内でもよく議論される内容です。現状,多くの日本人のプレイヤーはNorth Americaのサーバーで遊んでいますので,そちらのサーバーのほうが親しみやすいのかもしれません。
 一方,Asiaサーバーであれば時差の問題が少ないため,より適切なマッチメイキングを行いやすいといったメリットもあります。BlizzardとしてはAsiaサーバを推奨してはいますが,サーバーの選択については,プレイヤーにとってよりプレイしやすいサーバーを選んでいただければと思います。

4Gamer:
 では,大会参加時のデッキ資産の問題についても教えてください。例えば,今後Asiaサーバーで大会が行われることになると,North Americaのサーバーで遊んでいるプレイヤーはデッキを持っていない状態になる()と思うのですが,そういったプレイヤーに対してBlizzardが大会用にアカウントを貸与してくれる,といった可能性はあるのでしょうか?

※Hearthstoneのプレイヤーデータはサーバーごとに保存されるため,North AmericaサーバーのプレイヤーがAsiaサーバーで遊ぶとなると,最初からやり直すことになる

Chu氏:
 これについては,今までのように別のサーバーの大会に参加しづらいといった問題はあるかと思います。ただし,今回の日本語版へのローカライズにあたって,このことがあまり問題にならないように現在解決策を検討中です。

4Gamer:
 North Americaプレイヤーのカード資産が,無駄にならないことを期待しています。最後にこの記事を読んでいるファンに向けて一言お願いします。

Chu氏:
 まずは,言語の問題があったにも関わらず,これまで遊んでくれてありがとうございます。かつ,イベントにも来てくださったり,交流してくださったりと,本当に感謝しています。これから日本語版もリリースされますので,今後ともよろしくお願いします。
 日本語の公式フォーラムも用意しますし,日本だけのコミュニティマネージャーも配属しますので,皆さんからのご意見・ご要望についても積極的にヒアリングしていければと思います。

4Gamer:
 日本語版のリリースと今後の展開を楽しみにしています。本日はありがとうございました。

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 ローカライズが行われる前から多くの日本人に遊ばれているHearthstone。英語テキストのカードゲームということで敬遠していた人にとっても,今回の日本語版のリリースは,Hearthstoneが世界中で遊ばれている理由に触れる良いきっかけになるはずだ。日本語版は10月下旬にリリース予定となっているので,その日を楽しみに待ちたい。

「Hearthstone: Heroes of Warcraft」公式サイト

「Hearthstone: Heroes of Warcraft」ダウンロードページ

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