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「GeForce 304.48 Driver Beta」登場。複数のタイトルに向けた最適化が進む
対応製品は下記のとおりで,「GeForce GTX 680M」を除くKeplerコア版GeForce 600MおよびFermiコアを採用した「GeForce GTX 675M&670M」のサポート追加が,Release 300(Release 300.00〜301.99)との違いになる。
- デスクトップPC向けGeForce GTX 690・680・670
- デスクトップPC向けGeForce GT 645・640・630・620・610,GeForce 605
- デスクトップPC向けGeForce 500〜6シリーズ
- ノートPC向けGeForce GTX 675M・670M・660M
- ノートPC向けGeForce GT 650M・640M・635M・630M,GeForce 610M
- ノートPC向けGeForce 500M〜8Mシリーズ ノートPC向けQuadro FXおよびQuadro NVSシリーズ,NVSシリーズ(※DirectX 10以降に対応した製品のみ)
- GeForce 6以降のGPU機能を統合したチップセット
統合される「HD Audio Driver」と「PhysX System Software」のバージョンは順に1.3.17.0,9.12.0604だ。いずれもRelease 300世代の公式最新版である「GeForce 301.42 Driver」から更新が入っている。
というわけで,すぐに入手したい人は下のリンクからどうぞ。ただしご覧のとおり,Windows XP向けは用意されていない。
→32bit版Windows 7&Vista用GeForce 304.48 Driver Beta(166MB)
→64bit版Windows 7&Vista用GeForce 304.48 Driver Beta(210MB)
→32bit版Windows 7&Vista用Verde 304.48 Driver Beta(168MB)
→64bit版Windows 7&Vista用Verde 304.48 Driver Beta(212MB)
さて,今回のRelease 304.48 Driver Betaを,NVIDIAは「この夏のゲームプレイに向けたドライバ」と位置づけている。アップデート内容は本稿の最後にまとめたので,興味のある人は合わせて参考にしてもらえればと思うが,実際,アップデートの中心は,「Diablo III」「L.A. Noire」などに向けたプロファイルの新規追加&更新や,複数のタイトルへ向けた性能の最適化などだ。
原稿執筆時点となる日本時間6月19日11:00時点で英文リリースノートは公開されていないため,GeForce.comに掲載された「シングルGPU搭載環境に向けた修正点」をピックアップするに留めているが,GeForce GTX 600搭載環境で「Total War: Shogun 2」のフレームレートが上がらない問題への対処など,バグフィックスもゲーム関連のものが多い印象を受ける。
NVIDIAはゲーマーに対し,β版ドライバの導入を推奨しているので,「公式最新版しか入れない」というポリシーの人以外は,自己責任で試してみる価値があるとまとめていいのではなかろうか。
●Release 304.48 Driver Betaにおける性能向上(※GeForce GTX 680のシングルカード構成における例)
※比較対象はGeForce 301.42 Driver。性能向上が実現したGPUはGeForce 600〜400シリーズであり,ここで示されているのは一例とされる
- 「Batman: Arkham City」で,ゲーム側のグラフィックス設定プリセットを「Very High」とし,「Tessellation」を「High」,「PhysX」を「Off」,「FXAA」を「Very High」としたとき,2560×1600ドットで最大17.6%(※この状態から「Tessellation」と「PhysX」をともに無効化したときは最大17.1%,「PhysX」を「High」にしたときは最大9.7%,「Tessellation」と「PhysX」をともに「High」としたときは最大7.5%とされる)
- 「Dragon Age II」でゲーム側のグラフィックス設定を最大に指定のうえ,4x MSAAを適用したとき,2560×1600ドットで最大12.4%
- 「S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat」でゲーム側のグラフィックス設定プリセットを「Extreme」とし,4x MSAAを適用したとき,2560×1600ドットで最大9.6%。アンチエイリアシングのみ無効化すると最大9.8%
- 「ロスト プラネット2」のDirectX 11モードでゲーム側のグラフィックス設定を最大に指定のうえ,4x MSAAを適用したとき,1920×1080ドットで最大4%
●Release 304.48 Driver Betaにおける性能向上(※GeForce GTX 680のSLI構成における例)
