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[COMPUTEX]西川善司の3DGE:テーマは「Polaris」と「Bristol Ridge」そして「Summit Ridge」。AMDのプレスカンファレンスを総括する
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印刷2016/06/02 17:26

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[COMPUTEX]西川善司の3DGE:テーマは「Polaris」と「Bristol Ridge」そして「Summit Ridge」。AMDのプレスカンファレンスを総括する

AMDのプレスカンファレンス会場
Radeon RX 400
 COMPUTEX TAIPEI 2016の会期2日めとなる台湾時間2016年6月1日,AMDは台北市内のホテル「Westin Taipei」でプレスカンファレンスを開催した。
 すでにお伝えしているとおり,AMDはこの場で3つの発表を行った。

  • 開発コードネーム「Polaris」(ポラリス)と呼ばれてきた新世代GPU「Radeon RX 480」を北米市場における想定売価199ドル(税別)で6月29日に発売すること(関連記事
  • 開発コードネーム「Bristol Ridge」(ブリストルリッジ)と呼ばれてきた新世代APUを第7世代AMD A-Series APUとすること(関連記事
  • 「Zen」マイクロアーキテクチャベースとなる次世代CPU「Summit Ridge」(サミットリッジ)のパッケージとスペック概要(関連記事

 本稿ではあらためて,プレスカンファレンスでAMDが語った内容を整理してみたい。

オープニングで壇上に立ったAMDの社長兼CEO,Lisa Su(リサ・スー)博士は,「本日の発表内容は3つある」と述べ,それが新世代GPUと新世代APU,将来の技術だとした
Radeon RX 400


「GTX 1080を買う予算があるなら,

Radeon RX 480 CrossFireのほうが速くて安い」


Raja Koduri氏(SVP & Chief Architect, AMD)。最近は登壇のたびに「AMD社内ナンバーワンの辛いもの好き」としていじられている
 というわけで,まずはRadeon RX 480だが,発表会で本製品を発表したのは,AMDのGPU部門「Radeon Technologies Group」を統括するRaja Koduri(ラジャ・コドゥリ氏)だ。
 氏は,PCゲーム市場が盛り上がりを見せていることを報告し,近未来的に,この盛り上がりに拍車をかけるのが仮想現実(以下,VR)だとしたうえで,現状,そのVRを快適に楽しめるスペックのPCを持つユーザーは,全体の1%しかいないと嘆いた。

VRを楽しめるだけの性能があるPCを持っているのは,ユーザー全体の1%しかいない。これをなんとか打開したいとKoduri氏は言う
Radeon RX 400

 しかも,AMDの独自調査によると,「グラフィックスカードを買い替えるとしても,その予算は100ドルから300ドルまで」と回答する人が,全PCユーザーの84%を占めると判明したそうだ。

PCユーザーの大多数にとって,グラフィックスカード購入予算は300ドルまで
Radeon RX 400

市場では高価なGPUではなく,高いコストパフォーマンスのGPUこそが求められている
Radeon RX 400
 つまり市場は「VRコンテンツを楽しめて,300ドル未満で買えるグラフィクスカード」を求めている。そこでAMDはPolarisを,新しい製品型番法則を採用するRadeon RX480として発表するのだ,ということである。
 しかも北米市場におけるメーカー想定売価は300ドルを大きく下回る税別199ドル。これにプレスカンファレンスの会場は大きく沸くことになるのであった。

PolarisをRadeon RX 480として正式発表。北米市場におけるメーカー想定売価は驚きの199ドル(税別)!
Radeon RX 400

リファレンスデザイン版のRadeon RX 480カードを掲げるKoduri氏
Radeon RX 400

 いずれ,稿をあらためてアーキテクチャの解説を行いたいと考えているが,発表会で明らかになった情報によると,理論演算性能値としての単精度浮動小数点演算性能は5 TFLOPS以上で,統合する演算ユニット「Compute Unit」の数は36基だ。「Graphic Core Next」アーキテクチャではCompute Unitあたりのシェーダプロセッサ「Stream Processor」数が64基なので,総シェーダプロセッサ数は2304基となる。

