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GPU計24製品で試す「FFXIV 紅蓮のリベレーター」公式ベンチマーク。平均60fpsを得るのに必要なスコアはいくつなのか
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印刷2017/05/08 00:00

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GPU計24製品で試す「FFXIV 紅蓮のリベレーター」公式ベンチマーク。平均60fpsを得るのに必要なスコアはいくつなのか

画像集 No.002のサムネイル画像 / GPU計24製品で試す「FFXIV 紅蓮のリベレーター」公式ベンチマーク。平均60fpsを得るのに必要なスコアはいくつなのか
 2017年6月20日リリース予定となっている「ファイナルファンタジーXIV」最新拡張パッケージ「紅蓮のリベレーター」。その公式ベンチマークソフトである「ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター ベンチマーク」(以下,FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチ)が,2017年4月29日,スクウェア・エニックスから公開となった。

 リリース当日のテストレポートで4Gamerは,FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチが従来の「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」(以下,FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチ)と比べて負荷が高くなった可能性を指摘済みだが,では実際のところ,どのクラスのGPUでどれくらいのテスト結果が出るのだろうか。筆者の手元にあるGPU合計24製品で,解像度とグラフィックス設定プリセットを切り換えながら実行してみた結果をお伝えしたい。

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ゲームに実装された照り返しの機能がベンチマークにも加わる


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 テストに先立って,FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチの仕様についておさらいしておこう。
 FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチは,採用するグラフィックスAPIがDirectX 11のみとなり,FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチでは選択できたDirectX 9モードのサポートが打ち切られた。また,対応OSは64bit版Windows 10・8.1・7のみとなる。ゲーム本編はDirectX 9モードでの実行も,32bit版Windowsもサポートしているが,ベンチマークテストはより高いグラフィックス表示にフォーカスしたという理解でいいはずだ。

 テストにあたって選択できるグラフィックス設定プリセットは,

  • 最高品質
  • 高品質(デスクトップPC)
  • 高品質(ノートPC)
  • 標準品質(デスクトップPC)
  • 標準品質(ノートPC)

FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチで加わった「照り返しの表現」に関する設定項目。選択肢は「標準品質」「適用しない」の2つだ
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の5つ。FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチは,2015年11月リリースのパッチ3.1「光と闇の境界」でゲームに実装済みである「照り返しの表現」が,公式ベンチマークソフトでは初めて追加となっているが,最高品質と高品質(デスクトップPC)の2つでは本要素が標準適用となる。

 簡単に言うと,「照り返しの表現」は水面の反射がキャラクターなどに映り込むエフェクトのこと。実際,FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチで「照り返しの表現」を有効化すると,水辺のシーンでアウラの女性に水面の反射が映り込んでいる様子を確認できる。

最高品質(左)と,最高品質から「照り返しの表現」を無効化した状態(右)。撮影タイミングが微妙にズレているので,完全に同じコマではないものの,「照り返しの表現」が有効だと,キャラクターの腹周りに水面の反射があるのを確認できる
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GeForce 15製品とRadeon 9製品をテスト。1920×1080ドットを中心に5解像度で比較


 テスト環境のセットアップに入ろう。
 今回,GPUは前述のとおり24製品用意した。GeForceはPascal世代のGeForce GTX 10シリーズ7製品すべて(※GeForceを名乗っていない「NVIDIA TITAN Xp」「NVIDIA TITAN X」は除外する)と,第2世代MaxwellアーキテクチャからGeForce GTX 900シリーズ,そして第1世代Maxwellアーキテクチャから,スクウェア・エニックスがPC版紅蓮のリベレーターの必須動作環境としている「GeForce GTX 750」と,その上位モデルに当たる「GeForce GTX 750 Ti」も用意した次第だ。
 Radeonのほうは,Polarisマクロアーキテクチャを採用するRadeon RX 500&400シリーズと,その上位モデルでFiji世代のRadeon R9 Furyシリーズを一通り揃えている。

