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[インタビュー]「FFXIV: 黄金のレガシー」のリリース間近。吉田直樹氏に新ジョブや新フィールドなどのコンセプトなどを聞いた
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印刷2024/06/06 19:00

インタビュー

[インタビュー]「FFXIV: 黄金のレガシー」のリリース間近。吉田直樹氏に新ジョブや新フィールドなどのコンセプトなどを聞いた

 スクウェア・エニックスは,2024年7月2日に「ファイナルファンタジーXIV」の最新拡張パッケージ「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」PC / PS5 / PS4 / Mac / Xbox Series X|S)をリリースする。
 多くの光の戦士は,予約特典のアーリーアクセスで6月28日のスタートを考えていると思うので,6月に入って「いよいよ!」といった心持ちなのではないだろうか。

画像集 No.002のサムネイル画像 / [インタビュー]「FFXIV: 黄金のレガシー」のリリース間近。吉田直樹氏に新ジョブや新フィールドなどのコンセプトなどを聞いた

 さて,その発売を前に,恒例のメディアツアーが5月15日から17日にかけて実施された。新ジョブや新フィールドのプレイレポートは別の記事で見てもらえればと思うが,ここではそれら新要素を含め,黄金のレガシーについてプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏に聞いたインタビューをお届けしよう。

※インタビュー当時のゲームのバージョンは最終調整前のものであり,リリース時には大きく変更される可能性があります。

――2024年5月17日収録


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[2024/06/06 19:00]
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[2024/06/06 19:00]
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素早いテンポで斬撃が楽しい「ヴァイパー」,絵の描写と具現化に工夫のしがいがありそうな「ピクトマンサー」


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。「FFXIV: 黄金のレガシー」で,新ジョブの「ヴァイパー」と「ピクトマンサー」が追加されます。改めて,それぞれのコンセプトを教えてください。

画像集 No.010のサムネイル画像 / [インタビュー]「FFXIV: 黄金のレガシー」のリリース間近。吉田直樹氏に新ジョブや新フィールドなどのコンセプトなどを聞いた
吉田直樹氏(以下,吉田氏):
 新ジョブの追加は,拡張パッケージの中でも花形のアップデートです。ですから,これまでの拡張パッケージでも,もっともプレイヤーが触れてくれやすいDPSを必ず1ジョブは入れてきました。忍者と装備を共有できる近接物理DPSを1つ,そして今回はロール内のジョブ数を考え遠隔魔法DPSに決め,DPSロールを2ジョブ実装ということになりました。

4Gamer:
 なるほど。たしかに「漆黒のヴィランズ」ではDPSの「踊り子」とタンクの「ガンブレイカー」,「暁月のフィナーレ」ではDPSの「リーパー」とヒーラーの「賢者」で,今回はDPSとDPSになるわけですね。

吉田氏:
 そうして近接物理DPS,とくに忍者の枠に該当するロール内のジョブでと考えたときに,世界中で「二刀流を使いたい」「一撃一撃が重いよりも素早い攻撃で」というリクエストが多かったので,そこを素直に行こうとなったのが「ヴァイパー」です。
 遠隔魔法DPSはというと,いろいろなアイデアはもちろん出ているのですが,シリーズの中でも印象的ではあるけれど,意外と登場回数が少ない「ピクトマンサー」が最有力候補だったのです。

4Gamer:
 武器と言えば,刀やレイピアこそありましたが,これまで広刃タイプの剣を使うのはタンクのみでした。DPSの剣使いはずっと望まれていましたよね。

吉田氏:
 はい。それから,二刀流剣士と言えば,やはり手数が多いほうが皆さんの好みであろうということから,とにかくスキルローテーションを回していくと攻撃が加速していく,それによりどんどん気持ち良くなって自分自身のテンションも高まっていく,そういったところがイメージのスタート地点でした。

4Gamer:
 1GCD(グローバルクールダウン)に2回のアビリティを挟めますし,モーションやエフェクトも相まってめちゃくちゃ速いなと思いました(笑)。

吉田氏:
 FFXIVは,どうしてもGCDの影響を受けるシステムなのですが,ヴァイパーはその中でスピード感が増していく,アクションによってテンポが変わるというコンセプトです。ヘイストの効果でウェポンスキル(WS)のGCD自体も速くはなりますが,それだけではなく合間にアビリティを挟み込むことで,テンポ良く,ほかのジョブよりも速く見えるというところを目指しています。