 GPUの規模感としては,Tonga RefreshとなるAntiguaコアを採用して32基のCompute Unit(=2048基のシェーダプロセッサ)を統合する「Radeon R9 380X」以上,Hawaiiコアを採用して40基のCompute Unit(=2560基のシェーダプロセッサ)を統合する「Radeon R9 390」未満といったところ。Radeon RX 480の動作クロックは明らかになっていないが,理論演算性能はRadeon R9 380Xが約4 TFLOPS,Radeon R9 390が約5 TFLOPSなので,5 TFLOPS以上とされるRadeon RX 480はかなり高いリファレンスクロック設定になっている可能性が濃厚だ。

 組み合わせられるグラフィックスメモリは,256bit接続で容量4GBもしくは8GBのGDDR5となり,メモリバス帯域幅は256GB/sとされるので,逆算するとデータレートは約8Gbps。メモリ周りの仕様は「GeForce GTX 1070」と同じだろう。
 公称典型消費電力は150Wで,DisplayPortは競合の最新モデルと同じくバージョン1.4をサポートする。

発表時点で明らかになったスペック一覧。絶対性能としてRadeon R9 Furyシリーズを超えるものではないため,Radeon RX 480のリリース後も,Radeonファミリー全体のフラグシップモデルは「Radeon R9 Fury X」のままだ
Radeon RX 400

 Koduri氏は,「GeForce GTX 1080」の北米市場における実勢価格が約700ドルであることを指摘したうえで,Radeon RX 480の価格は半額にすら達しないことを強調。そのうえで「もし700ドルの予算があったら?」と続け,Radeon RX 480カードを2枚購入してCrossFire動作させた場合,ベンチマークでGeForce GTX 1080のスコアを上回ると主張していた。

700ドルのカードを買う予算があるなら,Radeon RX 480カード2枚にすれば,より速くてお釣りももらえますよという,かなり挑戦的なスライド。最近のAMDはNVIDIAへの噛みつき方がアグレッシブである
Radeon RX 400


新APUは第7世代のBristol Ridgeに

ノートPCで採用したパートナー企業が応援


Jim Anderson氏(SVP & GM, Computing & Graphics, AMD)
 Bristol Ridgeこと第7世代AMD A-Series APUは,Jim Anderson(ジム・アンダーソン氏)が登壇して発表。具体的な製品ラインナップが,上位モデルから順に以下のとおりとなることを明らかにした。

  • FX 7th Gen
  • A12 7th Gen
  • A10 7th Gen
  • A9 7th Gen
  • A6 7th Gen
  • E2 7th Gen

 ちなみに第7世代(7th Gen)というのは,初代Llanoから数えて,Trinity,Kabini,Kaveri,Beema,Carrizoの次という意味である。

 Anderson氏は新世代APUについて,ゲーム性能と生産性能,電力効率性能いずれもが進化していることをアピール。ゲーム性能は,IntelのノートPC向けCPU「Core i7-6500U」(2C4T,定格2.5GHz,最大3.1GHz,共有L3キャッシュ容量4MB,HD Graphics 520統合)と比べて50%高いこと,表計算や画像編集といったアプリケーションでは,先代や先々代のAPUと比べて確実に高速化していることを説明していた。また,LPDDR4メモリの採用や,AVFS(動的電圧・周波数制御)の最適化によって,さらに電力効率が改善したとも主張している。

新世代APUは「3DMark 11」でCore i7-6500Uより50%高速であり,かつ「League of Legends」のような描画負荷の低いゲームでは満足のいく性能が得られるとAnderson氏(左)。業務で使うようなアプリケーションにおける性能も,従来世代のAPUから向上しているという(右)
Radeon RX 400 Radeon RX 400

