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[GDC 2013]ゲームのコア部分を忘れず,新しいものを取り込め。「Dead Space 3」のグラフィックスは,こうして作られた
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印刷2013/03/30 16:10

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[GDC 2013]ゲームのコア部分を忘れず,新しいものを取り込め。「Dead Space 3」のグラフィックスは,こうして作られた

画像集#002のサムネイル/[GDC 2013]ゲームのコア部分を忘れず,新しいものを取り込め。「Dead Space 3」のグラフィックスは,こうして作られた

 北米で2013年2月5日,日本では英語PC版が2月14日にリリースされたホラーアクション「Dead Space 3」PC / PS3 / Xbox 360)は,2008年の「Dead Space」PC / PS3 /Xbox 360),そして2011年の「Dead Space 2」PC / PS3 / Xbox 360)に続くシリーズ最新作となる。ナンバリング作品以外にも,Wii向けのスピンオフタイトルである「Dead Space: Extraction」,ダウンロード専用タイトルの「Dead Space Ignition」PS3 / Xbox 360),さらに携帯機向けやアニメなど,さまざまな作品がリリースされてきた,Electronic Artsの看板シリーズだ。
 もともとは,EA Redwood Shores(現Visceral Games)でライセンスものを主に手がけていたスタッフが,低予算で,しかもモノにならなかったらクビという状況で作り出したというDead Space。わずか5年で,ここまでのフランチャイズに成長したわけだ。

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画像集#007のサムネイル/[GDC 2013]ゲームのコア部分を忘れず,新しいものを取り込め。「Dead Space 3」のグラフィックスは,こうして作られた
 さて,Game Developers Conference 2013の最終日となる北米時間の2013年3月29日に行われたセッション「The Art of Dead Space 3: Expanding the Visual Universe and Retaining the Core」(Dead Space 3の技術:グラフィックスの拡張とコア部分の保持)は,そんなDead Spaceシリーズ最新作におけるグラフィックス哲学を解説したものとなる。
 登壇したのは,Dead Space 3のアートディレクターであるAlex Muscat氏で,同氏はEA DICEでレベルデザイナーを務めたのち,「BioShock 2」PC / PS3 / Xbox 360)のレベルアーキテクトや「Dead Space 2」のシニア環境アーティストとして,ゲーム開発に携わってきたという経歴を持っている。アートディレクターを担当するのは本作が初めてとのことだ。

 Muscat氏はまず,「オリジナルのDead Spaceとは何か?」ということから仕事を始め,いくつかのキーワードを集めたという。
 まず重要なのはDead Spaceが「SFであること」。それも,ファンタジー色のほとんどない,意外なほどハードなSFであることだ。また主人公,つまりプレイヤーが地球から遠く離れた宇宙空間で戦う「孤独感」が「恐怖」を増幅する重要な要素であること。さらに,ゲームが「狭い空間」で,なおかつ「暗闇」を舞台に進むことなどがが挙げられた。そのほかにも「未知」や「グロテスク」「緊張感」などといったキーワードがあり,それらをDead Spaceのコアとしつつ,そこにどのようなグラフィックス的拡張を施していくかが,Muscat氏のミッションというわけである。

 すべてを完全に新しくしてしまうとDead Spaceシリーズに見えなくなってしまい,ファンに受け入れてもらえない恐れがある。だからといってシリーズ従来作と同じでいいわけではないところが,難しいポイントなのだ。

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 検討の結果,Muscat氏はライティングとカラーを変更し,コントラストを強調する形で闇を表現,なおかつ,これまで単調と言われていた色使いを,よりカラフルなものにすることにした。暗い場所で暗い色調ではプレイヤーが疲れてしまうため,こうした判断を下したとのことで,合い言葉は「ダーク&カラフル」となる。

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 また,同じ場所でも状況によってカラーパレットを変更して,緊迫感を高めるという演出が施されている。たとえば宇宙船の艦橋など,通常時と,爆弾によって船が損傷を受けて危険な状況になったときとでは,全体の色使いを変えてあるのだという。

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 ところで,Dead Space 3では新たなロケーションとして,惑星TAU VOKANTISが登場する。ここは,これまでの宇宙空間とは異なり,狭い空間や暗闇とはあまり縁がないような印象だが,Muscat氏によると実は近しいものだという。気温はときに氷点下60℃にもなるため,宇宙空間と同じく長く外にはいられない。また,暗さに代わって吹雪による視界の悪さで先が見えない怖さも手伝って,ゲームの主な舞台となる基地は,宇宙船の内部と同じだ。惑星上はオープンスペースだが,基本的には行ける場所が決まっているリニアなゲームシステムなので,プレイ感覚は変わらない。

 というわけでMuscat氏は,TAU VOKANTISのアートワークをいくつか公開した。確かに,広大な雪原に主人公がポツンと立っている様子は,かなり孤独感あふれるものだし,鋭く尖った氷が重なる氷河は危険な雰囲気が漂っている。無人の基地にはつららが下がり,吹雪と合わせて夜の闇も効果的に使われているようだ。居住区には,大混乱の跡も見られ,何か恐ろしいことが起きたような印象を与えている。

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 さて,ここで話はゲームで使われるガジェットに移った。Dead Spaceシリーズのプレイヤーには説明するまでもないことだが,主人公アイザック・クラーク(Isaac Clarke)は技師であり,第1作で壊れた宇宙船の修理に向かったことで,「Dead Space 3」にまで続く一連の騒ぎに巻き込まれたという不幸な人物だ。そのため彼は,手持ちの工具を使って戦うことになるのだが,最新作でもそのあたりに大きな変更はない。「個性的なバイザー付きのヘルメットをかぶり,切断用の工具を持ったアイザックの姿こそがDead Spaceシリーズのアイコン(※編注:ここでは「プレイヤーの想起するイメージ」くらいの意)だ」(Muscat氏)。

 最新作では,ゲーム中に登場する新たな器具類のデザインが工夫されており,「親しみがあり,見ただけでその機能が想像できるものにする」というコンセプトになっている。具体的には,下に示したスライドにもあるとおり,古いテレビやCRTディスプレイ,無線機やアナログ式のメーターなどから要素を取り出し,それをシリーズ従来作でおなじみのものと組み合わせるという感じでデザインされているのだ。
 アイザックらの着ている宇宙服もまた,アポロ宇宙船の飛行士が着ていたものからパーツが拝借されている。Dead SpaceシリーズはSFだが,極端に未来的なものではなく,こうしたレトロな要素を織り交ぜることで,独自の世界観を作り上げているのだとMuscat氏は語っていた。

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 最後にMuscat氏は,「ゲームのグラフィックスを決めるには,そのゲームのコアになる部分がどこにあるかをよく理解したうえで,新しいものを取り込むこと。そして,どのような層をターゲットにしているのかを考慮した,しっかりしたビジュアルプランを立てることが重要である」と述べ,講演を締めくくった。新規IPよりもヒット作の続編が多く作られる傾向の強い最近のゲーム業界だが,シリーズ作品に新たな雰囲気を持ち込むことに苦労している開発者達には,有益なレクチャーだったのではないだろうか。

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