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登場から約8か月でRaven Ridge「Ryzen 2000G」のゲーム性能は上がったか。歴代ドライバで性能を比較してみた
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印刷2018/10/09 12:47

テストレポート

登場から約8か月でRaven Ridge「Ryzen 2000G」のゲーム性能は上がったか。歴代ドライバで性能を比較してみた

Ryzen 5 2400G
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 2018年2月に発売となったデスクトップPC向けAPU「Ryzen Desktop Processors with Radeon Vega Graphics」(以下,Ryzen 2000G)は,第1世代Zenマイクロアーキテクチャ世代のコアに自動クロックアップ機能「Precision Boost 2」を組み合わせたCPUと,Radeon Vega世代のGPUを統合したプロセッサだ。最上位モデルである「Ryzen 5 2400G」がデビューしたとき,4Gamerとしては「高速なメモリモジュールを組み合わせれば,軽めの3Dゲームなら十分プレイできるレベル」と評価している。

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 2018年2月12日23:00,AMDは,開発コードネーム「Raven Ridge」と呼ばれてきたAPUのデスクトップPC向けモデル「Ryzen 5 2400G」「Ryzen 3 2200G」を正式に発表した。4Gamerでは気になる「Ryzen+Radeon Vega」な新世代APUをテストすることができたので,その結果をお届けしたい。

[2018/02/12 23:00]
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 ついに,デスクトップPC向け新世代APU,「Raven Ridge」こと「Ryzen 5 2400G」「Ryzen 3 2200G」が正式発表となった。そのレビューはすでにお届け済みだが,実際のところ,オンラインゲームは統合型GPUでどの程度動くのだろう? OverwatchとWoWs,PUBGで試したBRZRK氏のレポートをお届けしたい。

[2018/02/13 00:00]

 3D性能を語るうえで重要になるのはグラフィックスドライバだが,Ryzen 2000Gシリーズの登場から約半年間,ドライバリリースは基本的に3か月ごとだった。AMDの中でそのルールが変わり,単体GPU用Radeon Softwareとの同時リリースになった(と思われる)のは9月公開の「Radeon Software Adrenalin Edition 18.9.1」からだが(※),そうなると気になるのはその最適化度合いだ。

※より正確を期すと,「Radeon Software Adrenalin Edition 18.8.1」はリリース後しばらくして「aug-17」版に置き換わり,ここでAPUに対応しているので,「18.8.1のaug-17版から」という紹介も可能だ。

 常識的に考えて,単体GPU用Radeon Softwareと同じタイミングでAPU用ドライバも出るようになったことは,そのペースでリリースしても問題ないほどにAPU用ドライバの成熟が進んだことの証左ととれるわけだが,果たして実際にそうなのか。実際に試してみたので,結果をレポートしたい。


Ryzen 5 2400Gを使って歴代ドライバ5つを比較


 さっそくだが,テストに用いたドライバの話を始めよう。今回用意したのは以下のリリースである。


 基本的には,17.40.3701と比べて世代を重ねるごとにどうなっていったかというのを見ることになる。Adrenalin Edition以降の4リリースでは,統合版ドライバに向けて何が起こったか,もしくは起こりつつあるかを見極めるというのも重要なポイントになるだろう。

テスト環境。組み合わせるクーラーは初回レビュー時と同じくサイズ製の空冷式サイドフローモデル「MUGEN 5 Rev.B」となる
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 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション22.0準拠。ただしRyzen 5 2400GのGPU性能はエントリークラスのため,低負荷寄りの設定を用いることにしている。
 また,発表に合わせて実施したテストで,Ryzen 2000Gシリーズで1920×1080ドットを超えた解像度は荷が重いと判明しているため,今回,「3DMark」(Version 2.5.5029)を除く実ゲームタイトルのテスト解像度は1920×1080ドット,1600×900ドット,1280×720ドットの3パターンを採用することにした。

 テストに用いるAPUは冒頭でもその名を挙げたRyzen 5 2400G。そのほかテスト用システムのハードウェアは初回レビュー時と揃えている。グラフィックスメモリの容量はUEFI(BIOS)から「Auto」とした。

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単純に「新しいリリースほどスコアが高い」とは言えない,複雑な結果に


 では,結果を見ていこう。まずは3DMarkからだが,グラフ1はDirectX 11のテストとなる「Fire Strike」の総合スコアをまとめたものになる。
 最も分かりやすいであろう18.9.2と17.40.3701を比較してみると,「Fire Strike Ultra」でスコアが若干低下し,「Fire Strike Extreme」ではほぼ横並びとなり,Fire Strike“無印”では約6%高いスコアを示している。
 前述のとおり,Ryzen 5 2400Gが統合する「Radeon Vega 11 Graphics」GPUの実用域は1920×1080ドットのフルHD以内なので,ちょうどその解像度でスコアが約6%上がったのは見逃せないところだ。

 Fire Strikeのスコアの傾向を見ると,18.8.1でやや落ち込むものの全体的にはドライバが新しくなるに連れてスコアも向上しているように見える。これはもしかしたら,ドライバの改善によるものかもしれない。

