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印刷2019/10/03 13:59

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ポケモンの石原恒和氏がゲーミフィケーションについて語ったセッションをレポート

 2019年10月2日,ヘルスケアとゲーミフィケーション技術の融合に対する期待やその方向性について発信するイベント「Healthcare×Gamification Forum 〜ゲームによるヘルスケアの進化〜」が,東京都内で開催された。
 本稿では,その中からポケモン 代表取締役社長 石原恒和氏によるセッション「ゲーミフィケーションを考える」およびダイアログの模様をレポートする。

画像(001)ポケモンの石原恒和氏がゲーミフィケーションについて語ったセッションをレポート


セッション「ゲーミフィケーションを考える」


 ゲーミフィケーションとは,ゲームの要素をゲーム以外の分野に応用することを指し,健康や医療,労働,教育などに可能性があると考えられている。本セッションでは,石原氏がゲームのプロデューサーという立場から,ゲーミフィケーションにどのような可能性があるかを語った。

石原恒和氏
画像(002)ポケモンの石原恒和氏がゲーミフィケーションについて語ったセッションをレポート

 石原氏がゲーミフィケーションの事例として最初に挙げたのは,「テトリス」である。寝食を忘れるほど「テトリス」にハマった石原氏は,1987年に開発者であるアレクセイ・パジトノフ氏に会うため,モスクワに行ったという。

画像(003)ポケモンの石原恒和氏がゲーミフィケーションについて語ったセッションをレポート

 そもそも「テトリス」は,1984年にソビエト連邦科学アカデミーにて,コンピュータ科学者であり,心理学者でもあるパジトノフ氏を中心に開発された教育用ソフトで,人々に効率よく単純労働をさせる仕組みの研究によって生まれた。
 そのため本作には,学習や労働が継続的に行われる心理状態や,報酬や競争が設定されることによる追加効果などが盛り込まれているのである。例えばハイスコアが表示されれば,人々はそれを越えようと競うようになる。またテトリミノをうまく組み合わせて,同時に多くの段を消すことができれば,それだけ高得点になるというのもその1つだ。
 そうした仕組みを作れば,人間は延々と単純労働を続けるという発想のもと行われた研究の成果が「テトリス」であり,石原氏は「これぞまさしくゲーミフィケーション」と表現した。

画像(004)ポケモンの石原恒和氏がゲーミフィケーションについて語ったセッションをレポート

 ちなみに石原氏は,面白いゲームを作ることや,長い時間同じゲームを遊んでもらうことを難しいと考えており,パジトノフ氏の「人を夢中にさせることは,それほど難しいことではない」という言葉にショックを受けたという。

 続いて石原氏が挙げたのは「Pokémon GO」iOS/Android)だ。最近では,歩くことで健康になると言われているが,筑波大学大学院人間総合科学研究科教授 久野譜也氏らの研究によると,その医療費抑制効果は1日1歩あたり0.061円とのこと。
 これを「Pokémon GO」に当てはめると,これまで世界中の全プレイヤーが本作を使って歩いた距離の合計は約230億kmで,1歩あたり0.7mで計算すると約2兆円の医療費が抑制されたことになる。日本のプレイヤー数は全体の3分の1程度とのことで,日本だけでも7000億円弱の医療費が抑制されたこととなり,石原氏は「うちの売上よりすごい」と話していた。

画像(005)ポケモンの石原恒和氏がゲーミフィケーションについて語ったセッションをレポート

 その一方で,ゲームのプロデューサーとしてゲーミフィケーションを考えると,「人が夢中になれる遊びの仕組みを使えば,さまざまな課題を解決できる」という幻想を持っている人が多いと石原氏は感じているとのこと。と言うのは,そもそも人が夢中になり,かつ飽きずに遊び続けてもらえるゲームを開発することは困難であり,それをゲーム外の別軸で機能させるのは,さらに大変だからだ。

 また今後のゲーミフィケーションに対する石原氏のイメージは,センサー付きのシンプルなデバイスで歩数や血圧,心拍数,カロリー消費,睡眠状態などのデータを測定し,プレイヤーがそれらを遊び心を持って利用できる仕組みの開発だという。
 ポケモンは2020年に「ポケモンスリープ」をリリースすると発表しているが,石原氏は「これだけデバイスや通信が進化していれば,睡眠のエンターテイメント化も可能なのではないかと考えた」とコメントしていた。