 また,グラフィックス面でも,一撃あたりの剣戟のモーションスピードをできるだけ速くして,エフェクトもできるだけ細かく出す。音も重いほうが手ごたえは出やすいのですが,重くするには(動きの)遅さも必要なので,そのあたりの調整でかなり苦労はしました。

4Gamer:
 音の重さと動きは戦士との比較が分かりやすそうですね。

吉田氏:
 漫画でもアニメでもそうなのですが,やはり止め/決めというところが一番絵的な手ごたえが出しやすい。止めや決めをモーションで見せたいところですが,そうするとゲームとしての速さを失いますし,連撃を回し続けるということはそれらが作れません。ですから,「祖霊降ろし」からのすべてのローテーションを回し切ったときに決まる,ということを意識して,フィードバックを出し合いながら作りました。苦労した分だけ手ごたえは大きかったです。

4Gamer:
 2回のアビリティを挟むというのは,ほかのジョブにはない感覚ではありました。

吉田氏:
 (ほかのジョブでも)プレイヤーテクニックでGCD間が詰まってくるから,2つのアビリティを挟みたい,挟まなきゃいけないという瞬間はありますが,ヴァイパーは最初から2つを(GCD間で)詰めるのが前提になっていますので,ヘイストで高速になりつつも,2つのアビリティを挟めるという部分はきっちりと作っています。

4Gamer:
 その2つのアビリティですが,PROC(強化などが発動中のアクション)の発生する順番が交互に入れ替わるので,ときおり押し間違えてしまって(笑)。手になじませるには少し慣れが必要だと感じました。

吉田氏:
 そうですね。それに加えて,バトルコンテンツでは,ボスの状態もしっかり見極める必要があります。単純にただローテーションを回すだけであれば,そんなに難しくないと思うのですが,テンポの速さにのめり込みながらキャラクターを操作して,ボスギミックを見なければならない。そこが全部パーフェクトになると,より没入感が増すと思います。

4Gamer:
 さらに側面,背面指定のWSもありますし。

吉田氏:
 多いわけではなくて,側面/背面で決めになる部分が存在しているみたいな感じだと思っていただければ(笑)。

4Gamer:
 WSの名前を見ると,どちらか分かりやすくて便利です(笑)。一方,WS回しのルートがいく通りもあって,どれが最適なんだろう? と迷うこともありました。

吉田氏:
 考えなければいけない基本は3つです。自分のヘイストが切れていないかどうか,セルフバフと敵に対してのデバフがちゃんと更新されているかというところだけですので,ぜひ練習してみてください。

4Gamer:
 バフについては,これまでに比べて更新が楽になったというか,余裕があるようにも感じました。

吉田氏:
 ボスではなくて,バフとデバフアイコンだけを凝視するというのは避けたく,モンクもそれで調整を入れています。できるだけ枠が光っている(PROCしている)順番に押していけば良く,どっちも光っているならどちらでも別にいいくらいの気持ちで始めていただければ大丈夫だと思います。

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4Gamer:
 一方,「ピクトマンサー」ですが,これまでにないジョブですね。試遊ではとても楽しめました。

吉田氏:
 ありがとうございます。「ピクトマンサー」と聞くと,やはり絵を描くという部分になりますが,オリジナルではどちらかというとコピーに近い能力()なんです。これをそのままFFXIVに持ってくると,単純に敵の能力をコピーするだけに限定されてしまいます。

※出現中の敵を描いて,その敵が使う技を発動させる

4Gamer:
 ボスの場合は,それこそ1種類の絵しか描けなくなりますね。

画像集 No.012のサムネイル画像 / [インタビュー]「FFXIV: 黄金のレガシー」のリリース間近。吉田直樹氏に新ジョブや新フィールドなどのコンセプトなどを聞いた
吉田氏:
 それであれば,異なるタイプの絵を描いて,それぞれ実際にイメージを具現化して「能力を引き出す」「自己を強化する」みたいなところへ,しっかりと拡大していこうという話から生まれた感じですね。
 これまでに3ジョブ分のキャスターを作ってきた中で,それぞれの特徴は分かっているつもりですし,逆にコンテンツを作ったときにキャスターが一番しんどくなる局面というのも分かっています。
 ですので,今回はキャスターをゼロから作ることもあり,「必ずこのローテーションで回していかないとダメ」ではなくて,どのタイミングで何を使いたいのか,それこそリキャストさえ溢れさせなければ良いという感じで,最初の設計から詠唱のないアクションで移動を稼げる余地,自由度を考えています。そういう意味だと,完成度は高いと思いますし,コンテンツによって合わせ方も研究していただけるのではと思っています。

