［TGS 2018］ときど選手の優勝で幕を閉じた「CAPCOM Pro Tour ジャパンプレミア」フォトレポート。700名がしのぎを削った怒濤の2日間を凝縮してお届け

　東京ゲームショウ2018の一般入場日，2018年9月22日と23日に開催された「ストリートファイターV アーケードエディション」（PC / PS4）（以下，SFV）の大会イベント「CAPCOM Pro Tour ジャパンプレミア」のフォトレポートをお届けする。


　同大会は2018年を通して世界各地で開催される「CAPCOM Pro Tour 2018」のプレミア大会と位置づけられており，上位入賞者には大量のツアーポイントが付与される。1年を通して蓄積されたポイント上位者は，12月にアメリカ・ラスベガスで開催される公式世界大会「Capcom Cup 2018」に招待される仕組みだ。また今回のジャパンプレミアは，イベント単体としても総額1000万円という多額の賞金がかけられており，日本国内で開催される同作の数少ない大規模大会ということもあいまって，700名を超えるエントリーが集まった。
　本稿では，その予選から決勝の模様を写真を中心に紹介する。

Twitch内「ジャパンプレミア」Day1アーカイブ

Twitch内「ジャパンプレミア」Day2アーカイブ

「ストリートファイターV アーケードエディション」公式サイト

Day1：予選トーナメント

700人の参加者がベスト8まで絞られるDay1は，幕張メッセの国際会議場コンベンションホールBで行われた。10：00から20：00までの長丁場だ

ファンサービスに応じる有名プレイヤー達。多くの選手が集う機会とあって，ファンも多く駆けつけた模様

国内外の強豪が参戦したことで，至る所でハイレベルな対戦が繰り広げられた。海外のプロ選手が日本のアマチュアプレイヤーに敗れる場面も

Day2：決勝トーナメント

予選を突破し，決勝トーナメントに進出した8名のファイナリスト達

Team Liquid | ネモ選手（日本）。北米のプロチーム「Team Liquid」所属のプロゲーマー。ここ一番での強さに定評がある世界最強ユリアン使いだ

CygamesBeast | ふ〜ど選手（日本）。プロチーム「CygamesBeast」所属。反応速度やコマンド入力の器用さに加え，ほかのプロプレイヤーを凌ぐほどの「読みの深さ」が彼の強みだ

UYU | Oil King選手（台湾）。北米のプロチーム「UYU」に所属する台湾の強豪選手。発売当初からラシードを使い続けているが，ここ最近飛躍的に強さを増した感がある

GhostGaming | NuckleDu選手（アメリカ）。北米のプロチーム「GhostGamin」所属のプロゲーマー。CapcomCup 2016を20歳という若さでを制した，年齢とは裏腹な老獪なプレイに期待がかかる

トラッシュボックス選手（日本）。LP50万超えという，ぶっちぎりで世界一の記録を持つバーディー使い。今回初のベスト8入賞を果たし，同作のプロライセンスを獲得した

Rowy | ZJZ選手（台湾）。予選の道中でボンちゃん選手や藤村選手などの強豪相手に勝ち上がってきた今回のダークホース。EVO Japan 2018ではKOF14部門で優勝した実績もあるマルチゲーマーだ

Echo Fox | ときど選手（日本）。言わずとしれた日本を代表する格闘ゲーマーの一人。ここ最近の大規模大会ではほぼ毎回上位入賞を果たしている実力者だ。北米のプロチーム「Echo Fox」に所属する

UYU | NL選手（韓国）。北米プロチーム「UYU」に所属する，韓国を代表する強豪。同じく韓国のキャミィ使い・Verloren選手と並んで「技のVerloren，力のNL」と評されることも。アグレッシブな攻めが持ち味だ

決勝トーナメントのMCは，椿 彩奈さんが担当。ゲストは自他共に認める“芸能界最強格闘ゲーマー”ゴールデンボンバーの歌広場淳さんと，タレントの関根 勤さんだ

実況はTwitchのアール氏が，解説はハメコ。氏が担当した。ここ最近見る機会がなかった名コンビの復活に，歌広場さんも興奮気味の様子

英語配信では，海外勢にはお馴染みアンドリュー氏＆Zhi氏に加え，ゲストMCとしてストリートファイターファンとして知られるプロレスラーのケニー・オメガさんの姿も

決勝トーナメント開始前には，登壇したカプコンの小野義徳氏から新プロジェクト「STREET FIGHTER LEAGUE」が発表された。リーグ制による3on3の公式団体戦とのこと

いよいよ幕を開けた決勝トーナメント。初戦はネモ選手とNuckleDu選手の対決だ

Winner's1回戦，第1試合。初戦のためか動きにキレがないNuckleDu選手に対し，持ち前の攻めっ気で前に出るネモ選手。ここはネモ選手が3-0で勝利し，Winner's Finalへの進出を果たした

