このプログラムは,XRコンテンツを短期間で集中開発し,日本から世界を取りに行く次のIPを生み出そうというものだ。
第1弾のテーマは,食卓の王道「ソーセージ」。一見すると奇抜だが,VR市場の分析と,プロも巻き込んだ戦略に裏打ちされた選択である。
なお,学生・若手を対象としているが,年齢よりも気持ちを重視していると説明していた。
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「Made in Japan XR Project」第1弾の開発テーマは「ソーセージ」に決定。学生・若手8チームを,集中合宿やメンタリングなどでローンチまで支援
日本発のXRコンテンツで,次の世界的なIPを生み出す。学生・若手クリエイター支援プログラム「Made in Japan XR Project」第1弾のテーマは「ソーセージ」だ。
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本プロジェクトを率いるのは,G-SMASH代表取締役の原島 駿氏。タカラトミーでベイブレードの開発に携わり,コナミで新規事業開発を担当したのち,Meta日本法人で3年ほど国内VRゲームのデベロッパーリレーションを務めた経歴を持つ。
独立後はBitSummitでのXR横丁など,日本のXRを外に開く取り組みを続けてきた。
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冒頭で404 Not Foundのプロデューサー石川武志氏は,まだ形を作りながら動かしている段階で,参加者と一緒に作っていくプロジェクトになる,と前置きしていた。
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原島氏は,インディーゲーム界の顔ともいえる吉田修平氏が,「原島君っていう気の狂った(笑)若者がいてですね」と,非常にニコニコしながら紹介していた人物だ。
実際,行動力とスピード感があり,このプロジェクトも2か月ほどで一気に形になった。それだけに,文字通り一緒に作り上げていく形になりそうで,参加者の声を聞きながら動ける余地は大きい。
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元SIE・吉田修平氏による,恒例のBitSummitお勧め企画だが,今年は氏が審査員に就任し,事前ダウンロードで“たくさん遊べる”という特権を得たという。「これがとてもおいしい(笑)」と語る氏が,余裕をもって選んだお気に入りを,今年も挙げてもらった。
VRは,米国の10代が動かしている市場
原島氏は,まずVR市場の現状を説明した。Meta Quest単体で3500万台,他社のハードを含めると5000万台以上が普及しており,家庭用ゲーム機と比べても小さい市場ではないという。
とくに米国では10代の3人に1人が何らかのヘッドセットを持っているとし,理由として価格の手頃さと,スーパーマーケットでも売られている流通の広さを挙げた。
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この層が遊んでいるのは,ソーシャルVRゲームと呼ばれるジャンルだ。代表格の「Gorilla Tag」は,ゴリラになって鬼ごっこをするゲームだが,実際には鬼ごっこをせずに集まって喋っているプレイヤーも多い。
米国が車社会で,子どもが自力で友達の家に行きづらいという条件と,コロナ禍が重なった結果,ヘッドセットをかぶれば友達に会えるという構造が刺さった。放課後の公園に相当する場所になっているイメージだ。
人気の理由は,説明なしで動けること,友達と騒げること,動画で面白さが伝わることの3点に整理されていた。
スティックを使わず手で地面を押して走る操作系は,移動そのものを遊びに変えたうえ,のちのソーシャルVRの標準にもなっている。
2024年時点で,累計プレイヤーは1000万人,売上は1億ドルを超えた。インフルエンサーへの出稿にほとんど頼らず,月に1度,最も貢献したプレイヤーに贈られるバッジが動画制作の動機になって伸びたという。
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もう1つ伸びているのがカジュアル路線で,猫になって家の中で好き勝手にふるまう「I Am Cat」が例に挙げられた。平面のスクリーンでは得にくい視点と,やってはいけないことをやる感覚が,子どもに効いているという見方だ。
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そのうえで示されたのが,ストアごとの新作リリース数の比較だ。月あたりの概算で,Meta Storeは約233本。対してSteamは約2051本にのぼる。
この233本には実験的なタイトルも含まれており,フルスケールのゲームと呼べるものは50〜60本程度という感覚だそうだ。
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つまり,新作が埋もれにくく,先行者になれる余白があるというわけだ。日本発の例として挙がったのは,UNIVRSの「進撃の巨人VR: Unbreakable」。Meta Storeの全世界週間ベストセラーで4週連続1位を獲得している。
「ソーセージ」は一目で伝わるし,できることが多い
こうした前提を踏まえて,プロジェクト第1弾のテーマは「ソーセージ」に設定された。
IPとして広げやすい理由は4つ。見た瞬間に意味が伝わる世界共通性,真似したくなる動きと見た目というミーム性,グッズや映像,イベントへ広げられる展開性,そして各国の食文化を物語にできる地域性である。
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VRとの相性についても,くねるような動きが物理演算と合うという説明があった。ターゲットは米国のキッズで,TikTokを日常的に見ている層に,一瞬で面白いと思わせる作りにしたいという。
戦略の説明に続けて,理屈だけで決めたわけではないとも付け加えた。企画をいくつも考えたなかで,原島氏自身がソーセージに魅力を感じているという点も,選定理由に挙げている。
既存の例としては,映画「ソーセージ・パーティー」や,ソーセージをぶるぶるして戦う「ソーセージレジェンド」(新作も開発中),中国の「ソーセージマン」といったヒット作が並んだ。