4Gamer:
 戦闘中は絵を描写するためのタイミングも推し量る必要がありますし,どこで具現化するのかは重要ですね。とくに「迅速魔」は絵の描写で使いたいと思えました。

吉田氏:
 そうですね。レベル100の時点で「迅速魔」のリキャストが40秒になっているので,どこで切るかみたいなところも含めて,意外と詠唱,詠唱という感じではなくて,気持ち良く戦っていただけると思います。
 あとはボスが攻撃を止めて,移動しているタイミングであえて絵を描くとかですね。当然ですが,絵を描く,つまり詠唱時間は火力がゼロなのですが,その分だけほかのアクションに火力を充当しているので,「絵を描くタイミングがあるから火力が出ない」にはならないように作ってあります。

4Gamer:
 その分だけ,クールタイム明けのどこで,どの絵を描けるのかが腕の見せどころになってきそうですね。

吉田氏:
 ええ。単純にローテーションだけというわけじゃなく,コンテンツに合わせて,ちょっとずつ(プレイヤーが)調整していくはずなので,そのあたりは感覚的に黒魔道士にも近いところはあると思っています。

4Gamer:
 それと,見た目がいいというか,楽しいですよね(笑)。

吉田氏:
 魔法も派手ですし,(これまでのジョブと)毛色が違う気はするんだけれど,絶対になじまないわけでもないギリギリの線を一生懸命作ったので,ポップで楽しんでいただけると嬉しいです。

4Gamer:
 あとは色魔法の詠唱でパレットに点灯するホワイトペイントをすぐに使うのか,ストックしておくのか,色調を変えて強力なブラックペイントに変化させておくのかと,工夫しがいがあると感じました。

吉田氏:
 どうしても詠唱時間が稼げないタイミングのためにストックしておく感じですね。ただ,最後に残った状態になっているのが一番良くないですから,溜めすぎたらどこで吐くかを考えるわけです。それこそ,連続移動しなきゃいけないときに,ハンマー3連と一緒に全使いしてみたりですね(笑)。そうした組み立ては,すごく柔軟だと思っているので,色いろいろお試しいただければ,と。

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達成感のある新しいギミック制作への挑戦


4Gamer:
 既存ジョブについては,5月16日のプロデューサーレターLIVE(PLL)配信でも話していましたが,わりと正統進化という感じですね。

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吉田氏:
 はい。より明確になってくるのはパッチ7.1以降だと思いますが,僕らがバトルコンテンツを作るルールを改めて面白さに振ろうと思っているんです。
 というのも,これまで長く開発経験を積んできたことや,たくさんのプレイヤーからフィードバックをいただいてきたこと,さらに若くて勢いのあるスタッフの多くがFFXIVプレイヤーから入っていたこともあり,できるだけ「このギミックは嫌!」と言われるのを避ける傾向になってきたなと。良い意味ではストレスフリーに遊べますが,悪く言えば新規性やチャレンジが足りなくなりつつあるかな,と感じていたのです。

4Gamer:
 なるほど。プレイヤーからの評価もそうですけど,自身の体験が制作に影響してきたと。

吉田氏:
 制作中においても,スタッフ同士がお互いに良い意味でのアドバイスをしたつもりが,枠にはめ込んでいる感じになっていました。例えばレイドであるギミックを作ろうとした場合に「以前プレイヤーからこういう風に言われたので,それは止めておいたほうがいい」と。
 ここで一足飛びに「止める」のではなく,そう言われないために周辺のギミックをうまく調整しようだとか,もう一度アイデアを膨らませて,こうやったら大丈夫じゃないかと考える必要があったと思うのです。「(不評だから)やめておこう」では,結局のところどこかで見たギミックばかりになってしまいます。もっともっと新しいアイデアで驚いてもらおう,楽しく挑戦をしてもらおう,という部分が減ってきてしまうので,そこを変えたいのです。

