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日本を起点にグローバル展開を目指す。ブラウザ型シミュレーション「ブラウザ戦国」をサービス予定の韓国Neowiz Gamesに話を聞いてみた
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印刷2010/11/19 16:57

インタビュー

日本を起点にグローバル展開を目指す。ブラウザ型シミュレーション「ブラウザ戦国」をサービス予定の韓国Neowiz Gamesに話を聞いてみた

 以前お伝えしたように,韓国Neowiz Gamesは,日本のオンラインゲーム市場への進出を予定している。これは同社の新たなグローバル戦略に沿った展開で,日本に続き世界各国へと相次いで進出していく予定だ。
 実のところ,同社はかつて日本法人を構えていたこともあったのだが(関連記事),それとはまったく意味の異なる展開のようだ。今回4Gamerでは,来日した同社の海外戦略担当であるEric Young S. Oh部長に,今回の日本進出の経緯や意図を聞いてみた。

 Eric氏は最初に,今回Neowiz Gamesが日本に進出することになった経緯や,どのような計画を持っているかを説明してくれた。

画像集#001のサムネイル/日本を起点にグローバル展開を目指す。ブラウザ型シミュレーション「ブラウザ戦国」をサービス予定の韓国Neowiz Gamesに話を聞いてみた
これまでNeowiz Gamesは,ライセンスアウトという形で,日本をはじめ各国に韓国のオンラインゲームを提供してきました。
 現在,韓国では中小規模のデベロッパの合併が進んでいます。パブリッシャ各社がソーシングできる完成度の高いタイトルの数が減少し,激しい競争に直面している状況です。ライセンスアウトに依存していては海外での事業展開のリスクが大きくなるので,それだけでなく,新たな海外向けサービスを提供する必要もあると考えるようになりました。
 そこで弊社は,世界的に大きな存在となっているブラウザゲームに着目しました。今後も大きな成長が見込める市場であると判断し,まずは日本,そしてヨーロッパへとグローバルに進出していく計画です


 Eric氏はブラウザゲーム市場に着目したと述べているが,日本でブラウザゲームが大きく注目され始めたのは2009年の話だ。それから1年以上経った現在では,パブリッシャ各社がさまざまなブラウザゲームのサービスを展開しており,市場競争は激化している真っ最中である。
 大手企業も参入しており,勝ち組が決まるのも時間の問題かもしれないというこの状況に,後発で日本市場に名乗りを上げるメリットはどのくらいあるのだろうか。

私達は,現在のパイを奪い合うのではなく,パイを広げるために日本市場に参入しようと考えたんです。つまり,これまでオンラインゲームを遊んでこなかった人,興味のなかった人にもブラウザゲームを知ってもらい,楽しんでもらうために,市場を拡大したいと考えています。
 また日本市場については,これまでの経験と分析から,独特の,とても特殊な傾向を持っていることを十分に承知しているつもりです。逆に言えば,それだけ興味深い市場であると捉えることもできます。日本は確かにハードルが高い市場ですが,それだけに,大きな可能性を秘めていると思うんです。正確な分析とそれに基づく的確なケアを行い,ゲームファンのニーズに応えられれば,大きな成功を収められる可能性がありますので,それを目指して事業を展開していくつもりです


 グローバル展開で日本やヨーロッパといった市場へ順次進出していくというのは,オーソドックスな戦略のように聞こえる。しかし,競争の激しいそれらの市場でビジネス的に成功を収めるのは,大きなチャレンジに違いない。例えば,東南アジアや南米といった,開拓途上の市場を狙うという選択肢はなかったのだろうか。

画像集#002のサムネイル/日本を起点にグローバル展開を目指す。ブラウザ型シミュレーション「ブラウザ戦国」をサービス予定の韓国Neowiz Gamesに話を聞いてみた
もちろん日本やヨーロッパは,いずれも大きな障壁のある市場だと理解していますが,規模や成長率を考慮すると,そのどちらも外せないと考えています。
 また海外サービスといっても,一つのゲームをそれぞれの国の言語に翻訳しただけのいい加減な内容にするつもりはありません。例えばヨーロッパでは,プレイヤー同士の交流を促すためにフォーラムを提供し,日本では,よりゲームファンになじみのあるスレッド形式の掲示板を提供します。これらは,市場別のケアのとても基本的な方向性の一つに過ぎません