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 今回のテストにあたってはできる限りリファレンス仕様のカードを用意しようと努力したが,「そもそもリファレンスデザインのカードが流通していない」などといった理由により,すべて揃えることはできていない。そのため,クロックアップ仕様のカードはMSI製オーバークロックツール「Afterburner」(Version 4.3.0)を用いて,動作クロックをリファレンス相当にまで下げている。
 ただ,クロックアップ仕様のカードはより冷却能力の高いクーラーを搭載するケースがほとんどなので,純然たるリファレンス仕様と比べると,ブーストクロックは高く推移するはずだ。こればかりはどうしようもないので,やむを得ないものとして話を進めさせてもらえればと思う。

 テストに用いたグラフィックスドライバはGeForceが「GeForce 381.89 Driver」,Radeonが「Radeon Software Crimson ReLive Edition」。どちらもテスト開始時点の最新版だ。どちらもより新しいものが5月に入ってから登場しているが,FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチに関するアップデートは報告されていないので,大きな問題はないと考えている。そのほかテスト環境はのとおりだ。

※そのまま掲載すると縦に大きくなりすぎるので簡略版としました。表画像をクリックすると完全版を表示します
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 グラフィックス設定プリセットは,最も負荷の高い「最高品質」と,比較的低い「標準品質(デスクトップPC)」(以下,標準品質)を選択。以下,GPU名から「GeForce」「Radeon」は省略するが,ハイエンドからエントリーまで幅広く製品を集めたこともあり,GPUをまず以下のとおり3グループに分けることにした。

  • ハイクラス:GTX 1080 Ti,GTX 1080,GTX 1070,GTX TITAN X(※第2世代Maxwellベース),GTX 980 Ti,R9 Fury X,R9 Fury
  • ミドルクラス:GTX 1060 6GB,GTX 1060 3GB,GTX 980,GTX 970,R9 Nano,RX 580,RX 570,RX 480,RX 470
  • エントリークラス:GTX 1050 Ti,GTX 1050,GTX 960,GTX 950,GTX 750 Ti,GTX 750,RX 460,RX 550

 そのうえで,クラスごとにテスト解像度を以下のとおり分ける。すべてのGPUで1920×1080ドットのテストを行うが,それ以外の解像度は,ターゲットとなる市場ごとに変わるという理解でいい。
 なお,テストは基本的に「フルスクリーン」を選択して行っているが,1280×720ドットだけはフルスクリーン表示を行うとスコアが大きく低下したため,ウインドウを擬似的にフルスクリーン表示させる「仮想フルスクリーン」を選択している。

  • ハイクラス:3840×2160ドット,2560×1440ドット,1920×1080ドット
  • ミドルクラス:2560×1440ドット,1920×1080ドット,1600×900ドット
  • エントリークラス:1920×1080ドット,1600×900ドット,1280×720ドット

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 なお,事前の検証で,複数回テストを繰り返してもスコアに大きなバラツキがなかったことと,1回あたり6分強という所要時間を考慮し,今回,テストは1回だけ実行し,そのとき得られたスコアを採用することにした。また,テストにおいては「Fraps」(Version 3.5.99)からテスト中の最小フレームレートも取得する。
 さらに今回は,実際のゲーム環境に近づけるべく,CPUの自動クロックアップ機能である「Intel Turbo Boost Technology」(以下,Turbo Boost)は有効なままテストしている。

 ちなみに,スクウェア・エニックスが示す「スコアの見方」は以下のとおり。7000以上で「非常に快適」,5000〜6999で「とても快適」といった,基本的な見方はFFXIV蒼天のイシュガルド ベンチから変わっていない。

●ベンチマークスコアとプレイの目安
  • 7000以上:非常に快適
  • 5000〜6999:とても快適
  • 3500〜4999:快適
  • 2500〜3499:やや快適
  • 2000〜2499:普通
  • 1500〜1999:設定変更を推奨
  • 1000〜1499:設定変更が必要
  • 1000未満:動作困難