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 グラフ2はFire Strikeにおける「Graphics test」の結果を抜き出したものだ。リリース当時のドライバである17.40.3701と比較すると18.9.2はFire Strike“無印”で約8%高いスコアを示している。

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 CPU性能テストとなる「Physics test」のスコアをまとめたものがグラフ3だが,結果はなかなか興味深い。というのもご覧のとおり,17.40.3701と比較して,18.9.2のスコアはFire Strike Ultraで約3%,Fire Strike Extremeで約6%,Fire Strike“無印”で約4%と,テスト条件にかかわらず上がっているからだ。
 中間世代のスコアはややバラつき気味だが,18.8.1を境にして,それ以降ではやや高めのスコアが出ているようにも見える。

 グラフィックスドライバの変更がCPUの性能テストであるPhysics testのスコアに関係があるのかと疑問に思う読者はいそうだが,Ryzen 2000Gの場合は関係している可能性がある。というのも,Ryzen 2000Gでは負荷状況に合わせて動的に統合型GPUとCPUの電力配分を変えているためだ。グラフィックスの挙動に応じてCPUの性能が上がるということは十分にあり得る。

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 続いてグラフ4はGPU性能とCPU性能の両方がスコアに影響を及ぼす「Combined test」の結果である。
 ここでは,Fire Strike ExtremeとFire Strike“無印”で17.40.3701のスコアが有意に低いのを除くとほぼ横並びといった結果になっている。

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 DirectX 12ベーステストとなる「Time Spy」の総合スコアをまとめたものがグラフ5だ。3840×2160ドット解像度でのテストとなる「Time Spy Extreme」はおそらく負荷が高すぎるという理由でスコアが横並びだが,2560×1440ドット解像度のTime Spy“無印”ではドライバのバージョンが新しくなるに連れてスコアが若干上がっていく傾向を確認できる。もっとも18.9.2のスコアは17.40.3701比で約2%高いだけなので,有意と言えるかは微妙なところだが。

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 グラフ6はTime SpyにおけるGPUテストの結果をまとめたものである。
 このテストではTime Spy Extremeだとほとんど横並びなのに対し,Time Spyでは17.40.3701のスコアが他に比べて約2%前後低いので,これが総合スコアに影響したのだと考えられる。

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 Time SpyからCPUテストの結果を抜き出したものがグラフ7となる。ここではTime Spy“無印”のスコアで18.9.2がやや高めのスコアを残しているものの,バージョンごとのばらつきが大きいだけに,有意なものかどうか判定しづらい。

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 以上,3DMarkの結果をまとめるとバージョンが上がるに連れてスコアが上がる傾向がなんとなく見られるものの,「上がっている」と断言まではできない印象がある。

 では実ゲームだとどうだろうか。グラフ8〜10は「Far Cry 5」を「中」プリセットで実行したときのスコアをまとめたものだが,ここでのスコアは(若干のバラつきはあるが)ほぼ横並びと言っていい。
 Far Cry 5においては最小30fps,平均40fpsベンチマークレギュレーションにおける合格ラインとなるが,Ryzen 5 2400Gは1280×720ドット条件で最小フレームレートのほうをクリアできている。ただ,全体として荷が重い印象は否めず,ドライバのバージョンによってその状況に変化も生じてはいない。

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 「Overwatch」の「NORMAL」設定におけるテスト結果をまとめたものがグラフ11〜13だ。ここでは1920×1080ドット時に17.40.3701のスコアが明らかに低いが,それ以外はほぼ横並びである。
 あえて言えば18.9.2の最小フレームレートが全体的にやや落ち込んでおり,その点は気になるものの,最小フレームレートはブレやすいのでその範囲内かもしれない。

 なお,スコアを見る限り,NORMAL設定で満足にプレイできる解像度は1600×900ドットまでということになる。

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 グラフ14〜16はPLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」(以下,PUBG)を「低」プリセットで実行したときの結果である。
 ここでは,若干のバラつきはあるものの,解像度設定に関わらず「バージョンが新しくなるとフレームレートが向上していく」傾向が得られた。1920×1080ドットでは最小フレームレート,1600×900ドット以下では平均,最小フレームレートの両方で確認できる。
 なんというか,18.5.1から18.8.1のところで最適化が入った印象だ。リリースノートレベルでそういった話はないので,何か根本的な性能改善策が入り,それがPUBGのスコアに影響した可能性はある。また,PUBGは「Unreal Engine 4」を使っているタイトルなので,18.8.1でUnreal Engine 4採用タイトル「We Happy Few」に入った最適化がプラスに作用している可能性もあるだろう。

 結果として,1600×900ドットと1280×720ドットの両条件で,18.9.2の平均フレームレートは17.40.3701のそれに対して20%以上上がっている。これは驚くべき数字だ。もちろん,それでもなお快適とは言いがたいフレームレートであるという現実を見る必要はあるだろうが。