Radeon RX 400
LPDDR4メモリの採用とAVFSの進化で,消費電力あたりの性能が向上したというスライド
Radeon RX 400
PCユーザーの4人に1人が選択する,400ドル未満のノートPCで,APUの採用が進むとAnderson氏

Matt Perry氏(Partner Group Program Manager, Microsoft)は,Windows 10の新機能と,APUのメディアアクセラレーション機能が持つ優秀さを紹介した
Radeon RX 400
 プレスカンファレンスではこの後,MicrosoftのMatt Perry(マット・ペリー)氏が登壇し,APU製品はWindows 10の全要素をサポートし,グラフィックスやビデオ処理といった一部のメディア機能においてはアクセラレーションが有効になることを紹介した。さらにHPのJosephine Tan(ジョセフィン・タン)氏とDellのRaymond Wah(レイモンド・ワー)氏が登壇し,第7世代APU搭載ノートPCの新製品を披露した。

Radeon RX 400
Josephine Tan氏(VP, Consumer Product Management, Note Book & Premium)。「A9-9410」のHP Pavilion 15を披露した
Radeon RX 400
Raymond Wah氏(Vice President, Consumer Product Group, Dell)。抱えているのはInspiron 15 1700シリーズの「A10-9600P」搭載モデル

 なお,Bristol Ridgeに関する技術的な詳細は,筆者の連載バックナンバー「AMDが第7世代APU『Bristol Ridge』を発表。事実上のCarrizo新リビジョン」を参照してほしい。


Su氏,Zenを掲げる


 プレスカンファレンスの最後に再び登場したSu氏は,「3つある」とした発表内容の残り1つとなるとなる将来の技術として,開発コードネームSummit RidgeのCPUパッケージを掲げてみせた。

Summit Ridgeを掲げるSu氏。パッケージは今回が世界初公開となった
Radeon RX 400

 「AM4」パッケージを採用して2016年内に登場することが予告済みのSummit RidgeについてSu氏は,クロックあたりの命令実行効率(IPC)が,これまでのAMD製CPUに対して40%向上していることを公表した。さらに,8コア仕様で16スレッド処理が可能なSMT(Simultaneous Multi-Threading)に対応した命令実行モデルを採用することも明らかにしている。

Summit RidgeはIPCが従来比40%向上し,8コア16スレッド対応に
Radeon RX 400

 Su氏はまた,Zenマイクロアーキテクチャ(≒Zenコア)を,当初はハイエンドデスクトップPCとワークステーション,サーバー向けに展開しつつ,その後はノートPC,中長期的にはAPUへの統合も行って組み込み市場もカバーするといった具合で,スケーラブルに展開していく戦略も発表している。

Zenマイクロアーキテクチャは,中長期的に,広い市場を狙うこととなる
Radeon RX 400

 Su氏によると,Summit Ridgeの初期サンプルは2016年の初頭に完成しており,現在は評価を進めている段階にあるという。早ければ数か月以内にOEMとなるPCメーカー向けの出荷を開始するとのことなので,開発は順調という理解でよさそうだ。

 AMDのデスクトップPC向けハイエンドCPUは事実上,2012年10月に第2世代AMD FXとしてデビューした「Vishera」コアを最後に革新が入っておらず,今や,「AMDがハイエンド市場向けのCPUを持っていない」というのは,揶揄でも何でもなく,厳然たる事実として語られてしまっている。
 それだけに,AMDがこの市場に戻ってくるというのは,AMDファンのみならず,全PCゲーマー要注目と言えるだろう。AM4プラットフォームの立ち上がりを,楽しみに待ちたいところである。

AMDのCOMPUTEX TAIPEI 2016特設ページ(英語)

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    Radeon RX 400

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    Ryzen(Zen,Zen+)

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    AMD A-Series(Bristol Ridge)

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