ここはHistoire caraméliséeが開発する述べるゲーム「和紙」のブースで,人形は同作に“出演”したものだ。
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「読むパペットアニメーション」「シリアス民俗ホラー乙女ゲーム」を謳う「和紙」では,臨月の女性ミナが,流産したばかりの友人エリコの住む旧家を訪れ,そこで怪異に遭遇する物語が描かれる。
全13話のシナリオがあり,物語途中の選択によって結末が変わる……というシステムは一般的なノベルゲームと変わらないが,印象的なのは,作品全体から発せられる不穏な空気だ。
「臨月の女性が流産したばかりの友人に会いにいく」という冒頭のシチュエーションだけでもそれを察せられるかもしれないが,それだけでは終わらない。ミナが身ごもっている子の父親が誰なのか,なぜエリコが流産したのかといったことが,そうあってほしくなかった形で明かされる。そこに絡んでくるのが,この地に伝わる因習だ。
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そして,登場人物である人形たちも,その雰囲気の演出に一役買っている。一見無表情なのだが,シーンによっては怒っているようにも,悲しんでいるようにも感じられて,それ自体が一種の怪異に思えてくる。
ブースにいた開発者のcaraさんにその感想を伝えると,和紙特有の質感や皺が,光の当たり方によってさまざまな表情を生み出すのだと説明してくれた。顔が上を向くか下を向くかでも,印象は大きく変わるという。確かに,なめらかな素材でできた人形よりも,陰影は強くなりそうだ。
そんな和紙の使い方の分かりやすい例として,ゲーム中の背景(下の写真)がある。山脈のような形に切った和紙を貼り合わせ,後ろから光を当てているのだが,稜線付近が濃くなっているグラデーションは,色を塗ったものではない。
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稜線付近は和紙が密着しておらず,若干浮いているので,光が透過しづらく,色が濃くなっているのだという。実際,光に透かさないと“皺だらけの紙”にしか見えない。
このように,caraさんは本作のビジュアル制作にあたって,「絵を描く」ことはしておらず,ほぼすべてを和紙で表現している。
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和紙を使ったの工夫はほかにもある。ミナとエリコの髪型が違うのはひと目で分かるが,よく見ると“髪質”も異なっていることに気付くだろう。ミナに比べると,エリコの髪は若干毛羽立っているのだ。エリコの「猫っ毛」を表現するため,和紙を切りづらい方向に切っているのだという。
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いろいろあってそちらの活動は休止していたそうだが,あるきっかけで再び作品を作りたいと思い始めたところに,新しいPCが手に入ることになり,ゲーム作りを始めたとのこと。かつて舞台で脚本や音楽を手がけたこともゲーム開発に生きているそうで,caraさんにとってのゲームには「1人で作れる舞台」という感覚もあるようだ。
ゲームそのものはもちろん,ブースの作り方などからも,ほかの出展ブースとは違う雰囲気が感じられたのは,そんなcaraさんの経歴から来るものかもしれない。caraさんのように,これまでゲームとは縁遠かった人が入ってくると,インディーゲームはさらに多種多様な盛り上がりとなりそうだ。




