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4Gamer:
 時には怒られるかもしれないけど,開発チームにも挑戦や冒険は必要だと。

吉田氏:
 はい。お叱りを受けることも出るとは思うのですが……。コンテンツをクリアしたときの達成感は,どこかで見た/経験したギミックの集合体をクリアしたときよりも,新しいギミックや謎をクリアして「俺たち,やれたね!」となったほうが絶対に達成感があると思っているんです。

4Gamer:
 それは間違いなくそうでしょうね。

吉田氏:
 改めて「面白さ優先で行こう!我々も,もっとチャレンジしていこう!」としている今,使っているジョブのローテーションがめちゃくちゃに変わっていて,感覚も概念すらも違うとなると,さすがに混乱が大きくなるだろうと考えました。
 記念すべきレベル100到達でもあるので,パッチ7.0のジョブとしては,これまでやってきたことを正統進化させ,きっちりレベル100としてバランスの取れた状態にする。さらにジョブの個性を出していくのは,次の拡張からでいいという話をしています。

4Gamer:
 分かりました。ギミックという意味だと,試遊でプレイしたダンジョン「濁流遡上 イフイカ・トゥム」では,放射型の範囲がじわじわ移動していて「ついに動いた!」となりました(笑)。

吉田氏:
 7.0でもそれなりに新しい試みをいろいろやっています(笑)。
 とはいえ,ストーリーをクリアするまでのダンジョンは,デバフが1個くらい付いた状態で被弾しても,即ダウンしてしまう,というようなデータの付け方はしていません。ですので,ストーリーはこれまでどおり,気軽に楽しんでいける味付けです。
 ただ,エキスパートからは,ちょっと今までに見たことのないギミックが多いので,初見の場合はとくにこれまでみたいな「はいはい,これね」みたいな感じはしないと思います。数日通って慣れてくれば,だんだん「適度なスリル」くらいに落ち着くようなイメージでしょうか。

4Gamer:
 おお,クリア後のダンジョンも楽しみですね。

吉田氏:
 エキスパートダンジョンの,とあるマッチョなサボテンダーにはちょっとご注意ください。

4Gamer:
 あー,あれですか(笑)。

画像集 No.014のサムネイル画像 / [インタビュー]「FFXIV: 黄金のレガシー」のリリース間近。吉田直樹氏に新ジョブや新フィールドなどのコンセプトなどを聞いた
吉田氏:
 嫌な意味じゃなくて,良い感じで腹立ちますので(笑)。

4Gamer:
 同じダンジョンつながりだと,暁の2人がNPCで登場しましたが……わりとヒドイことしますよね。

吉田氏:
 そこに至る前に,どうしてああなるのかを楽しみにしていただければ。

4Gamer:
 公開された情報に,暁の面々が各陣営に分かれて競うとあったので,対立するのは自然なのですが,お互いがどんなスタンスなのかと思ったら,意外と本気というか(笑)。

吉田氏:
 今回試遊していただいたダンジョンは,ストーリー上に登場する最初のインスタンスダンジョン(ID)です。トラル大陸だったり,トライヨラだったり,登場人物だったりを紹介しながら,いくつかのミッションをこなして到達する場所で,序盤はしっかりと舞台設計の説明をダラダラしない範囲でやっています。その中で「あいつら,そこまでするのか!」というのが,まさにあのシーンですね。

4Gamer:
 なるほど。ジョブの話に少し戻ってしまうのですが,召喚士の新しいバハムートの名前が「ソルバハムート」で発表時のPLLがざわついていました。

吉田氏:
 今いるバハムートは,古代アラグが蛮神を喚び下ろすためにメラシディアの竜族を苦しめ続け,彼らがすがって喚ばせた偽物の天竜であるというのが,オフィシャルのメインストーリーで語られている内容です。ですので,(光の戦士が)そればっかり使っているのもどうなんだろう……というところが少しありました。
 (バハムートが封印されていた)ダラガブというと月の衛星であり,月をイメージするので,仮にあのバハムートをルナバハムートと呼ぶのであれば,光であるソル(太陽)がいてもいいよねというところから出てきています。