第2試合はOil King選手とふ〜ど選手の組み合わせ。開始直後はOil King選手がペースを握るも，2試合目の逆転ぶっ放しクリティカルアーツで，流れはふ〜ど選手のものに。ノリノリで残り2試合を連取し，3-1でふ〜ど選手の勝利となった

ゲストでありながら，“eスポーツ風船”（スティックバルーンともいう）を叩いて応援する歌広場さん

ここからLoser'sへ。ときど選手とトラッシュボックス選手のカードは，的確な飛び込みと強豪波動拳で立ち回りを制したときど選手が終始有利な展開に。追い詰められたトラッシュボックス選手は1試合を取り返すも，流れは変わらずときど選手が勝利し，トラッシュボックス選手はここで敗退となった

Loser's第2試合は，NL選手とZJZ選手の海外勢対決。NL選手操るキャミィの攻めに対し，的確な対処を見せるZJZ選手だが，次第に流れはNL選手のほうへ。ZJZ選手は1試合取り返すも，NL選手がZJZ選手のディフェンスをこじ開け，3-1で勝利を遂げた

Loser's2回戦，Oil King選手vs.ときど選手のカードは，互いの持ち味が遺憾なく発揮された大接戦に。2-2までもつれ込み，先にリーチをかけたOil king選手の削りK.O.確定かと思われたその瞬間，ときど選手が東大式の阿修羅閃空でこれを回避して逆転勝利。最終ラウンドも互いにギリギリの体力まで競る名勝負となったが，ときど選手が辛くも勝利

Loser's2回戦，第2試合。NL選手とNuckleDu選手のカードは，攻めのキャミィvs.守りのガイルという王道対決に。しかし中盤からNuckleDu選手が試合を支配するようになり，NuckleDu選手が3-0で勝利。キャミィの強烈な攻めガイルが封殺しての完勝となった

Winner's Final，ネモ選手とふ〜ど選手の日本勢対決。ふ〜ど選手は，ユリアンが対応しづらいめくりジャンプとマンド投げなどで揺さぶりをかけ，2試合を先取する。対するネモ選手はエイジスリフレクターで逆転を狙うも，ふ〜ど選手の流れを阻むことはかなわず。結果3-0でふ〜ど選手が勝利し，Grand Finalへコマを進めた

生き残りを懸けたLoser's Semi Final。ときど選手に対するNuckleDu選手は，なんとここでレインボー・ミカを選択。しかし，ときど選手は動じることなくこれを撃退し，NuckleDu選手はキャラクターをガイルに戻すも，ガイル慣れしているときど選手を崩すことはできなかった。終始相手を圧倒したときど選手がLoser's Finalへの進出を決めた

そして迎えたLoser's Final。Winner'sから降りてきたネモ選手は，序盤にペースを掴んでときど選手を追い詰める。しかし第2試合からはときど選手が調子をあげ，次第にネモ選手を圧倒していく流れに。結果，そこから3連勝し，1-3でときど選手が勝利。ふ〜ど選手が待つGrand Finalへ

ふ〜どミカvs.ときど豪鬼で迎えたGrand Final

そうして迎えたGrand Finalは，ここまで無敗のふ〜ど選手に対し，Loser'sから優勝を狙うときど選手という構図に。この組み合わせはこれまでときど選手の勝率が低く，加えてWinner'sのアドバンテージがあるふ〜ど選手に有利かと思われたが……

蓋を開けてみれば，ときど選手が鋭い動きで怒濤の3連勝。たった数分でふ〜ど選手をLoser'sにたたき落とした。これでイーブンとなったが，ときど選手の猛攻はここで止まらず。ふ〜ど選手に何もさせない展開でさらに3連勝を重ね，まさかの6連勝でときど選手が勝利。破竹の勢いで優勝を果たした

3位となったネモ選手には，賞金150万円と副賞が，準優勝ふ〜ど選手には賞金250万円と副賞が，そして優勝したときど選手には，特製トロフィーに加えて賞金500万円，そして副賞が贈呈された

ステージでコメントを求められたときど選手。今大会のように格闘ゲームが注目されるようになった現状への感慨を語りつつ，応援してくれた観客に謝辞を述べた。また次の目標について問われると，「この業界を背負えるぐらいの器になりたい」とコメント。今後も実力/人格共に磨いていきたいと，プロとしての心構えを語っていた

表彰式のあと，再び登壇した小野プロデューサーからは，アーケード版「ストリートファイターV」の開発決定と，ロケテストの発表が行われた

「ストリートファイターV アーケードエディション」公式サイト

アーケード版「ストリートファイターV」ティザーサイト