スコア7000でも平均フレームレートは60fps割れ。高解像度条件で最小フレームレートを上げるのはなかなか難しい


 以下,グラフ中では「最高品質」のスコア基準――フレームレートを示すグラフでも,基準は総合スコアのほうだ――で上から並べていること,グラフの色は製品世代で塗り分けていること,そして第2世代MaxwellベースのGTX TITAN Xはグラフ中に限り「GTX TITAN X(MXW)」と表記することをお断りしつつ,より高い解像度から順にテスト結果を見ていこう。

 グラフ1はハイクラスのGPU計7製品を対象に実施した解像度3840×2160ドット条件のスコアだが,ここではGTX 1080 Tiが突出した格好となり,次いでGTX 1080,GTX 1070といった具合に,PascalアーキテクチャのGPUが上位を占めている。
 最高品質でスコア7000を超えたのはGTX 1080 Tiだけなので,3840×2160ドットで快適にプレイするためには,SLIやCrossFireといったマルチGPU構成を視野に入れる必要がありそうだ。

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 実フレームレートベースのグラフは最高品質をグラフ2,標準品質をグラフ3にまとめたが,ここで注目したいのは,最高品質だとスコアにして8700台のGTX 1080 Tiでさえ平均フレームレートが60fpsに達せず,最小フレームレートも33fpsにまで落ち込んでいること。紅蓮のリベレーターを4K解像度の最高品質で快適にプレイするためのハードルはかなり高いということになるだろう。
 なお,4K解像度では,仮にグラフィックス品質プリセットを標準品質にまで下げても,GTX 1070以下では最小フレームレートが30fpsを下回った。

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 次は解像度2560×1440ドットで,ここでは16製品が対象となるが,総合スコアはグラフ4のとおりで,最高品質においてスコア7000を超えてくるのはGTX 1060 3GBもしくはRX 580以上と,ぐっと現実的になってくる。

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 ただ,実フレームレートを見るグラフ5,6だと,GTX 1060 3GBおよびRX 580は平均フレームレートで50fpsを切り,最小フレームレートも30fpsを下回る。FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチだとスコア7000で平均54〜58fps程度だったので,やはりFFXIV紅蓮のリベレーター ベンチは“重く”なっていると言えそうだ。
 4GamerではRPG作品における合格ラインとして最小30fpsを1つの基準に据えているのだが,その基準で判断すると,最高品質における合格点超えはR9 Nano以上と,選択肢はぐっと少なくなった。ちなみにR9 Nanoの場合,最高品質での総合スコアは上で示したとおり8501である。

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 グラフ6の標準品質だと合格ラインもぐっと下がる一方,最小フレームレートが60fps強あたりで頭打ちになっているのは少々気になるところである。

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 用意した全製品でテストを行う1920×1080ドット,その総合スコアがグラフ7となる。
 最高品質でスコア7000を超えるのはGTX 960以上で,標準品質だと全製品が超えてきた。また,必須動作環境であるGTX 750が,最高品質だと上から3番めの指標となる「快適」の枠内,標準品質だとスコア1万弱を示している点にも注目しておきたい。

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 グラフ8は最高品質における平均および最小フレームレートを見たもので,スコア7000を超えたGTX 960の平均フレームレートはやはり50fps未満。最小フレームレートにいたっては24fpsだ。最小フレームレート30fpsを超えた最も低いスコアのGPUはRX 470で,その最小フレームレートは35fps,総合スコアは9615だった。

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 標準品質における平均,最小フレームレートを見るグラフ9だと,最小フレームレートで30fpsを超えるのはGTX 950以上。GTX 970以上では最小フレームレートがやはり60fps台前半で頭打ちになっているが,この理由については後ほど考察したい。

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 ハイクラスGPUがテスト対象から外れる1600×900ドット条件のスコアがグラフ10だ。最高品質でスコア7000を超えるのはGTX 950以上のGPUだ。これくらいまで解像度を下げると,最高品質であっても,GPUの要求レベルはかなり低くなってくると述べていいだろう。

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 最高品質における実フレームレートを見るグラフ11だと,スコア7000超えだったGTX 950は最小フレームレートがわずかながらも30fpsに届かず。ぴったり30fpsとなったGTX 1050のスコアは8487だった。