4Gamer:
 ああ,漆黒編に出てきた“ルナ”との対比というより,もともとの(蛮神の)バハムートなんですね。あれもバハムートが異形化したもの……だったみたいですけれど。

吉田氏:
 これ以上の設定は今は語らないです。いつメインに絡んでくるか分からないので……(苦笑)。

4Gamer:
 分かりました(笑)。でも,そういうバハムートに関するお話がストーリーにあったら嬉しいかなと思いまして。

吉田氏:
 悩ましいですね……。でも,ニュアンスと言いますか,今回行く地域がこれまで以上に触れてこなかった文化や多民族,多部族の価値観,死生観,宗教観みたいなところが,多く出てくるので,その中できっとこういうことなのかな,といった解釈がプレイヤーの皆さんのあいだで出てきても面白いと思っています。

4Gamer:
 なるほど。あと発表時は「“ソル”って,あの!?」みたいなことに(笑)。

吉田氏:
 ソル帝じゃないよ,と。それだけ好きになっていただけて,ありがたいのですが予想外でした(笑)。

4Gamer:
 英語表記だと「Solar」なので,「ああ,太陽からだな」というのは分かったのですが。

吉田氏:
 今回の大陸のイメージは,北米・南米大陸というところで,かなり勉強させていただきましたが,ソルは象徴として,いろんなところに使われているんですよ。

4Gamer:
 アステカの太陽崇拝とかは,まさにそれですよね。

吉田氏:
 これ以上は避けますが,そういうところも含めていろいろ連想したり,想像したりしてもらえると面白いと思います。

4Gamer:
 その意味だと,新フィールドもこれまでにない印象でした。遺跡のような場所がマチュピチュのようだったりして,すごく中南米を思い起こさせるもので。

吉田氏:
 そうですね。拡張パッケージを作るときは,やはりプレイヤーの皆さんが今まで行ったことのない地域に行ってみたいだろうし,僕らが今までに作ってきていないものを提示したいというところがあります。
 それに,北米・南米だけではなく,世界中のプレイヤーから「俺たちの国や町の要素はいつか登場しますか?」といった質問やリクエストは,よく言っていただけるんです。これまでメインだった「三大州」(アルデナード小大陸,イルサバード大陸,オサード小大陸)は,どちらかという直球ですからね。

4Gamer:
 現実の世界地図と照らし合わせて,まだこのあたりは出ていないから……という予想はありますね。南方大陸メラシディアはあのあたりかな?とか。

吉田氏:
 すでに一部ではありますが東方は出しましたし,もっと古い歴史だったり,地域だったり,いろいろな信仰に根差した考え方だったりが世界中にもっとあるので,新たな冒険の幕開けとして,それらをイメージの元にしたというところが大きいです。
 とはいえ,「写真で見たことがあるなー」くらいの感じで作ると,実際にゲームとして自分のキャラクターがそこに行ったときに,これは違うと感じると思います。やはり,それぞれの現実にある文化とか歴史,考え方を徹底的にリスペクトしたうえで,いろいろなインスピレーションを我々がもらわなければいけないので,そういうところはかなり勉強もさせていただきました。
 実際にそれらを専門にされている方々と対話をさせてもらったりもしたので,新しい世界とか感覚,天候も今までにない空気感を出せたのではないかと思います。

4Gamer:
 PLLでは「背景がすごくキレイだ」という感想が多かったです。

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吉田氏:
 今回はけっこうメリハリを付けています。今回メディアのみなさんに歩いていただいたフィールドが割と分かりやすいと思うのですが,PLLで木人を殴っていたようなオルコ・パチャに行くと空気が一段と冷たくなるというか,今までよりも澄んで見える。そこからさらに標高を上げていくと……というところは,けっこう意識して作りました。
 荒野も快晴は少ないようにして,常時ホコリというか,砂煙が上がっているみたいなことこそ,ここの雰囲気だろうと言って調整していたので,まさに夏休みだからこそ「いろんなとこに来たぜ」感は感じていただけるんじゃないかと思います。

