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欧米では昨年(2006年)に発売されたブラッドマネーは,2000年に初登場した「Hitman: Codename 47」(邦題 ヒットマン コードネーム47)に始まるシリーズ4作目に当たる。殺し屋を主人公として暗殺を目的とするアナーキーさ,さまざまな暗殺方法がとれる自由度の高さ,そして全編を覆うダークなムードにより,第一作こそ「ちょっと変わったゲーム」といった感じだったものの,続く「Hitman2: Silent Assassin」(邦題 ヒットマン2 サイレントアサシン)が大ブレイク。筆者も,「仲居さんをアレして彼女に変装しようと思ったができなかった。くー,残念!」という温かい思い出を持っていたりするが,まさに大ヒットマンになったのである。
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とはいえ,鳴り物入りで登場した第三作「Hitman: Contracts」(邦題 ヒットマン:コントラクト)は,いろいろな理由から高い評価を得られず,発売直後にパブリッシャのEidos InteractiveがSCi Entertainmentに吸収合併されてしまうなどのゴタゴタもあったりした。筆者も,「メイドさんをアレして彼女に変装しようとしたができなかった。くー,残念」という温かい思い出を持っているが,それはともかく,つまりこのブラッドマネーは,(やっぱり女装はできないのだが)シリーズの復活をかけた起死回生の一作だったのである。ちなみにこのあたりの事情は,同じくEidosの2枚看板の一つだったトゥームレイダーシリーズと時期的にもよく似ている。
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ゲームは,47号のここ数年のミッションを回顧する形で進んでいき,最後に彼が現在進行中の陰謀と交錯するという趣向になっている。舞台となるのはコロンビアの山中や,パリのオペラ座,アメリカのニューオーリンズなどロケーション豊富で,ターゲットもまた,一癖も二癖もありそうな悪い連中ばかりだ。
上記したように,目的は「ターゲットの暗殺」の一点だけであり,それを達成するためにどんな手段をとってもかまわないのがブラッドマネー(というかヒットマンシリーズ)の大きな特徴。高性能ライフルを片手に乗り込み,当たるを幸いなぎ倒して目標をしとめてもいいし,スニークを駆使してこっそり手にかけるのも自由自在だ。とはいえ,ミッションの最後にプレイヤーの評価が行われ,あんまり無関係な人を倒しまくると「サイコパス」になってしまう。だからといってゲームオーバーになるわけではないが(それはそれで楽しかったりする),殺し屋としては全然ダメということだ。したがって,狙うは至高の称号「サイレントアサシン」。誰にも見られることなく証拠も残さず,事故に見せかけて目標をひっそり暗殺することがベストなのである。
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高い評価を得ることで,高い報酬が得られる「報酬システム」が採用されているのもブラッドマネーの特徴の一つだ。報酬によって高性能の武器やアイテムを購入できるのだが,それ以外にも,「目撃者の口封じ」「新聞社/警察への賄賂」という目的にも使用できる。ミッションが終了すると,翌日の新聞にその事件が掲載されるのだが,「デルガド氏が事故死」といったようなものが理想。だが,あんまりうかつなことばかりして,「スキンヘッドの殺し屋,デルガド氏を殺害」といった記事に写真まで掲載されてしまうと,続くミッションで警察や民間人の追求が厳しくなってしまうわけだ。そのため,「まあこれで,一つ音便に,へへへ」というお金を関係者に配るという設定なのだが,孤高の凄腕殺し屋の違う一面を見たようで,興味深いものがある。
こうした遊び心もまたブラッドマネーの特徴であり,さらにはターゲットのデカダンぶりやストーリー展開など,かなり“分かっている”大人向けに作られている印象が強い。
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デベロッパは,シリーズを通してデンマークのIO Interactive。現在は11月の発売が予定されている「Kane & Lynch: Dead Men」の開発も大詰めだろうが,こちらもブラッドマネーと同様,アメリカ製のゲームとは一味違ったムードが「さすが変だぜヨーロッパ」という感じで,期待の一本だ。
昨年のリリースなので,すでにプレイしたという読者も多いかもしれないが,テキスト量がそれなりに多く,物語がやや入り組んでいるブラッドマネーの日本語化は非常に嬉しい話だ。ちなみに,OSとしてWindows Vistaには対応していないので,そのへんはちょっと注意。
さて,筆者もこれまで「よく分からないけど悪そうな顔をしているから殺す」というスタイルでゲームを進めていたものだが,今後は誰をやっちゃったらいいのか,どんな理由でやっちゃうのか,という疑問もあっさり氷解することだろう。英語版だからなあ,といって遠慮していた人はぜひ11月30日を楽しみにしてほしい。
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