スウェーデンのEmbracer Groupが，3D Realmsなど8つのスタジオ買収を発表

　スウェーデンのEmbracer Groupは，現地時間2021年8月4日に開催したオンラインプレスカンファレンスで，3D Realmsなど新たに8つのスタジオを傘下に加えたことを明らかにした。

Eight Announced Acquisitions Contribute an Estimated SEK 2,000-3,000 Million in Net Sales and SEK 350-550 Million in Operational EBIT During FY2022/23

　2008年にスウェーデンのカールスタードで設立されたゲームメーカーNordic Gamesは，2016年に倒産したTHQのIPを買い取ってTHQ Nordicに名称を変更。これまでもKoch Media/Deep SilverやCoffee Stain Studios，Saber Interactiveなどのメーカーを次々と買収して拡大を続けており，2021年2月には「ボーダーランズ」シリーズでおなじみのGearbox Entertainmentを傘下に収めた。Embracer Groupは，これらを統括するために2019年にスタートした持ち株会社だ。

　Embracer Groupには現在，8つのオペレーティンググループを保有しているが，3D RealmsとSlipgate Ironworkdは，コアゲーマー向けのタイトルを制作するSaber Interactiveの傘下に，また2018年に「11-11（イレブン イレブン）Memories Retold」をリリースしたフランスのDigiXartと，VRゲームを専門にするVertigo GamesはKoch Mediaの傘下に，さらにイスラエルのCrazyLabsはモバイルゲームにフォーカスしたDECA Gamesの傘下に入ることなどが発表されている。
　これまでと同様，総勢560人におよぶ開発者は解雇されることなく業務を継続するという。


　Embracer Groupについては，3月8日に掲載した連載記事「姿を消していく欧米の中堅デベロッパ」でも詳しく紹介しているが，Gearbox Entertainmentの買収を発表した時点で40か国に59のスタジオを持ち，総勢5500人の従業員を擁していたことが発表されていた。
　今回のプレスカンファレンスではこの数字が，77スタジオ，8000人に増えており，ゲーム業界でも屈指の勢力に成長を遂げたことが分かる。8月25日の開幕が予定されている「gamescom 2021」では，傘下に入ったスタジオから数多くの新作が発表されるだろう。

Embracer Group公式サイト