4Gamer:
 そういえば,山のほうは火山帯になっていましたが,ふと見ると巨大な爪痕のようなものがあちこちに見えて気になるんですよね。

吉田氏:
 あれだけ分かりやすく刻まれた跡があるのだから,きっとその暴れたやつがいたんだろうな……みたいな(笑)。あのあたりはメインでも語られますので,そこは楽しみにしていただけると嬉しいです。

4Gamer:
 分かりました。あと,今回はBGMがすごくジャズ調のものが多いですよね。これはやはり今回の世界観に合わせたものなのでしょうか。

吉田氏:
 世界観というより,繰り返しになってしまいますが,さまざまな民族,さまざまな価値観や思想,宗教観,死生観というものが今回多数登場します。こうした要素をイメージした際に,たくさんの楽器や歌も含めて,セッションとして音楽ができ上がるジャズというジャンルの曲はどうだろう,と考えたとのことです。ここはサウンドの発注を担当している石川夏子(シニアストーリーデザイナー )と祖堅正慶(サウンドディレクター)がチャレンジした成果がトライヨラに出ています。

 僕は,これがめちゃくちゃハマっていると思っていて,音楽として聴けばメロディーとして聞こえてくるし,意識しなければ街のガヤにも聞こえてくる,そんな心地良さみたいなところがすごく出せていると思います。飽きも来ないし,邪魔をしないけど,ちゃんと聞こうと思えば聞けるという素晴らしいところに落ちているな,と。
 ほかにも冒険が進んでいくと,いろいろなジャンルの曲は出てきますので,BGMも楽しんでいただけると嬉しいです。

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次の10年に向けて,冒険者の新たな旅へ


4Gamer:
 さて,これから新しいストーリーが始まりますが,次の“サーガ”は何年くらいの長さを目指していくのでしょうか。

吉田氏:
 サーガが何年とはあまり考えておらず,まずは次の10年,20周年を目指します。前にも少し話したと思うんですけど,ハイデリン・ゾディアーク編というサーガは「暁月のフィナーレ」をもって綺麗にまとめ上げました。ですが,やろうと思えばクライマックスを引っ張ることはできたのです。「いまは調子がいいから,2〜3本先の拡張パッケージまで,ストーリーを延ばそう」みたいなイメージですね。でも,あそこでズバッとテンションの高いまま詰め込んだからこそ,1つめの大団円という感覚を作れたと思っています。

4Gamer:
 たしかに,あのプレイヤーの熱狂は,漆黒から暁月までの怒涛の展開が2つの拡張パッケージで収まっていたからというのはあると思います。

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吉田氏:
 やはり連続性のある物語のテンションにはピークがあると考えていて,これをよく漫画で例えるのですが,僕が子供のころのバトル漫画だと,どうしても敵の強さをインフレさせるしかない。でも,いくつもの作品が世に出たあとの今,しかも何年にも渡って続く物語で,これを永久に続けるのはどうしても無理が出ます。1つの流れを引っ張り続けると,それはそれでダレてきてしまいます。
 全体の物語を長く続ける以上,どうしても敵の強さのインフレは少しずつ出てはしまいますが,いろいろな方法で冒険は描いていけると思ったのです。

 だから,まずは1回目のピークを越え,改めて世界を見渡したときに,まだ行ってない場所もあり,出会っていない人達もいる。そうした先に,自分が何を見て,何を感じるのか。
 世界はまだまだ広く,大いなる謎や未知の要素,そしてこれまでとは異なる危機も存在している。それがこの先どう転がるか分からないみたいなところを,ゲーム体験としても,物語としても提示していけたら良いなと思っています。

4Gamer:
 英雄から冒険者に立ち返り,次のクライマックスに向けて動き始めるわけですね。

吉田氏:
 そのためには,「新生エオルゼア」からがそうだったように,また1つずつ石を積み,路を切り拓いていかなければなりません。ただ,今回その第1弾として,その路は皆さんが思ってるよりも広く,いろいろな可能性があると感じてもらえる展開を作ったつもりです。
 あとはそれを皆さんがどうお感じになるのか,しっかり拝見しようと思います。新しいキャラクターもたくさん出てきますし,暁も参戦しているので……もう暁はいいんだ,新しい連中と冒険をさせてくれという意見が多いのか。いや,やはり暁がもっと活躍してほしいとなるのか。もういっそ,全部忘れて別世界に行ってほしいなのかなどですね。

 この先3パターンほどの構想も何となくありますが,それをどうまとめ上げていくのか。本当に今回がスタート地点になっていると思うので,ぜひ,思い思いの感想をいただけると嬉しいです。その分だけ新しいキャラクター達は今までに出会ったことのない価値観を持っていて,魅力的に作ったつもりです。ぜひ,肩に力を入れず楽しんでいただけると嬉しいです!