※比較対象はGeForce 301.42 Driver。性能向上が実現したGPUはGeForce 600〜400シリーズであり,ここで示されているのは一例とされる
- 「Batman: Arkham City」で,ゲーム側のグラフィックス設定プリセットを「Very High」とし,「Tessellation」を「High」,「PhysX」を「Off」,「FXAA」を「Very High」としたとき,2560×1600ドットで最大5.9%(※この状態から「Tessellation」と「PhysX」をともに無効化したときは最大5.5%,「PhysX」を「High」にしたときは最大2.4%,「PhysX」を「High」にし,さらに4x MSAAを適用したときは最大4.3%,「Tessellation」と「PhysX」をともに「High」とし,さらに「FXAA」を「Very High」としたときは最大4%とされる)
- 「Dragon Age II」でゲーム側のグラフィックス設定を最大に指定のうえ,4x MSAAを適用したとき,2560×1600ドットで最大12.4%。アンチエイリアシングのみ無効化すると最大15%
- 「S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat」のDirectX 11モードでゲーム側のグラフィックス設定プリセットを「Extreme」とし,4x MSAAを適用したとき,2560×1600ドットで最大6%。アンチエイリアシングのみ無効化すると最大6.4%
●Release 304.48 Driver Betaにおける性能向上(※GeForce GTX 560のシングルカード構成における例)
※比較対象はGeForce 301.42 Driver。性能向上が実現したGPUはGeForce 600〜400シリーズであり,ここで示されているのは一例とされる
- 「Batman: Arkham City」で,ゲーム側のグラフィックス設定プリセットを「Very High」とし,「Tessellation」「PhysX」を「Off」,「FXAA」を「Very High」としたとき,2560×1600ドットで最大14%(※この状態から「Tessellation」を「High」にしたときは最大12%,「PhysX」を「High」にしたときは最大8%,「Tessellation」「PhysX」をともに有効化したときは最大10.1%)
- 「Dragon Age II」でゲーム側のグラフィックス設定を最大に指定のうえ,アンチエイリアシングを無効化すると,1920×1080ドットで最大2.8%。4x MSAAを適用すると2560×1600ドットで最大5.5%
- 「ロスト プラネット2」のDirectX 11モードでゲーム側のグラフィックス設定を最大に指定のうえ,アンチエイリアシングを無効化したとき,1920×1080ドットで最大6.7%
●Release 304.48 Driver Betaにおける性能向上(※GeForce GTX 560のSLI構成における例)
※比較対象はGeForce 301.42 Driver。性能向上が実現したGPUはGeForce 600〜400シリーズであり,ここで示されているのは一例とされる
- 「Batman: Arkham City」で,ゲーム側のグラフィックス設定プリセットを「Very High」とし,「Tessellation」を「High」,「PhysX」を「Off」とし,4x MSAAを適用したとき,2560×1600ドットで最大11.9%(※この状態から「Tessellation」「PhysX」をともに無効化すると最大10.8%,「PhysX」のみ「High」にすると最大4%,「Tessellation」「PhysX」をともに「High」にすると最大5%)
- 「Battlefield 3」でゲーム側のグラフィックス設定プリセットを「Ultra」とし,4x MSAAを適用すると,1920×1080ドットで最大5.2%
- 「Dragon Age II」でゲーム側のグラフィックス設定を最大に指定のうえ,4x MSAAを適用すると,2560×1600ドットで最大6.1%。アンチエイリアシングを無効化すると最大6.4%
- 「ロスト プラネット2」のDirectX 11モードでゲーム側のグラフィックス設定を最大に指定のうえ,4x MSAAを適用すると,1920×1080ドットで最大4%
- 「S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat」のDirectX 11モードでゲーム側のグラフィックス設定プリセットを「Extreme」とし,4x MSAAを適用したとき,2560×1600ドットで最大5.3%
- 「The Witcher 2: Assassins of Kings」でゲーム側のグラフィックス設定を最大に指定のうえ,「Ubersampling」を「Off」,「Anti-Aliasing」を「On」にしたとき,1920×1080ドットで最大6.8%。アンチエイリアシングを無効化すると最大7.9%
●Release 304.48 Driver Betaの新要素
・SLIの拡張(Windows 7・Vista)
