OculusがVRヘッドマウントディスプレイ「Rift」のスタンドアロン版を発表

　北米時間の2016年10月5日から7日まで米国カリフォルニア州サンノゼ市で開催されている，Oculus VRのイベント「Oculus Connect 3」にて，FacebookのMark Zuckerberg（マーク・ザッカーバーグ）氏が基調講演に登壇し，ヘッドマウントディスプレイ「Rift」のスタンドアロン版を開発中であることをアナウンスした。



　現時点で詳細は明らかになっていないものの，見る限り後頭部にプロセッサユニットやバッテリーがまとまっていたので，外部に接続するケーブルが一切ないワイヤレスモデルとして開発を進めているようだ。ザッカーバーグ氏によると，現状の外付けカメラセンサーを使った「Outside-In Tracking」システムではなく，GearVRのような「Inside-Out Tracking」を使う方向に進化しているとのことだ。

Oculus Connect 3の基調講演に登壇したFacebookのCEO，マーク・ザッカーバーグ氏。ゲーム開発に，今後も2億5000万ドルの投資を行っていくとのことで，VRゲームのデベロッパ達は大歓声を上げていた

　基調講演で，ザッカーバーグ氏は「（GPSによる）内側からのトラッキングもできるので，外に持ち出せるようになる」と述べており，まるでAR（Augmented Reality）対応デバイスであるかのような表現を使っていたのが印象的だったが，果たしてどのよう使い方を想定しているのだろうか。ザッカーバーグ氏は，この講演で何度か「The Great Software Experiences」（素晴らしいソフトウェア体験）をモットーのように繰り返しており，集まったコンテンツクリエイター達を鼓舞していた。

　スタンドアロン型のVRヘッドマウントディスプレイ市場は，GearVRやDaydream以外にもモバイルデバイスと組み合わせるタイプが次々と参入してきているほか，「PCとモバイルVRの折衷型」機器をIntelやQualcommなどが開発中であるという情報がある。それだけに，Facebook＆Oculus VR陣営もゆっくりとはしていられないはずで，それほど遠くない将来にスタンドアロン版がリリースされることに期待したい。

「Rift」公式サイト