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学生・若手に加え,プロも一緒に作って,20本規模のソーセージ作品が揃う
テーマを1つに統一する理由は,ストアでの見え方にある。学生チームだけでなくプロの開発チームも並行して制作し,現時点の目安として20本規模のソーセージゲームを短期間で投入していく構想だという。
週に複数本が並ぶ状態を作り,ランキングやフィーチャー枠をソーセージで埋める。ソーセージがとんでもなく今来ているのではないか,と思わせる状況を作りたいという。
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さらに,Gorilla Tag系の人気タイトルを手がける企業にも声をかけ,ソーセージを題材にしたコラボを打診しているという。
数百万人規模のユーザーを抱えるタイトルにソーセージが登場すれば,単独でリリースするより目に触れる確率は上がる。
売れるかどうかは最後まで分からない。それでも,まず見られなければ何も始まらない。
同じテーマに揃えるのは,その確率を上げるためだという説明だった。学生とプロが同じテーマで一斉に出す取り組みは前例がなく,チャレンジングだとも話していた。
本プロジェクトは,モックアップを作って終わりではなく,ローンチまでを行う。先述したように,ローンチの見せ方にも仕掛けが用意されているわけだ。
モックアップで終わりがちな理由は,学生向けゲームジャムの構造にある。展示や受賞で区切りがついて,ローンチまで到達しないケースが多いのだ。
だからこそ,ローンチしてちゃんと売れた,より多くのユーザーに遊んでもらった,というところまで行きたいという。ゴールはローンチではなく,遊ばれるところまでだと繰り返した。
ハッカソンは8月18日から。興味のある人は8月10日までに応募しよう
ハッカソンは8月18日〜20日の3日間,渋谷で実施する。求められるのは企画書よりも,こだわった部分が実際に動く状態まで持ってくること。フルセットのゲームは求めない。
8月10日の締切までに応募した参加者は,基本的に全員がハッカソンに進む。支援対象となる8チームは,ハッカソンを踏まえて決定する。なお,スケジュールの都合でハッカソンの全日程に参加できない場合は,応相談としている。
ハッカソンのあとの集中開発合宿は宿泊形式で,場所は関東で調整中だ。
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審査で見るのは,ソーセージらしさをどう捉えたか。加えて,作った本人がこれが一番面白いと信じられているかを見たいという。
ハッカソンまでに企画などを準備してきても良いが,原島氏が薦めていたのは,米国の10代が実際に遊んでいるゲームを触ってみることだ。子どもがどこに喜びを感じているかは,遊ばないと分からない部分があるという。
また,石川氏は,ゲームジャムは準備が整っていても面白くなるとは限らないとも話していた。事前に固めきれていなくても,気負う必要はなさそうだ。
冒頭で触れたハムの日も,実は仕掛けのひとつだ。中間発表のDemo Dayを置いた11月1日も「ソーセージの日」にあたる。前者は日本ハム・ソーセージ工業協同組合が「ハ(8)ム(6)」の語呂合わせで制定したもの,後者は1917年に日本で初めてソーセージが出品された日にちなむ。
メンターは国内外あわせて10名規模で,今後も追加される予定だ。海外のメンターを入れているのは,日本側の発想をそのまま活かしつつ,見せ方の部分で海外の手法を掛けるためだという。
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プロジェクトの下地を作っているのは石川氏だ。ロゴの制作も手がけたという。相談を受けたのは2か月ほど前で,その場で引き受けたそうだ。
きっかけに挙げたのは,2026年5月のBitSummit PUNCHに合わせて実施されたBitSummit Game Jam 2026だ。
原島氏とともに新設したXR部門から,VRリズムゲーム「TORIMA HEADBANG」がBitSummit Student Awardを受賞。ここで生まれた学生作品への手応えが,今回のプログラムにつながっている。
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「BitSummit PUNCH」アワードの大賞は「アーティス インパクト」に決定。4Gamer賞はBONJORYの「Handlime」に[BitSummit]
京都・みやこめっせで開催中の「BitSummit PUNCH」にてアワード授賞式が行われた。最優秀賞にあたる「VERMILION GATE AWARDを受賞したのは,Masの「アーティス インパクト」。4Gamer賞にはBONJORYの「Handlime」を選出した。
XRをはじめとした技術好きのための学生コミュニティ「Iwaken Lab.」を主宰する岩崎謙汰氏(CyberAgent XR研究所 XRディレクター)は,学生目線での助言役として運営に加わる。
コミュニティを5年ほど続けてきた立場から,こうすればもっと良くなる,という部分を一緒に考えていきたいという。
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UNIVRSからは藤川啓吾氏と藤川 駿氏が登壇した。原島氏の,日本のコンテンツとVRを世界に届けたいという思いとソーセージへの愛に惚れ込んで参加したという。
藤川啓吾氏は審査についても,これが面白いと自分で信じていることが伝わる作品が一番強い,という見方で原島氏と一致していた。
VRゲームの制作面で支えられることは多いとし,世界に誇れるソーセージゲームができるのを楽しみにしていると話していた。
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繰り返しになるが,プログラムの応募締め切りは8月10日まで。個人でもチーム(5人程度まで)でも応募できる。挑戦してみたい人は,公式サイトの応募フォームから申請しよう。



























![[インタビュー]「BitSummit PUNCH」審査員になった吉田修平氏が,事前ダウンロードで“たくさん遊べる”特権を満喫しつつ選んだイチオシ集。「これが,とてもおいしい(笑)」](/games/991/G999110/20260604019/TN/056.jpg)