- 「PlanetSide 2」「Spec Ops: The Line」「Torchlight II」「Tribes: Ascend」に向けたSLIプロファイルの追加
- 「F1 2011」「ファイナルファンタジーXIV」「Saints Row: The Third」に向けたSLIプロファイルの更新
・3D Visionの拡張
- 「Alan Wake’s American Nightmare(Poor)」「Borderlands 2(*1)」「Depth Hunter(3D Vision Ready)」「Mass Effect 3(*2)」「Max Payne 3(Excellent *3)」「Street Fighter X Tekken(3D Vision Ready)」「Tiger Woods PGA Tour 12: The Masters(Good)」「Tribes Ascend(Fair)」「The Walking Dead(Good)」に向けた3D Visionプロファイル追加または更新
※タイトル名の後ろにある( )書きは追加時もしくは更新後のレーティング。ただし,*1のBorderlands 2では「プロファイルがアップデートされ,新しい輻輳設定が行われた」,*2のMass Effect 3では「互換性関連のメッセージがアップデートされ,コミュニティが開発した立体視MODとの互換性が向上した」,*3のMax Payne 3では「MSAAの代わりにFXAAのVery High設定を使い,またHDAOの代わりにSSAOを使うよう,DirectX 11モードで実行したプレイヤーに対するメッセージをアップデートした」とされている
・3DTV Playの拡張
- Vestel製液晶ディスプレイ「42PF8219」のサポート追加
・ゲームプロファイルの拡張
- 「Diablo III」「L.A. Noire」「Rayman Origins」「The Secret World」に向けたアンチエイリアシングサポートの追加
- 「Star Wars: The Old Republic」に向けたアンビエントオクルージョンサポートの追加
- Windows Media PlayerやWindows Movie MakerなどいくつかのWindowsアプリケーションに向けたFXAAの無効化
●Release 304.48 Driver Betaで解決した主な問題
※末尾に▲を付けた項目は,「Release 301.34 Driver」で解決済みとされていたものと同じ。再掲された理由は不明だが,当時の修正が十全ではなかった可能性が高い
- GeForce GTX 600シリーズ搭載環境でVsyncもしくはAdaptive VSyncを有効化すると,画面がつっかかったような挙動を示すことがある問題
- GeForce GTX 600シリーズ搭載環境で,最新パッチを適用した「Total War: Shogun 2」を実行すると,性能が出ない問題(※GeForce GTX 680搭載環境で比較すると,最新パッチを適用した状態における性能は60%改善したとされる)
- GeForce 500シリーズ搭載環境で,FXAAと3D Visionを有効化すると,「DiRT 3」が起動しない問題
- GeForce 500Mシリーズ搭載環境で,画面内の暗い部分にかすかな水平線が表示される問題
- GeForce 600シリーズがASUSTeK Computer製マザーボード「KGPE-D16」上で動作しない問題▲
- 「F1 2011」を実行するとフレームレートが低下する問題
- GeForce 600シリーズ搭載環境で,(カード側の)DisplayPortコネクタにDisplayPort 1.2準拠のリピーター(Branch device)が接続されていると,ドライバのインストール後にシステムがハングし,しかも再起動後のPOSTが始まらない問題▲
- 「Media Player Classic - HomeCinema」から「MadVR」ビデオレンダラを利用してビデオの再生を行うと,画面に何も表示されなくなる問題
- 複数のディスプレイをホットスワップすると,NVIDIAコントロールパネル上の解像度表示が更新されない問題
- ドライバの上書きインストールを行うとNVIDIA Surroundの設定が保持されない問題
●Verde 304.48 Driver Betaに関する注意事項
- ドライバのアップデートに先立ち,システムのバックアップ取得を推奨
- Intel製チップセットを搭載し,HybridPowerに対応したノートPCはサポート対象外
- ソニー製ノートPCは,GeForce GT 540M・520M・425M・330M・310M搭載のVAIO Fシリーズのみ対応(※それ以外のソニー製ノートPCで,グラフィックスドライバはソニーから提供される)
- 富士通製ノートPCは非対応(※Fujitsu Siemens製ノートPCは対応)
- Dell製ノートPC「Inspiron 1420」「XPS M1330」「XPS M1530」「Latitude D630&D630c」のユーザーには,ドライバのアップデートに先立って「Recommended Software Update」の導入を強く推奨
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