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 標準品質の実フレームレート一覧がグラフ12で,ここだとRX 550を除く全製品が最小30fps超えを果たした。なお,最小フレームレートが62〜63fps程度で頭打ちとなる現象は,ここでも確認できている。

画像集 No.022のサムネイル画像 / GPU計24製品で試す「FFXIV 紅蓮のリベレーター」公式ベンチマーク。平均60fpsを得るのに必要なスコアはいくつなのか

 最後はエントリークラスのGPUのみが対象となる解像度1280×720ドットだが,さすがにここまで解像度を下げると,最高品質であってもスコア7000割れのGPUは出てこない(グラフ13)。

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 実フレームレート取得結果がグラフ14,15で,最高品質のスコアが8056だったGTX 750 Ti以下のGPUは,平均フレームレートで60fps,最小フレームレートで30fpsのラインに届かず。最小フレームレートが32fpsとなるRX 460はスコア9400超を記録している。
 標準品質で最小フレームレートが頭打ちになる現象は,ここでも見ることができた。

画像集 No.024のサムネイル画像 / GPU計24製品で試す「FFXIV 紅蓮のリベレーター」公式ベンチマーク。平均60fpsを得るのに必要なスコアはいくつなのか
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 FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチの実行にあたっては同時に,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」からシステム全体の消費電力も測定しておいたので,結果を並べてみたい。今回はテスト実行時に記録されたログから最も高い電力値をスコアとして採用している。
 結果はグラフ16のとおりで,ハイクラスのGPUでは300Wを大きく超えてきている。全体としては,GTX 1080 Tiを除くPascal世代のGPUにおける消費電力の低さが目を惹く結果となった。

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CPUコア数,スレッド数とスコアはほぼ比例。最小フレームレートにはCPU性能の影響が大きい


 GPUとスコア,フレームレートの関係を確認できたところで,今度はCPUとスコアの関係をざっくり見ておきたい。
 ここでは,GPUがボトルネックとならないようGTX 1080で固定のうえ,解像度は1920×1080ドットで固定した状態から,マザーボードのUEFIでCPUのコア数と「Hyper-Threading Technology」の有効/無効を切り換えることで,標準状態の4コア8スレッド(以下,4C8T)のほか,4コア4スレッド(以下,4C4T),2コア4スレッド(以下,2C4T),2コア2スレッド(以下,2C2T)の状況を作り出し,スコアとフレームレートの比較を行った。
 Ryzen 7の8コア16スレッドや6コア12スレッドでもテストできるとよかったが,今回はスケジュールの都合から,GPU検証に用いたCPUのみを使うので,この点はご了承を。

 というわけで,結果はグラフ17のとおり。CPUのコア数,スレッド数とほぼ比例する形でスコアが階段状に並んでいるのが分かる。少なくとも4C8Tまではコア数,スレッド数が多いほうが有利というわけだ。

画像集 No.027のサムネイル画像 / GPU計24製品で試す「FFXIV 紅蓮のリベレーター」公式ベンチマーク。平均60fpsを得るのに必要なスコアはいくつなのか

 フレームレートにはどういう影響が出ているか。最高品質のフレームレートをまとめたグラフ18,19で4C8Tと2C2Tを比較すると,平均だと約17%のスコア差が,最小では約63%と一気に広がるのが分かる。
 標準品質はよりCPU性能がスコアを左右するようになるため,平均フレームレートのギャップは約27%と拡大。ただ,前段でも触れた「最小フレームレートの頭打ち」があるため,こちらのスコア差は約62%と大きくは変わっていない。
 いずれにせよ,少なくとも一定レベルのGPUを組み合わせた環境だと,最小フレームレートはCPUの対応スレッド数によってかなり変わる傾向にあるように思われる。

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 次に,CPUのスレッド数は標準である4C8Tのまま,Turbo BoostをマザーボードのUEFIから無効にし,さらにCPUの動作倍率を45,40,35,30と切り換えてテストを行うことにした。つまり,4コアすべての動作クロックを順に4.5GHz,4.0GHz,3.5GHz,3.0GHzとすることで,動作クロックとスコアの関係を確認しようというわけだ。