 Eric氏は,今回の日本および欧米への進出は,あくまでも優先順位の問題に過ぎず,これを足掛かりにさまざまな国へ展開を広げていく計画だと述べる。

 そうした考えのもとに,Neowiz Gamesが日本進出の第1弾として投入するのが,現在,クローズドβテスター募集が行われている「ブラウザ戦国」だ。
 このタイトルは,日本の戦国時代を舞台とするブラウザタイプのストラテジーである。日本の歴史を扱ったゲームを外国企業が提供すると聞いて,不安を覚える人もいるかもしれないが,それを払拭すべく,同社はゲームの監修として,チキンヘッド代表取締役の南 人彰氏を招いた。

チキンヘッド代表取締役の南 人彰氏
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 チキンヘッドは「ADVANCED大戦略」シリーズを手がけたデベロッパで,南氏自身は世界各国の軍事関連──もちろん日本の戦国時代を含む──のオーソリティでもある。加えて,本作を企画したEric氏自身も世界の歴史に精通しており,とくに日本の戦国時代に関しては南氏が太鼓判を押すほど詳しいという。そのためブラウザ戦国は,戦国時代を扱ったストラテジーとして十分期待できる内容となりそうだ。
 なお,ブラウザ戦国の内容についても別途話を聞けたので,機会をあらためて紹介する予定だ。興味を持ったという人はもう少し待ってほしい。
 ともあれ,これらの情報からも,Neowiz Gamesが日本市場進出にかける意気込みが感じ取れるのではないだろうか。

画像集#005のサムネイル/日本を起点にグローバル展開を目指す。ブラウザ型シミュレーション「ブラウザ戦国」をサービス予定の韓国Neowiz Gamesに話を聞いてみた 画像集#006のサムネイル/日本を起点にグローバル展開を目指す。ブラウザ型シミュレーション「ブラウザ戦国」をサービス予定の韓国Neowiz Gamesに話を聞いてみた


 さて,Eric氏にブラウザゲームの将来性について尋ねたところ,次のような答えが返ってきた。

従来のゲームは,自宅でPCやゲーム機を使って遊ぶものでした。しかしブラウザゲームは,自宅だけでなく,オフィスの休憩時間にも遊べますし,携帯端末を使って電車の中でも遊べます。将来的には,ブラウザゲームは最も身近な遊びになる可能性を秘めているといえるでしょう

 この考えに基づき,同社はブラウザゲームタイトルをグローバル展開していく。また,ブラウザ戦国に続く日本市場向けタイトルの開発にも,すでに取り掛かっているそうだ。

 最後に,日本進出にかける意気込みをEric氏に語ってもらったので,紹介しよう。

ブラウザ戦国は,Neowiz Gamesの日本進出における最初の一歩です。私達にとって,このプロジェクトを進めること自体に大きな意味があります。オンラインゲームの特性を生かし,開発会社から一方的にコンテンツを提供するのではなく,日本の皆さんと共にゲームを作り上げたいと考えています。そして,このゲームを遊んだ皆さんが満足感を覚えてくれたなら,それだけで十分です


画像集#010のサムネイル/日本を起点にグローバル展開を目指す。ブラウザ型シミュレーション「ブラウザ戦国」をサービス予定の韓国Neowiz Gamesに話を聞いてみた
 今回Eric氏が話してくれたように,韓国Neowiz Gamesが日本に進出するにあたり,ブラウザゲームというプラットフォームを選択し,そして第1弾タイトルのテーマに日本の戦国時代を選んだことは,非常に興味深いところである。
 まずは今後投入されるブラウザ戦国がどのように展開されていくか,注目していきたいところだ。

 なお,先ほどお伝えしたように,ブラウザ戦国の公式サイトがオープンし,クローズドβテストの参加者募集がスタートしている。本作にいち早く触れ,その目指すところを確かめるべく,奮って応募してほしい。

「ブラウザ戦国」のクローズドβテストに応募する


「ブラウザ戦国」公式サイト

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    ブラウザ戦国

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