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 「Fortnite」の「中」設定における結果がグラフ17〜19だ。AMDは18.9.2でFortniteに向けた最適化を進めたとしているが,テスト結果を見る限りRyzen 5 2400Gにおける「明らかなフレームレートの向上」はない。英文リリースノートでも最大4%の性能向上が得られるのはRadeon RX Vega 64搭載環境とされていたりするので,同じVega世代のGPUでもエントリークラスは対象外だったのだろう。

18.5.1ドライバを導入した状態でFortniteを実行しようとすると「最新版のドライバへアップデートせよ」という警告が出る
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 グラフでむしろ目立つのは18.5.1と17.40.3701で1280×720ドットにおける最小フレームレートが有意に高いことと,1920×1080ドットにおける18.5.1の最小フレームレートが有意に低いことのほうだ。
 実のところ,18.5.1使用時に限り,Fortnite起動時に「18.5.1には既知の問題がある」ためドライバをアップデートせよという警告が出る。といってもリプレイデータの再生に問題ないためこうしてスコアを取得できているのだが,警告が出る以上,何かバグがあるはずだ。18.5.1とそれ以前のドライバで最小フレームレートの挙動に異常があるのは「既知の問題」のせいかもしれない。

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 続いてグラフ20〜22は「Middle-earth: Shadow of War」(以下Shadow of War)における「中」プリセットの結果をまとめたものだ。
 Shadow of Warではすべてのテスト条件を通じて18.5.1の平均フレームレートが高くなった。ほかはおおむね横並びというのが不思議なところだ。

 振り返ってみると18.5.1は3DMarkのFire Strikeでもやや高いスコアを残すなど,一部で好成績を残している。一方ですぐ上でも述べたとおり,Fortniteでは「既知の問題がある」と明示してくるバージョンだったりもするので,18.5.1はグラフィックスの性能の向上を実現しつつもバグ含みという,やや特殊なバージョンなのかもしれない。

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 「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」(以下,FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチ)の「標準画質(デスクトップPC)」における総合スコアをまとめたものがグラフ23だ。
 ここではテストした3条件のいずれにおいても17.40.3701のスコアが最も低く,(18.30.10で若干落ち込むものの)全体としては新しいバージョンでスコアが高くなっていくという傾向が見られた。3つの解像度条件で同じ傾向が出ている以上,偶然ではないはずで,ドライバの世代が進んだことでスコアが上がる例の1つと紹介できそうである。

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 グラフ24〜26は,FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチにおける平均フレームレートと最小フレームレートをまとめたものだ。平均フレームレートはドライバの世代が進むに連れて上がっていく傾向にあるが,最小フレームレートはさほどの違いがないようだ。

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 「Project CARS 2」を「低負荷設定」で実行したときの結果がグラフ27〜29となる。
 ここではいずれのテスト条件においても18.5.1と17.40.3701で平均フレームレートがやや高いという妙な結果になった。3つの解像度で似た傾向が出た以上,偶然ではないだろう。「古いバージョンのほうが成績は良い」ということになるが,バグ修正などが特定のタイトルに負の影響を与えてしまうことは当然あり得るので,Project CARS 2はその影響が出ているタイトルと言えるかもしれない。
 とはいえ,プレイアブルの目安となる平均50fpsという基準には遠く及ばないので,「ドライバのバージョンを変えることによる影響は無視できるレベル」なのも確かである。

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まだら模様の結果だが,見えてくるものもある


 というわけで,グラフィックスドライバのバージョンを変更しながらRyzen 5 2400Gのゲーム性能を確認してきた。
 はっきりとバージョンアップの効果が見られるPUBGのようなタイトル,3DMarkやFFXIV紅蓮のリベレーター ベンチのように性能の微増傾向を確認できるタイトルがあったかと思うと,ほとんど変わらなかったり,むしろ下がったりと,全体としてはまだら模様の結果になったと言っていいだろう。

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 今回テストしたタイトルの中で,ドライバのバージョンアップにともなうフレームレートの向上が著しかったPUBGについて,AMDはドライバによる改善や改良をとくに謳っていない。だが,先に指摘したとおり,PUBGがUnreal Engine 4というメジャーなゲームエンジンを採用しているため,ドライバ改善の恩恵が継続的に得られている可能性は十分にある。そういうタイトルはPUBG以外にもあるだろう。

 一方,AMDが18.9.2で高速化を明確に謳っているFortniteでは,Ryzen 5 2400Gで明確な違いが出てこなかった。ドライバのリリースノートに書いてあっても,性能向上の恩恵が受けられるとは限らないわけで,おそらくそういう例はほかにもあるはずだ。そうした状況が見えてきたことが今回の収穫と言えるかと思う。

 ゲームグラフィックスの高度化でエントリークラスのGPUでは最新世代の3Dゲームをプレイすることが次第に厳しくなってきているが,それでもPUBGにおけるスコアの伸びからは希望が持てるだろう。PCゲーマーのサブ機用APUとして,Ryzen 2000Gシリーズはまだまだ活躍できそうだ。

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