 ここでもまずは総合スコアから見ていくが,グラフ20にまとめた総合スコアからは,最高品質,標準品質とも,CPUの動作クロックが上がるとスコアもそれに合わせて高くなることを確認できる。

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 フレームレートをまとめたのがグラフ21,22で,平均,最小ともスコア傾向を踏襲した階段状になっているが,ここで注目したいのは最小フレームレートである。というのも,3.0GHzでは一桁まで最小フレームレートが落ち込み,平均フレームレートとの乖離がかなり大きいものになってしまっているからだ。
 動作クロックの上がり幅も,平均より最小のほうが大きい。

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 以上,CPU性能はゲームのフレームレート,とくに最小フレームレートに大きく影響していることが分かったわけだが,前段でも指摘したとおり,FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチでは,その最小フレームレートが頭打ちになる傾向を確認できている。では,どこで頭打ちになっているのだろう? CPUを標準状態に戻して,最高品質の1920×1080ドットにおいてフレームレートの推移を追ったものがグラフ23となる。

FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチで最もフレームレートが落ち込むのは,開始から260秒近辺の,大規模F.A.T.E.だった
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 ここでも使っているGPUはGTX 1080だが,ベンチマーク開始から260秒あたりで最もフレームレートが落ち込んでいる。ここは大規模F.A.T.E.(Full Active Time Event)を模したシークエンスのところで,1匹の大型MOBに対し,多数のプレイヤーキャラクターが攻撃を行っている場面だ。
 同じようなシーンは,ゲームでも起こり得ることは用意に想像できるが,こういう局面ではどんなに高い性能のGPUを組み合わせても最小フレームレートが60fps強にまで落ち込みうること,そしてそこで高い性能を得たいのであればCPU性能が重要になることは,憶えておいても損はないだろう。

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紅蓮のリベレーターの快適プレイを目指すにはGPUとCPU両方のバランスが大切


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 蒼天のイシュガルドに続き,紅蓮のリベレーターの開発にも,NVIDIAの技術支援が入っており,それはベンチマークソフトのメインウインドウ上でも「GameWorks」のロゴとして確認できる。それゆえ,全体としてはGeForceのスコアが高い傾向にあるものの,だからと言ってRadeonが極端に不利ということもない。また,確かに“重く”はなっているものの,解像度さえ適切に選択すれば,従来世代の,しかもミドルクラス以下のGPUでも何とかならないことはないだろう。

 全体を通じて言えるのは,スコア7000では平均フレームレートにして50fps,最小フレームレートにして30fpsを下回るケースがあること。先のテストレポートではスコア9000くらいが目処ではないかと述べたが,今回のテスト結果を踏まえる限り,平均60fps,最小30fpsのラインはスコア8500くらいにあると見るのが妥当そうだ。
 そこでスコア8500を基準に見ていくと,最高品質の1920×1080ドットでプレイするなら,GTX 970もしくはRX 470以上のGPUが必要ということになる。いま買うなら現実的な選択肢はGTX 1060 3GBもしくはRX 580以上といったところか。ゲーム機にはドットバイドットで出せないゲーム内解像度である2560×1440ドットを狙うのであればGTX 980 TiもしくはR9 Nano以上が必要で,こちらの場合,新規に買うならGTX 1070以上を選んでおけば間違いないはずである。

 また,一定レベルのGPU性能を確保できている限り,最小フレームレートを左右するのはむしろCPU性能であることも分かった。自分のプレイしたいグラフィックス設定プリセットと解像度でスコアが上がらないという場合は,GPUだけでなく,CPUも含めてバランスよく見直す必要がありそうだ。
 紅蓮のリベレーターのサービス開始となる6月20日まで,残り1か月半。今回のテスト結果が,PCアップグレードの参考になれば幸いだ。

スクウェア・エニックスのFFXIV紅蓮のレベレーター ベンチ配布ページ


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