 ただしプレイヤー個人のデータを扱うには,個人情報の保護という課題が付きまとう。石原氏はGDPR(一般データ保護規則)やCOPPA(児童オンラインプライバシー保護法),子どもの個人情報保護などを人類の健康医療向上の観点からクリアしつつ,ビッグデータのAI解析などを行う必要があるとも語っていた。


人々を夢中にし,継続して遊んでもらうことの難しさ


 セッション後のダイアログでは,横浜国際平和会議場 代表取締役社長 中山こずゑ氏が聞き手となり,石原氏からこれまでの活動やゲーミフィケーションにまつわる話が語られた。

中山こずゑ氏
画像(006)ポケモンの石原恒和氏がゲーミフィケーションについて語ったセッションをレポート

 これまでの歩みを問われた石原氏は,学生時代にコンピュータアートを学び,卒業後もCGを使ったテレビ番組などの制作に関わっていたエピソードを披露。やがて石原氏はコンピュータアートよりもインタラクティブなゲームと出会い,さらに「テトリス」にハマって1987年にパジトノフ氏に会いに行ったことは上記のとおりだ。

 当時のパジトノフ氏らはゲーム開発というよりも,まさに研究をしているといった感じで,石原氏が抱いていたイメージとはまったく違ったという。そのときにゲームの役割について学んだことが,現在に至るまでのスタートラインになったそうである。

 それから約30年後の2014年,Google Mapのエイプリルフール企画「Pokémon Challenge」を発端に,当時Googleから独立したばかりのNianticが「Pokémon GO」の開発に乗り出したというのは有名な話だが,人々を外に連れ出すというジョン・ハンケ氏の思想と,デバイスやGPSの進化などがうまく融合してゲーミフィケーションにつながったと話していた。

 またポケモンという会社が「ポケットモンスター」しか扱わない理由は,石原氏によると1996年の「ポケットモンスター 赤・緑」のリリース後,シリーズは世界中で人気となり,1999年頃にはアニメや映画など派生作品も増えていったため,それら以外のことにリソースを割けなくなっていったからだという。そこで2000年に,「ポケットモンスター」しか扱わない会社としてポケモンを設立したそうだ。

画像(007)ポケモンの石原恒和氏がゲーミフィケーションについて語ったセッションをレポート

 石原氏は「ポケットモンスター」シリーズを作るにあたり,リアルとゲーム内の双方の世界を大切にしているという。それを意識したのは,やはり「ポケットモンスター 赤・緑」のリリース後で,プレイヤー達がエンディング到達後も,図鑑の空欄を埋めるために友達とポケモンを交換したり,ポケモンの出現情報を交換したり,あるいは対戦したりとゲーム外でコミュニケーションを図っていると知ったことが理由だ。ケーブルを使って通信する仕組みを作っただけで遊びが拡大することを実感した石原氏は,以降,どうすればゲームにこうした「閉じていない遊び」を入れられるか考えるようになったという。

 しかし,人々に継続してもらえる遊びを作り出すのは非常に難しいと石原氏。「ポケットモンスター」シリーズでは,ポケモンを順番に集める面白さやポケモン同士の関係性などを常に表現し,世界を広げていく努力を必死に続けることで,遊び続けてもらえる可能性を少しだけ上げているという。石原氏は「小学校を卒業したら,ポケモンも卒業という人が圧倒的に多い。その状況下で続けてもらうためには,私達も知恵を出し続けるしかない」と話していた。

 なお,石原氏は「自分自身,飽きたときが止めどき」だと考えて,日々の取り組みを行っているという。「ポケットモンスター」シリーズの新商品の企画開発は今なお楽しいし,毎朝の愛犬の散歩時に「Pokémon GO」をプレイすることは習慣化できているそうで,「面白く思えるうちは続けられる」と語った。

 またダイアログの最後には,新作の「ポケモンスリープ」について言及がなされた。石原氏によると本作の発端は,スマートウォッチなどのデバイスで自身の身体に関するさまざまなデータを手軽に測定できるようになったことだという。ただ,「Pokémon GO」なら「がんばって歩こう」という考え方ができるが,「ポケモンスリープ」では「がんばって寝よう」とはならない。そのため,どんな仕組みを作れば朝起きるのが楽しみになるのか,日々頭を巡らせているそうだ。

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