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4Gamer:
 ところで,その物語に深く関わるNPCのウクラマトですが,ジョブアイコンは斧マークなので戦士系のタンクかと思ったら,コンテンツサポーター上のジョブは「Intrepid」という特殊なものになっていて,DPSも兼ねていましたよね。「勇敢な,大胆な」といった意味の言葉ですが。

吉田氏:
 はい。コンテンツサポーターを作り始めたころから,名のあるNPCは,できるだけプレイヤージョブとは被らない独自ジョブにしよう,というのがルールなのです。なぜかというと,サポーターとして応用が利かなくなってしまうためです。タンクしかできない,DPSしかできない,ヒーラーしかできない,となってしまうとNPCのメンバーをたくさん用意しなくてはいけなくなります。もちろん数は用意できるのですが,ストーリー上それでは都合が悪かったり,物語がブレてしまう可能性があるからなのです。

4Gamer:
 ストーリー構成上,一緒に行動している前提になりますからね。

吉田氏:
 そのため,水晶公や古代人たちはオールラウンダーにしたりもしたわけです。ですが,全員がオールラウンダーになると,それはそれで個性が出なくなりますし,作るアクション数も膨大になり過ぎてしまう。

4Gamer:
 ああ,3ロール分のアクションを作るわけですから(笑)。

吉田氏:
 はい(笑)。それでも今回は,アリゼーが赤魔道士のヒール部分を使ってヒーラーをやる,のような局面もあったりと,いろいろトリッキーなことはやっています。ですから,今後もNPC専用ジョブみたいなものは出てくると思います。
 また,ウクラマトは今回の大きな主軸でもあるので,できるだけパーティから外されないように……という願いもあります。

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4Gamer:
 そうか。タンクのみだと外れる可能性があります。

吉田氏:
 そうです。ウクラマトがタンクのみで自分もタンクの場合,下手をするとウクラマトがIDに一度も出ないままストーリーが終わった,となっちゃうかもしれないので(苦笑)。

4Gamer:
 それは辛い……。コンテンツサポーターでNPCと挑戦すると,彼らのセリフだったりでID内での物語に没入できますし,とくにキーになるNPCは入れておきたいですよね。

吉田氏:
 ですので,そういったことも加味したジョブになっているというわけなのです。

4Gamer:
 分かりました。では,時間ですので最後にプレイヤーへのコメントをお願いします。

吉田氏:
 新章開幕とはなりますが,皆さんがこれまでに経てきた冒険の先にあるものなのは間違いないです。

 もう1つ,ここまで現実の世界情勢が暗い状態で……もともと戦争は有史以来この地球上からなくなったことがないのですが……それにしてもなぁ……という思いがあります。しかもこれらの火種の原因は,自分達の世代で起きたというよりも,何千年も前から続いているものであって,やりきれないものを感じるのです。

 今回の黄金のレガシーでは,改めて死生観も含めていろいろな考え方が出てきます。狙ったわけではないのですが,「相手のことを知ることがまず第一歩」というのは,今回のストーリーの核を担う1つの要素になりました。「相互理解」という単語だと軽くなってしまうように感じますが,今回のストーリーを通して,もう一歩,何か現実で考えるキッカケみたいなものになればいいなと思うところがありますし,それを踏まえて,「また明日も頑張ろう!」と思っていただけたら嬉しいです。

 僕はいつもゲームを作っているとき,ゲームをクリアしたときに「よし,俺も頑張るか」「私も頑張るか」みたいな風になってくれればいいなと思っているんです。少しでもそんなお声を聞かせていただけたら嬉しいです。
 さあ!とはいえ,光の戦士の夏休み(笑)。気楽にトラル大陸へ渡り,どうなるのかを見届けてもらえたらと思います!

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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